2019/01/05 - 2019/01/05
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モボ101さん
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オーストラリア大陸南東部、ニューサウスウェールズ州。州都シドニーはオーストラリア最大の都市。そのシドニーの南西、直線距離で89kmのところにある Thirlmere(サールミア)の村。ここを通る鉄道の廃線により廃止されたサールミア駅を活用して、南半球最大規模の鉄道博物館、ニューサウスウェールズ(NSW)鉄道博物館があります。
シドニーから公共交通機関を使って訪問するには、かなり不便なところ。電車とローカル線のディーゼルカー、1日に数本のバスを乗り継ぎ2時間半かけて行きました。
南半球最大規模の鉄道博物館だけあって、ニューサウスウェールズ州で活躍した貴重な車両が100両以上保存展示され、一部は動態保存で廃線になった線路を使って運転も行われています。
その1では、展示館内の貴重な車両と、屋外のグレート・トレイン・ホールに集められた蒸気機関車と客車を紹介します。
【この旅行記です】
その2では、屋外のグレート・トレイン・ホールに集められたディーゼル機関車と電気機関車、ディーゼルカー、電車、貨車を紹介します。
https://4travel.jp/travelogue/11694264
その3では、動態保存されている旧型ディーゼルカーの博物館列車で小旅行にご案内します。
https://4travel.jp/travelogue/11695258
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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シドニーの中央駅から、市の周辺や郊外に7つの路線を運行するシドニートレインズのT8系統の電車で1時間と少々のキャンベルタウンへ。この駅にはシドニーとメルボルンを結ぶ長距離列車も停まるけど、昼行と夜行の1日2本では使えません。
この先、昼間は2時間に1本のディーゼルカーに乗り換え、30分余りで着くのがタフムア駅。GoogleMapを見ると、駅からNSW鉄道博物館まで4.5km。訪問したのは正月休みで現地は真夏。暑い中、日陰のない道を1時間歩くのはかなり厳しい。 -
GoogleMapで経路検索をすると、駅から鉄道博物館まで徒歩で54分のほか、訪問した土曜日は駅から徒歩6分の、幹線道路沿いの停留所からバスがあることが判明。博物館の有効時間帯にあるのは、11時と14時4分の2本だけ。平日は時刻が異なり、タフムア駅の他に1駅手前のピクトン駅からも有効時間帯にバスがあるけど、いずれも本数は極めて少なく、日曜はバスもお休みで運行はありません。
バス停に行ってみるとポールが立っているだけで、時刻表が無い。でも、買い物帰りらしき袋を持ったご婦人が一人、ベンチでバスを待っているので一安心。
GoogleMapでは912系統としているけど、定刻より少し遅れてきたバスは900の表示。運転士に鉄道博物館に行くか聞くと、乗れとのこと。車内でGoogleMapにGPSを重ねて見ていると、バスは幹線道路からはずれて住宅団地の中を一回り。またもとの道に戻ってしばらく行き、鉄道博物館近くの交差点にあるバス停で下車したのは私だけ。 -
NSW(ニューサウスウェールズ)鉄道博物館は1962年の設立。シドニーの西方郊外のエンフィールドから現在地に移転したのは1976年で、メインの展示館はこの時に整備したのでしょう。なんでこんな不便な所にと思うのは、公共交通機関に頼らざるを得ない外国人だけ。皆さんクルマで来ているようです。
2019年の年始には週末のみ、SUMMER RAILMOTORRIDESを実施していたので、それに合わせて土曜日に訪問。廃線を走る旧型のディーゼルカーへの乗車とセットになった入場券を購入。博物館には、NSWの鉄道の歴史に関連する100両以上の機関車や客車等の車両や関連する機器類を展示しています。 -
英国のニューサウスウェールズ植民地に、標準軌の鉄道が開通したのは1855年。メインの展示館では、19世紀の車両や鉄道関連の設備等を展示。
M36型蒸気機関車の牽くマッチ箱客車の模型と年表。 -
軸配置Cのテンダ型蒸気機関車E18号は、1865年の英国ロバートスチーブンソン会社の製造。この博物館で一番古い車両。
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路線の延長に合わせて、急勾配線区の貨物列車牽引用に23両導入されたE17型のうちの1両。広いキャブ。
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E18号機が連結している木造客車は、HKL360型郵便車。オール板バネのボギー台車に、バッファとねじ式の連結器。
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NSW州で鉄道による郵便輸送が始まったのが1866年。車体の側面には郵便物の投函口。
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この車両は1891年の製造。車内は郵政省が所有して国鉄が運行していた日本の郵便車とよく似ています。
