
2022/04/04 - 2022/04/08
68位(同エリア1589件中)
Takashiさん
- TakashiさんTOP
- 旅行記145冊
- クチコミ64件
- Q&A回答14件
- 503,215アクセス
- フォロワー108人
ルリカケスは美しい鳥で、奄美大島とその周辺にだけ棲む、日本の固有種である。いつか見てみたいと思っていたが、奄美大島などが新しく世界自然遺産になったので、これをきっかけに旅に出た。
奄美大島から西表島に及ぶ新世界遺産地域のシンボルは、アマミノクロウサギである。類縁の現存種はいず、太古のウサギの性質を受け継ぐ、生きた化石といわれている。奄美大島と徳之島だけに棲む絶滅危惧種だ。アマミノクロウサギにもぜひ遭遇したいと思った。
予想を超えた素晴らしい旅だった。ルリカケスには何度も出会え、写真も撮れた。ナイトツアーでは、何羽ものアマミノクロウサギが現れた。さらにアマミイシカワガエル、アマミヤマシギといった希少な固有種も登場した。天候にも恵まれ、ホノホシ海岸、大島海峡、高知山展望台、金作原原生林、土盛海岸、テッポウユリ咲くあやまる岬など、いくつかのの名所の景色も楽しんだ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 観光バス レンタカー タクシー JALグループ 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
-
奄美大島には珍しい生き物が多い。中でも有名なのは、美しいルリカケスと生きた化石といわれるアマミノクロウサギで、奄美大島と近隣の島にしかいない。
バードウォッチングの時、知り合いがルリカケスの写真を見せてくださったことがある。きれいだな、何時か見てみたいなと、ぼんやり思っていた。昨年(2021年)奄美大島が他の南西諸島と共に、世界自然遺産に登録された。このことに刺激され、奄美大島を再訪しようと決めた。そして、ルリカケスだけでなくアマミノクロウサギも観光もと欲張った計画を立てた。
ルリカケスの観察、撮影に一番いい場所は奄美自然観察の森である。ここで3月25日頃まで工事があるとネットに掲示されていた。確認のため3月になってまたネットを見ると、工事終了は8月末で、それまで閉園となっていた。仰天したが、旅行準備は完了しているので、それ以外のルリカケスポイントを検索した。大島紬村など、いくつか候補があった。しかし、詳しいことが分からないので、ルリカケスに会えれば、ましな写真は撮れなくてもいいと腹をくくって出発の日を待った。
写真は代表的な観光スポットの一つ、金作原原生林である。 -
2022年4月4日。名古屋から新幹線で新横浜へ行き、タクシーで羽田空港へ着いた。名古屋から奄美大島へ直行便はない。鹿児島経由は後半が小型機になり天候の影響を受けやすかもしれないと、羽田経由にした。ところが中部空港ー羽田空港便がコロナのため欠航となり、こういった経路となった。
空港で出発便の一覧を見ると、天候不良のため鹿児島などへの便は欠航になっていて、奄美大島便が飛ぶのは幸運だと思えた。
コロナ対策のため、2人並びのJ席を早割で購入していた。運賃は往復で、1人当たり43,180円。12時20分発のJALは順調に飛んで、2時45分に奄美空港に着いた。
すぐにトヨタレンタカーでプリウスを借りて奄美市を目指した。経費は46,420円。途中に大島紬村があるので下調べに立ち寄った。宿泊先は奄美山羊島ホテル。橋でつながった小さな島にあるホテルだ。奄美市中心部とその周辺(旧名瀬市)にあるホテルの中では評判のいいホテルである。正面から見る姿は美しい。スパリゾート奄美山羊島ホテル <奄美大島> 宿・ホテル
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ホテルの前方には名瀬湾が広がっている。気持ちのいい景色だ。
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部屋は広く、清潔で、ベッドは快適だ。カーテンを開ければ海を眺められる。
写真は後日撮った。チェックインの時には綺麗なベッドカバーがかかっていた。
宿泊代は2名、4泊、2食付きで149,600円だから素晴らしい。
私たちは利用しなかったけれど、眺望のいい大浴場も評価が高い。 -
ダイニングルームは広く、席の間隔も十分で、コロナ対策上も快適だ。テーブルクロスが綺麗に広がっている。
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夕食は6時から。予約して早速入場し、窓側の席に座った。外のオープン空間の席は昼食などに使うのだろう。
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食事は洋食、和食(天ぷら定食、うなぎ定食など)いくつかのコースから選択できる。
