2016春、奈良のお寺の花(12/17)：長谷寺(6)：牡丹、里桜、ツツジ、大手毬、本坊大玄関

2016/04/30 - 2016/04/30

牡丹で有名な、長谷寺の紹介です。牡丹のほかにも、アジサイによく似た大手毬や、ツツジの花も満開でした。開け放たれた本坊の大検からは、床に映る赤いモミジの新緑を見学できました。

エリア 桜井・三輪・山の辺の道(奈良)

• 交通手段: 観光バス

ズームアップして撮影したサトザクラ(里桜)の光景です。花付きはあまりよくありませんでしたから、塊で咲いていた部分に的を絞っての撮影です。牡丹桜とも呼ばれているようです。

この季節、一番多く目にする花の一つがツツジです。今回尋ねた三つの花のお寺では、最初の長岳寺がツツジのお寺でしたが、長谷寺でも満開のツツジを見ることができました。少し薄めのピンクの花のツツジです。

すぐ近くで咲いていた、濃いピンクの花のツツジも満開でした。好天の光をいっぱいに浴びて、輝くような咲き方でした。

往きには屋根が付いた石段を登りましたが、帰りは別の道を選びました。白い塀に囲まれた、風情のある石畳の坂道でした。

本瓦で葺いた塀の上から乗り出すように咲いていた丸くて白い花です。別の場所でも目にした『オオデマリ(大手毬)』の花でした。スイカズラ科ガマズミ属の植物です。よく似たアジサイ科のアジサイとは別種です。

ピンクのグラディーションのツツジの花の光景です。ヒラドツツジ(平戸躑躅)あたりでしょうか。ネットでの検索写真では、平戸ツツジの『曙』、琉球ツツジの『関寺』などの花が似ていました。

まるで紅葉したような楓の新緑です。ノムラモミジ(野村モミジ)でしょうか、秋ではないこの季節、目を引きました。

円を描いて咲いていた、六輪の白い牡丹の花の光景です。蕊のある芯は黄色でしたが、純白の花でした。

赤い牡丹の花です。やや薄い姿の八重咲です。牡丹の原種は紫紅色とされますが、品種改良により赤、赤紫、紫、薄紅、黄や白など多彩になっています。

一重咲のように見えた、赤い牡丹の花です。品種改良により、咲き方も一重、八重、千重など多種です。

一番の満開の時期は過ぎていたように見えた、長谷寺の牡丹の花壇の光景です。

紅白の牡丹の揃い咲です。強い日差しを浴びて、花も葉も少しグロッキー気味でした。

深紅の花の牡丹です。ネットで検索した絞りの品種には、大輪のピンクで芯が濃い目の牡丹の『錦島(にしきじま)』がありました。種苗販売店の商品説明では、『絞りのない赤の花や白が咲いたりします』のほか、『年によって、大きな変化があります』などの注意書きがありました。

少し朱色がかった赤色の牡丹の花の光景です。色々と牡丹の花を目にしましたが、絞りの花はなかったようです。ネットで検索しますと、絞りがないわけではありませんでした。

何度か目にした白い牡丹の花の光景です。濃い紫に白の絞りが入る絞りの種類には、『黒龍錦（こくりゅうにしき）』があります。現在では、まだ絞りの品種はごく限られているようです。

三輪咲いた、赤色系の牡丹の花です。ところで、牡丹（牡丹）と芍薬（しゃくやく）、どちらも綺麗なボタン属の花で、中々見分けがつきません。一番の違いは、『牡丹は樹木、芍薬は草』ということです。芍薬は、冬には地上部が枯れてしまいます。

深紅の花を咲かせた牡丹です。牡丹と芍薬の見分け方の続きです。牡丹の葉は、ギザギザでツヤがありませんが、芍薬の葉は、丸みがありツヤがあります。また、牡丹の蕾は、先が少し尖っていますが、芍薬の蕾は、まん丸です。

長谷寺本坊の出入口門の光景です。長谷寺本坊として重要文化財に指定されているのは8棟です。併せて設計図面も重要文化財に指定されています。

長谷寺本坊の境内光景です。皇族の名前を記した記念植樹が数多くありました。右手の松は、昭和52年（1977年）の秩父宮妃のお手植えの松です。

3本並んだお手植えの松の光景です。その一番左は、昭和52年（1977年）の高松宮のお手植え松です。

こちらもお皇室関係者の方の手植えの松です。左側の松は名札が撮影できませんでしたが、右の松は、今は一般人の黒田清子さんになられた紀宮清子内親王のお手植えです。昭和52年（1977年）から昭和62年（1987年）にかけて、美智子妃殿下と毎年母娘2人で、皇室所縁の社寺・陵墓への訪問などの小旅行をされていました。その時期の昭和61年（1986年）のお手植えです。

国宝の本堂とは、谷を挟んで相対する南側の高台にある本坊の建物の紹介です。焼失前の構成や形式を部分的に継承しながらも、配置や平面の計画、空間構成の要所に近代らしい合理性が導入された建物とされます。焼失したのは、明治44年（1911年）のことでした。

本坊の大玄関の唐風の屋根のズームアップ光景です。長谷寺本坊の大玄関と庫裏は、大正12年(1923年)の新しい造りですが、国の重要文化財に登録されています。建築家で古文化財の保存修理に長く携わった、岸熊吉氏(1882〜1960年)の設計です。

本坊の唐風の造りの大玄関から眺めた光景です。床に映った新緑のモミジの赤い色が不思議な光景を醸していました。ノムラモミジなどの赤い新緑の樹木のようです。

大玄関内部の天井光景です。緩やかな湖を描いた天井には、熟練した職人さんたちが精魂を込めたことが想像されました。

大玄関内部の入口近くの天井光景です。高度に完成された近代和風建築として、高く評価されている大正時代に再建された建物です。

見学のために扉は解放されていましたが、入室しての見学はできなかった長谷寺本坊です。今度は、少し離れて、唐風の造りの大玄関全体の紹介です。

大玄関に向かって、左手の建物の破風光景です。その背後にも大屋根の一部が見えていました。格式と、落ち着きを感じさせる、屋根の勾配と、破風の造りです。

大玄関に向かって、左手の本瓦葺きの建物光景です。大講堂のようです。建物の前に配された松の庭木が重要文化財の建物にマッチしていました。

大玄関に向かって、左端方面の建物光景です。本瓦ではなく、檜皮葺きの少し小さな建物がありました。