2015/07/10 - 2015/07/19
14位(同エリア1489件中)
ウェンディさん
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- 旅行記377冊
- クチコミ2250件
- Q&A回答132件
- 2,002,071アクセス
- フォロワー343人
2015年の夏に友人と二人で旅したスペイン・アンダルシア地方。
旅の計画を始めたのは、旅の10か月前の昨年の秋。
旅の行先をスペインへと絞り込み、航空券を購入後にすぐに始めたことは、乱読。
スペインに関する本を図書館で借りてきては、ジャンルを問わずに読んでみた。
高校で世界史を履修しなかった私にとって、中世の世界情勢はブラックボックスみたいな混沌としたカオス。
何を読んでも、初めての知識で興味を掻き立てられた。
様々な歴史物語の中でも興味を引いたのが、スペイン王室の初代女王であるイザベル一世とコロンブスの関係だ。
イザベル女王とコロンブスが初めて出会ったのはコルドバのアルカサル。
二人は同い年という共通点からも意気投合し、コロンブスの語る夢物語に想いを馳せた。
コロンブスはイザベルに西回り航路の開拓の為の資金援助を願い出、女王はその願いに応え、資金を提供した…と書かれていた。
当時、アラゴン王と結婚しスペイン王国という新しい国を立ち上げたばかりのイザベル女王。
その時のカトリック両王には余剰の資金はそれほど多くは無かった筈だ。
それなのに、何故に、いとも簡単にコロンブスに多額の費用を要する航海の資金援助を行うことが出来たのだろう…?
スペインの歴史物語を紐解くにつれ、カトリック両王によるコロンブスへの航海の援助資金の出どころが疑問として膨れ上がってきたのだが、グラナダについて調べ始めて、その謎が解けた。
その謎を解く鍵は、グラナダのアルハンブラ宮殿だった。
イスラム王国最後の王ボアブディル王がスペイン王国に屈した年、255年続いたムーア人によるナスル朝王国が終焉を迎えた1492年に、コロンブスはカトリック両王(アラゴン王フェルナンド二世とカスティーリャ女王イザベル一世)と航海の契約を交わしている。
これが意味することは、カトリック両王はアルハンブラ宮殿を落としたことによりムーア人が残した金銀財宝を手にし、コロンブスの航海への資金提供の余裕が出来た…という事だろう(アルハンブラの財宝以外にも肥沃な大地ベガからの農業収入もあったと考えられるが…)。
スペイン最後のイスラム王国の陥落がコロンブスのアメリカ大陸発見という偉業に繋がり、その発見は最終的には中南米の稀有な民族の文化を滅亡に追いやることになった。
そして、カトリック両王に黄金と新たな領土をもたらした…。
表があれば裏があるのが歴史というモノなのかもしれない。
歴史は人類の営みであり、皮肉の塊でもある…。
この日、友人と私が旅するのは、イスラム王国が終焉を迎える前の世界、まだムーア人の王、王妃、そしてその王女たちが光り輝く宮殿の中で煌びやかに暮らし、禁じられた恋に胸を躍らせていた頃のアルハンブラ宮殿の世界-時に浮かぶ世界-だ。
☆★☆★☆旅程 2015/7/10?2015/7/19☆★☆★☆
□7/10 成田発 夜 - EK便-
□7/11 ドバイ着 - 乗換4時間(EK便) - マドリード着 昼, コルドバ迄レンフェ移動, コルドバ観光
□7/12 コルドバ観光 グラナダ迄バス移動, グラナダ観光
■7/13 グラナダ観光
□7/14 グラナダ観光, ロンダ迄バス&レンフェ移動, ロンダ観光
□7/15 ロンダ観光, 白い村迄バス移動, 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光
□7/16 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光, ロンダ迄バス移動, マドリード迄レンフェ移動
□7/17 マドリードからセゴビアへレンフェで日帰り旅
□7/18 マドリード街歩き, マドリード発 午後 - EK便-
□7/19 ドバイ着 - 乗換2時間(EK便) - 成田着 夜
☆★☆★☆初・初・初の女子二人旅 旅行記☆★☆★☆
【1】灼熱のフライパンを歩く-旅の始まりは42℃の洗礼-:
http://4travel.jp/travelogue/11034201
【2】メスキータとアルカサル?コロンブスの発見は何をもたらしたのか:
http://4travel.jp/travelogue/11037016
【3】真夏が見せた蜃気楼?礼拝堂で見たものは…:
http://4travel.jp/travelogue/11046902
【4】時に浮かぶ幻想宮殿 Alhambra :
http://4travel.jp/travelogue/11062297
【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜:
http://4travel.jp/travelogue/11069115
【6】チュロスとホットチョコで始まるグラナダの朝:
http://4travel.jp/travelogue/11076609
【7】≪特命指令≫ シロキ マチ ヲ コウリャク セヨ:
http://4travel.jp/travelogue/11079496
【8】行ってみたい白い村 Zahara de la Sierra
http://4travel.jp/travelogue/11102653
【9】孤高の砦へダンジョン探検
