2017/04/29 - 2017/04/29
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モボ101さん
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東欧チェコ共和国の首都プラハ。市内には総延長140kmに及ぶ路面電車網があり、地元のタトラ社やシュコダ社が製造した高性能のトラムが活躍しています。
そのトラムの140年余りの歴史を伝えるトラム博物館(プラハ市公共交通博物館)が、プラハ城の近くにあるので行ってみることに。開館は、春から秋までの土日と祝日の9時から17時まで。また、開館日には動態保存のレトロトラムがトラム博物館を始発としてプラハ市内を運行します。
ここでは、博物館の主な展示車両をご紹介しますが、一通り全部の車両の写真を撮ってきて、車内の様子等も含め下記のURLに掲載しているので、興味のある方はご覧ください。
https://omoidenoshasoukara.web.fc2.com/tabinoshasoukara/praguetrammuseum/praguetrammuseum1.html
また、レトロトラムの動画は下記のURLの一番下に掲載しています。興味のある方はご覧ください。
https://omoidenoshasoukara.web.fc2.com/tabinoshasoukara/praguetrammuseum/praguemuseumtram.html
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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博物館最寄りの停留所はVozovna Střešovice。
市の中心部から2番のトラムに乗って来ることができます。
丸い車両は、チェコスロバキア当時に14000両以上も製造され、東欧から旧ソ連を経て北朝鮮まで、旧共産圏の標準型路面電車だったタトラ社のT3型。
チェコの民主化から四半世紀を過ぎても、プラハの主力車として活躍中。市内交通博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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博物館は、トラムの車庫だった施設をそのまま利用しているので、表の電車通りから線路が博物館の中につながっています。
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車庫の扉に設けた小さな通用口が開いているところが、博物館の入口です。
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中に入ったところがチケット売り場。運営にあたっているのは交通局のOBの方々でしょうか。
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それでは、博物館に保存展示されている主な車両を年代順に見ていきましよう。
プラハ市内の公共交通機関の始まりは、19世紀の後半に開業した馬車鉄道。1875年から順次路線を延長していきました。馬車から2軸の電車に交代し、戦後になると共産圏の標準型タトラカーが登場します。 -
1886年製の2軸の鉄道馬車。
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1891年になると、馬車とは別に電車で運行する路線が開通し、次々と新しい路線ができていきます。買収で経営を一本化し、1900年代になると鉄道馬車の路線も電化されます。
モニタールーフで緑の木造車体の2軸車、ポール集電の88号は、この時代の1900年製で、博物館で一番古い電車のよう。 -
電化後は、鉄道馬車の車両も電車に牽かれて走ったようです。
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200号も同じ1900年製ながら、特別な車両でしょうか。側面窓の数や寸法が異なり、正面窓の両サイドは曲面ガラスになって、内装も豪華です。
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1908年製の275号は正面の窓が車体下部のより前に出ています。新造時には正面窓はなく、側面の折戸も含め後年の改造で取り付けたのかもしれません。
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連結している付随車624号は1909年の製造で、275号と同様のスタイルながら側面窓が1つ少ない。
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オープンカーの500号は1913年製。車内は転換式のクロスシート。夏の観光電車として活躍したのでしょうか。
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1923年製の444号は同じデザインながら扉間の側面に幅の狭い固定窓と広い下降式の窓が交互に並んでいます。車体は長くなったでしょうか。
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444号の牽引する付随車は1926年製の999号。同じデザインながら正面窓が5枚から3枚に。それまでの木造から、リベットの目立つ鋼製車体になったようです。屋根は木製のシングルルーフ。
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番号が大きく飛んだ2239号は1930年製。扉間の側面窓が5枚で車体は長くなっています。これ以後は、集電装置がトロリーポールからパンタグラフに。窓上に掲げているのはプラハ市の旗。車内は木製のロングシート。このタイプは、動態保存車として41系統で市内を運行しています。
右側に立つは昔の停留所の標識で、ここに来る系統番号が掲げられています。 -
2239号の牽引する付随車1523号は1942年製。扉の位置が車体の中央に鋼製車体になり、リベットが目立ちます。
