2024/02/02 - 2024/02/04
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Takashiさん
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オオマシコは冬に日本に飛来する鳥である。成熟したオスは真っ赤な部分が多く美しい。イスカも、主に冬に渡来し、上下食い違った嘴が特徴的だ。オスのイスカはやはり、赤い色を帯びている。
バードウォッチングツアーに参加して、オオマシコとイスカの姿を心ゆくまで観察して、撮影できた。ちょうど、少しばかり雪が降ったので、雪と霧氷を背景とした鳥の姿は見事だった。イスカの群れが冬化粧の松に止まっているのは長いこと覚えている光景だろう。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 新幹線 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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冬になると、たくさんの種類の鳥が冬越しに日本へやってくる。その中で、比較的身近で見られ、色鮮やかな小鳥はルリビタキとベニマシコと思う。
写真はルリビタキで、鳥の撮影を始めて、さほど経っていない2015年に名古屋で撮った。 -
これはベニマシコで2014年に海上の森で撮った。
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ベニマシコを撮れて喜んでいる頃、もっと素晴らしい赤い小鳥が、国内に居ることを知った。オオマシコである。赤い部分が多く、ことに頭部の赤さは衝撃的だ。ベニマシコとは貫禄が違う気がする。体長はオオマシコが17cm、ベニマシコが15cmと、さほど違わないけれど。その後、北海道の旭岳で、やはり赤い鳥であるギンザンマシコに出会ったが、色合いも雰囲気も違うと、オオマシコへの想いは変わらなかった。
オオマシコは東アジアと中央アジアの限られた場所に分布し、日本へは、少数が冬に飛来する。名古屋付近では、岐阜の山で見られるらしいが、冬の山登りは気が進まなかった。
年月は流れ、オオマシコは憧れの鳥から、幻の鳥となっていった。そんな時、長野県のある場所に、イスカとともに、やってくると詳しい情報を頂いた。冬に長野県でドライブすることはハードルが高い。しかし、調べると、ツアーもあることが分かり、何時か参加しようと決めた。コロナに加えて、同じ時期にピークとなるタンチョウ撮影を優先して遅れてしまったが、ついにプラン実行となった。
改めて検索すると、オオマシコ、そしてツアーの主目的であるイスカの出は悪くなったようだ。それでも幸運を願って、アルパインツアーサービスの1泊ツアーを申し込んだ。総経費5万円という、コスパのいいツアーである。なお、目的地の名称は、今や広く知られていると思うけれど、旅行社が明示していないので明記を避けた。
12月になると、今冬は冬鳥の当たり年で、長野県のポイントにも、イスカやオオマシコの群れがいるとの情報が入った。ワクワクする状況である。 -
2024年2月2日午後に名古屋を出発して、京王プレッソイン 東京駅八重洲に前泊した。ビジネスホテル風だけれど、清潔で快適であった。ツアー当日の名古屋発で集合時間に間に合うものの、確実性を重視した。
2月3日。ツアー出発の日だ。集合場所は丸の内中央口付近。丸の内の景色は写真の様に清々しかった。
集合時間の9時前に参加者13名が揃い、バスは出発した。一人でバス席2つを使用できるという、恵まれた待遇だ。雪景色の南アルプス、八ヶ岳を見ながらバスは順調に飛ばした。途中で事故渋滞があったが、短時間で切り抜けられた。しかし、バスが通った後、赤旗が振られたので、道路が閉鎖になったろうと運転手さんが言っていた。かなりの幸運に恵まれたようだ。
昼前に目的地付近に到着し、昼食と身支度となった。そして、バスで短時間の移動。
これから、凍結や積雪のため冬季閉鎖となっている舗装道路を、探鳥しながら歩くのである。もっとも、その日は雪のかけらも見えず、安心な道のりだった。 -
少し進んで行くと、イスカの群れが現れた。群れは、暫く木に止まっていて、移動することを繰り返した。
イスカの体長は、これも17cmで、スズメよりやや大きい。オスは写真のように赤っぽい綺麗な色をしている。オオマシコと共に、アトリ科に属する。イスカは大きく、特徴的な嘴が目立っている。 -
メスは黄緑色を帯びた体色だ。
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群れが松の木に止まっているところ。写っているのはメスが多い。
写真には撮れなかったが、群れが山を背景に飛んでいく姿はとても美しかった。 -
イスカを楽しんでから、しばらく進むと、待望のオオマシコのオスに出会った。道に出て採食していたが、この時は光の具合が悪く、写真にならなかった。
その内に道の脇での採食。それっと連写した。ややボサボサした環境だけれど、貫禄十分な姿である。オオマシコを撮ることができて、嬉しかった。
レンズは500mm, F5.6だ。三脚は持ってきたものの、立てている間に鳥が居なくなってはと、さほど使用しなかった。ブレを防ぐため、手持ちの時のシャッタースピードは高速(今回は1/2500)とした。 -
