2015/07/10 - 2015/07/19
5位(同エリア265件中)
ウェンディさん
- ウェンディさんTOP
- 旅行記377冊
- クチコミ2250件
- Q&A回答132件
- 2,003,606アクセス
- フォロワー343人
断崖絶壁の上に立つ城塞都市ロンダ。
私がロンダを知ったのはそんなに遠くはない昔の事で、切り立つ崖の上に昔ながらの白い家が建ち並ぶ小さな町、断崖絶壁の町ロンダの姿を写した写真は、強烈な印象を私の中に残しました。
ロンダは紀元前から続く歴史を持つ古い町で、その立地は街としてはかなりユニークで、標高約700mの二つの切り立つ崖の上に二つの天空都市として建築されました。
二つの崖の上のエリアはそれぞれ、昔ながらのアラブ情緒が残る町:旧市街地、18世紀以降に作られた町:新市街地と呼ばれ、その二つの町の間にはグアダレビン川が穿つ高さ150mのタホ峡谷が横たわっています。
現在のロンダでは、大きく頑丈なヌエボ橋が深いタホ峡谷を繋ぎ、旧市街地と新市街地の2つのエリア間の人々の往来を簡単にしていますが、その昔;約500年前の時代、崖上のロンダの町(旧市街地)へと渡れる橋はたった1本の小さな木の橋だけでした。
中世のアンダルシア地方では宗教間で土地の奪い合いが盛んで、町の防衛をいかに効率よく行うかが生き残るための近道でした。
白き町ロンダを作ったイスラム教徒(ムーア人)たちは、敵が攻めてくると、対岸の崖とロンダの町を結ぶ小さな橋を落とし、ロンダを天然の要塞とし、ロンダは難攻不落の城塞都市としてアンダルシアにその名を馳せていました。
そんな古い歴史が残る天空の城塞都市ロンダ…。
スペインに行くならば、絶対にロンダは外せない…。
だから今回の女子旅でも、ロンダはかなり楽しみな訪問先でした。
ロンダへの滞在は旅の5日目の夕方から。
宿へと荷物を置く時間さえももどかしく、到着するとすぐにロンダの町の散策へと出かけました。
初めて訪れる白き町ロンダ。
家々の壁の色は白く、窓際のハンギングラックには赤色の花が植えられ、抜ける様な空の青色と家々が立ち並ぶ景色は、なかなか壮観な眺めでした。
でも、何かが違っていました。
写真で見た古き町ロンダ、城塞都市ロンダ…、私の目の前に広がる憧れのロンダの光景…。
しかし、その景色は私が思い描いていたロンダではありませんでした。
崖の上に並ぶ白い建物はフォトジェニックではありましたが、それらの多くは商業施設で、道沿いには観光客目当てのお土産屋さんやオシャレなレストランが並んでいました。
次から次へとやって来る観光バスからは団体ツアーのお客さんたちが途切れることなく降り続け、ゾロゾロと歩いている…そんな光景が広がっていました。
そう、それはまるで、一昔前の軽井沢や清里みたいな感じ…。
現代のロンダの町並み、特にヌエボ橋近くの町並みは、古くからの町をイメージして意図して造られた観光用の町並みの様に私には感じられました。
友人とは私が感じた心象について話はしませんでしたが、彼女も同じように感じていたように思えます。
せっかくここまで来たのに、ナンテコトナンダ…。それが私の本音でした。
でも、コレが今のロンダの風景ならば、それはソレで楽しむのが私流の旅。
ツーリスティックな場所;ガイドブックに紹介がある場所は、足を運んだところでツアー客で溢れている筈。
それだったら、ツアー客が行かないようなところを探検しに行こう♪
私の中のもう一人の私が、“シロキ マチ ロンダ ヲ コウリャク セヨ…”と囁きました。
友人と私のRonda Adventureの始まりです。
☆★☆★☆旅程 2015/7/10?2015/7/19☆★☆★☆
□7/10 成田発 夜 - EK便-
□7/11 ドバイ着 - 乗換4時間(EK便) - マドリード着 昼, コルドバ迄レンフェ移動, コルドバ観光
□7/12 コルドバ観光 グラナダ迄バス移動, グラナダ観光
□7/13 グラナダ観光
■7/14 グラナダ観光, ロンダ迄バス&レンフェ移動, ロンダ観光
□7/15 ロンダ観光, 白い村迄バス移動, 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光
□7/16 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光, ロンダ迄バス移動, マドリード迄レンフェ移動
□7/17 マドリードからセゴビアへレンフェで日帰り旅
□7/18 マドリード街歩き, マドリード発 午後 - EK便-
□7/19 ドバイ着 - 乗換2時間(EK便) - 成田着 夜
☆★☆★☆初・初・初の女子二人旅 旅行記☆★☆★☆
【1】灼熱のフライパンを歩く?旅の始まりは42℃の洗礼?