http://4travel.jp/travelogue/11203550
【10】ガイドブックにはないセゴビア
http://4travel.jp/travelogue/11253212
【11】怒りと抗議の魂≪ゲルニカ≫
http://4travel.jp/travelogue/11254478
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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スペイン滞在3日目となる7月13日の目覚めの場所は、グラナダの街の真ん中にある小さなホテル:マシア・プラザ。
マシア・プラザは二つ☆ホテルではあるが、その立地の良さ、部屋の清潔さからのコスパを考えると、かなりのお買い得ホテルだ。
シャワーブースにはバスタブもあり、朝も昼も夜も熱いお湯の供給に滞りは無かった。
壁の防音性も高く、広場に面しているのにも関わらず夜間の騒音は全く気にならなかった。
更にフロントのお兄さんは親切…ときたら、大当たりのホテルと言って良いだろう。
唯一ホテルの欠点として挙げるとしたら、部屋からの眺望だろうか。
部屋の窓を開けると、その20cm先に見えるのは隣のホテルの壁だ。
でも、ホテルは寝るだけの場所であり、部屋からの眺望の良さは私達の旅には必要ない。
部屋が清潔で(ベッド・バグ(南京虫)が居ないのが絶対条件)、熱いお湯が出て、置いてあるモノが盗まれないホテルであれば、何の支障もない。
(ツインルーム2泊で12,360円/二人、Expedia ;日本円事前決済)Hotel Macia Plaza ホテル
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ホテルを一歩出れば、そこはグラナダの観光の中心地であるヌエバ広場。
広場にはバルやカフェの出店が店を出し、夜遅くまで賑やかで、治安も悪くない。
この日は朝一でアルハンブラ宮殿へと向かうのだが、アルハンブラの旅行記の本編へと入る前に、少しだけ時間を巻き戻したい。
時計の針が逆戻りしたのは、1日前の夕方。
時刻はグラナダへ到着した18:00。
ALSAの長距離バスでコルドバからグラナダへとやって来た友人と私は、タクシーでホテルへと向かい、早速チェックイン。
その時に、フロントのお兄さんにあることを勧められた。ヌエバ広場 広場・公園
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その“あること”とは、アルハンブラ宮殿の入場券の発券。
私達も事前情報として、“ネット購入したアルハンブラのチケット(印刷物)は、入場前日までに正式な入場チケットへと事前発券しておく方が入場当日は何かと便利”と云う情報は入手していた。
しかし、グラナダへの到着はアルハンブラ宮殿へ行く前日で、しかもホテルへの到着時間は19時近くと夜の時間帯。
そんな遅い時間ではチケットブースまで行くのは無理だろうと考え、端からチケットの発券は諦めていた。
しかし、ホテルのフロントのお兄さんが言うには、ホテル前のヌエバ広場から歩いてすぐのところに本屋さん(Libreria)があり、そこでアルハンブラのチケットの発券ができるという。
この情報は私達にとってはかなりのお宝情報で、この日にアルハンブラのチケットを発券できてしまえば、翌朝の動きに時間的余裕が出来る。
だから、私達がグラナダについて最初にすべきことは、その本屋さんを探すこと。
部屋に荷物を押し込み、早速、街へと繰り出した。
(写真:アルハンブラのチケット発券ができるTienda Libreria de la Alhambra)ティエンダ リブレリア デ ラ アルハンブラ お土産店
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そして、お兄さんの説明通り、ヌエバ広場からイザベル・ラ・カトリカ広場へと向かうレジェス・カトリコス通り沿いに本屋さんを発見!
お店に入ってすぐの場所に自動発券機があり、お店のスタッフの方に手伝っても貰いながら、無事に翌日のアルハンブラのチケットの発券をすることが出来、一安心。
でも、お店のある場所は、フロントのお兄さんが説明したほどホテルからの距離はすぐそこ…と云う訳ではなく、歩いて5分程度の距離。
初めて歩くとちょっと長く感じる距離で、ヌエバ広場から2ブロック先を目指せば本屋さんがある感じだ。
また、Tienda Libreria de la Alhambraだが、本屋さんだと思ってお店を探すと見つからないかもしれない。
その見た目は本屋さんというよりもお土産屋さん風で、その実態はアルハンブラ宮殿のギフトショップで、アルハンブラ宮殿のミュージアムショップと同じ経営主体だ。
(ヌエバ広場からの行き方は写真の地図を参照:Tienda Libreria de la Alhambraの営業は20:30まで) -
時間を13時間進め、時間軸を元に戻そう。
スペイン滞在3日目の朝7:45。
友人と私はアルハンブラ宮殿に向かうためのバス乗り場であるイザベル・ラ・カトリカ広場へと向かう。
アルハンブラ宮殿に向かうバスは通称:アルハンブラバスと呼ばれ、赤と白の車体がその目印だ。
バスは約15分間隔で運行されているのでそんなに混みあう事はないだろう…と思っていたのだが、実際に停留所に行ってみてびっくり。
バスは立ち乗りをしなくてはならないほど混んでいたのだ。
世界中の観光客に大人気のアルハンブラ宮殿のチケットのネット予約は、売り出しから1週間程度で売り切れてしまう事もある。