頭上のカラマツにイスカが居るのが見つかった。拡大すると嘴が交差している様子が見える。
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上下が食い違っている特徴的な嘴の形が良く分かる。この形が採食に便利なのだそうだ。
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イスカは嘴を使って、カラマツの種子をほじり出していた。
成果の多かった日だったと満足して、今日の宿に向かった。ホテルは快適で寛げたし、夕食もご馳走だった。 -
2月4日。朝起きてみると、雪が降り、積もっていた。行動が不自由になると、がっかりしたが、逆に、幸運な出来事だった。雪景色の中の鳥を見て、撮影できたし、大雪にはならなかったからだ。
昨日と同様に舗装道路を歩いて行った。念のため靴に滑り止めを付けたけれど、この状態なら、なくても大丈夫なようだった。じきにオオマシコの群れに出会った。オオマシコの中で、真っ赤な部分が多いのは成熟して、ある程度の年月を生き抜いたオスである。そのオスが複数いる群れだった。早速、撮影開始。オスは霧氷を食べているようだった。水分補給のためだろうか。
じきに群れは飛び立ち、少し先のカラマツに止った。 -
赤いお腹が美しい。
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イチオシ
さらに進んで行くと、またオオマシコの群れに出会った。見事に赤いオスがいる。
雪や霧氷を帯びた枝に止り、絶好の被写体だ。それらしい写真が撮れて、嬉しかった。 -
向きを変えた。可愛いポーズだ。そして群れは飛び立った。
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しかし、遠くには行かず、近くの斜面で餌を食べ始めた。餌は好物のハギの実だろう。
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実をしっかり、くわえたポーズ。オオマシコの赤い色は光の様子によっては、紫がかって見える。
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満足して進んで行くと、またオオマシコの群れががいた。なんと素晴らしいことだろう。オオマシコ祭りである。
赤いオスたちは枝被りだったが、若いオスあるいはメスと思われる個体は、枝の隙間から撮影できそうだった。はじめて三脚をしっかり出動させ、場所とタイミングを選んで撮影した。雪の日の雰囲気が出た一枚となった。 -
イチオシ
道を引き返していくと、イスカの群れがいた。やや遠い場所で、私には見つけられなかったが、ガイドの石田さんは懇切丁寧に教えてくださった。
イスカたちは雪と霧氷を帯びた松の木に群れていた。三脚で固定した、カメラの望遠レンズ越しに見ると、イスカの鮮やかな姿が、雪景色から浮かび上がって見えた。風を受けて松の木はゆっくりと揺れた。イスカが雪を食べて水分補給する姿もあった。
壮絶な、美しい光景だ。私は飽きることなく、望遠レンズを覗いていた。滅多に出会えない貴重な時間である。この時が、ツアーのクライマックスで、フィナーレであった。オオマシコに惹かれてツアーに参加したけれど、イスカの人気が高いのが良く分かった。 -
できるだけ広く松を撮影してみた。オスのイスカは6羽が写っている。メスは見にくいけれど、6羽いることが確かだ。かなりの数のイスカが居る群れだったろう。
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最初に示した写真の一部を拡大した。オスとメスが写っている。
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これは、オス3羽の部分である。
この後、さらにオオマシコの群れに出会ったが、真っ赤なオスは居なかった。
さらに湖畔で水鳥を観察して帰路に就いた。バスは順調に走り、予定の6時より前に東京駅に着き、ゆったりと名古屋に帰ることができた。
鳥とお天気の両方に恵まれた、信じられないほど幸運な旅だった。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- Black7さん 2024/02/27 22:18:54
- かわいらしい、赤い鳥♪
- Takashiさん、こんばんは☆
いつも貴重な旅行先、
そして動物や鳥たちの写真を
興味深く拝見させていただいてます。
イスカはなんとなく聞いたことがありましたが
恥ずかしながらオオマシコは初めて知りました。
体の一部が赤い鳥はたまに見ますが
こんなに体全体、きれいな赤い鳥が日本でも見れるのですね?
そしていつもながら、躍動感ある鳥たちの見事な写真の数々。
この前、自分のコスタリカ旅行を振り返っていたのですが、
心残りだったのは、ケツァールが見れなかったこと。
度々、Takashiさんの写真を見ては、とても羨ましく思っておりました。
Takashiさんほど、鳥を上手に撮れないので、
先日、近所の梅を見に行った時、飛び回っていたメジロを
練習を兼ねて撮ってみたのですが、
ちょこちょこ動くのが速いこと。
結果、最終的に、じーとしててくれた鳩にも
練習台になってもらいましたが・・
うまく撮れるTakashiさん流のコツなどありますでしょうか?