今夜は洋食とした。オードブルが来たところで、無事到着を祝って乾杯。 -
魚料理。地のものを使っていて、美味しかった。
さらにスープとサラダが出た。 -
お肉料理。これも美味しい。
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デザート。すっかり満足した。
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朝食は7時から。ビュッフェで品数が多い。使い捨て手袋を使用するという、コロナ対策が施されていた。
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さつま揚げなど、地元の食材も選択できた。
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ご飯は郷土料理である、鶏飯を自分で作ることもできる。
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マンゴージュースなどが置いてあるのも嬉しい。
しっかり腹ごしらえして、いよいよ出発だ。 -
目的地は、ルリカケスに期待して大島紬村。ホテルから車で25分ほどの所である。
施設が開くのは9時からだが、少し早く着いた。周囲を探っていると、それらしい鳥が飛んだ。それっと写したがヒヨドリだった。ルリカケスはそう簡単には登場しそうにない。
開門と共に入場料500円をお払いして中へ入った。ここは大島紬の製造工程を実演している観光施設だ。私たちは鹿児島市に長く住み、よく似た施設を訪問しているので、今回は、もっぱらルリカケスに注目している。
写真は入り口付近の風景で、手前で花が咲いているのはシャリンバイだ。木から布を染める染料を採る。大島紬村 名所・史跡
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泥染めに使う田んぼである。
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うっそうと植物が茂っているところもある。
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少し上に行くと山を背景にした庭園になっている。山の木々が美しい。中腹を走っている道は、通ってきた国道58号線だろうか。
突然、山の近くをルリカケスが飛んだ。青っぽい体で真ん中はオレンジ色だ。見間違えるはずはない。写真は撮れなかったが、この光景を見ただけで、来た甲斐があったと思うほどの美しさだった。 -
職員の方が、あそこにルリカケスがいますと教えてくださった。遠くの枯れ木に止まっている。勇んで写真を撮ったが、光の具合が悪いのか、腕が悪いのか、結果は悲惨だった。それでも、ルリカケスを見た証拠になると喜ぶことにした。
ルリカケスは体長38cmで、ハトや通常のカケスよりも大きい。日本の固有種で、国内でも奄美大島、そして隣接する加計呂麻島と請島にしか棲んでいない貴重な鳥だ。観察に適した時期は、繁殖期で活動が活発になる春とされる。奄美大島を訪れるバードウォッチングツアーは、通常、4月上旬か中旬に催行されている。
ルリカケスは、じきにいなくなり、10時ごろまで待ったが姿を見せなかった。とにかく成果があったので、ホテルに帰ることにした。ここにルリカケスがいることは確かなので、あちこち、ほっつき歩くことは止めて、明日からも朝は大島紬村を訪問しよう。 -
ホテルに帰って、すぐに大島タクシーに電話した。1時出発でお願いしていた観光タクシーの出発を12時に早めてもらったのだ。そして、昼食代わりに持参したどら焼きを食べた。
私たちは46年前に奄美大島に旅している。小さな子供たちを引き連れてだ。神戸に住んでいたから船に乗ってだった。あやまる岬近くの国民宿舎に泊まり、ひたすら海を楽しんだ。おかげで子供たちは南の島が好きになってしまった。
その時、訪ねなかった奄美大島南部を、今回は訪問したかった。レンタカーで行けるのだが、道に迷うと夜のアマミノクロウサギツアーに間に合わない危険性があると、観光タクシーを選んだのである。2日前に電話して、6時間までのコースを27,000円程度の予算でお願いしていた。
タクシーは58号線を順調に飛ばして黒潮の森マングローブパークにさしかかった。マングローブの中をカヌーで行くツアーで有名な所である。道から景色を見て先へ進んだ。黒潮の森マングローブパーク 公園・植物園
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国道は緑の山々を縫って進む。再び太平洋側へ出る前に大きなトンネルがあった。トンネルの手前は世界遺産地域と思われる。運転手さんは、どこからどこまでが世界遺産か分からなくてと、こぼしていたが。
