日本最古の木造の洋式音楽ホール～奏楽堂～

2009/05/05 - 2009/05/05

上野の藝大の隣にある奏楽堂は、東京芸大学音楽学部の前身である東京音楽学校の施設として、明治２３年に建築された日本最古の木造の洋式音楽ホールです。
この地に移築されたのは昭和６２年の事。以来一般公開され、運がよければコンサートを無料で聴くこともできます。
HPによると、２階の音楽ホールでは、かつて滝廉太郎がピアノを弾き、山田耕筰が歌曲を歌い、三浦環が日本人初のオペラ公演でデビューを飾ったという、日本の洋楽黎明期のヒノキ舞台だったところ。
そんな歴史と伝統あるクラシックな音楽ホールをのぞいてきました。

エリア 上野・御徒町(東京)

• 交通手段: 徒歩

この建物は、東京音楽学校(現：東京芸大音楽学部)の講堂兼音楽ホールとして明治２３年に藝大構内に建築されました。

設計は文部省営繕課の技官だった山口半六と久留正道が、音響設計を音楽学校主事の上原六四郎が担当しました。

現存する日本最古の木造洋式音楽ホールで、建物老朽化により、明治村への移転計画が持ち上がりましたが、日本建築学会、作曲家の黛敏郎、芥川也寸志らの音楽家グループ、市民らの反対により撤回され、台東区に譲渡され現在地に移築保存されました。

エントランスを入ってまっすぐの、ここから奥は未公開エリア、どうなっているのかすごく興味がありますが、残念ながら見ることはできません。

先に２階のホールに上がってみましょう。

２階のこの部屋は、休憩室と言うか談話室、そんなスペースになっています。

ホール中央部天井をヴォールト状にするなど、視覚、排気、音響上の配慮がなされているます。

ある演奏者の感想を聞くとこのホール、随所に導入された工夫によりカーネギーホールで演奏するのと似た音が出るとか。

またある人は、奏楽堂そのものが楽器であるとか。
とにかく音響効果の高いホールであることは間違いないようです。

正面にあるパイプオルガンは、日本最古のコンサート用オルガンで、大正9年に徳川頼貞侯がイギリスから購入し、昭和3年に東京音楽学校に寄贈したものです。

関東大震災により崩れてしまった麻布の音楽堂にあったこのオルガンを、ここの再現するためにかかった費用は、上野界隈の市民による寄付で集めた１０００万円を超える費用を充当して復元しているそうです。

無料コンサートに出くわしたことはありますが、その時はピアノと管弦楽だったので、このパイプオルガン聴いたことはありませんが、日曜日には藝大の学生が演奏しているとの事、どんな音色を奏でるのか聴いてみたいものですね。

現在、東京には大小の様々な音楽ホールが林立していいますが、それらに交じって、席数３３８のこぢんまりした奏楽堂は、ぬくもりのある響きで今も、独特の存在感を保っているようです。

天井の換気口もご覧のようにおしゃれな装飾が施されています。

展示室におかれていたグランドピアノ

蓋を開けるとピアノってこんな感じになっていたのですね。

ピアノには縁がなくて、中の構造を初めて見ました。

こちらは奏楽堂の建築に関する展示室。こちらは移築される前の外観に使われていたパーツ

壁の断面　当時は音響効果と防音効果を高めるために手段として壁や中に床の中に藁や大鋸屑を詰めていました。これってどのくらいの効果を発揮するのか、はなはだ疑問。

これなんでしょう。ミシン? それともライティングデスク？　なんだろう？？？？

蓋を開ければ、ご覧のように洗面化粧台が現われます。

階段は全体で４箇所ありますが、こちらは玄関の左右に付けられている階段。

この旅行記へのコメント （2）

• までさん 2009/05/10 21:01:37

  欲しい・・・

  ぬいぬいさま
  こんばんは。お邪魔してます。
  
  嘘です。欲しくはありませんが･･･(笑)
  昔入院していたときに看護婦さんが移動シャンプー台で
  シャンプーしてくれて、その排水で病室が水浸しになったことが
  想いだされました(笑)
  
  どんな風に使っていたんでしょうね？
  

  ぬいぬいさん からの返信 2009/05/11 06:29:36

  旅行記完成楽しみにしてます

  までさん　おはようございます
  
  なんかすごい勢いで精力的に旅行記アップしてますね。
  べたべた足跡つけて失礼しました。
  シンガポールは私も２年半前にバリに行った時、トランジットでわざわざ便を変更して８時間あちこち飛び回って見てきました。
  
  最大の目的はラッフルズのロングバーでシンガポールスリング
  ホテル内をうろちょろして写真撮りまくり状態でした。
  夏にバリが決まったので、バリの旅行記のアップも楽しみにしてますね。