2015/05/12 - 2015/07/17
6505位(同エリア17002件中)
おくさん
歩く歩く歩く2015 おまけ パリ観光7
出発から66日目 さらばパリ
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
7月16日。とうとう日本に帰る日がやって来た。長いような短いような、終わってみるとやっぱり短かった。部屋の窓からはエッフェル塔の頭だけが見えているのでズームで一枚撮っておく。次はいつ来られるか分からないが、それまでの見納めだ。
-
朝食の時間ではKさんと一緒になったのでお世話になりましたと写真を撮らせてもらう。すっぴんだと子豚ちゃんみたいで可愛い。彼女はこれから日本大使館まで行って新しいパスポートを受け取り、夜の列車でロンドンへ渡るそうだ。凄いね、フランス・イギリス間を結ぶ海底トンネルだよ。3・4日をイギリスで過ごし、その後はドイツを転々とするらしい。まぁ小さな体で大きな闘志と言うところか。小柄で可愛い顔に似合わずとても逞しい女の子だ。そのバイタリティーで日本でもきっと良い就職先を見つけることだろう。
部屋のトイレでモタモタしていたらズボンに引っかけて置いた時計兼万歩計をポチャンと落としてしまった。これはいつもバックパックの腰ベルトに引っ掛けていたので、いつか落として無くすか知れないなぁと思っていたのだが、最後の最後の日にこうなった。無くしたわけではないが水没したので画面は「888888」とエラー表示になって使い物にならなくなった。歩数計はどっちでもいいが時計は重宝していたので残念。これからは面倒でもタブレットの時計を利用するしかなくなってしまった。黒ボールペンも昨日で終わりになったし、二つとも自分の役目が終わるのを待って命尽きたようで何か運命的なものを感じる(おおげさ)。て言うか万歩計は自分の不注意だ。
捨てる積もりで持ってきたカッパ上下はここで暇を出す。もっと早く捨てたかったが、もしパリで土砂降りに遭ったことを考えると捨てるタイミングは今だろう。もし日本に帰ってから雨に降られても、日本ならどうにかなるのが分かっているので。 -
チェックアウト時のフロントで馴染みになったお兄さんに「あいるびーばっく」と言ったら受ける。映画、ターミネーターでお馴染みシュワちゃんの決め台詞だが半分は本気だ(後日談ですが翌年また2泊お世話になりました)。写真は長い間お世話になった食堂兼談話室。向こうが入口で受付もあります。
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毎日何度も往復したホステル前の道も記念に撮っておく。この辺りは住宅街になっているので治安もそこそこ良かった気がする。観光するには中心まで暫く歩かなくてはならなかったけど、まぁ便利に暮らせたかな。
モンパルナス墓地
夕方の全日空便だが、昼にはドゴール空港に向けて出発したいので今日はまともな観光は考えてない。今日は歩いて行ける(パリはどこでも歩いていけるが)モンパルナス墓地に行ってみよう。そんなに複雑な道順でないのでタブレットのGPSを疎かにしたため、通りを一本間違い迷ってしまう。仕方ないからまたザックからタブレットを引っ張り出して確認しながらモンパルナス墓地に到着。初めからこうすりゃ良かった。
パリには大きな墓地が幾つか有り、それぞれに有名人の墓があるのでここにも観光客はやってくる。日本のガイドブックでは墓地の紹介もしてるし。墓地に入るのに入場料はいらないので穴場といえば穴場なのかな。墓場だけど。 -
朝早いので、私の他はまだ誰も入っていなかった。広大な墓地には何百と言う墓石が並んでいた。当たり前だけど日本の墓石とはだいぶ趣が違っていて、土葬のなごりなのか、どの墓も人が寝られるほど大きかった。中には6畳ほどの広さがある一戸建ての墓までぱらぱらとある。こんなの作れるのは相当の金持ちなんだろな。
モーパッサンの墓がこの辺りにあるはずなのだが案内板が立っている訳ではないのでさっぱり見つけられない。フランス人らしいカップルが入ってきたので「モーパッサン?」と聞くと「あっち」と指差してくれるが、そのあっちへ行ってもさっぱりなので諦めて別の有名人の墓を探すことにする。しかし、ここの墓はどれも凄い。文字で書くより写真を見てもらった方が早いので載せておきますが、どれも個性的で芸術的でさえある。中でママゴト位できそうな家みたいのもあるし映画に出てきそうですって言うか、こういう鉄の扉を開けて入る墓を映画で見たことある。狭い墓の部屋には地下へと続く隠し階段があったりしてね、ごていねいにそういう場面はいつも夜だった。 -
名前だけは知っているジーン・セバーグの墓の近くまで来ているのに決定打が放てないで結局見つけられなかった。見つけたのはボードレールだったかな?それともボーボワールだったかな?あ、シモーヌ・ボーボワールだった。他にも何人も有名人の墓がある筈なのだが、いずれにしてもリサーチ不足だった。
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ゲンスブールの墓が見つかった。私は初耳だったが作曲、作詞、歌手、映画監督、俳優と多才だったそうな。フランス・ギャルが歌った「夢見るシャンソン人形」を作った人だそうです。その割に他の墓と比べても地味に作られているので、もしかして故人の意志でこうしたのかな?