http://4travel.jp/travelogue/11034201
【2】メスキータとアルカサル?コロンブスの発見は何をもたらしたのか?
http://4travel.jp/travelogue/11037016
【3】真夏が見せた蜃気楼?礼拝堂で見たものは…?
http://4travel.jp/travelogue/11046902
【4】時に浮かぶ幻想宮殿 Alhambra
http://4travel.jp/travelogue/11062297
【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜
http://4travel.jp/travelogue/11069115
【6】チュロスとホットチョコで始まるグラナダの朝
http://4travel.jp/travelogue/11076609
【7】≪特命指令≫ シロキ マチ ヲ コウリャク セヨ
http://4travel.jp/travelogue/11079496
【8】行ってみたい白い村 Zahara de la Sierra
http://4travel.jp/travelogue/11102653
【9】孤高の砦へダンジョン探検
http://4travel.jp/travelogue/11203550
【10】ガイドブックにはないセゴビア
http://4travel.jp/travelogue/11253212
【11】怒りと抗議の魂≪ゲルニカ≫
http://4travel.jp/travelogue/11254478
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
イチオシ
友人と二人で旅するスペイン - アンダルシア地方の旅も滞在4日目。
グラナダからバスとレンフェを乗り継いで、崖上の城塞都市ロンダへと到着したのは16時ごろ。
ロンダに到着してすぐに宿に直行し、荷物を部屋に放り入れ、ロンダの白い町へと繰り出した。
青い空を背景に断崖絶壁の大きな岩の上にそびえる白い家々。
ヌエボ橋の上に立ち、橋の両側を眺めると、写真で見るのと同じ有名なロンダの景色が目の前に広がる。
それは、とてもカッコよくって素敵な景色だったのだが、予想外だったのが観光客の人数の多さ。 -
ロンダは周囲の大きい都市からアクセスが悪いのでそんなに日帰りでの観光客は来ないだろう…と思い込んでいたのだが、それは私の思い違い。
団体ツアーの方々が次から次へとやってきてヌエボ橋の写真を撮っては、大きな声でワイワイとしゃべり、そしてひとしきり騒いだ後は次の観光地へと移動していく。
観光客の一波が去ると、また次の一波がやってくる…。 -
これは、橋の欄干にもたれながら、のんびりとこの素敵な景色を眺めよう…と夢想していた私には予定外の展開。
ロンダはどうやら一大観光地だったようだ。
友人と私は、団体観光客の多いこの時間帯ではゆっくりと景色を眺めるのは難しいと判断し、ヌエボ橋を渡り、人気の少ないであろう旧市街地へと向かう事にした。 -
予想通り、旧市街地へ入ると途端に団体観光客の姿は見えなくなり、辺りの空気も何だか違う感じ。
そうそう、こんな空間…。
私が歩きたかったのは。ロンダ旧市街 旧市街・古い町並み
-
まだ日も高く気温も暑い時間帯だったので、ロンダの住民たちは外にはいない。
こんな酷暑の時間帯に街路を歩いているのは旅人位だ。
まるで時が止まったかのようなロンダの街の中を友人と二人で歩く。
旧市街地に入ると観光街的な要素は少なくなり、完全にレジデンスエリアの雰囲気。
白い壁に黄色の縁取り、そして窓枠のアーチの上には小さな十字架があったり…と小さな発見が楽しい。 -
珍しくお土産屋さんがあったが、お客さんは誰もいなく、ついでに店番の方もいなかった。
絵葉書にもなる有名な景色の見えるヌエボ橋の周囲(特に新市街地側)は観光客でごったがえしいて、その周囲の雰囲気も土産物屋やレストランが並ぶ非常にツーリスティックな感じだったが、ほんのちょっと奥に歩くだけで、こんな昔ながらの街角があったりする。
