さいたまさんのクチコミ(101ページ)全2,813件

銀座桜通りを東に行くと、京橋消防署の南側に、自動電話交換発祥の地があります。
中央区の京橋プラザの向かいにあった京橋電話局で、自動電話交換が開始されたことを記念して、標識板が建てられました。
発祥の地としての記念標識板が立てられましたが、京橋電話局が廃止され、跡地は、ホテルに変わり、そのホテルも閉館となり、標識板は、以前あった場所から、新たな建物の横に小移動しています。
標識板も、一部が変わっていますが、自動電話交換の回路図模型等は変わっていません。
銀座の昭和通りの近くの場所ですが、時代の変遷を掻い潜ってきたような自動電話交換発祥の地の歴史です。
まさに、自動電話交換の発祥という事実は変わりませんが、それを取り巻く環境は、次々と変転していく現実を目の当たりにしました。
名所旧跡を訪れる際に、それを取り巻く時代背景や歴史に思いを致すことにより、感動が一段と深くなることを痛感しました。

世界で最初の指紋研究を始め、研究論文を発表した英人医師であり、宣教師であったヘンリー・フォールズが、日本滞在中に起居した住居跡が、指紋研究発祥の地として碑が設置され、功績を讃えられています。
フォールズは、スコットランド一致長老教会の宣教師として来日し、キリスト教布教のかたわら築地病院を開いて診療に従事するとともに盲人の保護教育にも尽力しました。
彼は、日本で行われていた押印の習慣に興味をもち、初めて科学的な指紋の研究を行ないました。
その研究成果を、英国の雑誌ネイチャーに、日本から投稿した論文は、科学的指紋法に関する世界最初の論文といわれ、その中で早くも犯罪者の個人識別の経験を発表し、また指紋の遺伝関係を否定し、個人の指紋を各別に識別する効果にも言及しました。
特に、日本における経験が研究につながり、かつ国際的にも高く評価され、その効果が広く認められることとなった点には、感動を覚えます。
築地の発祥の地巡りの異色な面となりました。

新富橋は、高速道路を越える橋で、銀座から新富町に向かう際に利用します。
大正時代の地図を見ますと、楓川と築地川は、連絡運河で繋がっていました。
また、新富橋の南隣の三吉橋の碑にも、連絡運河で連接されていた旨の記述があります。
このため、新富橋の西側にある公園の名称は、楓川新富橋公園となっています。
現在の高速道路は、築地川と楓川を埋め立てて建設されていますので、新富橋の下は、高速道路となっています。
新富橋は、古い資料には、出てくることが無く、高速道路の建設とともに架けられた橋で、昭和３７年に完成した比較的新しい橋です。
新富橋のたもとには、新富復興稲荷社が置かれています。
今回の橋巡りでは、高速道路の建設に伴い、河川や運河が消えていく中、昔の名前や歴史を残そうとする先人の想いや知恵を感じ取りました。
特に、運搬や移動の重要な役割を担っていた水運経路の変遷を知ることができ、極めて有意義でした。

築地の居留地があった明石町７丁目の角の駐車場の一角に、明治学院発祥の地の碑があります。
明治学院の発祥は、明治１３年に、横浜から築地に、ヘボン塾が移転して来て、名称を築地大学校と改めた時点に遡ります。
ヘボン塾は、ヘボン式ローマ字の創始者であったヘボンが、横浜に開いた教育機関です。
ヘボン塾は、男子部と女子部に分かれていて、男子部は明治学院、女子部はフェリス女学院となっていくことになります。
名称を築地大学校と改めましたが、築地大学校は、その後、一致英和学校と英和予備校となりました。
後に、東京一致神学校が開設されますが、明治２０年、東京一致神学校と東京一致英和学校は、合併されて明治学院となりました。
明治学院発祥の地の碑は、これを記念して建てられました。
築地の発祥の地や記念碑を訪れることにより、キリスト教関連の学校の歴史を紐解くことができ、有意義な記念碑巡りでした。

千代橋公園は、中央市場通りにある千代橋の横のこじんまりした公園です。
千代橋公園は、中央市場通りが高速道路を越えるため造られた千代橋の両側にある公園です。
すぐ近くに、地下鉄築地市場駅もあり、バスを含めて交通の便が良好です。
また、銀座に近く、築地中央市場、国立がんセンター、東京国税局等の建物が多くあります。
千代橋公園自体は、千代橋の両側に広場を付けた感じの簡素でこじんまりしています。
銀座の花椿通りから徒歩圏内にありますので、築地中央市場へ足を延ばす人が、見通しの良い千代橋公園で足を止めることも多いです。
今回、千代橋公園を訪れ、海軍の発祥と発展及び関東大震災以降の築地中央市場と銀座との関連で、東京を巡る歴史の一部として、理解することが必要だと感じた次第です。

