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駒場公園の中にある旧前田侯爵邸は旧加賀百万石前田家の第16代当主前田利為の本邸として昭和初期に建てられたイギリスチューダー様式を取り入れた洋館です。別に渡り廊下で繋がったに和館もあり、敷地1万坪、延床面積1000坪を超える大豪邸でした。当時は使用人も100人以上いたという前田侯爵邸は、当時東洋一の大邸宅だったそうです。<br />こんなでかい建物を維持するのは大変なことで、昭和17年ボルネオ方面軍司令官として従軍中の利為侯が、不慮の死を遂げてしまい夫人をはじめ一家は他へ移り、中島飛行機へ売却され、戦後米軍に接収され極東軍司令官のリッジウェイの官邸となり、返還後東京都の所有となって、昭和42年洋館をそのまま利用した都立近代文学博物館として利用されました。平成14年に博物館が閉鎖され、現在土日のみ内部公開されています。<br />東京都の所有のため館内の見学は無料です。見ごたえ十分な建物ですので是非実際にご覧になってください。

加賀百万石の栄華~旧前田侯爵邸~

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2007/05/13 - 2007/05/13

49183位(同エリア79611件中)

旅行記グループ 近代建築散歩(東京1)

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ぬいぬい

ぬいぬいさん

駒場公園の中にある旧前田侯爵邸は旧加賀百万石前田家の第16代当主前田利為の本邸として昭和初期に建てられたイギリスチューダー様式を取り入れた洋館です。別に渡り廊下で繋がったに和館もあり、敷地1万坪、延床面積1000坪を超える大豪邸でした。当時は使用人も100人以上いたという前田侯爵邸は、当時東洋一の大邸宅だったそうです。
こんなでかい建物を維持するのは大変なことで、昭和17年ボルネオ方面軍司令官として従軍中の利為侯が、不慮の死を遂げてしまい夫人をはじめ一家は他へ移り、中島飛行機へ売却され、戦後米軍に接収され極東軍司令官のリッジウェイの官邸となり、返還後東京都の所有となって、昭和42年洋館をそのまま利用した都立近代文学博物館として利用されました。平成14年に博物館が閉鎖され、現在土日のみ内部公開されています。
東京都の所有のため館内の見学は無料です。見ごたえ十分な建物ですので是非実際にご覧になってください。

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  • 駒場の旧前田侯爵邸はイギリスチューダー風の洋館と書院造の和館の2棟の建物で構成されています。

    駒場の旧前田侯爵邸はイギリスチューダー風の洋館と書院造の和館の2棟の建物で構成されています。

  • 和館が建築されたのは、洋館の竣工から遅れること1年、昭和5年のことです。和館は侯爵がロンドン駐在武官であったことから、ご自身の居住用でなく、外人客接待用に建てたとも言われています。<br />

    和館が建築されたのは、洋館の竣工から遅れること1年、昭和5年のことです。和館は侯爵がロンドン駐在武官であったことから、ご自身の居住用でなく、外人客接待用に建てたとも言われています。

  • 米軍に接収されていた頃、ここにマッカーサー元帥の婦人を招いてのお茶会が開催されたそうです。

    米軍に接収されていた頃、ここにマッカーサー元帥の婦人を招いてのお茶会が開催されたそうです。

  • 公開されているのは1階の二間続きの和室だけです。<br />今日は非公開の奥の茶室で御茶会が開催されているようで、着物姿の女性を二人見かけました。

    公開されているのは1階の二間続きの和室だけです。
    今日は非公開の奥の茶室で御茶会が開催されているようで、着物姿の女性を二人見かけました。

  • 日本庭園と古い和風建築 やっぱり着物の女性が似合いますね。自分で撮って言うのもどうかと思いますがこの写真一番のお気に入りです。

    日本庭園と古い和風建築 やっぱり着物の女性が似合いますね。自分で撮って言うのもどうかと思いますがこの写真一番のお気に入りです。

  • しばしモデルになっていただきました。もっともご本人たちの了解は取っておりませんが・・・。

    しばしモデルになっていただきました。もっともご本人たちの了解は取っておりませんが・・・。

  • 透かし彫りの施された欄間 良く見るとなかなかいいですね。

    透かし彫りの施された欄間 良く見るとなかなかいいですね。

  • 和室のシャンデリア 建築された当時ままのようです。

    和室のシャンデリア 建築された当時ままのようです。

  • 書院造りの和室です。

    書院造りの和室です。

  • この奥にも非公開ながら10帖の和室があるようです。4畳半の茶室とともに、茶道・華道・俳句などの趣味的な集いに貸し出ししているようで、料金も安く午前、午後に分けて貸し出していますが茶室が900円、和室が1600円だそうです。<br />すごい安いですよね。<br />借りたい方はこちらへどうぞhttp://www.city.meguro.tokyo.jp/midori/park/good/komaba.htm

