2025/06/19 - 2025/06/19
11位(同エリア66件中)
さっくんさん
私が旅の目的地を選定するにあたって、最重要視する事は、訪問先の物語(ストーリー)です。歴史と言い換えても良いかもしれません。インスタグラムを始め、此処も同じく、ネット社会では写真や動画が主流になり、如何に「映える」かが重要視される様ですが、私にとっては二の次、三の次な事。「映える」「絶景」だと思っても、其処の物語に共感するものが無ければ其処に訪問する価値は無い。
実は当初、此処バンディ・アミールも訪れるにあたって少々悩んでいました。下調べもろくにせず、只美しいだけの湖に、貴重な旅の一日を消費して良いものだろうか?と…。単に美しいだけの湖なら世界中何処でもある。其処に物語が無ければ、「綺麗だ」だけの羅列で終わってしまう…。
しかし、実際訪問し、その特異な景観を目の前にした時、私は綺麗だと思うと同時に、「この景観、何処かで見た記憶がある!」と感じました。それは…そうプリトヴィツエ!と言う事はトラバーチン。即ち石灰質!と言う事は、石灰質が途方も無い時を経て、これだけの規模のとんでもない景観を築き上げた。嗚呼、私は侮っていました。途方も無い、世界でも有数の物語が此処にあったのです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- その他
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バーミアン二日目の朝が訪れました。朝靄がたっています。
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朝靄が晴れてきました。清々しい朝です。でも、渇いた気候なので6月中旬を過ぎた今でもこの時間はTシャツだと肌寒いです。
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勿論朝食だってテーブルにはつきません。この抱き枕が良いんです。
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朝食を頂きます。ナンと薄く焼いたオムレツ。なんとアフガニスタンでは圧倒的に緑茶を飲みます。ウズベキスタンなど中央アジアでは緑茶と紅茶両方飲みますが、アフガニスタンでは紅茶は冬場のみ。その他の季節は緑茶を飲みます。珈琲はあまり飲まないそうです。親近感が沸きます。やっぱ緑茶っすよね!
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外はすっかり晴れ渡り、バーミアンの石窟をハッキリと眺める事が出来ます。
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此方がバーミアン・ロイヤル・ホテルの外観。今ではバーミアンで一番立派なホテルですが、これからアフガニスタンに平和が訪れると、ライバルが群れをなして襲ってきそうです。
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出発準備が整いました。今日赴くバンディ・アミールはダートの部分も多いと言う事で4WDでの訪問となります。
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バザールは朝っぱらから大賑わいです。いや、朝っぱらだから大賑わいなのでしょうか?
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巨大なスイカが売られています。彼方此方で見かけたので良く採れるのだと思います。因みにアフガニスタンでは、いや、アフガニスタンでもマンゴーが高価な果物だと言いますが、日本に比べれば圧倒的に安価です。と言うか果物は日本が特殊なくらい高価です。贈答用として発展した経緯があるからだと思います。海外は日常ユースが基本なので比較的安いのです。
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民族衣装のベストも、パコール帽も、このバザールで買いました。食品から衣料品迄バザールで何でも揃います。
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今日のランチは湖の湖畔でピクニック・ランチです。バザールで買い込みをします。
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本日は4WDは4WDの運転手さんが務めるので、本来のドライバーさんの役割はコックさんです。家から圧力鍋を持ち出して張り切っています。圧力鍋があると言う事は、いや、無くても解ります。献立は…やっぱりビリヤニです!
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いざ、出発です。
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多分…こうした石窟の一部は、貧しい人々の住居になっているケースもある筈です。
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途中までは快適な舗装道路が続きます。
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バーミアン渓谷を抜けると大地は一気に渇いた風景に変わります。
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渇いた大地を疾走します。
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遥か向こうにヒンズークシュ山脈を眺めます。
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数少ない緑地を求めて放牧されたヤギが草を食んでいます。
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道がダートに変わりました。渇いた丘を幾つか抜けると、それは突然現れました。
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バンディ・アミールを構成する6つの湖の一つバンディ・ズルフィカールです。白色の大地に青過ぎる水を湛えます。誰ですか?入浴剤を不法投棄したのは?