楓川新富橋公園は、高速道路を越える新富橋の南側の横に造成された公園です。
昭和３７年、東京オリンピックに備え、東京に高速道路網が造られました。
高速道路の用地を確保するため、既存の川や運河を埋め立てて、高速道路を建設しました。
従って、新富橋の下には、当時、楓川から築地川を繋ぐ連絡運河が流れていましたが、高速道路になりました。
南隣の三吉橋のたもとにある記念碑には、楓川から築地川を繋ぐ連絡運河が、詳細に記されています。
三吉橋までは、楓川と呼ばれ、三吉橋以西は、築地川となっています。
このため、新富橋の横に造られた公園の名称は、楓川新富橋公園となっていて、三吉橋以西の築地川亀井橋公園や築地川銀座公園とは、異なっています。
公園の名前にも、変転する東京の川の姿が映し出されています。
いろいろな面で、広くそして奥深い東京の歴史を感じた、公園巡りでした。

築地の明石町に、女子聖学院発祥の地の碑があります。
女子聖学院は、明治３８年にアメリカのプロテスタント系の教派の女性宣教師によって設立されました。
女子聖学院は、女性のキリスト教指導者の育成を目的とする女子聖学院神学部として、築地の宣教師館に設立されました。
当初は、生徒１０名に対する教育から発足し、逐次、発展し、現在は、学校法人聖学院として、幼稚園から大学院までの教育機関に成長しました。
明治３９年に 現在の滝野川の中里に用地を取得し、校舎建設に着手し、翌年明治４０年に新校舎に移転しました。
北区中里にある女子聖学院としての発祥の地が、築地の碑です。
同じ居留地内にも、米国やフランスの宣教師による伝道やキリスト教の各宗派による学校の開設があり、興味深いものがあります。
築地の居留地の歴史を紐解くことにより、新たな世界が垣間見れる貴重な機会が得られます。

青山学院は、米国メソジスト監督協会の宣教師により創立された３つの学校を源流としています。
明治７年、麻布に開校された女子小学校が、救世学校を経て、明治１０年に築地に移転し、海岸女学校と改称し、青山学院の基礎となりました。
そして、明治１１年、築地に、耕教学舎が創立されました。
また、翌１２年に、美曾神学校が横浜に創立されました。
明治１５年、青山の約３万坪の土地を入手し、耕教学舎と美曾神学校が一緒になって、東京英和学校となりました。
明治２７年には、東京英和学校は、青山の地名をとって「青山学院」と改称し、同２７年、海岸女子学校も青山に移転し青山女学院となりました。
関東大震災を契機に両校の合同が計画され、現在の青山学院となりました。
築地の居留地を廻ることにより、青山学院の歴史一端を理解することができ、有意義な訪問でした。

明治５年、居留地が開設されると、フランスからサンモール修道会の会員５名が来日し、布教と教育慈善活動を、横浜で開始しました。
明治８年には、築地に築地語学学校を開校するとともに語学教育のほか、孤児や老人の世話等の活動を開始しました。
明治４２年、初代校長メール・セント・テレーズが私財をもって土地を購入し、フランス風の優雅な木造２階建ての校舎を建造し、雙葉高等女学校が創立されました。
その後、雙葉学園として、四谷に移転しました。
このように、築地の居留地には、キリスト教の伝道等に関連する学校が多く設立されたため、ミッション系の学校の歴史の中では、築地の居留地の果たした役割は、極めて大きいものと考えも考えられます。
築地の歴史探訪の中に、居留地巡りを加えますと、有意義なものになると考えられます。

築地の居住地中央通り沿いの明石小学校の北側に、関東学院の源流である東京中学院発祥の地の碑があります。
東京中学院発祥の地の碑には、１８９５年、築地の居住地の４２番地、４３番地に米国バプテスト伝道協会が、東京中学院を設立し、関東学院教育の源流となっていると記されています。
昭和に入り、関東学院が設立され、東京学院神学部を併せ、充実発展していきました。
神学部は、後に、青山学院に併合されました。
築地の居留地には、このようにキリスト教関連の学校が、多く設立され、居留地は、文教の地となっていきました。
こうして、居留地中央通りを始めとして、明石町には、数多くの学校の発祥の地として受け継がれていきました。
明石町を歴史の中で、見直すことも、とても有意義なことと思われます。

