2010/03/28 - 2010/03/28
151位(同エリア323件中)
ぬいぬいさん
東京都庭園美術館にある旧朝香宮邸。
私の大好きなアール・デコ様式の素敵な洋館ですが普段は美術館として作品が展示している関係もあり、内部は撮影禁止になっています。
ここを訪れるたびに、展覧会の展示品よりもアール・デコの装飾に目が行ってしまい、いつも展示品はほとんど見ていません。
こちらでは、年に一度だけ建物だけを特別公開していて、そのときだけ、心置きなくカメラで建物内部を撮影することができます。
今年は桜の季節に開催されました。
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桜の季節に、ここに来たのは初めて
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家が近いこともあって、年に何度かは訪れる場所ですが、普段は美術館なので企画展を開催しているのですが、年に一度だけ、展示品の無い建物だけを公開する企画があります。
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アール・デコの館と呼ばれているのは旧朝香宮邸
現在は東京都庭園美術館として公開されています。東京都庭園美術館 美術館・博物館
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エントランスを入ると正面にルネ・ラリックのガラスの女神像のレリーフがお出迎え
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この女神両翼がついています。
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エントランスのラリックの女神像のレリーフの足元はこんなモザイクタイル
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アンリ・ラパンのデザインによる香水塔は、1932年にデザインされたものを、フランス国立セーヴル製陶所で製作され、フランス海軍より朝香宮家に寄贈されたもの。
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朝香宮邸当時は上部のこの照明の内部に香水をたらして、照明の熱で香りを漂わせていたそうです。
そんなことから香水塔と呼ばれるようになったとか。 -
大理石にレッドカーペットを敷き詰めた階段
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大客室のラジエーターカバーは宮内省内匠寮が手がけたもの。
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大客室のシャンデリは、花と歯車をモチーフにした、ルネ・ラリックの作品
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ここで朝香宮邸についてちょっと触れておきましょう。
朝香宮邸は、皇室の久邇宮家第8王子と明治天皇第8皇女が結婚し、その新居として1933年(昭和8年) に建てられた建物です。 -
戦後の一時期は、外務大臣や首相の公邸、国の迎賓館などとして使われてきましたが、1983年に東京都庭園美術館として生まれ変わりました。
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大客室のエッチンググラスが嵌めこまれた扉
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金属製のパネルに植物の模様を型押しした壁
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ここの見所のひとつが各部屋に取り付けられたアール・デコ様式の様々なデザインの照明器具。
大食堂は、ルネ・ラリックの作品のざくろとパイナップルのフルーツの照明 -
そしてもうひとつが、各部屋に取り付けられたラジエーターカバー
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大食堂の窓の下に壁に沿って配置されている魚をモチーフにしたラジエーターカバー
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銀引きのフロスト仕上げのエッチング・ガラス
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大食堂の暖炉の上の壁画
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どの部屋の照明を見ても見とれてしまうほど見事です
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一番奥にも階段があって、側面にはこんな明り取りの丸窓がついています。これもしっかり幾何学模様のアールデコ風
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庭園に出る裏口のドアの上部はパーゴラになっています。
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奥の階段はこんなシンプルなもの
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姫宮寝室前の照明
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色とりどりのステンドグラスで組み合わせた多角形の照明は、ここのお気に入りのひとつ
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こちらはゴルフボールをモチーフにしたもの
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明治天皇の第8皇女だった朝香宮妃殿下の胸像。
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妃殿下寝室からは2階ベランダへ出ることができます。
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ベランダには三角錐の形状をした照明が下がり、床はウインターガーデンと同じ市松模様の石貼りになっています。
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ここで、朝香宮邸のアール・でこについて館内の説明パネルの記載内容をもとに説明致します。
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昭和8年(1933年)に竣工した朝香宮邸は宮内省内匠寮工務課が設計、監理し、戸田建設が施工を担当しました。
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アール・デコの精華ともいえる建築の完成は、朝香宮自身が依頼したアンリ・ラパンらフランス人芸術家、デザイナーの協力と、そしてなによりもアール・デコを目のあたりにし、その様式美に魅せられた自邸の建設に積極的に取り組まれた朝香宮ご夫妻の熱意があって実現したことといって過言ではありません。
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外観はモダニズム建築のもつ抑制が感じられ、立面は直線の織り成す幾何学的リズムと簡潔さを基調として、列柱やベランダ廻りのレリーフなどが示すアール・デコ的な装飾が単調になりがちなファサードにアクセントをあたえています。
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現代社会のはしりともいえる時代を反映し、量産可能な工業製品のデザインからはじまったアール・デコは庶民的な様式でしたが、朝香宮邸においては日仏のデザイナー、技師が総力をあげて、建築材料を厳選し当時のできうる技術を駆使し、宮家にふさわしい格調高い独特のアール・デコ建築を創造しました。
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朝香宮邸建築に携わった宮内省内匠寮工務課は宮内省所管の建築、庭園、土木などを司るエリート集団で、100名ほどの優秀な人材を抱えていたそうです。
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宮内省内匠寮が手掛けた建築物は他に赤坂離宮(明治41年)、竹田宮邸(明治44年 現高輪プリンスホテル)、久邇宮邸(年代不詳 現聖心女子大学)、李王家邸(昭和5年 現グランドプリンスホテル赤坂)、東京国立博物館(昭和12年)などがあります。
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若宮寝室より眺める庭の桜
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薄暗い部屋から見える窓の向うの桜
不思議な雰囲気があります -
見事に咲いてますね
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2階広間の天井の大型の円形照明。
