北の丸公園界隈の歴史的建造物

2007/05/03 - 2007/05/03

皇居の北の丸公園の界隈には日本近代建築史に残る、歴史的建造物が数多く残っています。今日はそんな中で、軍関係の施設として使われていた２つの建物を中心に見てきました。
どちらも戦前の日本軍の強力な威光を強く感じさせる立派な建物でした。

エリア 丸の内・大手町・八重洲(東京)

武道館の入り口にある灯台？
調べてみたら 明治４年(1871)ここに築かれた洋式燈台で常灯明台というそうです。どうも東京湾からの目印にしたようで東京湾から高台とはいえここまで見渡すことができたんですね。

常灯明台の西側にある銅像　誰の銅像か忘れてしまいました。

向こうに見えるには九段会館
これから見に行きます。

緑の向こうに多角形の武道館の屋根が見えます。

九段会館（旧軍人会館）
１９３４年(昭和９年)に建てられたこの建物は、予備役、後備役の軍人の収容・訓練の場として建設されました

。１９３６年(昭和11年)の２．２６事件の時には、ここに戒厳司令部が置かれました。 １９４５年(昭和２０年)９月に連合軍に接収され、１９５７年(昭和３２年)1月まで連合軍の宿舎として使用されました。今は結婚式場やホテルとして使用されています。

昭和９年当時は、ＲＣの洋風ファサードに城郭の屋根を載せた「帝冠様式」というスタイルが流行りました。ここもそのスタイルを取り入れています。

設計は代官山や表参道にあぅた同潤会アパートの同潤会の建築部長であった川元良一、施工は清水組(元清水建設）が行なっています。

この建物を見る限り戦前の軍の威光はたいしたものだったと思いますね。戦争を知らない自分には想像できない世界ですが・・・。

これは九段下の駅から武道館に入る入口の田安門の外側にある門です。名称はわかりませんがこれも田安門の一部なのか調べましたがわかりませんでした。

田安門
「北の丸」への出入口で、江戸城の「内郭」の城門の中で最北に位置します。古くは「代官町御門」とも呼ばれかつては下総、安総まで限りなく見えたそうです。だから入口に合った灯台も東京湾から見えるはずですよね。正確な築造年数は不明ながら、門の扉釣具には寛永13年（1636年）の銘があり、慶長12年（1607年）の『慶長日記』にはすでに田安門の名がありますのでその前からあるのか､今あるものは途中で建替えられたものなのか定かでないようです。

結構ごっつい梁を使ってます。

皇居乾門
名前の通り、江戸城の北西にある門になります。北の丸公園と吹上御所の間の場所になります。
目の前は赤煉瓦の近代美術館工芸館があります。

北白川宮能久親王銅像
実はこの方、幕末に彰義隊が担ぎ出した上野寛永寺の輪王寺宮公現親王です。1858(安政 5)輪王寺宮を相続・門跡となられました。その後
1870(明治 3)伏見宮に復帰して軍籍に就き､その後北白川宮第二代を相続しています。
　順調に出世して陸軍少将となり、日清戦争では開戦後の1895年(明治28)近衛師団長として台湾に出征。戦後も台湾守備を命じられ、台南で病没しました。
上野寛永寺の門跡だったこともあり上野動物園入口のそばにも同じような銅像が確かありましたね。

東京国立近代美術館工芸館（旧近衛師団司令部）
1910年(明治43年) 陸軍技師の田村鎮の設計により建てられた 煉瓦造2階建､天然スレート葺の建物です。

ゴシック風の様式で外壁は赤煉瓦と白の花崗岩との組み合わせで見事な建物です。

建物の外観の割りに入口部分は貧弱です。

終戦後近衛師団が解散され､一時期皇宮警察の寮として使われていきましたが、昭和３８年建物老朽と周辺の森林公園化に伴い解体の危機に陥りましたが、建物解体を惜しむ保存運動が展開され昭和４６年重要文化財の指定を受け､正式に保存が決定されました。

重要文化財の指定とともに東京国立近代美術館工芸館としてその活用を図るための存置が正式に決定され、廃墟と化していた建物の改修工事が文化庁建造物課の監理のもとに昭和49年4月より竹中工務店により設計が行なわれ、展示室を広くするための間仕切り壁の撤去や煉瓦壁体のコンクリート補強、空調、防音、防災設備などの工事が行なわれ52年11月完成し現在の姿に復元されました。。

ここは軍の施設だった事もあり、オカルトファンの間では別な意味で人気のスポットだそうです。
ようは出るんだそうです？・・・・
夜中に馬の嘶く声が聞こえたりするとか・・・・怖いですね。

手前の緑と建物の間を実は首都高速が走っています。
首都高速を走っていて千鳥が渕のあたりでチラッと見えるのがこの建物です。

サクラの時期はきれいな千鳥ヶ淵を眼下に見下ろします。

英国大使館
皇居の半蔵濠の内堀通りをはさんで反対側にあるこのお大使館は、１９３０年（昭和５年）に英国工務省の設計、清水組・鴻池組のJVにより建てられたものです。

入口の警備が厳重で、入口の警察官にギロッとした鋭い視線を投げかけられてしまい、あまり近づいて写真が撮れませんでした。

南側の大使館職員の住宅のある出入り口の街燈の頭には良く見るとクラウンが載っていました。