お土産屋さんの脇の道の奥では子供たちが遊ぶ姿。
子ども達の賑やかな声に引寄せられるように脇道へと入る。
地図は一応手元にはあるが、見るのは大まかな方向だけ。
ロンダの旧市街地のエリアは広くはないので、方向さえしっかり頭に入れておけば、迷う事はなさそうだ。 -
細い路地を抜けると目の前に現れたのは、大きな鐘楼を持つ教会の聖マリア・ラ・マヨール教会だ。
ここは、ロンダの守護聖人を祀っている教会で、中の見学はできるが写真撮影は不可。サンタ マリア ラ マヨール教会 寺院・教会
-
聖マリア・ラ・マヨール教会の入場料4ユーロにはオーディオ・ガイド(日本語なし)のレンタル料も含まれていた。
教会の内部は金を多用したゴシック風なのだが、私が面白いと思ったのは教会の建物の方。
もともとがイスラムのモスクだった建物を壊さず部分利用して作った外観は、ところどころにイスラムアーチが残っていてユニークな形状だ。
鐘楼部分も元々はモスクのミナレットだったという事。
ミナレットだと思って眺めると、ミナレット風に見えてきてしまうから面白い。 -
教会のテラスから教会前の広場を眺めると左側に細長い建物が見えた。
この建物は市庁舎なのだが、平日なのに市庁舎の周りに殆ど地域の人の姿が無いのは、なんとも不思議だった。
新しそうに見える市庁舎の建物だが、この建物もロンダの街の歴史と同じくその生れは古く、建てられたのは1734年。
今から約300年前の建物だが、現役で役所として機能しているところが凄い。市庁舎 (ロンダ) 建造物
-
教会を見学した後は、また街歩きという名の冒険の再開♪
私はこんな細い生活道路の路地道が大好き。
友人は細い路地は危ないんじゃない〜と微妙に不安そうな顔。
そうだね〜〜。
夜に外灯もないこんな路地は危険だけれど、日が高い昼間ならば、大丈夫♪
だから、私はこんな細い路地道でもズンズンと進む。 -
迷路のように入り組む路地を抜けると、そこは完全に観光エリアではない地域、住宅地の外れのエリアへと来てしまったようだ。
でも、私にはこの方向へと進みたい理由があった。 -
友人と私が目指していた場所。
そこはロンダの旧市街地を囲む古い城壁が残る東側エリア。
此処には、13世紀に造られたロンダの街を守る城壁Murallras de las Xijara(ヒハーラ城壁)がある。 -
イチオシ
ロンダの崖の上に白い家が立ち並ぶエリアが出来たのは今から800年前の13世紀の頃、イスラム教の支配下にあった時代の話だ。
この時代に、ロンダのイスラム文化は花開き、イスラム寺院が作られ、ロンダはこの地方の中心的都市としての役割を果たすようになった。
と同時に、ロンダは異教徒からは羨望の目で見られるようになり、宗教間の土地争いでは、欲しい土地No.1の座に輝くことに…。
そんな宗教間の土地争いからロンダの街を守るために作られたのが旧市街地のこの城壁;ヒハーラ城壁だ。 -
切り立つ崖の上に立つロンダの白い町。
その周りを城壁で囲い、断崖絶壁の上に立つ孤高の城壁都市。
ロンダは難攻不落の町としてその名を知られていた。 -
800年前に作られロンダを守った城壁は今なお残り、現代の家の一部としても利用されている。
城壁の脇の道は荒れてはいるが、歩くことができ、今に残る城壁の様子を眺め、触り、城壁に腰かけたりも出来たりする。
写真の家は、城壁の壁とイスラムアーチの門を上手に組み込み、漆喰で周りを固め、現代風にアレンジした白い家。
こんな家が、城壁沿いには沢山並んでいる。 -
アラブの意匠が施された門も残されていた。
-
この門はヒハーラ門と呼ばれ、イスラム建築独特の二重アーチ構造を残している。
崩れかけた城壁に比べてこの門の状態は非常に良かったので、後世に修復の手が入っているのは明らかだ。 -
城壁沿いの道を新市街地エリアに向かい、下る。
城壁のあるエリアは旧市街地の町はずれで、私達以外に観光客はいなく(地元の人にも会わなかった)、すれ違う人は誰もいない。
ロンダの有名な観光ポイントであるヌエボ橋での混みようが嘘のような空間だ。
城壁の上にそびえるのは古くからのアラブの白い町並み。