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イチオシ
昨日夕刻訪れた。シャーレ・ゾハークの色彩も鮮やか過ぎてバグっていましたが、此方も此方でバグっています。青過ぎます。
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でもね、ちょっと思ってしまいました。青い湖は確かに美しいですし、映えますが、もう一つ湖を巡って帰るのに、丸一日使うのは少々勿体無いかな?と。
「超綺麗な映える湖でしたぁ♪」
って、インスタの様な内容で終わっては、申し訳が立ちません。
って、ええ、侮っていました。 -
そんな事を考えていると、目指すもう一つの湖、バンディ・ハイバットに到着しました。予想通り青過ぎる水を淡々と湛えています。向こう側にももう一つの湖が眺められます。
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駐車場に到着すると、予想以上に車が集まっています。ガイドさんは言います。予定が今日で良かったよ。明日はムスリムの休日の金曜日、大勢集まって大変な事になっちゃうから。
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私が驚いたのは、もうこれ程アフガニスタンに国内旅行を楽しむ余裕が出来ていた事です。それは嬉しい誤算でした。彼方此方に賑やかな声が聞こえてきます。私は観光地も、観光客も苦手なタイプです。独りでじっくり楽しみたい陰キャです。でも紛争で苦しんできたアフガニスタンの人々が楽しんでいる姿はウエルカムです。
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更に驚いたのは女性も結構見かけた事です。ちょっと前まで此処に女性の訪問が禁止になったとか聞いていたからです。男子は日本の滝修行の様に滝に打たれて楽しんでいたり、女性は飛沫ギリギリに近づいてキャッキャとはしゃいでいたりします。それは、アフガニスタンの報道では決して伝わってこない平和な光景でした。
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この滝は普通の滝とはちょっと違います。この滝の上は川では無く湖なのです。この湖の半分はまるで風呂の様な形状になっており、湖は湧水が大量に沸いているので、まるで風呂に大男が入った時の様に、風呂(湖)から溢れ返った水が風呂(湖)の縁から滝となって流れ出しているのです。その滝がこの大きな湖の約半周に渡って滝、また滝となるので、摩訶不思議な光景であり、且つ壮観な世界観です。
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イチオシ
周囲には乾ききったテーブルマウンテン。周囲の環境も美し過ぎます。
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湖に入り込む川は一つも無く、しかし大量の湧水が終始滝となって至る所から溢れ出しています。そんな中で滝では無く、湖と貫通しているのか?外部に湧き出したのか?明らかに滝の水温より遥かに低い水温の水が湧き出しているポイントがあります。昔の人は、その特別な水に神聖さを感じました。即ち聖水です・
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触れて見ると確かに遥かに冷たいです。聖水は日本人には効果覿面過ぎてトイレのお友達になりかねないので遠慮しておきましょう。
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それにしても不思議な光景です。この真上には、先程見た青過ぎる湖が拡がっているのです。その湖の約半周、ずっとこんな感じで滝だらけなのです。こんな不思議な光景、プリトヴィツェしか見た事がありません。
プリトヴィツェ湖沼群
https://4travel.jp/travelogue/11413823 -
アフガニスタンに平和が訪れたなら、此処もきっとプリトヴィツェの惨状の再来となってしまうに違いありません。プリトヴィツェではシーズンになると狭い木道に大量の人が押し寄せるので、大渋滞が発生し、入場規制も行われます。トイレに待つのも大渋滞で、若い女の子が回転の速い男子の待ち列で待っていた程です。今のうち訪れて正解かもしれません。
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こんな不思議な世界観なので、何かと伝説を作るのが上手な昔の人が放って置く筈がありません。日本ならダイダラボッチが入浴した。とか弘法大師が〇〇した。とか謂れが出来るのではないでしょうか?
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勿論、此処アフガニスタンでも同様です。先にバーミアン周辺にはハザーラ人が多いと書きました。ハザーラ人の多くはイスラーム教のシーア派です。シーア派と言えば…?