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走行中の車内での郵便物の仕分けは、1985年まで行われたのだとか。
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軸配置2Bのテンダ機関車Z17型1709号機は1887年、英国バルカンファウンドリーが製造した12両のうちの1両。1676mmの当時としては大直径の動輪を持ち、動態保存機らしい。
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1709号機が連結している客車はGG(The Governor-General's carriage)、オーストラリア総督用の車両としてNSWレイルが1900年に製造した、木造3軸ボギー車。残念ながら足回りは見えません。
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内部は3部屋に分かれ、窓から覗くと豪華な内装。ここはリビングルームらしい。
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ダイニングルーム。
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ベッドルーム。
NSW鉄道博物館のfacebookに、この車両のバーチャルツアーの動画があります。
https://www.facebook.com/TransportHeritageNSW/videos/take-a-virtual-tour-of-the-governor-generals-carriage-built-by-the-nsw-railways-/1169839446804293/ -
この客車は1901年から1970年まで、多くのロイヤルツアーに使用されました。1954年には、英国のエリザベス2世女王とエディンバラ公を乗せたロイヤルトレインとして、NSW州内を運行したのだとか。
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煙突にナンバーを付けた軸配置B2のテンダ機、M36型蒸気機関車78号機は、1870年と1871年に36~39号、1876年と1877年に77号と78号がシドニーで製造された、オーストラリアの国産機。
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78号機が連結している窓の少ない木造ボギー客車は、PrisonVan(刑務所車)。州内の刑務所間で受刑者を輸送するための車両で、1867年から1950年代まで運用されていたらしい。
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車内の前後には、鉄格子のはまった監房。高い位置に明り取りの小窓があるだけで、外は見えません。
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車体中央の窓のある部分、ドア付近のクッション付き座席は看守の席でしょう。
シドニーのトラム博物館には、刑務所トラムも保存展示されているので、鉄道による護送が一般的だったのでしょう。 -
軸配置Bで、クレーンを装備したタンク式蒸気機関車1034号は1886年、英国スコットランドのグラスゴーでダブスが製造。吊り上げ能力は4トン。
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後方から見たクレーン機関車。英国製だけあって、アニメのきかんしゃトーマスの仲間にも、1034号機によく似た車両がいますね。
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車両以外にも、駅の出札窓口のモックアップや、
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鉄道で働く女性の服装なども展示。
NSW鉄道博物館の公式ホームページの中で、メインの展示館内を歩き回り、バーチャル見学ができます。
https://www.nswrailmuseum.com.au/the-museum -
メインの展示館から外に出ると、多数の保存車両が並ぶ展示スペース。グレート・トレイン・ホール。サールミア駅構内の留置線に屋根を設置し、線路の周辺を舗装して整備したものと思われます。まずは、蒸気機関車からご案内しましょう。
軸配置1Bのタンク式蒸気機関車、X10型1033号機は1885年、英国マンチェスターのベイヤー・ピーコック製。旅客列車用だったが、高速走行時に振動して揺れる特性から事故につながり、安定させるため前部緩衝ビームを重い鋳鉄製に交換。1901年以降は入れ換え用として使用したとか。 -
全長33m、重量260トンの巨大な蒸気機関車AD60型6040号機は、1956年英国のベイヤー・ピーコック製。長いので前から後ろへ、写真を4枚に分けて示します。
前方から、水槽の下にシリンダと動輪。 -
軸配置2D2+2D2で、前部の水槽下の動輪と中央のボイラ、後部のテンダ下の動輪の3車体が連節構造でつながったガーラット型。動輪径1397mm。大出力で急曲線にも対応できるガーラット型蒸気機関車は、1900年代の初めにNSWレイルの技師による発明で、その後各地の英国植民地に導入。