そして、眼下には新市街地と呼ばれるキリスト教支配下に入ってから発達したロンダの町並み見える。ヒハーラの城壁 史跡・遺跡
-
ロンダがキリスト教徒の支配下にはいったのは15世紀の事だ。
難攻不落と云われた城壁都市ロンダを落としたのは、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いであったアラゴン王フェルナンド二世。
そう、コロンブスに新大陸発見の資金援助をしたカスティーリャ女王イザベル一世の夫であるフェルナンド君だ。
カトリック両王とも呼ばれるフェルナンド王は、アルハンブラを陥落する7年前にロンダに攻め入り、イスラム教徒たちに橋を落とす時間を与えないくらいの電光石火の速さで、ロンダをその手中に収めた。
そして、ロンダの町の礎を作ったイスラム教徒たちはその白き町を追われた。
そんな歴史を知った上で、この城壁を眺め歩くのは、はなかなか感慨深い…。 -
町の東側を囲む城壁はグアダレビン川のタホ渓谷の崖でその方向を変え、弧を描き、ロンダの旧市街地を囲む形状へと形を変える。
城壁の切れ目から下を見ると、川の下流に小さな橋が見えた。
この橋は11世紀ごろに架けられたこの地方でもかなり古い時代の石橋;アラブ橋で、川面の直ぐ上に架けられている。
現代のロンダの町、そこには3本の橋が架けられている。
一番古い橋が、この写真のアラブ橋。
そして二番目に古い橋が16世紀に造られた石橋のビエホ橋。
三番目の橋は、旅行記2枚目の写真で紹介した18世紀に建築されたヌエボ橋で、今は、ロンダの絶景ポイントとして絵葉書にもなり観光客にも大人気の橋だ。
旅行記の冒頭文で紹介したアラブ人たちが作った小さな木の橋は、今はもう、その形を残してはいない。ビエホ橋 建造物
-
ビエホ橋を下から眺められるポイントまで降りてみる。
その昔は他民族の侵略の懸念から崖沿いには道はなかったが、今は崖を下る遊歩道が整備され、グアダレビン川の下流からも歩いてロンダの城塞部分まで行くことができる。 -
グアダレビン川の下流へと崖を下って来た理由。
それは、スペインでも一番保存状態が良いと云われているアラブ式のお風呂屋さん遺跡を見るため。
ロンダのアラブ式浴場は13世紀に建築され、人々の社交の場として使われていた場所で、今なおアラブ・アーチの形が美しく残っている。 -
お風呂屋さんというと、ローマ風呂の様な大きなプールがあり水着を着て浴槽に浸かるタイプを考えてしまうが、アラブ式浴場にはお湯をためておくような浴槽は無く、あるのは冷たい水を貯めておく小さな水浴だけだ。
アラブ式浴場は、川の水をくみ上げ大きな窯で沸騰させその蒸気を室内に循環させるサウナ式の蒸気風呂で、その浴場内は縦に長く、手前が温度の低い部屋、奥に行くほど蒸気温度の高い部屋になっていたとのこと。 -
浴場の天井はドーム型で、蒸気が循環しやすい形になっていて、その天井には花びら型の穴が開けられ、蒸気抜きと明かり取りの役割をしている。
厳しいイスラムの教義と生活習慣の中で、サウナ風呂でのひと時は人々のリラックスタイムだったに違いない。 -
同じ様なサウナ風呂の習慣は中東のアラブ地域やモロッコでハマムとしても存在するが、きっとスペインのこの地域でも同じような習慣だったのだろう。
で、このアラブ浴場なのだが、これから行く方に注意してほしいことがある。
それはアラブ浴場の閉館時間。
ガイドブックには平日20時までとなっているが、実際は19時までだった。
友人と私がアラブ浴場遺跡に到着したのは18:55で、受付のお兄さんは閉館の準備をしていた。
でも、私達が見せて欲しい〜とお願いをしたら、5分で閉めるから急いでね!と言って見せてくれたが、到着があと数分遅かったらならば、無情にも鍵は閉められていたかもしれなかった。
見学時間が5分しかなかったので入場料3ユーロは無料としてくれたが、さすがに5分ではかなり忙しない見学となったので、これから予定されている方は時間にご注意を!アラブ浴場 建造物
-
アラブ浴場の脇の崖道をビエホ橋に向かって登る。
ビエホ橋の袂から城壁側を見上げると、城壁沿いに大きな門が見えた。
この門はフェリペ5世の門。