    この奥にも非公開ながら10帖の和室があるようです。4畳半の茶室とともに、茶道・華道・俳句などの趣味的な集いに貸し出ししているようで、料金も安く午前、午後に分けて貸し出していますが茶室が900円、和室が1600円だそうです。
    すごい安いですよね。
    借りたい方はこちらへどうぞhttp://www.city.meguro.tokyo.jp/midori/park/good/komaba.htm

  • 板張りのままの襖には襖絵が描かれています。

    板張りのままの襖には襖絵が描かれています。

  • 日本庭園もつくばいがあったり、雪見灯篭があったり、茶室の前には水琴窟もあるようです。<br />

    日本庭園もつくばいがあったり、雪見灯篭があったり、茶室の前には水琴窟もあるようです。

  • 次に洋館を見学します。

    次に洋館を見学します。

  • 昭和4年に建てられたこの洋館は東大の教授だった塚本靖と担当技師の高橋貞太郎 による設計と竹中工務店の施工によるもので 鉄筋コンクリート造2階建て、一部3階、地下1階の延900坪もある当時としては「東洋一の大邸宅」だったそうです。今までにいろんな洋館を見ましたが、確かにこんなにでかい家はありませんでしたね。<br />

    昭和4年に建てられたこの洋館は東大の教授だった塚本靖と担当技師の高橋貞太郎 による設計と竹中工務店の施工によるもので 鉄筋コンクリート造2階建て、一部3階、地下1階の延900坪もある当時としては「東洋一の大邸宅」だったそうです。今までにいろんな洋館を見ましたが、確かにこんなにでかい家はありませんでしたね。

  • 外観はイギリスのチューダー様式を取り入れ玄関ポーチの変形アーチにその特長が出ています。外壁はスクラッチタイルを貼った落ち着きあるデザインの建物です。

    外観はイギリスのチューダー様式を取り入れ玄関ポーチの変形アーチにその特長が出ています。外壁はスクラッチタイルを貼った落ち着きあるデザインの建物です。

  • 玄関を入るとやたら大きな玄関ホールがあります。ここだけでもパーティが十分開ける広さがあります。

    玄関を入るとやたら大きな玄関ホールがあります。ここだけでもパーティが十分開ける広さがあります。

  • 玄関ホールの照明 天井の装飾は手の込んだデザインが施されています。

    玄関ホールの照明 天井の装飾は手の込んだデザインが施されています。

  • 旧サロンとして使われていた部屋の内部は王朝風の装飾が施されてとても豪華な感じです。

    旧サロンとして使われていた部屋の内部は王朝風の装飾が施されてとても豪華な感じです。

  • ここは旧応接室の部屋です。

    ここは旧応接室の部屋です。

  • 階段下もうまく利用されていて暖炉とちょっとした歓談コーナーがついています。

    階段下もうまく利用されていて暖炉とちょっとした歓談コーナーがついています。

  • この当時の洋館にはやはりマントルピースが付き物ですが、各部屋ごとに違ったデザインのものが付いています。

    この当時の洋館にはやはりマントルピースが付き物ですが、各部屋ごとに違ったデザインのものが付いています。

  • この部屋は2階の主寝室 照明器具もほとんどが建てられた当時のままだそうです。

    この部屋は2階の主寝室 照明器具もほとんどが建てられた当時のままだそうです。

  • ここは公爵夫人の部屋だったようです。

    ここは公爵夫人の部屋だったようです。

  • バルコニーに面した窓には緩やかなアールが付いています。

    バルコニーに面した窓には緩やかなアールが付いています。

  • この階段室の壁のすかし彫りは唐草模様になっています。

    この階段室の壁のすかし彫りは唐草模様になっています。

  • 古い洋館を見に行って真っ先に目に付くのが階段周りの部分ですが、ここの建物は特に素晴らしかった。

    古い洋館を見に行って真っ先に目に付くのが階段周りの部分ですが、ここの建物は特に素晴らしかった。

  • 中庭に面した階段室の壁は大型のシンプルな装飾のステンドグラスがはめ込まれております。

    中庭に面した階段室の壁は大型のシンプルな装飾のステンドグラスがはめ込まれております。

  • 壁のすかし彫りの向こうに見えるのは階段室のシャンデリア

    壁のすかし彫りの向こうに見えるのは階段室のシャンデリア

  • この味気ない照明は、都立近代博物館の展示室だった頃の名残で南側のバルコニーに面した部屋以外は、ほとんどこんな状態にあります。

    この味気ない照明は、都立近代博物館の展示室だった頃の名残で南側のバルコニーに面した部屋以外は、ほとんどこんな状態にあります。

  • この細い廊下の奥には和室が三部屋と洋間が二部屋ありました。近代博物館だった頃手を加えてしまったのか判断できませんが見た感じでは北側にあたる部屋でもあり使用人たちが使っていた部屋かもしれません。