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キャブとテンダの接合部には、自動給炭装置を駆動する蒸気エンジンを装備。
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テンダの下にもシリンダと動輪。
自動連結器とバッファを併用。本機は、1957年からシドニーの北西300kmのモロンとオレンジの間で鉱石列車を牽引し、1967年のディーゼル化による引退前には石炭や穀物輸送にも従事していたのだとか。 -
もう一両、グレート・トレイン・ホールの先にある巨大なターンテーブルの上にも、ガーラット機6029号。こちらは1954年のベイヤー・ピーコック製、1972年まで活躍し、現在はAD60型で唯一の動態保存機。このときは整備中らしく、水槽と煙室前部が取り外されています。扇形庫はシャッターが閉まっていて、中をうかがうことができません。
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グレート・トレイン・ホールに戻ります。
軸配置1D1の貨物機、D59型5910号機は、1952年に米国のボールドウイン・リマ・ハミルトンで製造。当時は石炭産業のストライキが頻発していたので、重油炊き仕様とした蒸気機関車。1960年代に石炭炊きに改造。自動連結器とバッファを装備。幹線の貨物列車を牽引し、性能が良く5910号機は1972年、同型機は蒸気機関車末期の1975年まで活躍し、全20両のうち今も5両が保存されているのだとか。 -
軸配置1DのD55型5595号機は1924年、NSW州グランビルのクライドエンジニアリング社製の国産機。D50、D53型とともに、NSWの標準的な貨物機。D55型120両のうち70両は、戦後の石炭事情の悪化により重油炊きに改装され、後に14両が供給改善後に石炭炊きに戻されたがそれ以外は廃車。5597号機は、D55型の中で最後まで残り1967年まで活躍しました。
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軸配置2CのC30T型3001号機は1903年、英国のベイヤー・ピーコック製。製造時は軸配置2C2のC30型タンク式蒸気機関車で、国産の50両を含む145両の同型機とともに、シドニー近郊の旅客列車を牽引。1926年の幹線の電化で、3001号機は他の77両とともにC30T型テンダ式蒸気機関車に改造され、支線に移って1967年まで運行。
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軸配置2C2のタンク式蒸気機関車3137号機は、オーストラリア国内NSW州営鉄道のエヴェリー工場で製造。上の3001号と同一形式145両のC30型ながら、テンダ式に改造されることなく、タンク式のままで残ったグループ。1970年代から80年代に、動態保存機として博物館の列車を牽引したものの、ボイラーの老朽化により1990年代から静態保存に。
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軸配置2CのZ25型2510号機は1881年、英国のベイヤー・ピーコック製。70両が幹線の貨物用として運行。これ以前の軸配置Cの機関車に対して、ブルーマウンテンズの勾配路線の曲線部をスムーズに走行できるように2軸の先輪を設置。
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軸配置1C2のZ20型タンク式蒸気機関車2029号。Z20型は英国製の他型式から改造された機種も含め33両あったが、本機は1911年製の国産機7両のグループ。シドニーをはじめとする都市の郊外で運行。
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軸配置2C1のタンク式蒸気機関車、Z13型1301号は、1877年に英国のベイヤー・ピーコックで幹線の旅客列車や郵便列車を牽引する、軸配置2Cのテンダ式蒸気機関車として製造。1892年に新型機が導入されると、余剰となった20両が1896年から1902年にタンク式に改造されて、シドニー郊外の旅客列車用に就役。その後、ローカル線の小運転や入れ換え用に転用。
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軸配置2C1のC38型は、動輪径1753mm、1943年から1949年にかけて30両製造された、オーストラリアを代表する高速旅客蒸気機関車で最高速度110km/h。3820号機は1947年のオーストラリア国内NSW州営鉄道のエヴェリー工場で製造され、“メルボルンエクスプレス”や“ニューカッスルフライヤー”など牽引して、1970年まで稼働。日本で言えば、C59かC62相当でしょうが、さすがは標準軌で一回り大きい。
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もう一両、緑の塗装のC38型、ラストナンバーの3830号機は1949年製。1997年から2009年まで動態に復帰し、現在は修理中のようです。
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パシフィック型急行旅客機3830号のキャブ。切り抜き文字のナンバーの上にメーカープレート。