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これは一般の人の墓と思うが、とても洒落ているので紹介します。個人の顔を描いた可愛らしいイラストに加え、墓石を貫通した窓にはロウソクが灯せるようになっていました。美術品のようなお墓でした。
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広大な墓地なので、中心の広場にはご覧のような天使のブロンズ像が立っていました。天使に護ってもらいたい気持ちの表れなんかな。他にもサン・サーンスやサルトルなど、超有名人の墓がいっぱいあるらしいけど、リサーチ不足で探すことが出来ませんでした。
お墓のあとは地元の人が利用するというモンパルナス・タワー近くのショッピングモールに行ってみる。うーん、買いたい物がある訳じゃないし何だか良く分かりませんね。目的もなく店内をうろついても面白くありません。 -
ここに朝からやっているケーキ屋さんがあったので、ユーロもいっぱい余っていることだし最後にプチ贅沢してみるかとイチゴがいっぱい載ったタルトとペプシを飲んでパリの最後を飾ることにする。でも、こんなんで飾ったことになるのかな?本当はシャンゼリゼでこれをやりたかった。
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もうやることが何もないので、2ヶ月前に出発したモンパルナス駅構内に行ってみる。これから出発する巡礼さんが居たら話し掛けたいと思っていたが、今日は誰もいなかった。やっぱりここにはそんなに居るもんじゃないようだ。2ヶ月前だってカナダ人のおばちゃん二人組がいただけだったしな。
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駅から外に出て、バス乗り場に向かう。エールフランスのバスが3台も止まっているので出発順ならこれだろうと一番先頭のバスに乗る。もちろん「シャルル・ドゴール・エアポート?」と、間違いないと思っても必ず確認するのを忘れない。フランスではこの空港のことをロワシーとか言うらしいけど、勿論、シャルルドゴールでも通じる。いつもと同じ17.5ユーロだった。いつもと言っても3回乗っただけなのに通ぶって済みません。
-
シャルル・ドゴール空港
バスは1時間ほど走って空港には12時半に着く。夕方5時半のフライトなので相当早いがギリギリよりずっといい。バス内の電光掲示板にはターミナル2~ターミナル1と表示されていたが、ターミナル1に最初に到着した。ターミナル1の建物を覚えていて、バス停も覚えていたから先に着いても慌てないで済んだが知らなくちゃ乗り越してしまうかも知れない表示だぞ。でも念のために「ターミナル1?」と石橋を叩いてから降りる。
成田空港はバスで降りたところがそのまま出国階と分かりやすいが、この空港はそうでないようだ。Departureの文字を探して案内に従い進んで行くとエレベーターで上に上がるようだ。バスが着いた所を出国階にしてくれよ。
2ヶ月前には到着と勘違いしてDepartureとカナダ女子に言ってしまったことがあったが、もうDepartureは出発だと間違えないようになった。これでもちょっとだけ進歩したね。(すんません、まだこんなレベルです)
全日空のカウンターがあるといいなと思って来たが、さすがにそれはないようだ。ANAのアの字も見つからない。きっと、チェックインの時刻が来るとこの辺のどっかにANAの文字が出てくるのだろう。何度か海外ツアーに行ったお陰で、そういうのも分かるようになってきたので、空港についても若干の進歩がみられる(若干だけ)。
時間はたっぷりあることだし、ベンチに座ってホステルから持ってきたフランスパン2個と、昨日スーパーで買っておいたでっかいオレンジジュースでお昼にする。9日前にスペインからパリにやって来たときの最初の夕飯がホステルにあった朝食の残りのパンで、パリを離れる最後の食事もホステルから持ってきたパンとは、この旅の貧乏差加減を象徴しているなと笑える。 -
このターミナル1は中央が透明な空洞になっていて、エスカレーターがその中にあると言う、ドーナッツ型の回遊形式になっている。その大きなターミナルをふた周りもブラブラ歩いて暇つぶしをするが特別面白いものもなかったな。
-