最初の目的地はホノホシ海岸。奄美大島の南端近くで、太平洋に面している。切り立った崖に囲まれた浜には、波にもまれて丸くなった石が敷き詰められていた。壮大な景色で、来てよかったと思った。ホノホシ海岸 自然・景勝地
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車に帰り、大島海峡沿いにドライブしていった。晴天なので海の色が見事だ。時々車を止め、景色を見たり浜に降りたりして楽しんだ。運転手さんがポイントを知っているのがありがたい。マネン崎、ヤドリ浜などの地名を覚えている。
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イチオシ
そして高知山への道を行った。車を止め、5分ほど登ると展望台があった。展望台からは大島海峡とその先の加計呂麻島を見下ろせる。憧れていた景色だ。
海の景色と共に、見下ろす森もいい。画面中央下はヒカゲヘゴだろう。
ここは夕陽の名所だが、日没まで留まるわけにはいかない。高知山展望台 名所・史跡
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順調に引き返していったが、運転手さんは、もう1か所寄りましょうと言ってくださった。モダマ自生地である。モダマは世界各地のマングローブ林に生える、世界最大の豆らしい。
巨大なツルが張り巡らされている。モダマ自生地 自然・景勝地
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そして巨大な豆が。
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運転手さんは持参されたモダマの種子を見せてくださった。巨大である。
楽しい観光を終えて、ホテルに帰った。4時少し過ぎという、想定した時間だった。急いで夜のツアーのための準備をして少し休憩。そして6時からの夕食だ。天ぷら定食を予約していた。ただ天ぷらが出てくるのではなくお造りをはじめ、様々な品があり、豪華だった。 -
いよいよ、アマミノクロウサギを見るナイトツアーだ。
アマミノクロウサギは新世界遺産のシンボルである。ユネスコのサイトを見ると、この地域は奄美大島から始まって、北から西表島まで順に紹介されている。そして生物多様性のホットスポットの一つと称えられている。特異な生物の代表例としては、太古からの系統(ancient lineage)で、生きている類縁種がいないという説明をつけて、アマミノクロウサギとケナガネズミがあげられている。
ケナガネズミは日本最大のネズミで奄美と沖縄にいるが、あまり注目されていない。いっぽう有名なイリオモテヤマネコは、DNA解析の結果、ベンガルヤマネコの亜種とされている。
アマミノクロウサギもケナガネズミも絶滅危惧種である。アマミノクロウサギの大多数は奄美大島に棲んでいて、わずかの数が徳之島にいる。
生きた化石といわれるだけあって、アマミノクロウサギは他のウサギと違っている。最大の特徴は耳が短いことだ。
アマミノクロウサギは夜行性である。主な食物は草、冬はドングリという。アマミノクロウサギを探して夜の森へ分け入ることはできない。ハブが活動している。幸いなことに、食事などのためにアマミノクロウサギはしばしば道のわきに現れる。ナイトツアーで遭遇することができるのだ。
ナイトツアーで、アマミノクロウサギは一年中見ることができるそうだが、ベストな時期は4月から10月とされている。私たちの訪問はどうやらベストな時期に引っかかっている。
この写真と次の写真は翌日撮った。 -
ナイトツアーによく使われるルートは黒潮の森マングローブパーク付近とモダマ自生地付近を結ぶ市道三太郎線である。だんだんナイトツアーの人気が高まり、このままでは野生動物への悪影響が懸念されると規制が始まった。東西それぞれの出発点から、30分に1台のあらかじめ許可された車だけが入れるようになった。そして写真の看板のような注意事項を守るよう要請された。
素晴らしいことだが、この規制が始まったばかりのためもあるのか、大半のナイトツアーは黒潮の森マングローブパークなどに集合の現地発着であった。
帰りの夜道の運転は大変だと検索し、奄美サンムーンアドベンチャーズに行き当たって、メール予約していた。
約束の7時15分少し前に、ガイドの井村さんがホテルのロビーに迎えに来てくださった。何と客は私たち2人だけ。幸運である! 定員は6名までだ。車は広いサンルーフを開けることができ、撮影に適していた。車の様子はホームページに記されている。室内の装備も良く、親切なガイドさんの下、楽しい旅が始まった。費用は1人8,000円。
許可されたナイトツアーの出発は8時から。早めに現地について、最終調整だ。動物を照らすライトを遠くの物体に当ててカメラのチェックもした。車1台にライトは1つと決められている。