だからネットでチケットを購入できなかった旅人は、当日の朝に当日販売分を求めてアルハンブラ宮殿脇の券売所に並ばなくてはならない。
その為、朝のアルハンブラバスは大混雑だった。
そして、アルハンブラバスの停留所があるイザベル・ラ・カトリカ広場には、ある銅像が立っている。
その銅像とは、冒頭文で紹介したアメリカ大陸を発見したコロンブスとイザベル(一世)女王の二人:コルドバのアルカサルでの邂逅の二人だ。イサベル・ラ・カトリカ広場 広場・公園
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イザベル・ラ・カトリカ広場からアルハンブラ宮殿までのバスの乗車時間は15分程度。
チケット売り場前でバスを降り、紅い城壁に沿って歩く。
目指すは、アルハンブラの鍵と手があると云われている“裁きの門”だったのだが、なぜか友人と私が辿り着いた門は、“車両の門”・・・つまり業務用車の出入口だった…。 -
車両の門を潜りアルハンブラ宮殿に入った私達が向かうのは、最初の目的地であるアルカサバ。
葡萄酒の門(写真)の下を通り、城塞であるアルカサバへと歩く。
葡萄酒の門のアーチの上には、鍵の彫刻が刻み込まれている。
鍵のモチーフはアルハンブラに於いては非常に重要な意味を持つ彫刻なのだが、この門の鍵に関してはオーディオガイドでも特に説明はなかった…。
そして、葡萄酒の門で特徴的なのは門に彫り込まれたアラベスク模様。
アルハンブラ宮殿ではアラベスク模様があちこちで見ることができるが、外郭門の中でアラベスク模様を施してあるのは、この葡萄酒の門だけだという事だ。
この門に関しては、もう一つ言及したいことがある
それは、葡萄酒の門…という名前について。
アルコールを禁止するイスラム教を信仰していたムーア人の宮殿であった場所なのに、なんでワインの門…と名付けられているのか。
(これについては、後で調べて分かったのだが、葡萄酒の門という名前はキリスト教徒によるレコンキスタ(再征服)後に名づけられた名前で、イスラム教徒であったムーア人が名づけたわけではないそうだ)ブドウ酒の門 建造物
-
アルハンブラ宮殿…。
旅の前は、アルハンブラ宮殿とは一つの構造体を指すものだと思っていた。
しかし、実際のアルハンブラ宮殿と呼ばれる建築物は、一つの構造物ではなく三個の部分の建築物:城塞、宮殿、離宮から構成されてる要塞だ。
そして、旅人がアルハンブラ宮殿を観光するためには、入場券の購入が必要となる。
その入場券のカテゴリーには何種類かあり、券種によっては全ての見所を見ることが出来ないものもあり、購入時には注意をしなくてはならない。
一般的なチケットは≪Alhambra General≫と呼ばれていて、城塞、宮殿、離宮の3箇所の見所全てに入場できる券種だ。
そして、≪Alhambra General≫を購入時には宮殿(ナスル朝宮殿)への入場時間の予約も一緒に行う必要がある。
ナスル朝宮殿の予約は朝の8時半から可能だ。
私達は朝の涼しい時間帯にゆっくりとナスル宮を見たかったので、午前中の9時半〜でネット予約をした。
(写真;前日の夕方、アルバイシン地区から眺めたアルハンブラ宮殿) -
葡萄酒の門から少し歩くと、アルハンブラ宮殿の城塞部分であるアルカサバが見えてきた。
アルハンブラ宮殿の開園時間である朝8時半にはもうアルハンブラの葡萄酒の門の前に居た私達は、早速オーディオガイド(日本語あり)を借りて、ナスル朝宮殿の予約時間までの1時間をアルカサバで過ごすことにした。
ここで少しだけ、オーディオガイドのレンタルについての情報を…。
オーディオガイドを借りる場合は、支払いが現金であってもクレジットカードが必須となる。その詳細については口コミに挙げておくので、これから検討されている方には参考になる情報だと思う…。
口コミ:アルハンブラでオーディオガイドをレンタルする時の注意点
http://4travel.jp/overseas/area/europe/spain/granada/tips/11937983/
(写真:アルハンブラの城塞:アルカサバ)アルカサバ 建造物
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オーディオガイドを聞きながらアルカサバを歩き、最初に見えてきたのは食料貯蔵等であったTorre de Homenage だ。
この塔は26mの高さがありその垂直の壁はかなり圧巻だが、さすがに観光客はその上までは登ることはできずに、私達が登れたのはTorre de Cuboと呼ばれる一段低い見張り塔までだ。 -
イチオシ
見張り塔はテラス状の塔で、塔の上からは朝日を浴びて輝くアルバイシン地区の白い家の町並みが良く見える。
真夏の太陽だが、朝の光は柔らかく白い家を包み込むような感じだ。
昨晩に教会の鐘楼から眺めた夕暮れ時の街の印象とはまた違った風に見える。
昨晩に私達が訪れたサン・ニコラス展望台や教会も、この中にある筈…。グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン地区 城・宮殿
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1枚前の写真の右端にあるのが、昨日の夜に登ったサン・ニコラス教会の展望台だ。
カメラの望遠側で覗いたら、昨晩、アルハンブラ宮殿の夕景を眺めながら食事をした絶景レストランのEl Huerto de Juan Ranasも発見!