印刷してきたANAの案内ではカウンターは3番とあったが、今日は2番で受付を始めたので早速チェックインをする。他のカウンターは混雑していたが、ANAは客が少ないのか行列もできてなくて具合がいい。行きも帰りも土日を外した効果がこんなところに出ているのかな?ここでもEチケットなんか見せる必要はなくて、パスポートのみでチェックイン完了。バックパックには危険物扱いのスティックやナイフが入っているのでバラケないようガッチリ固定して預けさせて貰う。貴重品は全てベストのポケットに入れてるので、もしバックパックが行方不明になってもいきなり困ることはない。来た時だとロストバゲージはいきなり崖っぷちだが帰りなので荷物が消えても大した問題ではないので、こういう所も帰り便は気楽だ。
靴もバックパックに入れて預けたのでビーサン履きに手ぶらでジャージスタイル。もう誰が見ても立派な貧乏バックパッカーだろう。或いは空港に生息するホームレス? -
搭乗ゲートへむかうための長~いエスカレーターに乗る。そう言えば日本から着いたターミナル1にはこんなんがあったなぁと思い出す。スペインからパリに来た時のターミナルなんて、こんな洒落たのはひとつもなくて、まるで田舎の飛行場みたいだったよ。何だったんだあの飛行機は。
-
乗り込んだ機内は予約どおり前に誰もいない最前列席なので12時間を足を伸ばして快適に過ごせそうだ。CAさんは日本人で日本語が通じるのも素晴らしい。隣は若い女性だったので「良い席が取れて良かったですね」と話し掛けたところ「はぁ~?」なんて顔をしたのでもう放っとくことにする。やっぱり普通のお嬢ちゃんはホステルで一緒だったKさんのように苦労人じゃないのが良く分かる。歳は同じくらいでも、ドミトリーを泊まり歩くような旅行者はそこいらのチャラチャラした若者とは一味も二味も違うようだ。Kさん、ありがたかったなぁ~と改めて感謝する。
飛行機が滑走路を動き出しても3列ある内の窓側の席には誰も来なかった。じゃぁ私はひとつずれて間の席をひとつ空けられるかなと期待がでてくる。しかし、窓側の席なのに窓はなく(脱出用入り口があるので)ちょっと出っ張りもあるので座るのに支障になるくらい出っ張っているのか触って確かめたり、チロチロと何度も見ていたところ、安定飛行に移ったら目の前に座っていたCAさんが移ってもいいですよと目配せしてくれる。私の思惑に気が付いていたようだ。CAさんは離陸時にずっとこちら側を向いて座っているんだから、あんだけ興味を示してれば、そりゃ気が付くだろうと思った。CAさんありがとう、ありがたく移らせてもらい更に快適度が増す。そう言えば来る時も最前列に加え、間が空席になったんだよなぁ。ただでさえスペシャルな最前列席なのにこんな贅沢していいんだろうかと思うほどだ。
出発から67日目 帰国 -
映画を3つ見てウトウトしてたら意外と日本には早く着いた。入国審査して今回も遅く出てきた荷物をゲットして靴に履き替えたところで、お世話になったサンダルには暇を出す。先端を何度も切り取って靴底修理に回したので、見た目はまぁこんな感じです。靴下はスペインのカルサダで買いました。日本でなら絶対に買わない色使いですが、今では気に入ってます。
前橋に帰るための高速バス、アザレア号は出発まで1時間以上も待つので今回は初めて電車を使って帰ることにする。もう2ヶ月以上も言葉がままならない外国で暮らしてきたので、日本語が通じて読めるだけで電車もバスも飛行機でさえ何も怖いことはない。それに電車で帰った方が安いし、前橋まで帰る方法を複数経験しといた方が今後のために良かろう。成田→上野が1,030円で上野→前橋が1,940円で合計2,970円。アザレア号は直通で帰れるがバス代が4,500円するので電車利用の方がずっと安いし早い。 -
日本に帰ってきたことでよっぽど安心したのだろう、上野までの京成電車内で熟睡してしまい、上野に着いた所で他の乗客に起こされてしまう。上野が終点で良かった。日本に帰る日が近づいたころから、2か月ぶりの和食には何を食べようか思いを巡らせていたが、結局大好きなカレーに決めた。上野駅では念願の大盛りカレーを食べられて満足。あとはもう上野から前橋までの電車を見つければいいだけだ。67日間に渡った私の旅がこれで終わる。
-
最後まで読んでくれてありがとうございます。歩いている時は夢中でしたが、帰ってきてからの方が巡礼の道で出会った感激アレコレが鮮明になってきて来年また行きたくなってきました。行くとしたら来年はCamino del Norteと言う北の道824kmを目指します。さてさてどうなることやら。
歩く歩く歩く2015 これにて終わります
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この旅行記へのコメント (4)
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- kemigawaさん 2022/01/23 16:25:42
- フランス人の道2015読了!
