2018/07/20 - 2018/07/20
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モボ101さん
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フランスの首都パリ。エッフェル塔やルーブル美術館は他の方の旅行記をご覧いただくことにして、ちょっとマイナーな展示をご紹介。
パリのの公共交通機関、メトロ、バス、モンマルトルの丘のケーブルカー、トラム(T4を除く)と近郊電車RERの一部(A線とB線)を運行するのがパリ交通公団RATP。その本社の一階、広いロビーの一角に、かつてパリ市内で活躍したメトロの車両とクラシックなバスが保存展示されています。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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パリからフランス南東方面のTGVをはじめとする列車が発着する、国鉄SNCFの主要駅の一つ、リヨン駅(この写真だけ2008年の撮影)。パリ交通公団の本社は、その隣にあります。
東京に例えれば、西新宿に移転する前に交通局の本局があった、有楽町駅前の交通会館のような立地でしょうか。 -
RATP本社のリヨン駅側の入り口には、パリ市内のメトロの駅に降りる階段の入り口で見かけることのある、アールヌーボー調の“METROPOLITAN”の装飾。
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同じビルの反対側、セーヌ川側の入り口の隣には、ガラスの反射で写真にはよく写っていないけど、かつてパリのメトロで活躍した電車が、外からも見えるかたちで保存展示されています。
訪問した2018年7月段階では、平日の朝から夜まで、RATPの本社ビルがオープンしている時間帯なら、1階のロビーには自由に出入りできます。もちろん無料。 -
ダークグリーンの電車の正面、運転室側はビルの外からもよく見えます。運転席側の窓下にヘッドライトが一灯。中央に大きなバッファがあり、その両側にチェーン。密着連結器を採用した最新型以外は、メトロの現役車両の連結器もこの構成。片側の正面窓の上半分が塞がれているのは、ここに行き先を表示していたらしい。
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中に入って左手には“METRO”の標識。ガラスの向こうには、1923年製のメトロの電車M.857号。メトロの開業は、パリ万博が開催された1900年なので、あとから増備された車両のようです。
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車体の側面は、乗降に配慮してか幅広の4扉。扉間の窓は2つとも戸袋で、屋根に開けたベンチレータで換気したのでしょう。IIの標記は2等車で、パリのメトロでは1991年まで1等車も連結していたのだとか。
軸バネが板バネの台車に取り付けた、第三軌条からの集電シュー。パリのメトロといえば車輪がゴムタイヤのイメージがあるけど、それは一部の路線だけ。過半数の路線が、普通の鉄の車輪です。 -
後方の連結面は貫通扉だけ。幌は無く、通行は非常時に限定でしょう。
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短い階段を上がったホールには、歴代のパリの市バスが4台。時代とともに車両の変遷がよくわかります。建物の柱に重なって写真が撮りづらい。
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一番古いバスは、1911年製のシュナイダーPB2型。パリ市内で運行されていた乗り合い馬車を置き換えるために627台導入。馬車の車体をベースに設計したような木造車で、看板に遮られて見えづらいけど、明かり窓付きの二段屋根。同世代の路面電車にも通じる形態です。車輪もハブは木製で、タイヤは空気の入らないソリッドのゴム。
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4気筒のガソリンエンジンの上に乗った、窓ガラスのない馬車の御者席のような運転席。隣に助手席もあります。屋根上の“H”は系統番号で、その下は終点では回転させて変える行き先表示でしょう。
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後部にオープンデッキがあり、この時代の路面電車と同様に乗降はここから。定員は2等22名、1等12名と記載されています。
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車内はボックスシートで、車体の後方にはクッションのない木製シートの2等室。仕切りの前は座席にクッションのある1等席。座席定員28+立席7名で、後部デッキに書かれた1等と2等の合計より1名多いのは、車掌が後部デッキに立つからでしょうか。
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運転士は前輪のカバーに足をかけて乗り込むのでしょう。車内や運転席の床に置いた黒い箱は、展示のための照明です。わずか3年の稼働で、1914年には引退したのだとか。
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PB2型を改良した、シュナイダーH型66号は1916年製。5年間で窓は大きく、屋根はシングルになったものの、基本構造はPB2型と変わりません。
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行き先表示が屋根の幕板に組み込まれたけど、相変わらず運転席に窓ガラスは無し。
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乗降は、後部のオープンデッキから。定員は2等19名、1等16名の表示があります。
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車内はボックスシートで、後方にはクッションのない木製シートの2等室。簡易なパイプによる仕切りの前は、座席にクッションのある1等室。座席定員28+立席10名で、後部デッキに書かれた1等と2等の合計より3名多い理由はよくわかりません。
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1938年まで22年間活躍したのだとか。
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運転室が車内に組み込まれ、空気入りのタイヤなど今のバスのスタイルに近づいたルノーTN4H型3338号は1936年製。
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運転台は客室とは仕切られていて、その左右の側面には乗務員扉があり、正面の窓ガラスは上半分を前に押し出して開く構造。
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座席はクッション付きのボックスシート。窓にロールカーテンも付きました。
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乗降は、従来通りの後部デッキから。
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モノクラスになったようで、車内に1等と2等の仕切りはありません。定員は座席41と立席9。
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運転席は、4気筒のガソリンエンジンの上に乗った高い位置。隣には助手席もあります。400台以上が導入され、最後の1台が引退したのは1971年のことだとか。
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運転席が車内で客席と一体化した丸いモノコック構造のバス、ソムアOP5型799号は第二次世界大戦後の1950年製。
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車体の右側面の前後2ヶ所に、扉の付いた乗降口があり、後ろ乗り前降りだったようです。
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左側面にも、後部に1ヶ所だけドアがあります。
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車内はボックスシート。収容力を確保するためか、一部の座席は横1人がけに。定員は座席が31と立席が34。
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運転席の横に、6気筒ディーゼルエンジンの大きなカバーが飛び出すキャブオーバー式。1972年まで使用されたのだとか。
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ソムアOP5とルノーTN4Hの後ろ姿。半世紀前のパリの街中では、こんな姿を見ることができたのでしょう。
TGVの発着するリヨン駅には、パリ市内からRERやメトロで行くこともできます。もちろん路線バスでも。平日にリヨン駅の近くを訪れる機会があれば、立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。
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