私は所有しているカメラの中では高感度耐性が高いD810を使用した。当然、フラッシュは使わないから、かなり暗い所での撮影になると考えてだ。レンズは200mmF2.8, ISO4,000でシャッター速度は1/250-1/320秒程度。この他にD500に他のレンズをつけたのをサブカメラとした。 -
井村さんは運転しながらライト右に左にと操作し、道の両側を探索した。意外に早くアマミノクロウサギが見つかった。
それっと、連写。写真は耳と手足が短いという特徴を表したものになっていた。早くも目的を達成して大感激である。
その日、アマミノクロウサギは5-6羽ほど登場した。 -
アマミノクロウサギは穴を掘るために爪が発達している、爪が見える写真も載せておこう。クリックして拡大して頂くと詳細が分かる。
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イチオシ
井村さんは道ののり面も丹念に探した。そしてアマミイシカワガエルを見つけ出した。周囲のコケと見事に同化している。
類縁のオキナワイシカワガエルと共に、日本で最も美しいカエルとされている。両方とも日本の固有種で、絶滅危惧種である。 -
イチオシ
斜面で食事中のアマミノクロウサギ。草の茎も食べているようだ。
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再びアマミノクロウサギ。
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リュウキュウコノハズクが盛んに鳴いていた。井村さんは見事に木の上のリュウキュウコノハズクを見つけ出した。リュウキュウコノハズクはコノハズクとは別種とされている。初見、初撮りである。
そしてネズミのような生物が走った。ハツカネズミより少し大きいアマミトゲネズミだそうだ。動きが早く写真は撮れなかった。トゲネズミには、さらに2種がある。3種とも南西諸島のみに棲む日本固有種で絶滅危惧種である。またトゲネズミはオスでもY染色体がなく研究対象としても興味を持たれている。 -
アマミイシカワガエルが再び見つかった。枯葉の上にいるとよく目立つ。
井村さんはオリオン座を背景に記念写真まで撮ってくださった。
2時間ほどの素晴らしい時間の後、快適なドライブでホテルまで送っていただいた。予想をはるかに超える経験だった。 -
イチオシ
4月6日。頑張って早起きして7時からの朝食を摂り、8時半過ぎには大島紬村の駐車場に着いた。辺りを探って、駐車場の枯れ木にルリカケスが止まっているのを見つけた。しかし写真の出来は良くない。
開門と共に入場した。すぐに、ルリカケスがやって来た。
ルリカケスは屋根に止まって、ピョンピョンと激しく移動した。追跡は上手くいかなかったが、それでも屋根の上で一瞬、こちらを見ている時はピタリとピントが合った。
光の具合がよく、羽の瑠璃色が綺麗に出て嬉しかった。短いルリカケス撮影経験だが、ルリカケスの色が綺麗に出るためには光が正しい角度で当たる必要があると思う。その幸運な条件に一致したのだろう。
そしてルリカケスは現れなくなった。長居は無用と観光に出かけることにした。大島紬村 名所・史跡
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車を走らせて土盛海岸に達した。浜の近くまでサンゴ礁が発達していた。46年前の奄美の海もこんな風だったと思った。
土盛海岸 自然・景勝地
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海岸ではアダンの木が目立った。実が稔っていたらもっとよかったけれど。
適当に景色を楽しんでホテルに帰って、休憩した。私は昼寝までした。
第2回目のナイトツアーに備えたのである。アマミノクロウサギを見るのは重要な目標だったので、雨天などの不都合が起こることを恐れて、保険に、もう一つのツアーを予約していたのだ。昨夜、期待以上の経験をしたので、これで十分だったが、ドタキャンは良くないと参加することにしたのである。 -
ツアーは奄美ナイトツアーサービスのものだ。アマミノクロウサギツアーとして長い経験を誇る。7時10分に黒潮の森マングローブパークに集合だ。帰りの運転が心配だったが、既に2回往復してもらった道だとレンタカーで行くことにした。
ホテルの夕食は6時からで、食事を摂っていると集合時間に間に合わない。ホテルに相談すると、5時半から夕食を作りましょうと、言ってくださった。美味しいうなぎ定食を味わって出発。ゆとりで目的地の駐車場に着いた。
写真のような車に7人が乗り込んだ。料金は1人8,000円。雨の心配がないから、フルオープンになっている。夜は冷えると念を押され、昨夜よりも着込んだ。セーター、ジャンパー、ヤッケと持っている衣類すべてをだ。その日は昨夜より暖かかったので、寒さを感じることはなかった。暖かいのは、生き物が登場するためにも具合がいい。黒潮の森マングローブパーク 公園・植物園