そう!4代目正統派カリフにしてシーア派初代イマームであるアリー・イブン・アビ・タリブです。此処バンディ・ハイバットのみならず、バンディ・アミール全体に様々なアリー伝承が残されているのです。 -
と言う訳で、昔は巡礼地としての側面もあった様です。今で尚、大切な場所である事は間違いありませんが、どちらかと言うとレジャー的側面を強く感じました。でも、アフガニスタンで国民のレジャー的側面を眺める事が出来て、本当此方が元気を貰えた様な気がします。
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そんな此処バンディ・アミールにも大きな危機がありました。周囲を見れば一目瞭然、渇き切った大地です。当然豊富過ぎる水量を称える水資源を、美しいと感じるのは庶民だけで、権力者は違った見解を持ちます。
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この貴重な水資源を開発しよう!そう言う発想が起こっても不思議ではありません。残念ながら美しさだけでは人は生きていけません。渇いた大地では水は生命線です。しかも紛争が長く続いた地です。この美しい湖群は風前の灯火の様な状態に陥りました。
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しかし、そんな中、立ち上がった人物がいたのです。この湖はアフガニスタンの宝だ!と。そして彼は口先だけでは無く行動力も持ち合わせていたのです。アフガニスタンの王族達に、この自然の大切さを訴え、アフガニスタン初の国定公園となるのです。こうして多くのアフガニスタンの人々が、そして私が、今此処で憩いの時を過ごせているのです。
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あ、そうそう、もしこの国定公園を訪れる時は、必ずサンダルを持参してください。歩道はありますが、プリトビツェの木道の様にきちんと整備されている訳ではありません。湖を半周して滝の光景を楽しめば、スニーカーだとジャブジャブになってしまう事間違い無しです。
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楽しくてついついつい滝に近づきすぎます。カメラが壊れないと良いけど…。
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湖を半周するだけで、鱈腹マイナスイオンを吸い込む事が出来ます。
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まさかアフガニスタンで、こんな自然の絶景に出くわすとは…。
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私も滝に打たれたかったぁ!それが唯一の後悔。民族衣装買ったばかりで臆しちゃいました。
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民族衣装の布地は薄いし、バリ乾燥した気候だから、遊んでいるうちに渇いてしまった筈だけど…パスポートやら財布やらいろいろあるしねぇ…。(此処は厳格なイスラームの国なので、例え現地の人がそうしていたとしても、滝に打たれる時はTシャツ等を着た上で打たれる様にしてください。下半身は…日本だって逮捕されますよね(笑))
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こう、膨大な水量を眺めているとアフガニスタンの水資源は問題ないのでは無いかとも思えます。豊かに水を湛えた川も結構あります。然しながら私が訪れたのは6月、バーミアン近郊は標高が高く、降雪量が多いので、豊富な雪解け水が発生する季節です。
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一方、幾度か書いた様にアフガニスタンの山は殆どが禿山です。保水能力は著しく低い様に感じます。この季節は良いものの、季節によって水量に大きく差が出る様な気がします。今は紛争の影響で人口が減少しているので問題とはなっていませんが、今後急激に人口が増えると水不足に陥るシーズンが出て来るかもしれません。その時また此処に危機が訪れる事の無い様な対策が必要だと思います。
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何はともあれ、現状では良くこれだけ溢れ出して、湖の水が減らないのか?と思う程の滝の勢いです。それだけ湖底で水が大量に湧き出しているのです。
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イチオシ
此処から湧き出した水はバルフ川となって、私と共にマザール・シャリフを目指します。
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滝にうつつを抜かすのも良いですが、そろそろピクニックランチの場所取りしましょう。金曜日なら争奪戦となってしまうでしょう。
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こんな感じに屋根付きのピクニック・スペースが用意されています。ドライバーさん、頑張ってね!
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さて我々は湖を目指します。
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イチオシ
湖面へは、緩いなだらかに滑り流れる滝のスロープを登って向かいます。
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慎重に足場を確保しながら登っていきます。
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登ってきた道(滝)を振り返りました。
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後一息です。
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イチオシ
湖面に到達すると、青過ぎる湖面に負けない位カラフルなスワンボートが浮かんでいました。
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やっぱ白が人気なのかな?
