はちのすけさんのクチコミ(82ページ)全3,567件

　本堂は初瀬山（548メートル）の中腹にあり、山岳寺院の典型といえるような舞台造りが特徴だ。仁王門から始まる長い参道をゆっくりと登り、ご本尊の巨大な十一面観音に合掌。ふっと振り返り、舞台の向こうに広がる景色を見ると、心が晴れ晴れとするようだ。ご本尊もさりながら、この舞台が醸し出してくれる「心のハレバレ」も長谷寺の大きな魅力だろう。参拝前の心のもやもやが晴れるような「ハレバレ感」だ。

　1972年に奈良市が定めた全長約 27キロ のハイキングコースで、広大な「平城京」を巡るルートだ。奈良公園を出発すると新薬師寺などを経て西行した後、西の京を回ってから北上。平城京跡から再び奈良公園に向かう。奈良市内を一巡する道なので所々をつまんで訪ねてもいいだろう。個人的には薬師寺と唐招提寺の間と、西大寺ー秋篠寺付近から奈良公園に向かって古墳を巡るコースは、奈良らしくて好きだ。

　京都市役所角の寺町通りを上がり、一本目の押小路通りを西にしばらく行ったビルの地下にあるイタリアンだ。店は広くなく、席の後ろに肉のストックスペースやワインセラーを設けるなどスペースを有効利用した内装だ。カウンターで10席ちょっとある。マスターが一人で切り盛りする店で、パスタ、肉料理、前菜などがメニューに並ぶ。料理には＜京都＞の名を冠したものが多く、地元産にこだわりも。ワインと料理を楽しむため、ビールは1種類しか置いていないという。この日は「京都ポークの白レバーの「肉100％〟田舎風パテ」や「京都ポーク塩煮ばら肉のソテー」「合鴨と新ゴボウの煮込みソースのペンネ」「自家製ハム類の盛り合わせ」などをオーダーした。牛肉だけでなく、ポークや鶏肉など幅広く提供する。マスターは一見職人風。メニューには食べる量のおおむねの目安が書いてあり、一人なのでできるだけまとめて注文してほしいと但し書き。が、接遇は見事だ。数組の客を一度に引き受けても順々にタイミングよく料理を提供。その合間に食器を洗い、カウンターを出て熟成肉を見つくろい、ワインを選び、勘定をこなす。さっきまでカウンターで会話をしていたと思えば、次の瞬間には背後のストックルームで肉を見ている。まるで千手観音だ。

　きちっとした喫茶店だ。評判の高い喫茶店は意外とよくないことがある。おいしくないか、狭いか、古いか、汚いか、たばこの煙でいっぱいか、接客が悪いか、満員でうるさいか。どれかに当てはまり、がっくりしてしまうケースも少なくない。が、この店はこれらとは正反対にあるようだ。しつらえがよい。どの椅子も座り心地がよく、上品なテーブル、調度品が並ぶ。せっかくなのでオリジナルの「葦島ブレンド」と「百年珈琲」をオーダーした。バランスがよく、コクもある。チーズケーキはシナモンショコラ。雰囲気、味ともに満足いく時間だった。

　うちの奥さんは生まれてこの方焼き鳥店にほとんど行ったことがなく、ディナーの店選びの際に焼き鳥を言い出すことはなかった。それがどうだ。この店に足を運んでからは「焼き鳥が食べたい」を連発するようになった。メニュー、原材料ともに意欲的だ。確か香川県丸亀市の骨付鳥も「ひな」と「ひね」の二通りの肉があったが、この店でも軟らかい「若鶏」と食べにくいが味わい深い「ひね鳥」が原材料にラインナップされている。メニューにはこの二つの肉の特性を生かした各種焼き鳥が並んでいるが、個人的にはひね鳥がとても気に入った。少しかたいものの、味が濃いい気がするからだ。一度味わうと、病み付きになるタイプだろう。この他の品々も出色だ。絶品といえる京鴨、特にわさびでアレンジしたものは素晴らしい。体調が悪いときには気を付けるようにという但し書きがある鶏の造りも名品だ。つくねはもう得も言われぬほどだ。店内は入って左側にカウンター、右側にテーブル席、奥もテーブル席と焼き鳥店としては広いが、この日（土曜日）も予約で満席だった。カウンターに陣取り、客が二回転したころ、ふっと右側を見ると、テレビで高名な評論家が一人で黙々と焼き鳥を食べていた。

　1876（明治9）年に雷で焼失した三重塔跡北側に1954（昭和29）年に新築された塔だ。五重塔としては戦後初めて建てられたものだという。建築年代が新しいので重要文化財などの評価は受けていないが、姿の整った美しい五重塔だ。

　山ろくにたたずむ長谷寺の総門だ。大ぶりな仁王門で、名刹に向かう入り口としてふさわしい威厳と装飾が施されている。複雑な垂木を見上げながら門をくぐると、名物の回廊が延々とのびる。門の扁額は後陽成天皇の筆によるものだ。

