2022/11/08 - 2022/11/08
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モボ101さん
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2023年5月の新型コロナウイルスの5類移行から8か月余りになりますが、コロナ明け前に訪韓したときの記録です。
2019年末に中国武漢から始まった新型コロナの感染爆発により、実質的に鎖国状態が続いて2年以上にわたり海外に出国きず。2020年6月に、ANAのマイルで特典航空券を確保していた韓国行きもキャンセルに。この長いトンネル先に明かりが見え始めたのが2022年の8月下旬。岸田首相が9月7日から帰国便搭乗72時間以内のPCR検査陰性証明を、ワクチン接種3回を条件に免除すると表明。
それより一足先の2022年8月に韓国が、K-ETA(電子渡航認証システム)取得を条件に、ビザ免除措置を再開。10月からは韓国入国1日以内のPCR検査義務付けを停止。韓国渡航の障害が取り除かれたので、再度ANAのマイルで特典航空券を手配して11月に訪韓することに。ここでは、2006年以来16年ぶりに再訪した韓国鉄道博物館をご紹介します。
韓国鉄道博物館 2022年再訪(その1 屋外展示車両)は
https://4travel.jp/travelogue/11881663
韓国鉄道博物館 2022年再訪(その2 本館内の展示)は
この旅行記です。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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屋外に展示されている実物の車両を見終わった後は、鉄道博物館の本館へ。
韓国の鉄道の歴史をたどっていきましょう。 -
玄関で出迎えてくれるのが、朝鮮総督府鉄道の旅客用、パシイ型蒸気機関車4288号機の大型模型。珍しくデフレクターが付いています。
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1階の展示から見ていきます。
朝鮮半島の鉄道の歴史がパネルで紹介されています。大韓帝国時代の1899年、京仁鉄道の開通に始まり、それ以後、順次路線が開通していったが、第二次世界大戦後は朝鮮戦争を経て南北分断。 -
その後は韓国の鉄道の歴史となり、1960年代になるとディーゼル機関車の導入や観光号の運行開始。1970年代は中央線に電気機関車が導入され、通勤電車の首都圏電鉄線の開業や、特急に相当するセマウル号の登場。
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1980年代になると切符の電算発券やセマウル号へのディーゼル動車の導入。1990年代は新線開通や複々線化、観光用の蒸気機関車列車の運行も始まり、鉄道開通100年を迎えます。
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21世紀になると、北朝鮮との間で京義線が連結されるとともに、韓国新幹線KTXが運行を開始。2010年代はソウルと釜山を結ぶ京釜高速線が全通し、電化した在来線では電車によるITXセマウル号やITX青春号が運行開始。
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貨物用ミカサ型蒸気機関車の先頭部だけの大型模型。
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韓国の路線毎に、区間別に距離と工事着工、開通日等が一覧表に。その下は高速列車KTX-山川のイラスト。
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この表で一番新しいのは、右下のソウルから金浦空港を経て仁川空港を結ぶ路線の、2018年に開通した仁川空港ターミナル1からターミナル2の間6.3km。
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1899年に開通した朝鮮半島最初の鉄道、ソウルの鷺梁津と仁川を結んだ京仁線の列車の模型。米国製で軸配置1Cのタンク式蒸気機関車が、最高速度60km/hでダブルルーフのボギー客車を牽引。
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その最初の鉄道で使われたレールの実物。
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主要な路線をパネルと模型で詳しく紹介しています。1974年に京仁線や京釜線の一部が、首都圏電鉄線として通勤電車が運行を開始。
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ソウルと釜山を結ぶ韓国一の幹線、京釜線は1905年に開通。レンガ造りの釜山駅の模型と、蒸機機関車の模型は軸配置が2Cなので、テホイ型でしょうか。
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ソウルから北西へ、当時の清国との国境の街、新義州を結ぶ京義線は1904年の開通。1910年の日韓併合後の1911年には、鴨緑江に架橋して清国の安東(現在の中国の丹東)へ。
ソウルから北東に向かい、東海岸の元山に至る京元線は1914年に開通。その先の咸鏡線が1928年に中華民国との国境の会寧まで開通し、滿洲につながることに。
京義線も京元線も、朝鮮戦争で南北に分断されたまま。 -
今は北朝鮮の中国国境近くにある南陽駅の1933年当時の模型。
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京釜線の大田から分岐して、木浦に至る湖南線は1914年の開通。現在は、ソウルからのKTXも乗り入れる路線に。
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駅舎の一室を再現したものでしょうか。壁の絵はソウル駅の旧駅舎。
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歴代の国鉄総裁と韓国鉄道公社社長。
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その手前に置かれているのは、左上の京仁鉄道、その下の京釜鉄道に始まり、右下の現在の韓国鉄道公社に至る鉄道徽章の変遷。
朝鮮総督府鉄道局の"工"のマークは、日本の鉄道院や鉄道省のルーツ、工部省の"工"につながっているのでしょう。また、上の中央のレールにMの字は、一時期南満州鉄道が朝鮮半島の鉄道を経営していた満鉄京城管理局です。 -
19世紀末の開業から現在に至る、代表的な鉄道車両が写真と模型で展示。
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ディーゼル機関車がステンレスの客車を牽引する、KTX開通前の韓国の看板列車だったセマウル号。
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両端にディーゼル動車を配置したセマウル号。
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客貨に活躍した米国型の電気式ディーゼル機関車。
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首都圏の通勤電車。日本からの輸入車と同型の電車からモデルチェンジした韓国型。
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フランスTGVの技術導入による韓国新幹線KTXと、それをモデルチェンジしたKTX-山川の電気機関車。
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SRTは韓国鉄道公社の子会社SRが運行する高速列車で、車両はKTX-山川とほぼ同型。
