アンダルシアの春祭りから銀の道、そして巡礼の道を歩く　１５　９日目　巡礼１日目　 Rabanal del Caminoまで２２．２km

2019/05/16 - 2019/05/16

９日目　２０１９年５月１６日（木）　晴れ後曇り、時々雨

★巡礼の旅１日目
Astorga（６：３５）～Rabanal del Camino（１３：２５）
２２．２km、２８，７５０歩

・いよいよ巡礼スタートで天気は快晴。前半は車道に沿って付けられた比較的平坦な道を歩いた。道端には黄色いエニシダと紫のラベンダーが咲いて目を楽しませてくれる。途中に４ｋｍおきくらいに村があり、同じ形の小さな教会がある。村と村の間に人家は殆ど見えず一面の荒野に灌木が散在する。
・後半、El Gansoを過ぎてからは徐々に上り坂になった。逆に天気は下り坂で途中から雨。この旅最初の雨を見た。雨具もつけずに黙々と歩いたが、止む気配もないので途中でついに雨具を着た。その後すぐに雨は上がった。
・宿泊したRabanal del Caminoのアルベルゲは巡礼者にも人気が高い。シャワー、洗濯を終えた頃から天気が悪くなり冷たい風と共に気温がグンと下がった。共有スペースで寛いでいたら自炊していた２人組の巡礼者から食事のおすそ分けを頂いた。
・２段ベッドがずらりと並んだ大部屋で宿泊者は５０人くらい。いびきがうるさくなかなか眠れないので、深夜までベッドで川柳（実際は、ただの言葉の数合わせ）を作った。外は風の音が強い。明日の山越えは大丈夫か。

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【旅程】　
　５/０８　関空→上海経由→パリ経由→マドリード（泊）
　５/０９　マドリード→コルドバ（泊）
　５/１０　コルドバ→アルコス・デ・ラ・フロンテーラ→ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ（泊）
　５/１１　ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ滞在（泊）
　５/１２　ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ→メリダ（泊）
　５/１３　メリダ→トルヒーリョ→カサレス（泊）
　５/１４　カサレス→サラマンカ（泊）
　５/１５　サラマンカ→アストルガ（泊）
★５/１６　Astorga→Rabanal del Camino（泊）
　５/１７　Rabanal del Camino→Molinaseca（泊）
　５/１８　Molinaseca→Villafranca del Bierzo（泊）
　５/１９　Villafranca del Bierzo→Las Herrerias（泊）
　５/２０　Las Herrerias→O Cebreiro→ルーゴ→Sarria（泊）
　５/２１　Sarria→Portomarin（泊）
　５/２２　Portomarin→Palas de Rei（泊）
　５/２３　Palas de Rei→Rivadiso da Baixo（泊）
　５/２４　Rivadiso da Baixo→Lavacolla （泊）
　５/２５　Lavacolla →Santiago de Compostela（泊）
　５/２６　Santiago de Compostela→ア・コルーニャ→Santiago de Compostela→車中（泊）
　５/２７　→マドリード→パリ経由→機中（泊）
　５/２８　→上海経由→関空

エリア スペイン

• 旅行の満足度: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　５：４０　巡礼者は起床して出発準備を始めます。
　天気予報は晴れ時々曇り、最高/最低気温は１９℃/６℃。北スペインとはいえ昨日のサラマンカに比べて１０℃前後低い。

　６：３５　日の出と同時にアルベルゲを出発。
　今日はAstorgaからRabanal del Camino までの２２．２kmを歩きます。

　先ず近くのお店で巡礼者のシンボル「ホタテ貝」をゲット。

　これで少し巡礼者らしくなった。
　荷物はこの４５リットルのメインリュックと街歩きに使うサブリュック、あと杖が２本。サブリュックを紐でメインリュックに括り付けると、ずっしりと重さを感じる。今日から９日間２３０ｋｍを重いリュックを担いで歩きます。