C38型の最初の5両は流線型で、トップナンバーの1943年製3801号機は動態保存中。2008年のオーバーホール時に換装した新しいボイラに問題があり、12年を経て2020年にやっと稼働状態に復帰したのだとか。 -
軸配置Cで、水タンクがボイラの上に乗ったタンク式蒸気機関車PWD79号機。シドニーから海外沿いに南へ100kmほどのところにあるポート・ケンブラに、オーストラリア製鉄のプラント建設における港湾荷役のため、1938年に導入された産業用蒸気機関車。
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軸配置Cで、水タンクがボイラの上に乗ったタンク式蒸気機関車の側面には、AUSTRALIAN IRON & STEEL LTDの表記と、BRONZEWING(虹鳩)のプレート。ポート・ケンブラの製鉄所の構内で働いた産業用蒸気機関車で、後ろに連結している白い貨車は、高炉から出た溶けた銑鉄を運ぶトーピードカー。自動連結器とバッファーを装備。
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続いて客車です。
3軸ボギー台車を履き“ヤンキースペシャル”と呼ばれた、オープンデッキの優雅なダブルルーフの木造客車FZ909号は、1883年に寝台車としてアメリカから輸入。後にコミッショナーの州内視察に使用され、最終的には蒸気機関車の機関士を目指す研修生に、ウェスティングハウスのエアブレーキを管理する方法を教えるための教習車に改造。 -
車内に設置した、長い編成のブレーキシステムをシミュレートする装置で、障害事例を設定してトラブルシューティングの研修を実施できるようになっていて、機関士の養成所が設置されているデポを巡回していました。
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4軸の古典的な木造客車W880号は、1869年の英国製。シドニーの西の山岳地帯、ブルーマウンテンズへの路線の延長に際して用意した1等車。当時の車両としては長い台枠で、急曲線に対応する8輪ラジアルキャリッジを採用
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19世紀後半のアメリカンスタイルのボギー車LFA153号は、1890年製の国産車。木製の台枠に木造車体でオープンデッキ。製造時は1等車で、1905年以降は2等車となり、シドニー郊外の路線で運用。
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LFA153号の車内は、トイレのない片側のデッキ付近がロングシートで、他は転換式のクロスシート。オーストラリアの車両では、転換式座席の背ずりのクッションは片側だけで、転換時には背ずりの向きを変えるときには、その上端が座面に接する位置にぐるっと回転する構造。21世紀の新車で、背ずりの両面にクッションがある日本と同じ方式に変更されるまで、一部の例外を除いて長期にわたってこの構造が続いてきました
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木造ボギー車BX1142号は、1891年にリッチーブラザーズ社が製造した急行列車用の1等車。台枠は鋼鉄製。車内には廊下はなく、6室ある8人用コンパートメントには、それぞれ各室にあるドアを開けて乗車します。コンパートメントは1室あたりドアも含め窓3つ分。その間にある磨りガラスの窓の部分はトイレと洗面所で、コンパートメント内からその入口にある1席をリフトアップして、ドアを開けて入る構造。
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片側がオープンデッキ、他端がフラットな2枚窓の木造ボギー車CCA1273号は、クライドエンジニアリング社が1907年から1910年に製造した、シドニー郊外の列車に使用するエンドプラットフォームカー(編成の端に連結する車両のことかなと推測します)。車端部のGUARD表記のある部分にはハンドブレーキを装備。
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車内は1等、2等とそれぞれの喫煙、禁煙の4室に分かれています。写真は、2等禁煙室で、転換式クロスシートを装備。1等も、部屋が狭く座席の転換ができないけど、座席自体は2等と同じものに見えます。
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HFO1665号は1911年製、車内はボックスシートの2等車。上と同じシドニー郊外で運行する客車編成で、車端部にはハンドブレーキを装備するブレーキコンパートメントを設置。1974年に引退。
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同じ編成の中間車は、両端がオープンデッキ。
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高級感を漂わせる丸屋根で3軸ボギー台車を履いた木造車SG600号。NSW州知事が視察旅行等に使用するため1911年に製造。1981年に引退。
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車内には寝室3室と浴室2室、ゲストやスタッフの宿泊室、
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食堂、および展望ラウンジを備えています。