ガス街灯柱が解説板とともに、外国人居留地中央通り沿いに残されています。
明石小学校から佃大橋通りに至る間に、５基のガス街灯柱がありました。
ガス街灯柱と解説板が、２ケ所に置かれています。
ガス街灯柱に関する解説の記述は、ほぼ同じでした。
１ケ所は、居留地通りと居留地中央通りが交差している角にある明石小学校の所と、２ケ所目は、佃大橋通りの角にあるラベール明石町の前です。
各種の情報では、明石小学校の正門の前に、ガス街灯柱と解説板があるとされていましたが、明石小学校の正門前には無く、交差点の角にありました。
時期の変転により、場所が変わっているようです。
事前の確認が必要だと痛切に感じています。
でも、反面、予定していなかった新たなる発見も、捨てがたいのかもしれません。

カトリック築地教会は、開国後、築地明石町鉄砲洲に外人居留地が開かれると、教会設立を望む声が上がりました。キリスト教は、当時、禁教でしたが、語学学校として活動し、明治６年に禁教の高札が撤去されると、居留地に土地を借りて教会が建てられました。
これが、カトリック築地教会でした。
関東における最初の教会です。
関東大震災の折、教会は焼失しましたが、１ケ月後には、仮設の教会を建て、活動を再開しました。
現在の教会は、古代ギリシャのドーリア式神殿を忠実に模して設立されています。
カトリック築地教会の周辺には、外国人居留地関連の施設が多数あり、かつ開国に伴う新たな知識を求める学校が多く開設されているため、見学して廻るには、かなりの時間がかかります。
あらかじめ、しっかり場所を把握して、計画的に廻られることをお勧めします。特に、見学時間に制約がある施設もありますので、事前の計画が大事です。

銀座ブロッサム中央会館は、中央区の保有する施設ですが、中央区としては、サービスの向上と経費の縮減を図るために、民間の松屋に管理業務を委託しています。
銀座ブロッサム中央会館では、結婚式場、披露宴会場、ホール、集会室、レストラン等の施設の施設を有していますが、これらを効率的に運営し、中央区民ばかりでなく広く開放し、福利厚生面で活用しています。
銀座の昭和通りに近いという利点を活かし、利便性の向上と経営の安定に努力しています。
広い各会場やゆったりとした施設と相まって、全体として明るい感じです。
昭和通りや銀座の繁華街も近いため、ショッピングや街歩きにも利用できます。
銀座の近くでありながら、利用料金が安く、安心して利用できるのが利点です。
レストランの利用も含めて、気軽に利用できますので、仲間同士の待ち合わせにも利用しています。
予約等を早めにしなくてはならないという面倒くささがありますので、予定がわかれば、早めに手を打つことが、肝要かと思われます。

工学院大学学園発祥の地の碑が、築地の築地川公園の南側、あかつき公園の傍にあります。

新宿で会合がある時は、かならず、現在の工学院大学を目印にしているのですが、工学院大学の発祥の地が、築地にあると知り、訪れてみました。

夕方に行ったたところ、全く判らず、見つけられませんでした。
次の日、再度行き、あかつき公園の中にある工学院発祥の地の碑を、ようやく見つけました。
前日の夕刻に、見つからなかった理由は、あかつき公園の門が閉まっていたので、中に入れず、発祥の地の碑の背面の付近を何回も通過していたのですが、背面であり、気が付かなかったのです。
工学院大学学園の発祥の地の碑を訪れる際は、５時前に、あかつき公園に入る必要があります。
夕方５時に、あかつき公園の門が閉まるからです。

築地川公園は、築地川を埋め立てた跡地を利用した公園です。
新宿に移転する前の工学院大学学園は、築地川の河畔に在ったものと推察できます。

築地本願寺の菩提樹の対象としては、地面に生えている菩提樹でしょうか、建物に描かれている菩提樹の葉の模様の絵なのでしょうか？
疑問は、解けないまま、築地本願寺の菩提樹巡りでした。
また、訪れた時期も悪かったのです。葉の落ちた３月で、葉が無く、地面に生えている樹木が菩提樹であるか否かも判然としない時期でした。
ましてや、建物の模様と樹木の葉の形の比較ができない時期だったのです。
樹木と葉がどのようになっているかが解る、夏の時期が良かったのです。