- おくさん
こんにちは。
今日67日間に渡る旅行記を読み終わりました。
スペイン巡礼の旅は見知らぬ土地を迷いながらも歩き通したど根性に敬服しております。m(__)m
同じ目的を持った人々との交流は楽しそうで羨ましかったです。
おまけのフランス旅行記はちょうど10年前に私もフランスに行ったことがあるので、懐かしい気持ちで拝見しました。
これからも次の旅行記を楽しみに読まさせていただきます。
kemigawa
- おくさん からの返信 2022/01/23 17:09:30
- Re: フランス人の道2015読了!
- Kemigawaさん、巡礼記を読んで更にコメントありがとうございます。
2015年が初めての海外一人旅と初めてのサンチャゴ巡礼だったので暗中模索で冷や汗が出そうな場面もありましたが大きな感動を経験できました。
以来、病み付きになって5年通いましたがコロナで駄目になりました。
生き甲斐になっていたので非常に残念です。
早くまともな世界に戻って貰いたいですね。
引き続き読んで頂ければ嬉しいです。
-
- shinさん 2021/12/03 20:27:30
- とうとう終わっちゃいましたね
- おくさん、こんばんは
長らく巡礼記を楽しませさせて頂きありがとうございました。
これで、これまでの巡礼記は最後ですよね。
早く次の巡礼に行けるようにと言いたい所ですが、新たな懸念材料が出て来て困ったもんです。
でも、我家でも今から数年先の海外旅行の計画を考えていて、色々調べて楽しんでいます。
おくさんもきっと色々計画されている事と思います。早く、自由に海外へ行けるようになって欲しいものですよ。本当に!
次の旅行記の予定はあるのでしょうか?
では、またよろしくお願いします。
shin
- おくさん からの返信 2021/12/03 20:59:13
- Re: とうとう終わっちゃいましたね
- shinさんこんばんは。
いつもありがとうございます。
ほんと、旅好きに今の状況は残念なんてものではないですよね。
私は年が明けるとすぐ72になってしまうので、大好きなカミーノに行けないまま命が終わってしまいそうですよ。
shinさんも旅の計画は立てているんですね。
私も2020年に立てた計画があって、コロナさえなければ行けてました。2021のもすっかり立ててあるので、コロナが終息したら2年はすぐ行けるのですが、、、
海外は無理でも国内は動けそうになってきましたね。
春に友達と東北を考えています。その人、車中泊に興味を持っていて、とうとうそれ用の車を注文したそうです。面白そうなので、これはブログに出来る気がします。
今後のブログですが、2018年に熊野古道を歩いたので、次はそのアップの予定ですが、3泊なので1回で終わってしまいそうです。
後は海外ツアーなら10回ほど行ってますが、こっちは苦労もしてないので読まれても面白くないんじゃないかなと思います。嘘も創作もできませんから。
面白いのなら若い頃に十数年サイクリングしたネタがありますが、これは流石に古すぎて読む方がいないと思います。
自分のブログが一段落したら、shinさん始め皆さんの所を訪問したいと考えていますので、よろしくお願いします。
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