　春日大社の境内にある藤の古木だ。鎌倉時代からその存在が記録されており、樹齢は８００年。春日大社は「藤」原氏の氏神であり、大社の神紋も「藤の紋様」を使用するなどゆかりが深い下がり藤だ。5月の開花期に訪れたこともあるが、朱塗りの神殿とベストマッチだ。が、残念ながら写真を撮っていなかった。今度、訪れた時は必ず写真が撮りたい。

　橋本左内の寓居跡というよりも福井藩邸跡と言ったほうがいいのかもしれない。幕末の志士で福井藩士の左内は松平春嶽の指示のもと一橋慶喜の将軍擁立に奔走した。その時の拠点にしたのが、この福井藩邸だった。その後、安政の大獄で捕縛され、処刑された。２０２０年１月に現地に行ったが、ホテルの工事中で防音壁に案内板があるのみだった。

　幕末の思想家・佐久間象山の最後の住まいとなった寓居跡だ。あまりに先進的な開国論を唱え、蟄居の身になっていた象山が一橋慶喜の招きで、上京。この地に住んで開国論を説いていたが、すぐ近くの高瀬川沿いで襲撃され、落命した。象山襲撃の地とそう遠くないが、現地には小さな碑があるのみで、少しわかりにくい。

　徳川家康の側室で結城秀康の母として知られるおこちゃの本願で建立された。烏丸松原から東に入り、高倉通り沿いにある街中のお寺だ。江戸幕府の大工頭で大規模寺院の建設を指揮した大工頭の中井家が建立にかかわっており、のちに中井家の菩提寺となる。門前に石碑があるほか、寺内に中井家墓所がある。中井家の縁続きの女性が紀伊藩主の側室となり、八代将軍吉宗を生んだことから幕府の庇護をうけた。

　観光的な鵜飼としては岐阜市の長良川や大分県日田市の三隈川などが有名だが、宇治の鵜飼は平安貴族の夜遊びのような雰囲気があって何となく豪華だ。全国的に珍しい女性の鵜飼も在籍している。昼間は平等院近くのあじろぎの道に小屋があり、鵜が飼われている様子を見ることができる。

　埋蔵文化財の地を公園化するのはよくある手法だが、一カ所にとどまらず何カ所も飛び地でしかもそれがすべて国営公園になってしまうのは明日香村ならではだろう。祝戸地区に始まり、石舞台、甘樫丘など既に歴史の評価が定まったエリアが先に選定。さらに昭和五十年代に発掘された高松塚古墳エリア、平成になって本格的に発掘されたキトラ古墳のエリアにそれぞれ公園機能が整備されている。無料駐車場を備え、開放的な芝生の広場などハイキング的に楽しめる公園だ。

　さすがは別府の町らしい施設だ。JR別府駅前の有名な油屋熊八の銅像のすぐ近くにあり、無料で手をつけることができる。源泉かけ流し。別府広しと言えども手湯はここだけだ。
泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉で保湿力が高い。女性に喜ばれそうだ。

　神武東征の折にこの地の豪族が宮殿を建てて、のちの神武天皇をごちそうでもてなしたという。その折に従軍していた豪族の一人がこの地の娘をめとったが、その子孫がのちの中臣（藤原）氏となった。こんな説明が現地の看板にある。調べると、一柱騰宮跡は周辺に三カ所あり、宇佐神宮のこの場所も候補地の一つらしい。呉橋や弥勒寺跡の近くだが、HPでは表記がなく、少し探すことになる。

　櫛田神社の本殿地下から湧き出る水だ。今は飲水禁止だが、以前は飲めたらしく「一口目には自分の不老長寿を、二口目には家族の不老長寿を、三口目には親類縁者の不老長寿を心で念じながら」いただくように但し書きがある。名前のごとく三体の鶴の像が目印だ。調べたが、なぜ鶴が飾ってるかはわからなかった。

　そんなに大きくない櫛田神社の境内摂社だ。いにしえはこの神社の近くまで海辺が迫っていたといい、そのことが縁で恵比寿神社を勧請したのだろうか。また、えびす様はかなり恋多き神様として知られるだけに夫婦円満のご利益が生じたのだろう。櫛田神社の中心部にあるだけに、すぐに見つかる。

　昭和８年に建設された銀行で、紆余曲折を経て平成５年まで西日本銀行高田支店として使用されていた。平成２１年に国の登録有形文化財に指定されている。共同野村銀行は明治から昭和にかけて活躍した地元の実業家である野村礼次郎が設立した銀行で、現在、昭和の町として脚光を浴びるいくつかの建物も野村家によって残された遺産だという。昭和の町のルーツの一つがこの建物だ。

　ホームページによると、樹齢600年の巨木だ。葉が青々としたグリーンシーズンに行ったが、黄葉の時季はさぞかし見事だろうと想像できる。本殿近くにあり、参拝者は誰でもその姿を目にすることができるはずだ。ちなみに福山市の吉備津神社にもイチョウの巨木があるが、何か共通項があるのだろうか。

　尋常高等小学校として明治37（1904）年に建築され、昭和47年まで小学校として使用されたという。現在は郷土資料館として活用されている。周辺には福祉や公園など公共性の高い施設が建ち並んでいるが、それも学校時代の名残だろうか。用いられている材や構造に投資した様子がうかがえるというが、キリスト教会といい、教育に熱心だった明治期の高梁の気風がうかがえるようだ。