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周囲は圧巻の光景です。初めてこの湖を発見した人はさぞかし驚いた事でしょう。こんな何処迄行っても渇いた山だらけの地に、突如青過ぎる水を淡々と湛える湖があるのですから。エジプトから渇いた大地を民族ごと移住したユダヤ人が目にした湖は、彼等の期待を裏切り奈落の底へと突き落とした、魚一匹暮らせない死海でしたが、此方は魚も暮らす美しいイメージ通りの湖です。
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湖畔にはモスクがありました。日本だったらきっと…コンビニになっていますね(笑)
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湖面には小魚の大群が泳いでいました。どんな魚なんでしょう?因みに釣りは禁止されている様です。ブータンの様に非殺傷と言う意味では無く、湖の自然保護の観点からだと思われます。アフガニスタンの人々はイスラームのハラールに適合していれば普通に魚も食べます。
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こんな姿を見てしまっては…今晩の献立は決まった様なものです(キラリ!)←残酷
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アフガニスタンの人々も、湖畔で憩いの時を過ごしています。この風景からは、この国が永く、悲惨な紛争に巻き込まれていた等とても想像できません。
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この方面から眺める湖の縁の向こう側は、ジャブジャブ湖水が溢れ、先程見て来た滝の大群になっているのです。不思議ですね!
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青過ぎる湖面と待機するスワンボートのコントラストが眩しいです。どうやらスワンボートが呼んでいます!さあ、乗った!乗ったぁ!
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成り往きから赤い白鳥に乗ってしまいました。頼みますぜ!
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思い出しましたが、スワンボートって相方と息を合わせないと上手く動かせないのですよね。大丈夫です。ガイドさんとは息がピッタリです!右!右ですよ!ガイドさん頑張って!右回りかしない不思議なスワンボート(笑)
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スワンボートに乗り出航したモスク前も、もうあんなに離れてしまいました。
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一休み、一休み、青過ぎる湖に浮かぶ深紅の白鳥。その上で平和過ぎるひと時を過ごす私。とても世界一治安の悪い国には相応しくない絵になってしまい、そんな動画を作っている煽りYouTuberさんや、タリバンが憎くてネガティブな報道しかさせない欧米諸国の政治家さんには申し訳ない(笑)ごめんねぇ~(笑)
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でも、これだけの物件、もし欧米や日本にあったなら、休日には大変な事になっていると思う。私の様なヘタッピなスワンボートが彼方此方でぶつかり合って…。周囲の滝は大渋滞。こんな美しい環境の中、湖あり、滝あり。家族連れにもピッタリだし、カップルにも。ええ、私の様な独り身でも…。
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こんな湖に日帰りで訪れる事が出来て、バーミアン自体も前回の通り見所満載、夏は避暑地に、冬はスキー場として。オールシーズン楽しめる。いやぁ…私が大金持ちなら、ゴッソリ投資するなぁ…回収出来る頃には昇天してるのは間違い無いだろうけど(笑)いや、冗談は兎も角、バーミアンの持つポテンシャルには舌を巻きます。
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さて、ではどうしてこんな不思議な地形になったのでしょう?この谷に断層等から染み出したミネラル豊富な水が集まり、水が長い長い年月をかけてトラバーチンと呼ばれる石灰岩の一種を堆積させ、それが天然のダムを形成し、まるで風呂の縁の様な地形を形成したと考えられているそうです。
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似た様な地形を挙げるとプリトヴィツェ湖沼群、秋芳洞の百枚皿やトルコのパムッカレが有名です。百枚皿やパムッカレは石灰質を多く含んだ水が長い年月を経てまるで棚田の様な地形を形成して出来上がったものですが、その皿の一枚を超巨大にした様な地形が、バンディ・ハイバットなのです。途方も無い事ですね。
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湖の深さは約150mと言われます。肝心の青過ぎる青の正体ですが、それは先に説明した石灰質の岩盤から染み出した、ミネラル豊富な水にあります。そのミネラルが湖底や湖岸に石灰華を形成します。石灰華は光を反射する性質があり、特に水深が深い場所で青い光を強く反射する特徴があります。
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バンディ・アミールの水は非常に透明度が高く、且つ水深が深いので、太陽光が水底迄届きやすく、深いところでより強く青い光を反射する石灰華の特性を最大限発揮出来る事から、これだけ異常に思える程バンディ・アミールの湖面は青く映るのです。