まだ朝の9時前なので、展望台にも教会の鐘楼にも人影は見られない。エル ウェルト ファン ラナス 地元の料理
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見張り塔はアルハンブラ宮殿の中でも一番谷側(標高が低い側)に建つ塔で、アルカサバの向かい側の塔から眺めると、こんな風に見える。
見張り塔の真下はアルハンブラの最外郭の通路だ。 -
見張り塔は、その一番外側の通路を上から見下ろせる位置に作られている。
塔の城壁の縁には少しカーブがかかり、塔の床面は外郭通路にむかって緩やかに落ち込み、上から何か、大きな石などを転がし落とすには最適な構造だ。
そう、見張り塔Torre de Cuboはアルハンブラに外部から侵入してくる敵に対する最初の攻撃の場所であり、最初の防御地点:塔の上から火矢を射かけたり石を打ちつける場所だった。
アルハンブラ宮殿はグラナダの小高い丘の上に立つ赤い要塞で、その周囲は背の高い垂直の壁で囲まれ、その高く垂直な壁は、丘を登って攻めてきた敵が梯子をかけても登れる高さではなかった。
そんなアルハンブラ宮殿の中で唯一高さが低めなのが一番谷側にあったアルカサバの外郭部分で、度重なる襲撃の際に、最初に狙われたのもこの外郭通路だった。
しかし、ムーア人たちも敵襲に対する対策とその備えはバッチリ。
254年間という長い月日、イスラム王国最後の王であるボアブディル王がこの城を明け渡すその日まで、この見張りの塔は難攻不落の塔として、その役目を果たし続けていた。 -
見張り塔の向かいにある背の高い塔がベラの塔だ。
ベラの塔の上にも登ることができる。
ベラの塔には4本の旗、EU旗、アンダルシア州旗・スペイン国旗・グラナダ県旗が風ではためいていた。
旗の隣には鐘あり、その昔は村人たちに畑への給水時間や火急の事態を伝える目的で利用されていたのだが、現在ではある都市伝説的な使われ方もしている。
ベラの鐘は、グラナダ版の恋人たちの鐘。
この鐘を1月2日に鳴らせば、カップルならばその年のうちに結婚できる!、独身ならば素敵な伴侶に巡り合える!という言い伝えが、あるとか…無いとか…。
とにかく女性には人気のスポットみたいだ。 -
ベラの塔からはグラナダの市街地方向が良く見える。
町の中でひときわ存在感を放つゴシックな建物…あれは、カテドラル。
あの中には、黄金の祭壇もあるという話…。
地面から見上げたのでは大きすぎてその全体像をつかむのも難しいカテドラルも、塔の上から見下ろすと雰囲気が良くわかる。グラナダ大聖堂 (カテドラル) 寺院・教会
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そして、塔の上からアルカサバの城壁に取り囲まれた地区を見下ろすと、ブロックで作った積み木の様な空間が見える。
此処はムーア人が暮らしていた頃に、兵士や鍛冶屋さんたちが生活をしていた居住空間や武器庫であった場所で、現在、残っているのはその建屋の土台部分のみ。 -
ベラの塔から下へ降りて遺跡部分を見学する。
小さな部屋がいくつも壁で区切られている。
一つ一つの部屋はそれほど広くはないが、兵士たちはわりとプライバシーの守られた生活をしていたのかもしれない。 -
アラブ風呂と呼ばれるスチームサウナ風呂の竈跡や階段のある部屋の構造など、当時の様子を想像できるような家の造りだ。
-
遺跡の中で比較的、深い場所に掘ってある穴を見つけた。
排水溝の様なラインも走っているので、もしかしたらトイレかもしれない。
イスラムの文化圏では、下水道の概念が欧州の文化圏よりも早い時期に導入されていたので、あながち間違えではないかも…。
兵士たちの住居跡の遺跡についてはオーディオガイドでもあまり詳しい説明がないのが残念だ。 -
イチオシ
ゆっくりと城塞であるアルカサバを歩いていたら、あっという間にナスル朝宮殿への入場予約時間である9時半になってしまった。
急いで、ナスル朝宮殿の入口へと向かう。
ナスル朝宮殿は入場券チェックがかなり厳しく、入場可能時間はチケットに書いてある時間から30分間だけ。
1分でも遅くなったら、もう中へは入れてはもらえない。
時間ピッタリにゲートを訪れ、無事にナスル朝宮殿へと入る。
ナスル朝宮殿もまた、3つの区域(メスアール宮、コマレス宮、ライオン宮)で構成されていて、最初の見所はメスアール宮の裁きの部屋(メスアールの間)だ。
ここは、裁判の間でもあり、刑の執行場でもあった部屋だ。
イスラム王国時代は罪に対する刑が非常に重く、窃盗罪でも右手や耳の切り落とし等、厳しい刑が執行されたそうだ。
裁きの部屋の装飾も見応えがあったが、私的には裁きの部屋を出たところにあるメスアールの中庭と呼ばれる小さなパティオに心を奪われた。
裁きの部屋からパティオに出る所にあった馬蹄型のアーチ。
そのアーチに施された装飾の緻密さ…ときたら…。
団体の旅行客たちが素通りしてくアーチの下で立ち止まり上を見上げ、その美しさに思わずため息が出た。メスアール宮 城・宮殿
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パティオのファザードにもアラベスク模様がびっしりと彫り込まれている。
ファザードの構造は2層構造で、下層はタイルで彩られた出入口、そして上層にはムーア式の馬蹄形の窓がある。
馬蹄形の窓には細かなレース状に彫り込まれた木が嵌められていて外からは宮殿の内部の部屋の様子が覗けない様になっている。
これは、王妃や他の女性達が裁判の様子を傍聴する時に、彼女たちが室内から見ているのを外からは分からなくするため。