　アストルガを後にする前に、ガウディの司教館前で記念撮影。

司教館 寺院・教会

　朝のアストルガ大聖堂は静か

　大聖堂の前を通り、

大聖堂 (アストルガ) 寺院・教会

　モダンな教会を過ぎると、

　街外れの車道に出ました。歩道を行きます。

　しばらく行くと車道を離れて砂利道。道しるべの石碑が立ち巡礼路らしくなりました。

　８：２４　Astorgaから４．６ｋｍで最初の村Murias de Rechivaidoに到着。ここで朝食。

　チョコをまぶしたパイ生地の菓子パンにカフェラテ。イタリア、ドイツの巡礼者のテーブルに入れてもらいました。

「朝のバル　テーブル囲んだ　日独 伊」

　８：４０　スタート。この村にはアルベルゲが１軒。

　農家風でいい感じ。

　９：０２　しばらくはこんな道の連続

「朝日背に　聖地に伸びる　長い影」　

　それにしても皆歩くのが速い。次々に抜かれます。

　青空に赤茶けた大地、その中に緑の灌木。

　灌木の間に見える黄色い花はエニシダ

　エニシダの足元でラベンダーの穂が揺れます。

　「巡礼路　足元香る　ラベンダー」

　９：４０　巡礼路は車道に近づいたり離れたり

　「ブエン・カミーノ！（よい巡礼を！）」。巡礼者同士の挨拶です。

「ブエン・カミーノ！　初めて抜いたよ　二人連れ」

　行く手に教会の鐘楼が見えてきました。

　９：５７　Sta.Catalina de Somozaに到着。Astorgaから９．９ｋｍ（１２，８５１歩）。

　振り返ると強烈な朝日。

　Sta.Catalina de Somozaには、昔、ヌエストラ・セニヨーラ・デ・ラス・カンデラス燭台の聖母を祀った救護施設がありました。

　アルベルゲでスタンプをもらい、ついでに覗かせてもらいました。

　雰囲気があるアルベルゲのパティオ

　巡礼者に朝食を出すバルは早くからオープン。メヌーは飲み物に甘い菓子、又はサンドイッチなどが多く、値段は５ユーロ前後といったところ。

「視界よし　風爽やかに　１６度」

１０：２１　真ん中にホタテ貝の道標が並ぶ巡礼路。

　大木の木陰で休憩する巡礼者。このベンチにこれまで何十万人、いや何百万人が座ったやら。

　「カミーノで　次々飛び出す　駄川柳」
　「それ違う！　ただの言葉の　数合わせ」

　行く手に次の村が見えてきた。

　ブエン・カミーノ！
　

　１１：１２　El Gansoを通過。Astorgaから１４．４ｋｍ（１８，７７３歩）。

　道端の井戸

　玄関の周りをホタテ貝で飾った民家

　村の出口に小さな村の教会

　巡礼路の小さな教会はどれも壁に鐘を取り付けただけの簡単な鐘楼を持っている。

　簡素な祭壇だが、多くの巡礼者が立寄って祈って行くのだろう。

　１１：２２　この辺りから上り坂に。天気が急変して雨が、皆雨具を取り出しています。

　黙々と小雨の坂道を歩く万歩計

「１５キロ　パタリ止まった　駄川柳」

　「１７キロ　小雨の中を　黙々と」

　１２：２０　たまらずここで雨合羽を着ました。Astorgaから１８．９ｋｍ（２４，０６８歩）。オレンジを分けてくれた彼はアメリカ人（名前を失念）。パンプローナから歩いてきたそうです。

　「１９キロ　雨にたまらず　合羽出す」
　

　この先の坂道はきつかった。

　緑の中の牛たちにホッと。

　今日の目的地　Rabanal del Caminoに入りました。雨も上がり薄日が射してきました。遥か前方にあった影法師の頭が気が付かないうちに後ろへ。

「薄日射し　いつしか影を　追いついて」

　人口たった５０人の小さな村ですが、巡礼路最高地点のイラゴ峠を前にこの村に泊まる人は多い。アルベルゲは４軒あり、村人の３倍以上の収容が可能です。

　その中で選んだのはArbergue Nuestra del Pilar。
ＴＶ番組に出たアルベルゲで、女主人のイサベルさんは自身もカミーノを１４回も歩いたそうです。