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イチオシ
確かにプリトヴィツェ湖沼群やパムッカレの水も、普通の水より青色が勝って美しいライトブルーを見せてくれますが、此方は水深があるから、石灰華が強く太陽光に反応して、これだけ濃いブルーを作り出すのです。
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そう考えると、バンディ・アミールは只の美しい湖では無く、自然が作り出した奇跡に近い芸術品の様に見えてきます。そして此処バンディ・アミールやプリトヴィツェ湖沼群、やパムッカレを創り上げた石灰華は自然界の芸術家だと思います。
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イチオシ
現地では「砂漠の真珠」と呼ばれていますが、激しく同意します。バーミアン、映える景色が多過ぎて、平和になったらインスタグラマーが大挙して訪れそうです。
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私はバーミアンを将来世界的なリゾートになると豪語しましたが、そのポテンシャルがあると言うだけで、本心はそうなって欲しくないと言う想いが強いです。私が観光地が嫌いだからだけではありません。村上龍氏の「悲しき熱帯」を読んで以来、私の心はリゾートと言うものに素直に楽しめなくなってしまいました。
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勘違いされては困るので村上龍氏の「悲しき熱帯」は決してリゾートをディスっている内容ではありませんし、私のリゾートに対する思いも一緒です。しかし考えさせられる内容である事は確かです。フィリピンやグアム(サイパンだったかも?)等の南海の楽園で繰り広げられる短編集で、南の島に暮らす人々と、其処にリゾートを楽しむ為に訪れた人々の間に巻き起こった、文化の違い、立場の違い等様々な要因が生み出した悲劇が描かれています。
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「悲しき熱帯」はバブル時代に書かれた小説ですが、驚いた事に現在まるで「悲しき熱帯」的世界観がハワイで巻き起こっていると言います。ハワイは世界的に大人気のリゾート地で、様々な富豪が投資を続けた結果、ワイキキの土地の価格は世界一と言われる程異常に高騰。そんな状況に、ただ普通に暮していただけのハワイの人々の多くが家賃を払えなくなりホームレス化したと言われます。他の物件を探そうにも、投資目的で買われた空き室ばかりで、新しい部屋も見つけられないと言います。
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そんなハワイに世界中からリゾートを楽しむ外国人が集まります。外国人はリゾートを楽しむ為に訪れるので、当然其処にホームレスがいる事を好みません。勿論観光客に悪意はありませんし、私とてそう思う事でしょう。しかし、彼等の視点に立ってみれば、外国人の投資により家を失い、外国人の訪問者により、地域からさえ追い出されてしまうのです。余りに残酷な「熱帯の悲劇」に感じます。
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でもハワイの悲劇も対岸の火事では無いのです。日本でも北海道のニセコや、沖縄の宮古島等リゾート色の強い観光地で、外資系のリゾートが乱立され、地価や物価が高騰。ホームレスさえ出てはいない様ですが、地元の人は暮らし辛い状況にあると言います。光が強ければ、闇もまた深い。皆が憧れるリゾートは、見る角度を変えれば、資本主義の弱肉強食と言う負の側面を見せつけられる場所でもあると思います。
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バーミアンに外資系リゾートが建ち並び、それまで地元の人が自由に行き来出来た場所が、札束を叩いて宿泊した外国から来た富裕層しか入れない場所に変わってしまう。観光収入は殆ど外資系に流れ地元には還元される事が無く、地元の人々は物価の高騰に苦しめられるだけ…etc。
観光する側とされる側、お互いwINwINの関係だって構築出来る筈なのに、資本主義の方程式で解くと、金のある者の総取りと言う結果が目に見ています。
これまで見てきたリゾート開発の闇の部分を鑑みれば、バーミアンはそうなって欲しくありません。地元の人が苦しんでいるのに、リゾート気分を楽しめる程、私の心には毛が生えていません。まだまだお子ちゃまですから。 -
さて、そろそろ岸に戻りましょう。何十年か振りにスワンボートを漕ぎ捲ってお腹も空いてきました。
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イチオシ
ドライバーさんが腕を振るってビリヤニを完成して待っていてくれているでしょう。
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アフガニスタンの人々も、満足そうな帰り道。
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スっ転ばない様に慎重に滝のスロープを下ります。
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滝の下まで無事降りる事が出来ました。
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往きに眺めた滝を再び見ながら我が陣まで向かいます。滝が流れる湖の縁、あの黒っぽい岩盤こそ、長い間堆積してダム状となり水を堰き止めたトラバーチンの堆積層なのですね。
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滝になっているのだから、もしかしてスワンボートに乗って滝下りをしたら、此処までショートカット出来たかも?