フェリペ5世門は、ヌエボ橋を再建したスペイン王フェリペ5世の功績を讃えて作られた門で、ロンダの玄関の役割を果たしていた。
日本でいう関所みたいな役割をしていたのだろう。
旅行記としては蛇足的な話だが、有名なガイドブックの記述にはこの【フェリペ5世門がイスラム時代の門である】との記述があるが、多分この記述は間違いだろう。
フェリペ5世門は見た目からしても欧州建築の色が濃い。
それに、ロンダがイスラムの支配下にあったのは15世紀までで、この門の名前を冠したフェリペ5世は18世紀のスペイン王だ。
ガイドブックの編集者がイスラム時代に作られたヒハーラ城壁の門(ヒハーラの門)とフェリペ5世門を混同している可能性が高い。フェリペ5世門 史跡・遺跡
-
イチオシ
ビエホ橋の上からグアダレビン川のタホ渓谷を眺める。
ロンダの町を結ぶ3つの橋が架かるタホ渓谷は高いところで150mの高さがあり、よくもまぁこんな崖の上に街を作る気になったものだ…と感心してしまう。タホ峡谷 山・渓谷
-
タホ渓谷の下流側のビエホ橋と上流側のヌエボ橋の間には渓谷沿いの散策路(新市街地側)があり、渓谷の景色を眺めながら散歩ができる。
ヌエボ橋方向に歩きながら、散策路を振り返ると、背後には16.世紀に作られたビエホ橋の姿。 -
そして、旧市街地側の崖上にはムーア人の王が暮らしたと云われる館(復元)がある。
-
更に、前方を見れば橋の高さ100mのヌエボ橋の姿が見え、まさに絶景ルート。
しかし、直射日光が当たる上、滅茶苦茶アツイ外気温のせいか、歩いている旅人の姿は友人と私以外にはなく、絶景が貸切状態。
この日の午後に、ヌエボ橋の袂で大勢のツアー観光客の姿を見てびっくりしてしまったのが嘘のように人の気配が無い。(午後8時を過ぎているのに気温が40℃近いのもビックリだが…) -
渓谷遊歩道にはウチワサボテンが自生していて、地中海の沿岸地方にいるというよりも南国に来たかのような気分になってしまう。
-
ここからは、旧市街地沿いの地区を離れ、少し新市街地(キリスト教による支配後に作られた町並み)へと足を向ける。
町並みの色はアラブ色の強い旧市街地も、キリスト教色の強い新市街地も同じ白が基調なのだが、やはり家のテイストが新市街地の方がモダンな感じだ。 -
新市街地でちょっと気になっていたのがこちらの建物で、ぱっと見は普通の教会なのだが、実はある秘密を隠し持っている。
この教会の名前はメルセー修道院で、ここの修道女さん達が作るお菓子が美味しい…とスペインでは評判になっているとのこと。
そのお菓子は此処の教会内でしか購入することが出来なく、ロンダに来なければ口にすることは出来ないお菓子。
時間が合えば、どんなお菓子なのかできれば食べてみたかったのだが、私達が訪れたのは20時。
さすがに教会の門は硬く閉ざされていた。メルセー修道院 寺院・教会
-
お目当てのお菓子が買えずに、傷心の私。
そんな私の心を癒してくれるのは、やっぱり食べもの♪
お腹も空いてきたので、町の中を夕食の場所を探しながら歩く。
生ハムのお店もあり、店先にはずらりとぶら下げられた生ハムたち。
今まで、生ハムはレストランでハンガーに乗せられている物しか見たことが無かったが、こうやって蹄のついた状態でぶら下げられると、迫力がある。 -
レストランは新市街地側が多いのだが、ヌエボ橋のほうまで行ってしまうと観光客相手のツーリスティックなお店ばかりになり、価格もそれなりに観光地価格となってしまう。
だから、私達が選んだのは地元の人達が集う広場Plaza del Socorro(ソッコーロ)広場にテラス席を出している小さなバルレストランLa Farola(訳せば、バル;瓦斯灯)。
テラス席が地元の人達で賑わっていたので、此処に決めた。Bar la Farola 地元の料理
-
暑さで喉も乾いていたので、まずは生ビール。
友人はあまりの暑さで、生ビールを一気に飲み干してしまった。
頼んだお料理は、魚と肉のプレート料理。
お肉は若干塩味がきつかったが、川魚のフライが美味しかった。
お会計はビール4杯と肉と魚のプレートで20ユーロ(約2800円)。