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中央階段を登りきったところにある、花文様があしらった照明塔
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大広間の壁面に嵌めこまれて飾られている大理石レリーフ「戯れる子供たち」は、彫刻家レオン・ブランショの作。
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1階大広間から2階の広間へ通じる中央階段。
当時はパブリック・スペースからプライベートスペースへの階段で、2階広間はご家族のくつろぎの場となっていました。 -
若宮居間の照明は、シンプルな形ですが側面には鮮やかなステンドグラスになっています。
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建物公開なので美術品の展示は最低限のものだけ。
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本日のお気に入りはこの照明
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真下から見るとこうなります。
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ボウウインドウのようなアールの付いた窓
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正面玄関の東側の桜が窓の外側に見えています。
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若宮寝室のラジエーターカバーも魚の柄がはいっています。
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普段は未公開のウィンターガーデン
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かつては温室としても使われていた部屋で、壁と床の市松模様に貼られた石がモダンな雰囲気
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温室の名残の壁から直接出ている水道の蛇口
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3階奥の階段室の窓
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戦後国の迎賓館になる前は、吉田茂首相の公邸として使われていた時期もあって、ここで白州次郎と吉田茂の打ち合わせなどもされていたのでしょうね。
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2階へ昇る階段に施されたガラスとブロンズ装飾も見事です。
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裏側から見ても素敵です
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階段下には大理石で作られた洗面台があり、蛇口の陶器でできたつまみには「PORCHER PARIS」フランス製なんですね。
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外観は余分な装飾のない、シンプルな日本に現存する代表的アールデコ様式の建物です。
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アールに出っ張った食事室の上部はルーフテラスになっているようです。
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2階のバルコニーの下はこんな感じのテラスになっています。
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中の装飾は見事ですが、外観は本当にシンプルですっきりした感じです。
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日本庭園の中にある茶室「光華」は1938年に建てられたもの。
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せっかく来た庭園美術館なので、最後にちょっとだけ庭に配された彫刻を眺めていきます。
まずこの白い大理石でできた作品は、安田 侃の「風」東京都庭園美術館 美術館・博物館
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朝香宮邸をバックにしたキリンは、アメリカの作家ウォルター・ロータンが1939年に製作した作品。
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庭園側の桜はこれからの感じでした。
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イスラエルの彫刻家ボアズ・バーディアの作品の「ヒルタイとバシュフル」
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最後に東京都庭園美術館の庭で見ることのできた花を紹介します。
まずは桜
朝香宮邸の正面にあった桜は見事に咲いていました。東京都庭園美術館 美術館・博物館
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でも、名前の良くわからない花ばかりで、これはなんでしょう?
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この花は?
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さっきの色違いのようだけど・・・?
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この小さな釣り下がった一輪の白い花は?
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この白もわかりません。
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この白い花はマンサクでしょう
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結局わかったのはこのツツジだけでした。
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最後にもう一度アール・デコの館・旧朝香宮邸を。
4月11日で建物公開は終了となりました。
これから見に行っても内部は撮影NGです。
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この旅行記へのコメント (4)
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- まゆままさん 2010/04/07 22:48:22
- 行きたかったです〜
- ぬいぬいさん、こんばんは!
旧朝香宮邸のアールデコ装飾やはり素敵ですね〜
細かい部分のデザインを楽しませていただきました。
外観の素っ気なさ?とはうってかわって
内部はほんとに美しく洗練された装飾にあふれたすばらしい館ですね。
私もこの公開の1週間ほど前に東京へ行ってたので
かぶってなくて残念だなあと思ってました。
ところでぬいぬいさんの旅行記で初めて見て衝撃的だった梵寿綱の作品を
今回ほぼ回ってきましたよ〜生梵寿綱はやはりすごかったです。
勢いに乗って向台老人ホームまで行ってしまいました〜(まだアップしてませんが)
- ぬいぬいさん からの返信 2010/04/09 00:10:12
- 久々に梵寿綱みせてもらいました
- まゆままさん こんばんは
東京にいらしてたんですね。
梵寿綱 旅行記で久々に見せてもらいました。
こうしてみるとやっぱりすごい。
また見に行ってみたくなりました。
向台老人ホーム、見たことないので旅行記のアップ楽しみにしてます。
アールデコの館、家から近いので、年に何度か見に行ってますが、年に一度の建物公開だけははずせませんね。
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- まみさん 2010/04/07 12:30:22
- おお、私も狙っていたのですが
- 行けそうになくて残念!
ぜひ撮りたかったです。
人のいない写真を撮るシャッターチャンスは大変ではなかったですか?
- ぬいぬいさん からの返信 2010/04/07 13:03:05
- 結構大変でした
- 最近バスツアーにも組み込まれているようで、この日もクラブツーリズムのご一行が団体でうじゃうじゃいました。
だからこれだけの写真を撮るのに結構時間がかかりました。
建物公開、今回は例年よりも期間が長かったようですが、それでも桜の季節ということもあってか、かなりの人出でした。
週末の日曜で終わってしまいますね。
見れないのは残念ですね。
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