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SG600の隣に連結された車両を撮り忘れて、こんな連結面の写真だけになってしまったけれど、右側のオープンデッキで3軸ボギーの木造車、PAM11号は1920年製のNSW州の首相用の客車。
車内には、同行する大臣の部屋も設けられ、第二次世界大戦中は連合軍のマッカーサー将軍、1954年には英国のエリザベス女王も乗車し、1970年代後半に引退。 -
PAM11号と連結した、片側のオープンデッキに貫通幌を装備した木造車AAH19号は、1919年製の鉄道委員会のコミッショナー用の車両。車内はコミッショナーのプライベートスペースとスタッフの宿泊設備、会議室とサロンがあり、浴室用の給湯器やガス冷蔵庫も装備。1963年に、3軸ボギーから新型のボギー台車に換装し、自動連結器の取り付けやエアコン設置等の改装が行われました。
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FIRSTと表記したオープンデッキで優美なスタイル、ダブルルーフの木造客車ABX1007号は、1899年にプルマンタイプの寝台車として製造され、1920年代までシドニーとメルボルンやブリスベン間の急行列車に使用。1944年に車内の設備を撤去して、手術室、待合室、医療スタッフ用の寝室、居間、調理および洗浄設備を設置して、移動式医療車に改装。
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1975年の引退後に医療器具は撤去され、車内には椅子が並べてあるものの寝台は復元されていません。
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幕板にSLEEPINGの標記のある、3軸ボギーの幹線用木造寝台車、EAM1829号は1913年製。高速道路や飛行機の無い時代に、最初に導入された標準的な夜行列車の寝台車。メルボルンリミテッドエキスプレスなど長距離夜行列車に、51両の同型車が1955~1965年ごろまで運行。1978年に引退。
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車内は片側廊下で、中央出入口部分で廊下と寝室が入れ替わる、点対称の配置。
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個室の内部は2段寝台。上段は昼間は壁に折りたたむ構造。
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KAM508号は1938年製の木造車。幹線用豪華寝台車中央1個所のドアの両側に2室と3室の1両にわずか5室の2段寝台。一般のTAM129号などに比べ倍の広さの個室があり、1両で10名の寝台。前後両方の連結面側には広いオープンサロンを設置。同型車は3両あり、1962年までメルボルンリミテッドエキスプレスに連結。1978年に引退。
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KAM508号の台枠と3軸ボギー台車。
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鋼製車体の食堂車、RS1962号は1965年製。車内は、厨房に面した長いオープンカウンターに、27席の固定された丸椅子を並べたビュッフェ式。同型車のうち8両は、1970~1980年代に通常のテーブルで48席の食堂車に改造。
RS1962号とKAM508号の間に、木造の食堂車らしき客車が連結されていたけど、写真を撮り忘れたようです。 -
ターンテーブルの向こうに、博物館列車に使用する動態保存の鋼製客車の編成が並んでいます。いずれも、幕板にSECONDと標記した2等車。
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現行の大陸横断鉄道、インデアンパシフィック号にも使用されていそうなステンレス車体の客車編成。貫通路も窓もなく、換気用のルーバーのあるこの車両は何でしょうか。電源車?荷物車? その向こうの茶色の鋼製車は食堂車。
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幕板にDINING CARの標記がある食堂車。
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幕板にSLEEPINGの標記がある寝台車。
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左の3軸ボギー客車は1等座席車かなと思いますが未確認。右には、レストア待ちの2軸客車らしきものも。
NSW鉄道博物館の公式ホームページの中で、主な展示車両の周辺や車内を歩き回り、バーチャル見学ができます。
https://www.thnsw.com.au/virtual-tours
その2では、屋外のグレート・トレイン・ホールに集められたディーゼル機関車と電気機関車、ディーゼルカー、電車、貨車を紹介します。
https://4travel.jp/travelogue/11694264
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