滅多に宮殿の外へは出ることのできない女性たちにとって、裁判と云えども外の空気を味わえる娯楽のひとつだったのかもしれない。 -
ファザードの彫刻を近くで観察する。
イスラム教では偶像崇拝を禁止していたため、ファザードに彫り込まれている模様は植物や花をデザイン化しパターン化したモノだ。
奇しくも今年はイスラム文化に縁のある年で5月にもトルコを訪れイスラムの芸術をタップリと味わったのだが、ムーア人のイスラム建築にはトルコのアラベスク模様とはまた異なる緻密さがある。
窓の下部には帯状にアラビア文字が描かれている。
これはコーランではなく、ムーア人の王を湛える文章だということだ。 -
メスアール宮の次に現れたのが、アルハンブラでも一番有名な景色。
コマレス宮のアラヤネスの中庭だ。
長方形の池に、謁見の間があるコマレス宮殿の姿が映し出される。
コマレス宮に陽が当たり、そのリフレインが美しい。
この美しいリフレインだが、いつ来ても水鏡の姿が見られるわけではない。
太陽の位置によってその見え方はかなり左右される。
コマレス宮殿の建てられている方角は中庭の池から見ると北東方向だ。
時間によっては太陽の光が直接コマレス宮殿に当たってしまい、反射光の方が強くなってしまう時間帯もある。
私もアルハンブラのチケットの予約前には、どの時間帯がベストなのかをかなり考えた。
太陽高度と影のでき方をシュミレーションし、更に暑くない時間帯という事で9:30前後を選んでみたのだが、大きな間違いはなかったようだ。コマレス宮 建造物
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池の面は水鏡となり、宮殿に彫り込まれた美しいアラベスク模様も逆さまの姿となり、水の中にもうひとつの幻想宮殿を作り出す。
観光客の姿も水面に写りこむ。
池の鏡のようなリフレインが、ふとした瞬間に揺らぐ。
その時、一瞬だけ水の中の幻想世界に魂が吹き込まれ、水面に写る観光客の姿がきらびやかな衣装を身につけたムーア人の王族の姿に変わり、池の回りで佇む王妃たちの姿が見えた気がした。 -
コマレス宮の側面の建物は女性専用の住居。
やはりどの窓にもレース状の透かし彫りが施され、外からは中の様子がうかがえないようになっている。 -
池を利用して水鏡を作り、更に建物の姿を映しこむ…と云う宮殿建築様式は1300年代にムーア人により考案された庭園建築手法だ。
同様の建築手法で有名なのがインドのタージマハールだがその建築年は、アルハンブラよりも遅れること300年後。
タージマハールを作ったイタリア人の建築家が参考にしたのが、このアルハンブラのアラヤネスの中庭の光景だと云われている。 -
イチオシ
コマレス宮は観光客で大賑わいだが、じっと片隅に立ち景色を眺めていると、喧騒が静かになり静寂が訪れる瞬間がある。
そんな時は水面も一瞬、時が止まったかのように静止し、水面を境にシンメトリーな幻想的な光景が目の前に広がる。
ベンチに腰を下ろし、気まぐれに訪れるそんな時をじっと待つ。アラヤネスの中庭 建造物
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コマレス宮にあるのはアラヤネスの中庭だけではない。
大使の間と呼ばれる王の謁見の間もある。
大使の間はアラベスク模様の彫り物を施した多くの窓で囲まれた部屋で、窓越しの光は金色に輝き、部屋の中を明るく照らし出す。
この大使の間の窓には、ある秘密があると云う。
その秘密とは、光の入射角。
王の謁見の座の位置に太陽光が集まるように窓の位置や角度を調節してあり、外国使節団が王に謁見をする際には、王の姿が光り輝いて見える仕掛けとなっていたらしい。大使の間 建造物
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大使の間の窓の装飾も見事だ。
-
イチオシ
ナスル朝宮殿で3つ目の見所は、ライオンの噴水があるライオン宮。
ライオン宮に入るとまず最初に目に飛び込んでくるのが細やかな装飾を施した白亜の柱の回廊だ。
そして、この中庭の真ん中にいるのが有名なアルハンブラのライオンたち。 -
12頭のライオンが水を湛えた水盤を支え、その口から水を噴き出している。
ライオンの噴水というとかなりカッコ良いものを想像するのだが、ここのライオンたちは気が抜けてしまう程の愛くるしい(間が抜けている)顔だ。
歯をむき出して、水の出口を咥えているところなどは、歯の治療中に綿を咬ませられる姿と似ていて、ちょっと滑稽ですらある。
しかし、イスラムの王宮にライオンの彫像とは、意外だった。
偶像崇拝を禁ずるイスラム教なのに、ライオンの彫像は偶像には入らないんだ…。
壁の模様にしても、緻密な植物柄のアラベスク模様のみにこだわるイスラム教徒。
だけどライオンはOKとは…。
不思議だ。ライオンの中庭 建造物
-
イチオシ
水を湛えた大きな水盤を背中で支えるライオンたち。
彼等は円陣を組み、その鋭い(笑いを誘うような)視線を宮殿中に配っている。
もしかするとアルハンブラ宮殿のライオン(獅子)には、沖縄のシーサーのように魔よけの意味があるのかもしれない。 -
このライオンの噴水は中庭の真ん中に設置されていて、噴水から流れ出した水は、中庭を取り囲むように建てられている王や王妃たちの部屋に流れ込む仕組みになっている。
夏のグラナダの日中の気温は40℃を超える日も多い。
外気温が暑いからこそ有効な、水の気化熱を利用した天然のクーラー・システムを備えた宮殿だったのだろう。 -
ライオン宮はライオンの噴水ばかりが注目されるが、その周りの建物も装飾が面白く、見ていて飽きない。
ナサリーエス宮殿 城・宮殿