さすが観光地ロンダ。庶民派のバルでも、そんなに安くはない。 -
2015年の夏の欧州は異常な熱波に包まれ、特にスペインのアンダルシア地方は連日の最高気温が40℃を超える日が続くという異常気象。
そんな過酷な気候の中でも、私達が滞在した週はどうやら一番過酷だったらしく、この日のロンダの20時の気温は摂氏33℃。
温度計が置いてあったのは、バルの日陰の部分だったので、日向ではまだ35℃以上あったのだろう。
日本ではビールをさほど美味しいとは思わない私が、ビールが美味しく喉ごし爽やか〜〜と感じる程のアンダルシアの夏だった。 -
夜21時過ぎ。
ロンダの崖、ロンダの白い町並みが夕陽に染まる。
地球と宇宙が演出するマジックアワーの始まりだ。 -
アラメダ・タホ公園の崖に飛び出た絶叫展望台方向の景色もきれいだ。
空気の細かい粒子に太陽の光の粒が反射をしているような光景が広がっていた。アラメダ タホ公園 広場・公園
-
高さ100mのヌエボ橋にも夕陽が当たるかと期待したのだが、夏場は日の沈む方向の関係で橋には夕陽が当たらずに…残念。
感覚的には春分、秋分の頃が紅く染まるヌエボ橋の光景を楽しめそうだ。 -
この日は朝からグラナダ散策、そしてレンフェとバスで移動してロンダへとやってきて来て、休む間もなくロンダの町歩きをしたので結構体は疲れている。
気持ち的にはまだまだいけそうだったが、ホテルへと戻ることにする。
ホテルはヌエボ橋からも歩いて10分程度なので、すぐ近く。
友人はというと、苦手なバス移動があった上に灼熱の暑さで、顔には若干の疲れがみえる。
こういう時は、体力を落とさない為にもホテルでの休養が必須。
時刻は夜10時近いが、町の中のバルは夕食を楽しむ家族連れで賑わっていて、夜はまだこれから…と云う雰囲気だ。 -
・・・で、友人をホテルへと送り届けた私は、部屋でカメラのバッテリーを交換し、再び賑わう街の中へ。
友人には、ゆっくりとお風呂に入って先に休んでもらう事にした。
ホテル近くの噴水広場はライトアップされ、大きな教会の前ではオーケストラが音楽を演奏していた。
時刻は深夜にも近い22:30頃だが、日本の感覚で行けば夕方18時頃位のイメージだろうか。 -
さすがにバルでは食事の人よりも、食後の一杯を楽しむ方が増えていたが、通りには煌煌と明かりが灯り、女性の独り歩きでも全然問題が無い雰囲気だ。
-
イチオシ
独りで再びヌエボ橋の袂へと浮かう。
先程、輝いていたアラメダ・タホ公園の絶叫展望台はシルエットとなり、その背後にアンダルシアの山の稜線がグラデーションとなって浮かび上がる。 -
そして、パラドールの展望台からヌエボ橋を見ると、ヌエボ橋とタホ渓谷が黄金色に輝く光景が・・・。
ヌエボ橋/ヌエボ橋解説センター 建造物
-
イチオシ
黄金色に輝くヌエボ橋。
この光景はロンダに宿泊しなければ見ることの出来ない景色だ。
約300年前に架けられた、切り立つ崖と崖とを結ぶ石の橋、ヌエボ橋。
この日の午後にロンダに押し寄せる大勢の観光客を見た時は、ロンダでの滞在がどうなることかと心配したのだが、陽が暮れる頃には日帰りの観光客は家路につき、落ち着いた空間の中で断崖絶壁にそびえる天空の町Rondaとの対面ができた。パラドール デ ロンダ ホテル
-
ヌエボ橋の反対側の渓谷も、波打つような岩肌が美しい景色を描き出していた。
身体はかなり疲労感で一杯だったが、心は満たされて大満足。
ロンダは、日帰りではその魅力の半分も味わえない町。
ゆっくりと滞在してこそ、その美しさや歴史を感じることのできる町。
ここに一泊することにして、良かった…。
ロンダでの一夜は、そんな思いを抱きながら眠りについた夜となった。
前の旅行記 【6】チュロスとホットチョコで始まるグラナダの朝:
http://4travel.jp/travelogue/11076609
続きの旅行記【8】行ってみたい白い村〜Zahara de la Sierra〜:
http://4travel.jp/travelogue/11102653
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