    この細い廊下の奥には和室が三部屋と洋間が二部屋ありました。近代博物館だった頃手を加えてしまったのか判断できませんが見た感じでは北側にあたる部屋でもあり使用人たちが使っていた部屋かもしれません。

  • 中庭部分の外壁

    中庭部分の外壁

  • 部屋が多すぎてどの部屋かわからなくなってしまいましたが、多分っ子は次女の寝室かと思います。

    部屋が多すぎてどの部屋かわからなくなってしまいましたが、多分っ子は次女の寝室かと思います。

  • 長女の寝室

    長女の寝室

  • 2階の南側に面したバルコニー。ここには出ることができませんでしたのでガラス越しの撮影です。

    2階の南側に面したバルコニー。ここには出ることができませんでしたのでガラス越しの撮影です。

  • 長女の部屋から出入りできる玄関上のルーフバルコニー

    長女の部屋から出入りできる玄関上のルーフバルコニー

  • ここは長女の寝室だった部屋

    ここは長女の寝室だった部屋

  • この部屋も良くわからなくなってしまいましたが多分2階の主寝室?

    この部屋も良くわからなくなってしまいましたが多分2階の主寝室?

  • 階段周り大型ステンドグラスからの採光で結構明るいですね。

    階段周り大型ステンドグラスからの採光で結構明るいですね。

  • 階段の手摺の装飾も重厚感があっていいですね。

    階段の手摺の装飾も重厚感があっていいですね。

  • 1階の南面だけが石貼りになって色もベージュ系の明るい色合いになっていました。

    1階の南面だけが石貼りになって色もベージュ系の明るい色合いになっていました。

  • バルコニーの外部の隅に2箇所付いていた羽の生えた動物。なんか悪魔のような姿。ちょっと不気味な感じがします。

    バルコニーの外部の隅に2箇所付いていた羽の生えた動物。なんか悪魔のような姿。ちょっと不気味な感じがします。

  • 前田家と東京大学はすごく縁があるようでもともとの前田家は東大の本郷キャンパスの中にありましたが、東大の駒場キャンパスの敷地と交換して昭和初期にこちらに移ってきたそうです。ちなみに東大の赤門は文政10年(1827年)徳川第11代将軍家斉の第21女溶姫が、加賀藩第13代藩主前田斉泰に輿入れした際に建てられたものです。<br />こんな豪邸を建てた陸軍大将だった前田侯爵も赴任地のボルネオで不慮に事故で亡くなってしまい、実際にこの豪邸に住んでいたのは10年くらいだったようです。主の死亡をきっかけに手放され何人か所有者が代わって現在東京都の所有となり土日のみ内部公開されています。ここの一番のお勧めは無料で見学できるという点。岩崎邸や古河邸は500円払わないとは入れませんのでとても得した気分です。

    前田家と東京大学はすごく縁があるようでもともとの前田家は東大の本郷キャンパスの中にありましたが、東大の駒場キャンパスの敷地と交換して昭和初期にこちらに移ってきたそうです。ちなみに東大の赤門は文政10年(1827年)徳川第11代将軍家斉の第21女溶姫が、加賀藩第13代藩主前田斉泰に輿入れした際に建てられたものです。
    こんな豪邸を建てた陸軍大将だった前田侯爵も赴任地のボルネオで不慮に事故で亡くなってしまい、実際にこの豪邸に住んでいたのは10年くらいだったようです。主の死亡をきっかけに手放され何人か所有者が代わって現在東京都の所有となり土日のみ内部公開されています。ここの一番のお勧めは無料で見学できるという点。岩崎邸や古河邸は500円払わないとは入れませんのでとても得した気分です。

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  • 黒田(温泉)さん 2015/11/05 19:10:33
    初めまして!
    ぬいぬいさん