なにはともあれ、まずは数もこなして練習しなければ。
今後の旅行記も、楽しみにお待ちしております
Black7
- Takashiさん からの返信 2024/02/28 10:30:32
- RE: かわいらしい、赤い鳥♪
- Black7 さん
おはようございます
コメントを頂き、大変ありがとうございます。
たしかにオオマシコは、中南米で見られる色鮮やかな鳥と同クラスにしてもいいほどと思います。しかも、色やたたずまいに東洋的な味わいがあり、ファンになっております。
メジロは練習台として格好ですね! 私の鳥撮影歴は長くなく、南極クルーズの時は、高貴なワタリアホウドリが何度も出現したのですけれど、飛翔ショットはすべて失敗でした。目がシャープでないのです。同乗していたナショジオのカメラマンが見事な写真を連発するのが不思議でした。
10年ほど前、カワセミを撮りたくて、スズメで練習して、ポイントに行きました。カワセミは飛び回っていて、ギャラリーがそら桜の枝だ、あ、降りた。と教えてくれるのですが、追従できず、何やってんだと嘆かれる始末でした。それから半年後には、何とか撮れるようになったのですけれど、以後、進歩していなくて、まだ中級レベルになっているかどうかです。
そんな私ですので、コツなどはないものの、撮影条件、三脚を立てるかどうかなど、その場に応じた選択は重要でしょうね。メジロは、いろいろ楽しめるので、かって4Tに投稿した写真に、最近追加したほどです。撮影条件も追加しました。Black7さんも、今年、まだメジロを楽しめるかもしれませんね。
今年も良い旅をされ、楽しい旅行記を投稿されますように。
Takashi
-
- sanaboさん 2024/02/25 22:05:55
- 大収穫の撮影旅行でしたね。
- Takashiさん、こんばんは
いつもお立ち寄り下さり、ありがとうございます。
バードウォッチングツアーに参加され、長年望んでらした
オオマシコやイスカの撮影に成功されて楽しいお時間を
過ごされたご様子が目に浮かぶようでした。
さすが専門のツアーだけあり、適切な場所へ案内して下さり
ガイドさんのご助言などもあって期待されてらした以上の
素晴らしい成果を上げることができましたね。
一日目は快晴の空を背景に、そして二日目は雪景色と
それぞれ異なる表情のお写真を撮ることができたのもラッキーでしたね。
特に雪の白さを背景にしたオオマシコの赤い色が一段と鮮やかに映り、
枝の上に積もった雪や霧氷の風景もとても素敵でした。
春本番まで、あともう少しですね。
ご自愛の上、どうぞお元気でお過ごし下さいませ。
sanabo
- Takashiさん からの返信 2024/02/26 14:22:46
- RE: 大収穫の撮影旅行でしたね。
- sanabo さん
こんにちは
素敵なコメントを頂き、大変ありがとうございます。
今度の旅は信じられないような幸運の連続で、予定していなかった旅行記まで書いてしまいました(笑)。オオマシコもイスカも希少な鳥ですから、両方に出会えて、その証拠になる写真が撮れるといいなと願って出発しました。
帰りのバスや列車の中で撮れた写真をチェックしたら、なんとオオマシコが悠然とした姿で写っているではありませんか。コンピューターに移したら粗が出るだろうと恐れましたが、何とか無事でした。手持ちの撮影ですと、私の腕では、チャンスがあれば必ずものにできるわけではありませんので、幸運に感謝しています。
今年の冬は冬鳥の当たり年で、あちこちから嬉しいニュースが伝わって来ます。鳥の数が少なくなったとぼやくことが多い最近でしたけれど、自然は奥が深くこんないい時もあるのだと思っています。
sanaboさんの旅行記とクチコミも楽しませて頂いています。私たちのバルトの旅では見逃したところもいくつかあり、ことに十字架に満ちた丘は残念でした。sanaboさんの詳しい旅行記を拝読し、旅をした気分になっています。ロシアのウクライナ侵略の後だけに、バルトの方々の想いがsanaboさんの旅行記から伝わってきます。バルトの国々はNATOに入っているだけでなく、そろぞれが北ヨーロッパの国々と強いつながりがあり、ロシアも流石に暴挙には踏み切らないと信じていますけれど。
ようやく春の光を感じられるようになってきましたね。どうぞ、良い旅をお続け下さい。
Takashi
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