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ライオン宮は王や王妃の居室でもあった場所だが、此処:アベンセラスの間ではかつて凄惨な事件が起きている。
その事件とは、姦通罪(冤罪だったのだが…)による36名の命が失われた虐殺事件。
事の発端は、王宮の権力争いだった。
15世紀ごろのアルハンブラ宮殿ではアベンセラヘス家とセネーテ家が二大勢力として権力の中枢部に君臨していた。
セネーテ家は何とか相手方を陥れようと考え、アベンセラヘス家の一族の者と王の寵姫の不倫の嘘をでっち上げ、王に密告した。
怒り狂った王はアベンセラヘス家の成人男子36名をライオン宮に呼び、誰が当人かと尋ねたが、濡れ衣ゆえに該当者はいない。
誰も名乗り出ないことに怒った王は、36名全員の首を斬首した…と云われている
その部屋が、この写真の部屋であるアベンセラヘスの間だ。
(写真:アベンセラヘスの間:天井装飾はモカラベ装飾で美しいのだが、集団恐怖症の人には辛い模様かもしれない) -
アベンセラスの間の中央床面には水盤があり、36名の首を刎ねた時、その血は水盤に溜まりライオン宮の水路全体が赤く染まったという。
そして、濡れ衣の罪を着せられたアベンセラヘス家の一族の呪いは、消えない血のしみとなって、600年を経た現代でも水盤に残っている。
そんなお話が、このアベンセラヘスの間には残されている。
…伝承としては、もう一つ違うパターンの話も伝えられているので、興味のある方は調べてみて♪…
(写真:血液のシミが今も残る水盤。このシミについては化学鑑定が終了していて、血痕なのかどうかは明らかになっている) -
アベンセヘラスの間を出て、さらに柱の回廊を散歩する。
さすが王の居住区だけあり回廊部分の彫刻模様、その透かし彫りが豪華だ。 -
柱の回廊から続く諸王の間は、一つ一つのブロックごとに小さな屋根が付けられ、ステンドグラス越しの光が差し込んでくる。
-
ステンドグラスの彫刻も手が込んでいて、光が差し込むと陰影の世界を作り出す。
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イチオシ
ライオン宮の最後は二姉妹の間と云われる小さなホールだ。
先ほどの惨殺の部屋であるアベンセラヘスの間と同じモカラベ構造の天井だが、こちらの部屋の方が採光も良く、明るい雰囲気だ。二姉妹の間 建造物
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アルハンブラにしては珍しく、色ガラスのステンドグラスも使われていた。
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部屋の壁には飾り棚があった。
この造りはイスタンブール(トルコ)にあるハレム(トプカプ宮殿)の飾り棚と同じ雰囲気だ。
でもアラベスク装飾の繊細さでは、二姉妹の間の方が一枚上手かも…。 -
二姉妹の部屋のテラスからはリンダラハの中庭の光景が見える。
リンダラハとは女性の固有名詞、つまり当時の王様の寵姫のために作られた庭だそうだ。
このリンダラハの庭だが、この庭はアルハンブラに憧れ、アルハンブラに伝わる伝承を集め編纂し、その不思議な世界の物語≪アルハンブラ物語≫を書いたワシントン・アービングがこよなく愛した庭だ。
ワシントン・アービングは、リンダラハの庭に面した小部屋でオレンジの木々が茂る庭を見おろし、魔術師やムーア人の亡霊が現れる幻想的なアルハンブラの世界にどっぷりと漬かっていたに違いない。リンダラハの中庭 建造物
-
実はこのナスル朝宮殿には、私がどうして見てみたかったものがあった。
それは、王の浴室であるサウナ室だ。
以前に市民大学の講座でアルハンブラ宮殿に関する講義を受けた時に見せて頂いた浴室のスライドが非常に印象的で、是非自分の目で!と思っていたのだが、2015年は王の浴室は修復工事中で閉鎖されていて見ることは叶わなかった。
その代わり見ることが出来たのは、その修復風景。
お姉さんが真剣な表情で修復作業をしていた。
面白そうな仕事だ! -
お姉さんが修復していたのは、アラブ浴室の屋根の部分。
ドーム天井の星形の蒸気抜きの穴を見ることが出来た。 -
ナスル朝宮殿の中にはワシントン・アービングの部屋も残されている。
彼の部屋の中は見ることはできないが、旅の前に何回も読んだあのお話が此処で執筆されたのか…と思うと、ちょっぴり感動する。 -
アービングの部屋の辺りには、リンダラハの庭園に面する渡り廊下があり、渡り廊下の上は涼しい風が吹き抜ける気持ち良い場所。
日向に出れば40℃近い気温なのだが、木陰に居て風さえあればとても気持ちいい過ごしやすい気候だ。
多くの旅人が手すりにもたれかかり、涼風を浴びながら、眼下に広がるアルバイシン地区の景色を眺めていた。 -
友人と私も歩き疲れたので、此処で一休み。
風に吹かれながら、景色を眺める。
ふと足元を見ると、床のタイル模様がカワイイ!
茶色のタイルの中に所々に埋め込まれたモザイクタイルたち。
誰も見向きもしない床のタイルだが、その色のセンスがとても素敵だ。 -
ゆっくりとナスル朝宮殿を見ていたら、時刻はあっと云う間にお昼前。
まだアルハンブラ宮殿の半分を見終わったばかりだというのに、時間が過ぎるスピードに驚いてしまう。
でも、お腹は正直だ。もう、お昼の時間だと主張を始めている。
お昼をどこで食べるかはノープランだったのだが、アルハンブラの敷地内のホテルであるHotel America(アルハンブラにありながら、アメリカホテルとは凄いネーミングだとは思うが…)でランチをやっているのを発見!