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出発して、じきにアマミノクロウサギに出会った。初々しいので若い個体かもしれない。早速、撮影。
昨日撮影した画像をチェックしたところ、ほとんどノイズがないので、ISOは最大5,000にまで上げた。シャッタースピードを1/500-1/640秒程度とし、画像の切れを良くしようとしたのである。
それからもアマミノクロウサギはしばしば登場した。全部で6-7羽を見ただろう。 -
イチオシ
道に出て食事中のアマミノクロウサギ。
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アマミイシカワガエル。水抜き管の中に入っていた。
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嬉しいことにアマミヤマシギが姿を現した。これも奄美諸島、沖縄諸島にのみ棲む、日本固有種である。
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次に見たのはヒメハブ。ハブより小さく、毒も弱いが、やはり恐ろしい姿である。ハブと同様、日本固有種だ。
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再びアマミノクロウサギ。
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そしてアマミヤマシギ。
さらにケナガネズミも現れた。妻はしっかり見たが、私は何かいたことし分からなかった。 -
アマミノクロウサギの育児用の穴だ。ハブに襲われないよう、子ウサギのいる穴を母ウサギはしっかり塞いでしまう。そして授乳に訪れる時には掘って、入り口を開けるのである。
2回目のツアーも、盛り沢山の内容だった。慎重に運転してホテルに帰った。 -
4月7日。また頑張って早起きし、朝食後、大島紬村に向かった。職員の方々と顔なじみになり、色々とルリカケスの情報も教えて頂けた。
「昨日はお2人がお帰りになったら、すぐにまた、ルリカケスが出ましたよ」 職員の方がおっしゃった。ここのルリカケスは賢くて、新参者は警戒するようだ。バードウォッチングツアーの一行が来たら、大きなレンズを持っているせいか、全く姿を見せなかったそうだ。
「これも危ないですかね」 私は500mmF5.6のレンズにD500をつけ、小型雲台と三脚につないだ、軽便システムを指した。「それくらいだったら大丈夫ですよ」
安心して、少し待つと、遠くの木にルリカケスが止まった。そしてすぐ飛び立った。運良く飛び立ちのショットが撮れた。大島紬村 名所・史跡
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ルリカケスは別の木に止まった。
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また遠くの木に。そして鳴いた。
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イチオシ
今度は見返って、ポーズを決めてくれた。
ゆっくりルリカケスを見られて、満足だった。ルリカケスが私たちに慣れてきたのかもしれない。 -
イチオシ
別の場所に行くと、ルリカケスのカップルが餌を食べていた。そして飛び去った。
写真は飛び立つ少し前のものである。さ、行こうか、と言っているようだ。 -
駐車場に戻ると、ルリカケスが枯れ木に止まっていた。その内に、もう1羽来た。カップルだ。写真は上手く撮れなかった。光の具合が良くないのだろう。駐車場の奥に行くべきだった。
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さあ観光だと北上し、大瀬海岸に着いた。干潮で磯が露出し、沢山の鳥が来ていた。
大瀬海岸 自然・景勝地
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イソヒヨドリもいた。
海岸の林ではルリカケスにも出会った。ここは鳥の宝庫だ。
少し散策してからホテルに帰った。 -
午後の計画は金作原原生林散策である。金作原は、世界遺産区域にあるはずだ。
午後2時、アイランドサービスのガイドさんがホテルまで迎えに来てくださった。ツアーの一行は7名。費用は1人4,000円。バンに乗って出発だ。しばらくドライブして、山道に入った。ガードレールにルリカケスが止まっていた。そして原生林の入り口に到着。ここから古い林道の跡を歩いていく。大きなクワズイモがあった。金作原 自然・景勝地
