2019/01/06 - 2019/01/06
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モボ101さん
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オーストラリア最大の都市シドニーには、1997年に開通した中央駅と西の郊外のダルウイッチ・ヒルを結ぶシドニーライトレールがあり、スペインCAF社製の低床連節車が運行しています。また2020年には、世界遺産のシドニーオペエラハウス近くのフェリー乗り場、サーキュラーキーから都心のタウンホール、セントラル駅を経て南東のランドウイックLRTが開業し、フランス製アルストーム社の低床連節車が導入されました。
そんなシドニーには19世紀に開業し、1962年まで運行していた路面電車がありました。市の南の郊外にトラム博物館があり、動態保存車を運行しているというので行ってみることに。
その1では、動態保存されているトラムへの乗車を中心に、
その2では、展示館内に保存されている各種トラムをご紹介します。
https://4travel.jp/travelogue/11617360
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
シドニーセントラル駅の地下ホームから、シドニートレインズT4系統の二階建の電車に乗り、40分ほどの郊外にあるロフタス駅で下車。ホームから古いトラムの車両が見えます。
ロフタス駅 駅
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ヨーロッパの鉄道博物館は、鉄道会社が経営する日本とは異なり、ボランティアによる運営が一般的です。シドニートラム博物館も、運転士や車掌のOBの方なのか、スタッフはかなりの高齢の方々が大半で、開館日は日曜と水曜に限定されています。
シドニー トラム ミュージアム 博物館・美術館・ギャラリー
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この日は日曜日。複線の線路を横切るゲートが開いています。向こうにはトラムの姿が。
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紺の制服を着たスタッフから入場券を買い求めます。AU$18(2019年1月のレートで1440円)となかなかいい値段ですが、博物館の展示に加えて運行中のトラムに乗り放題なので納得。2020年4月段階ではAU$20に値上がりしていますが、大幅な円高豪ドル安が進行して1300円程度の計算になります。
スタッフの皆さんは、52年前にトラムが廃止されたときに現役の乗務員だった方々でしょうか。御年70~80歳代のベテランと見受けます。 -
乗務員の詰め所のような小屋に、次のトラムの発車時刻が表示されています。2つあるのは、博物館から北に向かう便と南に向かう便。
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この日運行していた2両のうちの片方は、611号はメルボルンのY1型で1930年製。ワンマン運行用に前と中の2扉で、側窓は上段が内側に折れて開き下段は下降式。
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運転席には直接制御のコントローラとエアブレーキ。右の大きなハンドルはハンドブレーキ。
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運転席の横のロングシートは、乗務員の出入りを妨げないよう一部折りたたみ式。それ以外は転換式のクロスシートが並びます。天井の両サイドに通っているのは次停車の合図のベルの紐でしょう。
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木製の天井に白熱灯が良い感じ。乗客の多くは、トラムの現役時代を知らない若い家族連れ。
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まずは北に向かって発車。トラム博物館のゲートを出て数100m行った踏切で停車。この先の線路は工事中なのか柵で囲われています。
車掌さんが前後のポールを付け替えて、今来た線路を南に向けて折り返します。 -
再びトラム博物館で停車した後、南に向かいます。線路は単線の専用軌道になり、途中には幹線道路を横切る踏切も。警報機が鳴り、多くのクルマを待たせて保存運行のトラムのお通りです。右に左にカーブしながら2.5km。なかなか乗りごたえがあります。
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廃止された鉄道路線を転用したのでしょうか。片面1線の高いホームの駅が終点。トラムの床面とは高さが合わないので、ホームのない側のドアを開けて乗客は車外へ。
車掌さんが前後のポールを付け替え、しばし休憩の後、トラム博物館に戻ります。 -
トラム博物館まで戻ってきました。
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屋根付きの停留所があり、その壁に貼られた広告は半世紀以上前、トラムが現役だった時代のものでしょう。
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この日に運行していた、もう1両のトラムは、1963年製ブリスベンのフェニックス型548号。
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独立した運転室があり、直接制御のコントローラとエアブレーキにハンドブレーキも備えています。
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片側4扉で車内はボックスシート。乗り降りしやすいようにか、車体中央の2扉の間は床が一段低くなっています。
https://youtu.be/IOmNK77UU90
動態保存車の運行の様子を動画でご覧ください。 -
博物館の停留所の近くに、台車を外したトラムの車体が鎮座。中は売店になっているので覗いてみることに。カレンダーを買って、会計時にレジのところで見つけた日本の路面電車の写真。尋ねてみると、“ちょっと待って、案内してあげる”
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スタッフの方が、非公開の建物の通用口の扉を開けると、そこは稼働中の動態保存車の車庫。2系統“築町”行きの、長崎電気軌道1054号、もと仙台市電の121号がいます。集電装置をZパンタからトロリーポールに交換し、方向幕の上にポールを操作する紐の擦れどめのバーを追加した以外は、塗色も含め長崎当時のまま。今の長崎では2番の系統は路線図になく、築町の停留所名も変更されました。トロリーポール集電は仙台での新造時の姿に戻ったようですが、車体中央のZパンタの取り付け台を流用したためか1本ポールで、終点ではポール回しが必要に。
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反対側は浦上車庫行き。ここは今も健在ですね。
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車内は長崎当時のまま。運転席背面には、仙台市電(1054号)経歴紹介として、昭和27年7月新潟鉄工所製造、昭和44年にワンマン化改造、昭和51年の仙台市電廃止により車体のみ譲り受け、西鉄北九州線の台車と組み合わせ… の日本語の説明書きがあり、その一部を翻訳し1991年の廃車後1992年に博物館に寄贈されたと追記の英文が挟み込まれています。
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ハウステンボスなどの車内広告は、30年近く前の長崎での現役当時のままでしょう。他の車両とともに交代で運用についているそうで、長崎で1050型が全廃された今では、世界で唯一の稼働する仙台市電の生き残りです。
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せっかくに機会なので、車庫の中にいる動態保存車を見せてもらいます。249号は1924年製のメルボルンのW2型。
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295号は1935年製のブリスベンのトラム。中央部が開放室になっていて、ここから乗り降りするためか、ドロップセンター型というそうです。枕バネがないのか、鋼板の簡易なマキシマム台車が珍しい。
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1740号は1933年製、シドニーのR型。車体中央の出入り口がR1型の1ヶ所に対してR型は2ヶ所あります。
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ここから先は、車両が狭いところに押し込まれているので、1両全体が1枚の写真に納まりません。
車内に通路がなく、それぞれの座席にドアの付いたコンパートメントがずらりと並ぶ1497号は1922年製、シドニーのP型。 -
開放室とコンパートメントが併用の1111号は1912年製、シドニーのO型。
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近代的なスタイルの111号は1979年製、メルボルンのZ2型。同僚はトロリーポールをシングルアームのパンタグラフに換装して、まだまだメルボルンで現役です。
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バララットのボギー車37号は1916年製。中央に出入り口があるドロップセンター型。
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ブリスベンの180号は1924年製、オープンデッキのドレッドノート型。
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アデレードの358号は1929年製のH型。密着連結器を備えており、総括制御に対応していると思われます。
この他にもトラムウエー博物館では、サンフランシスコのPCCカーや1997年にLRTとしてシドニーにトラムが復活したときの低床車をはじめ、この日に出会えなかった何両かの車両を保有しているようです。
NSW鉄道博物館のサイトで、トラム博物館の動態保存車の車内や車両の周辺、ピット内を歩き回ることができます。
https://highlands-3d.captur3d.io/view/transport-heritage-nsw/sydney-tramway-museum-r-class-tram
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