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最高速度430km/hを目指して開発中の、動力分散式世代高速列車HEMU-430X。
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模型の背後には、歴代の車両の写真パネル。
1900年代、鉄道開通の頃。 -
1920年代の蒸気動車はローカル線に導入したのでしょうか。下の電車は金剛山電鉄の日本製。
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1940~50年代の各種ディーゼル機関車と、京元線の急こう配区間に導入した日本製のデロイ型電気機関車。下の流線型の気動車は戦後の1950年と1951年ながら、ガソリン動車と表示。
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1960年代には、高出力の米国製電気式ディーゼル機関車や、電化した山岳路線にはフランス製のゲンコツ型電気機関車を導入。ローカル線のディーゼルカーや首都圏電鉄線の電車等。
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1980年代は、電化路線の延伸に伴うドイツ製と技術提携した電気機関車や、観光用の中国製蒸気機関車。優等列車用気動車や、新型の通勤電車。
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21世紀になって、韓国鉄道公社の主力として活躍中の車両群と開発中の試作車。
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過去から現在までの客車の歴史。その下には機関車の模型も。
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過去から現在までの各種貨車の歴史。
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ちょっと珍しい、各種業務用車両の過去から現在までの歴史。下には客車の大型模型。
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ここからは実物車両の部品を展示。
各種連結器の実物と、パネルで動作の解説。 -
車輪と軸受、パネルでは車輪の歴史の解説。
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運転シミュレータ。画面のハングルを翻訳すると"キロアロと一緒に列車運転体験"となるので、これが韓国鉄道公社のマスコットでしょうか。
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工場での車両整備の写真と、そこで使われていた工具類。
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気機関車のモーターとパンタグラフ。
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蒸気機関車のナンバープレート。丸いのは正面の煙室扉の中央、長方形はキャブの側面やテンダの後面に取り付けていたもの。
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車両にとりつけられていた、各社のメーカープレート。よく見ると昭和の元号のものも多く、日本とのつながりが深いことがわかる。
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こちらもメーカープレート。
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一部をアップしてみたが、日本国内のほか朝鮮や滿洲も。
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南満州鉄道に関連の工場も多い。
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ジオラマがあったけど、動いていなかった。
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1階の展示を見た後は2階へ。上から見下ろした玄関のパシイの大型模型。
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KTXの模型は長さが短く、デフォルメしている。
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鉄道技術研究事業、"鉄道歴史インテリジェント安全管理自動化技術開発"を紹介。
右から2番目の上はバッテリーで動く無架線路面電車、下は無人自動ミニトラム。
その左の上はバスのように道路上を走るバイモーダルトラム、下は地下鉄用安い韓国型電車。
一番左は世界最速430km/hの高速鉄道と、エネルギー効率の高い次世代電車。 -
乗車券オンライン販売システムの発展。右の3台は、歴代の券売機でしょう。
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中央がエドモンソン式乗車券印刷機、左はエドモンソン式乗車券カッター。右は鉄道業務用金庫。
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硬券の時代からコンピューター発券まで、乗車券の変遷。
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韓国に加えて、北朝鮮も含めた朝鮮半島鉄道路線図。2000年の金大中大統領と金正日総書記による南北首脳会談以降に行われた南北の鉄道連結。
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南北民族統一や京義線連結の書き込みのあるPC枕木。
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レールを溶接してロングレール化。テルミット溶接でしょうか。
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作業員による手作業から機械化、マルタイの導入へ、保線機械の発展。
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線路の検査。専用の車両にを使用した検査や、KTXによる動的な音や乗り心地の検査、人による計測や巡回検査まで。
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レールの枕木への固定方法や継ぎ目。
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線路や道床の構成。線路の検査。
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踏切警報器も。
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この赤い箱はタブレット閉塞器。日本でも、単線区間の駅の事務室にありました。
箱の下部には"軽量通票用"の、上部には右書きで"送信"、"解錠"の漢字書きのラベルが貼ってあります。韓国で漢字が使用されていた時代のものでしょうか。 -
ポイント切り替え器やATSの地上子も。
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日本型の自動改札機。
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じっくり見学していると、2時間半が経過していました。なかなか見ごたえのある博物館です。
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