2019/01/04 - 2019/01/04
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モボ101さん
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オーストラリア最大の都市シドニーのパワーハウスミュージアムって何? Powerhouse は元気が出る家ではなく発電所。英語で発電所は power plant や power station ですが、powerhouse との使い分けは? パワーハウスミュージアムの名前は、20世紀の初頭に市内を走るトラムや可動橋等のインフラに電力を供給するための発電所として建てられたから。1960年ごろまでに使命を終えた発電所は1988年に改装され、Museum of applied arts & sciences になり、その展示は発電所の設備ではなく、乗り物や機械、コンピュータなどの科学技術と芸術です。
その2では、馬車や自動車、蒸気機関などを中心に展示をご覧いただきます。
鉄道車両は、その1へどうぞ。
https://4travel.jp/travelogue/11619285
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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1860から1870年代にオーストラリアでつくられた、アメリカンスタイルのライトボックスデリバリーワゴン。荷物を運搬した19世紀の4輪馬車です。御者が右手でレバーを使って後輪にブレーキをかける構造。
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前面にドア、側面と背面は窓のある客室に旅客を乗せる2輪の馬車で定員2名。ハンサムキャブとよばれた、御者の席が後部の高い位置にあるタイプ。1900年ごろの製造で、タクシーに相当する用途に使用。オーストリアで初めてのハンサムキャブがメルボルンに登場したのは1849年。1870年代には広く普及したのだとか。
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2輪の車軸を板バネで受けているところから、スプリングカートとよばれる、20世紀初めの一般的な軽量商用馬車。1912年のオーストラリア製で、1950年代まで使われていたようです。
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1890年代のシドニーの公共交通機関。市内を行く、2頭立て乗合馬車の姿も。
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巨大な前輪の初期の自転車。実際に乗って漕ぐこともできるけど、床に固定されているので走りません。
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バイクもいろいろ。左のクラシックな機種は、ハンドルの位置が前輪より手前。
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青いレーシングカーは、フランスのブガッティが1928年に製造。1500ccで4気筒の過給機(スーパーチャージャー)付きエンジンを装備し、1960年代にはオーストラリアのヴィンテージスポーツカークラブがビクトリアで開催した歴史的なレースなど、数多くのクラブイベントに参加したのだとか。
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赤いクルマは、1928年英国製のオースチンセブン。1954年にオーストラリアでレーシングカーに改造され、1988年まで、ニューサウスウエールズ州周辺のアマチュアモーターレーシングイベントに参加。
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1991年にオーストラリアのフォードが製造したマーキュリーカプリ。左ハンドルは北米仕様で、25,000台以上が輸出されたのだとか。その後フォードが2016年に、トヨタが2017年に撤退して、今ではオーストラリアの自動車生産は消滅しています。
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2001年の日本製、ホンダのインサイト。オーストラリアで販売された最初のハイブリッド車。
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1987年にダーウィンからアデレードまで、3,000kmの大陸横断ソーラーカーレースに参加した、シドニーのエンジニアがつくった初期のソーラーカー。グラスファイバーとケブラーでできた軽量車体に太陽電池を搭載し、平均時速25.6km/hで完走。参加した24台の中で7位。プライベートエントリークラスでは1位。当時は、完走できたのが半数以下の11台だったとか。
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船の模型があります。1970年に就航した、前後にブリッジを持つ対称な船型を有する両頭型のレディーウッドワード。前後どちらにも航行できます。シドニーでは今も両頭船が運行しています。
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模型の隣に操船機器。これは実物でしょう。
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博物館の天井を見上げると、折り重なるように何機もの飛行機が空中に。上にいるプロペラの付いた翼の下に機体がぶら下がる機種は、1944年カナダのボーイング社のライセンスで製造した、水面への離着陸が可能なカタリーナ型の飛行船、フリゲートバードⅡ。
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各種のロケットやそのエンジンも展示されています。左にあるエンジンは、米国スミソニアン博物館からの貸与品。アポロ計画で月へ向かう宇宙船を打ち上げた、サターンロケットの第1段に使用されF-1ロケットエンジンのうちの1台。
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動態保存されている世界最古のボールトン & ワットの蒸気機関。産業革命の時代に、英国のバーミンガムのエンジニアJames Wattと起業家Matthew Boultonによって作られ、1785年にウィットブレッドのロンドン醸造所に設置。麦芽の粉砕や攪拌、水とビールを汲み上げるための機器に動力を供給して、102年間稼働。引退後は博物館に寄贈され、1888年に船でロンドンからシドニーに到着したもの。定期的に動かしているそうですが、残念ながら見学日には停止中。
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蒸気機関で駆動する発電機。3相交流と直流発電機が直列に接続されています。
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蒸気機関からベルトがけでプーリーを回転していた、工場の動力システム。織機と印刷機がつながっています。
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その他、縦型や横型など、各種の小型蒸気機関。
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1904年の英国製、可搬式の蒸気機関。4つの車輪が付いていて、使用する場所まで馬や牛で牽いていくことができます。多くは農場で、一部は工場でも使用されたとか。
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1896年製の馬で牽く、蒸気機関で駆動する消防ポンプ。1922年までの26年間に、シドニーで1000回以上出動したのだとか。
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このメリーゴーラウンドも蒸気機関で駆動。
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往復動の蒸気機関に対して、これは回転式の蒸気タービン駆動の発電機。
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1889年に若いシドニーの時計職人が、フランスのストラスブール大聖堂をイメージしてつくった時計。ニューサウスウェールズ州政府が博物館用に購入して今はここに。中央の水色の部分では、太陽の周りを惑星が回っています。当時は、まだ冥王星が発見されていなかったので、海王星まで。1時間毎に音楽を奏でるとのことですが、聞かなかったような。
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優雅な装飾のある真鍮製のキャッシュレジスターは、1900年の米国製。レジスターは1879年に米国人が発明し、これを使うことで会計の誤魔化しが難しくなったのだとか。
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左は1960年に航空機の状態を記録するために、オーストラリアで設計されたフライトレコーダー、別名ブラックボックス。右は1896年の米国製、初期の蓄音機。
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左は、1918年にドイツで発明された電気機械式暗号機、エニグマ暗号機。1925年にはドイツ軍が採用して3万台以上販売。第二次世界大戦中に、連合国側は暗号の解読に成功したけど、ドイツ軍は気づかずに敗戦まで使い続けたのだとか。
右は、Apple Computer Companyを立ち上げたSteve JobsとSteve Wozniakによって、1970年代半ばに設計、製造、販売されたAPPLE Ⅰ。記憶装置がカセットデッキですね。 -
パワーハウスミュージアムのテーマは、科学技術と芸術。閉館まで、残り僅かな時間で工芸作品を見ていきます。
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日本のものを集めたコーナーがありました。何故か金仏壇。
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Kimono もあります。
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日本の鎧兜も。
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Design Nation のコーナーに並ぶ民生品。オーストラリアのデザインなのでしょう。
17時、閉館の時間になってしまいました。受付の女性が言ってたように、1時間では足りなかった。
2020年4月現在で、パワーハウスミュージアムは新型コロナウイルスのため休館中。でも、ストリートビューを使えば、展示を見て回ることができます。Google Map で sydney powerhouse museum で検索して館内にお入りください。
鉄道車両は、その1へどうぞ。
https://4travel.jp/travelogue/11619285
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