選択の余地はほとんどないので、今日のランチはHotel Americaの中庭に決定。ホテル アメリカ ホテル
-
とりあえずは、飲み物のサングリアを頼んで…。
友人は生ハム、私はオムレツのボカディージョをオーダーする。
勿論、前菜としてアンダルシアの家庭料理であるサルモレッホも忘れてはいない。
(飲み物2杯、ボカディージョ2個、前菜1皿で30ユーロ程度)
ここでお腹を満たし、英気を回復した友人と私は、また、午後のアルハンブラへ。
ヘネラリフェの庭園やバルタル庭園など、まだまだ見たいところはたくさんある。 -
そして、夜は…。
初めての経験、洞窟フラメンコを見にサクロモンテの丘へと行く。
そのお話は、また次の旅行記で…。
前の旅行記:【3】真夏が見せた蜃気楼〜礼拝堂の少女〜:
http://4travel.jp/travelogue/11046902
次の旅行記:【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜:
http://4travel.jp/travelogue/11069115
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この旅行記へのコメント (8)
-
- 讃岐おばさんさん 2015/10/10 11:11:18
- アルハンブラ宮殿!
- こんにちは〜
素敵ですよね、素晴らしい宮殿!
実は来年1月末出発でスペインへ行こうと計画中です。
私の場合は一人参加のツアーですが。
ツアーなのでこんな風にゆっくりと宮殿内を巡るのはとても無理だろうと思っていますが、こちらを参考に予習して行きますね。
讃岐おばさん
- ウェンディさん からの返信 2015/10/10 17:52:37
- RE: アルハンブラ宮殿!
- 讃岐おばさん こんばんは♪
スペイン旅、いいですね〜。
私も、鞄に潜んでついて行きたいです。
アルハンブラ(アンダルシア地方)の予習と云えば、お勧めの本があります。
W.アーヴィングのアンダルシア物語はマストですが、副読本として日経BP出版センターが出している≪アルハンブラ宮殿 南スペイン三都物語≫は、事前に読んでも旅の後に読んでも、なるほど〜と思う部分がありお勧めの一冊です。
レコンキスタの話や各観光地の見所の話、そして、カスティーリャ両王と狂王女ファナ、そしてその息子のカール五世とアルハンブラの関わりなど、日本人には理解しにくい部分を分かりやすく解説してくれています。
色々と予備知識を入れてから旅立つと、旅はもっと楽しくそして興味深くなります。
私の旅行記が讃岐おばさんの旅の準備に少でも役に立てば良いのですが…。
ウェンディ
-
- まーやんさん 2015/10/08 00:58:44
- 素晴らしい彫刻
- ウェンディさん、こんばんは。
スペイン旅の続き、待っていました♪
初海外のご友人とのスペイン旅。私も初海外がスペインだったので、
長距離フライトや初海外の緊張から旅が始まったであろうご友人と、
少し自分を重ね合わせながら、拝見していました。
そして、そんなご友人を気遣って行動されていたウェンディさんの
優しさも伝わってきました!
アルハンブラ宮殿、とっても懐かしいです。
なんせ訪れたのが20年以上も前なので、、記憶もおぼろげですが、
緻密な彫刻の素晴らしさに、本当に感動したことは今でも覚えています。
そして、あのライオン達を見た記憶も。
旅行記を拝見して、当時を思い起こすことができ、嬉しかったです^^
続きも楽しみにしています。
まーやん
- ウェンディさん からの返信 2015/10/09 06:56:14
- RE: 素晴らしい彫刻
- まーやんさん こんにちは。
人生初の海外旅行の記憶は、いつまでたっても忘れられないですよね。
私も20歳の時の英国が初海外でしたが、トランジットで立ち寄った香港の空港の空気の匂いや飛行機の中での機内食の様子、更に自分がしでかした様々な勘違いなど、いろんなことを鮮明に覚えています。
今回の旅は初海外・初飛行機の友人との旅でしたが、旅のペースはいつもの私のペースを多少ゆっくりにした程度で、友人には少しだけハードな旅だったかもしれません。
でも、彼女も初海外にしては現地への順応度は高く、過ごし方のコツを掴んでからは上手に自分のペースを保ち行動して、大きく体調を崩すこともなく過ごせました。
そして、最終日には半日の自由行動の日を作り、次への旅の自信につながったのではないかと思います。
アルハンブラの姿はいつの時代に見ても旅人に大きな感動を与えるのでしょうね。
私が訪れた夏も40℃を超える気温の中、世界各国から旅人が訪れ、紅き城、イスラム王国の栄華の様子を楽しんでいました。
今回のアルハンブラの景色で、私が一番感動したのは、アラヤネスの庭でもなく、ライオンの噴水でもなく、ライオン宮にある柱の回廊の彫刻の美しさ。
イスラム芸術の凄さを垣間見た気がしました。
旅行記はこの後、アルハンブラの離宮であるヘネラリフェ、そしてグラナダの町歩き編へと入ります。
また、旅行記に遊びにいらして下さいね。
ウェンディ
-
- aoitomoさん 2015/10/07 19:52:37
- 凄いアルハンブラ観光計画!