    初めまして。
    明日、旧前田侯爵邸に行く予定です。
    一昨日テレビで11月8日まで、特別に公開と報じていました。
    運よく、ぬいぬいさんの「旅行記」を発見しましたので、大変
    為になりました。
    ありがとうございました。

    私も、「4とら」をやっています。
    これからも、よろしくお願いします。

    ぬいぬい

    ぬいぬいさん からの返信 2015/11/07 10:13:28
    RE: 初めまして!
    黒田(温泉)さん

    はじめまして
    前田侯爵邸ですが和館のほうは改修工事のため今は見ることができませんが、洋館だけでも見応え十分ですよ。
    ここは家からも比較的近くで自転車でも行けるため時々でかけますが、桜の時期が一番おすすめです。

    古い洋館がお好きなら、目黒(白金)にある東京都庭園美術館になっているアールデコ建築様式の旧有栖川宮邸や五反田にある今は清泉女子大になっている旧島津邸などもおすすめですよ。
    ただし島津邸は事前予約がないと見学できません。
    8日は前田侯爵邸楽しんできてくださいね。

    黒田(温泉)

    黒田(温泉)さん からの返信 2015/11/10 11:13:48
    RE: RE: 初めまして!
    ぬいぬいさん

    おはようございます。
    更なる情報、ありがとうございます。
    「前田公爵邸」、幸い和館もガイド付きで見学できました。
    ありがとうございました。


    > 黒田(温泉)さん
    >
    > はじめまして
    > 前田侯爵邸ですが和館のほうは改修工事のため今は見ることができませんが、洋館だけでも見応え十分ですよ。
    > ここは家からも比較的近くで自転車でも行けるため時々でかけますが、桜の時期が一番おすすめです。
    >
    > 古い洋館がお好きなら、目黒(白金)にある東京都庭園美術館になっているアールデコ建築様式の旧有栖川宮邸や五反田にある今は清泉女子大になっている旧島津邸などもおすすめですよ。
    > ただし島津邸は事前予約がないと見学できません。
    > 8日は前田侯爵邸楽しんできてくださいね。
  • ishicameraさん 2007/11/01 22:16:21
    流石!!
    やはりぬいぬいさんは当然のごとく行かれていますよね。
    無料ですし。

    実は私、仕事中に行ったので時間が無く、日本家屋は見てないのです。友人に聞いてもかなりのお勧めとか。再訪しなければ。

    それにしても、いつ見ても、ぬいぬいさんの撮る洋館は素敵。
    今後の勉強のために使用レンズを教えてもらっても良いですか?
    多分、広角よりの明るいレンズでしょうか?

    室内の弱い光での撮影のコツ、良かったら教えてください。(_ _)

    ぬいぬい

    ぬいぬいさん からの返信 2007/11/02 00:15:30
    こんばんは
    使っているカメラはペンタックスK100なのですが、実はデジイチデビューしてまだ1年足らず。
    いまだに機能をうまく使いこなせないでいます。
    だからレンズキットでもともと付いていた18−55のレンズと75−300の望遠しか持っていません。
    もともとフィルムカメラの一眼レフに高校時代に凝った時期もありましたが写真を好きになったのは、ここ4トラヴェルにデビューした1年前。
    それゆえ、あまり技術を伴っていませんので、いまだにオートフォーカスで撮ってしまうほうが多いくらいです。
    もっときれいな写真が撮りたい。
    これが最近のテーマですね。
    あなたの写真を見てそんなことを最近特に感じますね。
    室内の写真ですが、ペンタックスの特徴なのか薄暗いところで撮ると、全体的に画像が黄ばんで映ってしまいます。
    今月でカメラのローンが終わるので、ニコンに買い換えようかと思ってます。
    でも、腕が伴わないとカメラを変えても変わらないかも・・・。
    ところで、先ほど4トラヴェルからメールが来て、今度はJALの公式ホームページの月替りの壁紙に採用が決まったようです。
    何の写真なのかはわかりませんが、何が出るか楽しみです。
    11月は決まっているようなので来月以降になりそうです。

    ishicamera

    ishicameraさん からの返信 2007/11/03 01:05:03
    江戸東京建物園
    今晩は。JALのページ見ました。
    な、なんと江戸東京建物園ではないですが。私の大好きな場所。
    家から遠くないのでよく訪れます。

    もしかしたら、すれ違っているかもしれませんねぇ。

    私は特に前川國男邸が好きです。
    何度行っても飽きない場所です。

    さすが近代建築先生ぬいぬいさん!!素敵な旅行記ですねぇ。

    醤油屋さんにディスプレイされている瓶って、結構レトロな物があって楽しいですよね。

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