　１３：２５　Astorgaから２２．２ｋｍ（２８，７５０歩）。

　木のベランダに囲まれた中庭には可愛い花が飾っています。

　カウンター横のテーブルでチェックイン手続き。宿泊費はたった５ユーロ、現金払いです。

　受付横の壁にカミーノ全行程の標高データ。ここRabanal del Caminoは標高１１５０ｍ。明日越えるイラゴ峠は１５０５ｍでカミーノの最高地点です。

　大部屋にずらりと並んだ２段ベッドで総ベッド数７２で男女の区別なし。早い時刻だったので静かそうな奥の下段を確保しました。
　コンセントの数に限りがあるので充電をセットした後でシャワーを使いました。

　シャワーを済ませてすぐに洗濯。荷物を少なくするために下着は２組のみ。毎日洗濯です。
　
　「アルベルゲ　着けばシャワー　次昼寝　天気よければ　その前洗濯」

　１４：３０　洗濯完了。この頃からまた雲行きが怪しくなり冷たい風が吹いてきました。体感気温７℃。

　アルベルゲはバルを併設しており、簡単な食事が出来ます。

　マカロニとビールで遅い昼食。マカロニは日本の優に２倍はあり、これだけでお腹いっぱい。
　この後少し昼寝を、と思ったが初日の興奮とざわざわした人の出入りで眠れない。

　１８：０５　村の散歩に出ました。

　散歩と言っても見どころはこのサンタ・マリア教会くらい。

　壁状の鐘楼は今日見たすべての教会の同じです。

　この付近には珍しいロマネスク様式。

　簡素な祭壇

　かなり古い

　巡礼の心に少し触れたような気分で退出。

　アルベルゲに戻って共用スペースでしばし休憩。ここで昨夜Astorgaのアルベルゲで同室だったフィリピン人（？）女性２人組と再会。

　彼女らは自炊しており、煮物、サラダ、ゆで卵を分けてくれました。何もない万歩計はバルでケーキとオレンジジュースを買ってお返し。アルベルゲならではの温かい交流です。

　２０：３０　寝る前にバルで赤ワインを１杯。
　
　スマホで天気を調べると、明日は曇り時々雨、気温は最高９℃、最低１℃。峠は氷点下の可能性がある。厳しい歩きになりそう。

　壁に貼られた巡礼者が残した写真

　そして世界中の紙幣。

　２１：３０　ベッドに戻るとほぼ埋まっている。いびきがうるさくなかなか寝付けない。仕方なく「五七五の言葉遊び」をしながら１時過ぎまで起きていた。

「アルベルゲ　夜の大部屋　動物園」
「大いびき　百均耳栓　役立たず」
「眠れたら　寝言で応戦　するものを」
「セニョールに　せめて一太刀　ガス放つ 」
「愚かなり　シュラフの中で　自爆した」
「長い夜　スマホに川柳　メモをする」
「風の音　今日の山越え　大丈夫？」

この旅行記へのコメント （2）

• ひなこさん 2020/01/08 23:03:22

  巡礼の道

  万歩計さま、
  
  とうとう今日から巡礼がスタートですね。
  出発はちょっとドキドキするような、興味深く拝見しました。
  重い荷物を担いで、よく決意されたなあと思いました。
  スペインの巡礼の道はテレビで見たことがあって、これから見せていただくのが楽しみです。
  今年もどうぞよろしくお願いいたします。
  
  ひなこ
  
  

  万歩計さん からの返信 2020/01/09 08:49:34

  Re: 巡礼の道

  
  　ひなこさん 、明けましておめでとうございます。
  　新年のタイミングで巡礼編に入りました。これからも見て頂けると嬉しいです。
  
  　巡礼路では万歩計よりはるかに年上と思えるシニアから小さな子供まで、世界中の人が歩いていました。列車やバスでなく自分の足で歩く旅。普段見えないものが見え、自然や人と触れ合う機会も増え「歩く旅」の楽しさを知りました。
  
  　この巡礼の旅の後の１０月には、イギリスのカントリーサイドのフットパスを歩く旅に行きました。この時もスーツケースなしで、リュックとストックの旅でした。この旅行記はスペインシリーズの後においおい。
  
  　ところでひなこさんのポーランドシリーズ第３弾、プロローグの後が出てませんね。楽しみに待っています。
  
  　万歩計