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嬉しいことにギンリョウソウに出会った。代表的な寄生植物だ。これまでにも見ているが、撮りやすい場所に生えているのがいい。
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少し歩くと、ヒカゲヘゴの群落があった。ヒカゲヘゴは大型の木性シダで、ガイドさんによれば、ここでの高さ15mに達する。これだけの高さのシダが群生しているのは圧巻で、奄美の世界遺産紹介に、金作原がしばしば登場するのも良く分かる。
その先で、急な階段を下りて古木を眺めて、引き返した。ゴール地点の手前でオーストンオオアカゲラが至近距離でドラミングしていた。アカヒゲの大きな美しい声も聞こえた。両方とも貴重な鳥である。参加者の一人はオーストンオオアカゲラが餌を食べているのを目撃しているし、もう一人は撮影に成功した。私は鳥用レンズを持ってこず、集中力が切れていて、音だけで満足していた。
いいツアーだったとバンに乗り込み、ホテルまで送ってもらった。夕食は、洋食を選択した。メニューは変わっていて、これも美味しかった。ゆったりとビールを飲んで寛いだ。 -
4月8日。出発の日だ。荷物をレンタカーに積み込んで、また大島紬村を目指した。ルリカケスは出てきてくれたが、動きが激しく、写真にならなかった。
写真はシロチョウの一種。南方系のようだ。大島紬村 名所・史跡
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北へ走って、あやまる岬に着いた。
46年前に訪問したのは、この近くである。あやまる岬 自然・景勝地
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岬にはテッポウユリが咲き始めていた。
テッポウユリは九州南部から台湾にかけて自生している。 -
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南下して空港近くの奄美パークに行った。
そこに田中一村記念美術館がある。田中一村は奄美の美しい風景を描いた孤高の日本画家である。私たちは鹿児島在住中に田中一村の美術展を見て感激している。記憶に残ったいくつかの絵に再会できた。田中一村記念美術館 美術館・博物館
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美術館のカフェでマンゴーシャーペットを頂いて、昼食とした。奄美パークもゆっくり見学して、空港に向かった。レンタカー返却前に給油したが1,500円だった。プリウスの燃費の良さは素晴らしい。
15時30分発のJALで17時35分に羽田へ着いた。トランクは宅配便に配達を依頼して、モノレール、JR、新幹線と乗り継ぎ、名古屋へ帰った。 -
振り返ってみると、実に幸運な旅だった。
このころの天候は、雨も多いはずだが、全行程、晴れか晴れたり曇ったりだったのも有難かった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- jun1さん 2022/04/18 20:20:09
- ルリカケスの飛び立ち、ナイスショット!!
- Takashiさん、こんばんは!
いつも訪問&いいねを有難うございます。
奄美大島の珍しい鳥などの写真、目の保養になりました。
アマミノクロウサギの爪、鋭いですね、貴重な写真が見れました。
アマミイシカワガエルの保護色も面白いです。
なかでもルリカケスの写真が1番!!
天然記念物なんですね。
カケスで思い出したのが、私がアメリカ、ブライスキャニオンを出てトイレ休憩したところでステラ―カケスを見て写真を撮ったこと。
また海外旅行がしたいけど、パスポート来年で切れてしまう( ゚Д゚)
来年は行けるようになるかなぁ、無理かなぁ。
jun1
- Takashiさん からの返信 2022/04/18 21:07:37
- RE: ルリカケスの飛び立ち、ナイスショット!!
- jun1さん
こんばんは
コメントを大変ありがとうございます。jun1さんは活発に山に登り続けていらっしゃいますね。丘しかあるかなくなったので、羨ましく拝読しています。
海外は遠くなりましたね。いくつかプランはあったのですが。その一つがボルネオ再訪でした。奄美大島へいって、少しはボルネオの代わりになりました。
もっとも、海外では少し様子が変わって来たのかもしれませんね。海外の写真投稿サイトFlickrで知り合いになったヨーロッパの人が、パイネでピューマを撮る計画だったけど、ダメになったと嘆いていました。今日見たら、見事なピューマの写真を載せていました。ごく最近撮ったのです。日本もいずれ急に動き出すのでしょうか。私は臆病なので、すっかりあきらめていますが。
Takashi
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