それはそれとして、築地本願寺の屋根の形は、菩提樹の葉の形に似せて作られたとされています。
古代インド様式に似た形をした築地本願寺の独自性は、いろいろな面で話題になっていますが、屋根の形は、菩提樹の形を模していると言われています。
実際の形を、目で見て、納得することが大事になっています。
今後も、築地本願寺の菩提樹を確認に行きたいと思っています。

終戦当時、台湾在留日本人のほとんどが、台湾から日本に引き揚げました。
しかしながら、多くの日本人が帰国を果たせず、台湾に残りました。
残留日本人の物故者の墓は、訪れる人も無く、草にまみれて放置されていました。
台湾に残った遺骨を集め霊を慰めましたが、日本国内にも追悼する施設を設置することとなり、築地本願寺に、台湾物故者の霊の碑を建立しました。
台湾物故者の霊の碑は、築地本願寺の正門を入り、右側に進むと、新大橋通り沿いにあります。
台湾で良く見られる大理石を用いた方形と球体を形造った碑は、天空に向かい幸せを祈るような形になっています。
台湾に新天地を求めて移住した人達も多く、無念のうちに亡くなった方々に思いを致すと何とも言えない感じです。
平和な時代に過ごせる喜びと先人のご苦労を偲ぶことができ、有意義な本願寺訪問でした

浴恩園之図は、築地中央市場の中の水神社の北側の囲壁に掲げられています。
浴恩園が歴史に登場するのは、松平定信が築地に土地を拝領し、庭園を造った際、浴恩園と名付けたのが最初です。
その後、浴恩園周辺は、海軍の所有する土地となりましたが、浴恩園の築山は、残されていました。
関東大震災後、中央市場の築地移転に伴い、浴恩園の築山は、現在の水神社の位置に移されました。
以来、浴恩園之図は、水神社の囲壁に掲げられ現在に至っています。
何の解説板や案内板も無く、かつ表面が緑青に覆われている関係上、文字も見えず、よほど注意して探さない限り、浴恩園之図を見つけることは出来ないでしょう。
事前の場所の確認が必須です。
目印は、水神社の囲壁です。

築地場内市場は、日本橋周辺の魚河岸から発展し、江戸時代から現在に至るまで、永く東京他の食の根源として生き続けてきました。
関東大震災を契機に、海軍の地であった築地に移転し、現在まで活動し続けてきました。
近く、豊洲の地に再移転しますが、その活動は引き続き途絶えることはありません。
場外市場とともに食文化の中心として生き続けます。
築地場内市場及び場外市場は、松平定信の浴恩園からの永い歴史の中で捉えるべきで、歴史の変転を紐解くことで、築地の中央市場の一面を理解することができます。
築地中央市場を訪れることにより、歴史の変転に触れることができます。
今回、自らの勉強不足に気づかされた旅でした。

築地の中央市場の向かいに、新大橋通りを挟んで浜離宮朝日ホールがあります。
地下鉄の築地市場を降りて、地上に出ますと浜離宮朝日ホールが見えます。
緑の環境に囲まれている反面、近代的な感じに溢れています。
中央市場通り方向を見ると、国立がんセンターがあります。
浜離宮朝日ホールのある区域は、３つの大きな建物から構成されているため、入り組んでいますが案内図に基づき、移動ができます。
それぞれの特色を活かした配置になっています。
築地の本願寺、中央市場、そして浜離宮等等の見どころが多く集まっていますので、あらかじめ目的を絞って廻るか、もしくはじっくり時間をかけて廻るか検討が必要かと思います。

日本海軍水路局が、日本の海図を、外国の力を借りることなく、日本独力で作成し始めたのは、明治５年のことでした。
日本での最初の海洋調査は、宮城県の釜石港において行われました。
その成果を、日本最初の海図として、反映させたのです。
当時の海軍水路局は、築地の海軍施設内に創設され、築地５丁目にありました。
終戦後、海図関連業務は、海上保安庁海洋情報部に引き継がれましたが、海上保安庁海洋調査部は、築地５丁目から移転し、跡地には東京国税局が入りました。
現在、日本国海図及び海洋調査発祥の地との標識が、東京国税局の建物の前にあります。
日本国海図及び海洋調査発祥の地との標識が、東京国税局の建物の前にあることを、不思議に思うのが通常かと思いますが、そのような経緯があったのです。
築地には、海軍創設時期における各種の歴史が埋もれています。
築地を訪れる際には、それらの歴史を紐解いてから訪れると、別の感動に結びつくことことでしょう。
歴史秘話と経験不足の中でも自主独立の気概に燃えた先人の努力に、直接触れることができるでしょう。