- ウェンディさん こんばんは〜
アルハンブラ宮殿をスムーズに観光するには色々ハードルがありますね。
グラナダの中心部の入場チケット発券所の情報は助かります。
朝から混みあうのは知ってましたが、少しでも効率を考えたら、チケットのネット購入と速めのチケット発券は必須と思いました。
いつもながら対策は完璧です。
オーディオガイドレンタル時のクレカ2枚持ちの情報もなるほどです。
巨大なカテドラルはベラの塔から眺めると確かに全体像が分かりやすいのと、朝の光の向きも丁度いいです。
さらに振り返ってみる建屋の土台部分。トイレと思われる部分をチェックするなど面白いです。
当時のここでの生活が気になります。
> ムーア人のイスラム建築にはトルコのアラベスク模様とはまた異なる緻密さがある
私もアルハンブラには訪れてはいませんが、この違いには驚きました。
細かすぎる壁面の彫刻には驚くばかりです。
『コマレス宮のアラヤネスの中庭』
ここの水面の反射の丁度いい時間帯も難しいと思いますが計算されていて凄いです。
『イスラムの王宮にライオンの彫像』
言われてみれば、確かにライオンの彫像は不思議ですね。
私も調べてみましたけど分かりませんでした。
やはり魔よけですかね〜
『コロンブス』
コロンブスの航海資金繰りの話、全く知りませんでしたが、知ると面白いですね。
航海以上に資金繰りで陸でも動き回っていることがよくわかりました。
イスラム王国の終焉もコロンブスを助けたのですね〜
楽しませていただきました〜
aoitomo
- ウェンディさん からの返信 2015/10/08 23:31:44
- RE: 凄いアルハンブラ観光計画!
- aoitomoさん こんばんは。
アルハンブラ宮殿の見学は、今回の旅の中でも一番のメイン。
目いっぱい楽しんできました。
私が訪れた日のナスル朝宮殿の入場券は午前中は殆ど売り切れで午後に多少余裕があったようですが、世界中から観光客が押し寄せるアルハンブラは、どこへ行ってもヒトがいっぱいで、その人気の高さを実感しました。
今年は珍しく海外への旅が2か月続きであり、それも両方ともイスラム文化という共通点を持ち、国によるイスラム文化、特に建物の装飾の差異を興味深く眺めてきました。
中東のイスラム装飾とアルハンブラのイスラム装飾は、同じアラベスク模様と言って良いのかもためらってしまう程の違いがあり、驚かされました。
モロッコのイスラム文化もアルハンブラと似た感じの装飾ですが、やはりアルハンブラの方が洗練されている感じです。
またアルハンブラでは、ガイドブック等で有名な景色以外にも素敵な景色をあちこちで見ることができ、訪れて良かった場所です。
更に今回の旅では、W.アーヴィング著のアルハンブラ物語を読んでいた為、建物の一つ一つを物語性を持って眺められ、アルハンブラがより印象深く感じられました。
コロンブスの話はスペインの歴史の中では傍流のお話ですが、カスティーリャ女王のイザベルとの関係を含めて私的には非常に興味を感じた部分です。
スペイン最後のイスラム王国の陥落がコロンブスのアメリカ大陸発見の資金源となり、その発見は最終的には中南米の稀有な民族の文化を滅亡に追いやることになる。
そして、カトリック両王に黄金と領土をもたらした…。
歴史は皮肉の塊である…。
今回の旅で、そう思いました。
ウェンディ
-
- きなこさん 2015/10/07 10:36:40
- アルカサバ
- こんにちは〜
アルカサバ時間がなくって・・・
良い感じですねぇぞくぞくする風景
それと王の浴室ですが見られたんですね
私は歩き疲れてどこをどう見たか(笑)
私達の方がずっと暑さも和らいでいたのに
ほんと毎回勉強になります
そう私達もあの巡回しているバスを利用しました
結構混んでましたよね
きなこ
- ウェンディさん からの返信 2015/10/07 20:13:27
- RE: アルカサバ
- きなこさん こんばんは。
やっとスペイン旅行記の4冊目を上げました。
書きたいことがありすぎて、頭の中にアイディアは沢山あるのですが、なかなかそれが旅行記の構成としてまとまらず苦労しています。
きなこさんの書くスピードにはとても追いつけそうにありません。
今回のスペイン旅では、中東とアフリカ系のイスラムの装飾の違いを実感しました。
どちらの国も建築物のデザインの基本はアラベスク模様ですが、春に訪れたトルコはどちらかというと大胆にデフォルメされたデザイン、アフリカ系のグラナダのアルハンブラの模様は緻密で細やかなデザインのように感じました。
特にアルハンブラのアラベスク模様は、きなこさんもモロッコで訪れたTelouet(テェルウェット)のカスバの装飾に似ていると思いませんでしたか?
特にアーチの装飾部分などはそっくりの気がするのですが…。
きなこさんのバルセロナ旅行記三部を拝見しましたが、写真がどれも素敵ですね。
もしかして、カメラの腕を上げられましたか?
いくら機能が優れた最近のカメラでも、構図や撮るタイミングは撮影者の感に依存するものなので、カメラのせいだけではないと思いますよ〜。
今回の旅行記はアルハンブラ宮殿の前半部分のみですが、アルハンブラって考えていた以上に凄い…というか物語性のある建築物ですよね。
私達はアルカサバから見学をスタートしましたが、1時間なんてあっという間。
ナスル朝宮殿に至っては2時間をかけてじっくりと見学しましたが、あとからガイドブック等でここ見てなかった〜〜という場所を見つけ、ショックを受けています。
私は今回が初スペインでしたが、かなりその魅力の虜になっています。
今回はアンダルシアだったので今度行くならば、北部かな〜と、まだまだ先になりそうな旅の計画を妄想しています。
次に行けるのはいつになるかは分かりませんが、スペインは底知れない魅力を持っている国ですね。
ウェンディ
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