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車端部を絞ったシングルルーフ、正面1枚窓の密閉車体の電動車3063号は1942年製。これ以後の車両は、片運転台で扉も進行右側だけ片側扉の車体。終点のループ線で方向転換するタイプにモデルチェンジしたようです。
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3063号の牽引する付随車1580号は第二次世界大戦後の1946年製。ドアが車体の中央部にあり、客室が前後に分かれています。
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第二次世界大戦後、チェコスロバキアは共産党政権のもと東側陣営に属し、コメコンによる計画経済で、ČKD-Tatra社が2万両近い大量生産をして、東欧からソ連を経て北朝鮮まで、旧共産圏各国に広く普及したトラムがタトラカーです。
1930年代に米国で、世界に先がけて始まったモータリゼーションに対抗するために開発されたPCCカー。戦後に米国からライセンスを購入し て、東欧で開花したタトラカー。その成功には、地元のプラハ市電の全面的な協力があったのだとか。
開発順に左からタトラのT1、T2、それに14,000両以上製造され現在でも各国で活躍中のベストセラー、T3が並んでいます。 -
終点のループ線で方向転換するため、片運転台で片側扉。右からT1、T2、T3の後ろ姿。
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もう1両のタトラカー9048号は、この博物館で一番新しい1990年製のKT8D5。角形で3車体連接車。この型式だけは両運転台で両側扉。プラハで現役のKT8D5は、バリアフリー化のため中間車のドア付近だけ低床に改造されて活躍中。この1両だけが改造を受けずに博物館入りしています。
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続いて事業用の車両を見ていきましょう。
2軸の凸型車体の電気機関車4072号は1952年製。2軸のトラムと同等の足回りに、運転室には直接制御の大きなコントローラ。 -
2軸の電動貨車4053号は1917年製。
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電動貨車4053号が連結しているのは貨車。
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2軸車の4092号は1966年製のレール研磨車。2軸の車輪の間にあるのは砥石でしょうか。
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1928年製の5034号は、移動式の切符売り場。車内のテーブルには各窓口に椅子が置かれ、多客時対応で電車で市内に牽引していったのでしょう。
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片側にデッキがあり、側面にベンチレータを備えた1930年製のボギー車5101号は、移動式の変電所のようです。
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ここはプラハ市公共交通博物館。トラム以外に数は少ないもののバスや事業用の自動車も保存展示されています。
494号は1960年、地元の自動車メーカー、シュコダ製のトロリーバス。隣の赤いクルマは架線修理車。 -
1948年製の赤いバス。屋根上に木製の台を乗せているので、これも架線修理に使うのでしょうか。
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1951年、地元のシュコダ製のバス。フロントエンジンキャブオーバーで、中央と後ろの2扉は外に開く4枚折戸。車体の後部に梯子が付いていて、荷物は屋根上に積載したのでしょう。横に立つのは当時のバス停。
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もう1台、丸いモノコックボデーのフロントエンジンキャブオーバータイプのバスは1973年製。正面にはシュコダのマークが付いています。
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市内に向かう41系統のレトロトラムの発車時刻が近づいてきました。
博物館の外に出ると隣の車庫の扉が開き、多くの動態保存車が待機中。 -
方向転換のループ線の上で、2110号が1201号を連結して乗客を待っています。
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運転士と車掌が乗車して、博物館から営業路線に出ていきます。このレトロトラムには、1日券等も含めプラハ市内の地下鉄やバス、トラムの共通乗車券は使えません。専用の切符を車内で車掌さんから買い求めます。
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電車の制御器は直接式。運転士は左手でハンドルを回して加速し、逆転で停止の直前まで電気ブレーキ。最後はハンドブレーキを操作します。
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タトラカーT3とすれ違い。
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狭い建物をくぐるところでは、複線の線路を重なるようにはめ込んだガントレット区間も。
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ヴルタヴァ川を渡ってプラハの中心、旧市街の外周をプラハ・マサリク駅前へ。再びヴルタヴァ川を渡った先で下車。
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レトロトラムは平面交差を渡っていきます。
41系統のレトロトラムの動画を下記のURLの一番下に置きました。
興味のある方はご覧ください。
https://omoidenoshasoukara.web.fc2.com/tabinoshasoukara/praguetrammuseum/praguemuseumtram.html
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