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さぁて、お待ちかね!頂きまぁす!もうみんな早い!早い!カメラ構える隙も無く手が伸びてます(笑)
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イチオシ
食後にはスワンボート乗り場とは、反対側に向かい、未だ見ぬ滝を眺めながら、湖を展望出来る丘の上まで散策します。
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それにしても不思議な光景です。この滝の流れ落ちる部分が湖面と言う事は私は湖面より下の位置にいると言う事です。昔々は湖面は私が立っている位置にあった。しかし長い年月を経て、トラバーチンが堆積し、大自然のダムを造り、湖面が上がってしまった。もし数百年後に此処を訪れたら、滝の高さは倍になっているのかもしれません。
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滝を振り返り眺めます。
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先を眺めれば・あそこ迄登るのですか?食後に良い運動です!
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只湖をみるだけなんて言ってしまってごめんなさい。滝で遊び、スワンボートに乗り、存分にバンディ・アミールを楽しんでいます。バーミアンを訪れたならマストな訪問先だと思います。
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物凄い奇岩が聳えています。
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坂を登れば、バンディ・ハイバットの姿が見えてきました。
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あの湖面をエッサカホッサカ、スワンボートを漕いでいたんですねぇ。良い気持ちでした。
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大分標高を上げてきました。トラバーチンの堆積層がまるで防波堤の様に積み上がり、湖の湖面が地上より高く満ち溢れ、滝となって注いでいる様子が解ります。
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プリトヴィツェ湖沼群、秋芳洞の百枚皿やパムッカレの造形さえ途方も無い時の流れで出来上がったものです。この巨大な湖を堰き止めてしまう程のトラバーチン層が、どれだけの時を経て築かれたのでしょう?
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バンディ・アミールは単なる青い湖ではありませんでした。大自然が悠久の時をかけて築き上げた奇跡的な湖なのです。
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しかしながら此処は標高が高い。急坂を登ると、途端息が上がります。
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漸く頂上に到達しました。
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湖が満杯になったなら、普通は川となって流れていくものですが、自然が防波堤を作って自然のダムを形成し、それでも満ち溢れた水が周囲に無数の滝となって溢れかえってる…世にも奇妙な物語です。
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いやぁ…展望台があるんですが…手摺も無くて…眺めが良いのは解るのですが…つべこべ言ってないで…とガイドさんに手を繋いで貰ってへっぴり腰で展望台に連行される高所恐怖症の私。
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左からガイドさん、4WDのドライバーさん、普段のドライバーさん兼本日はコックさん。素晴らしいチームでした。ありがとう!
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バンディ・アミール。悠久の時が形造った、その美しさにも魅了されましたが、此処で憩いの時を過ごす大勢のアフガニスタンの人々を見れた事もとても嬉しい事でした。
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日本にいると、アフガニスタンのネガティブな情報しか入ってきません。こうした現状を報道機関が知らない訳も無く、報道がアフガニスタンを一定方向の印象に誘導している、つまり報道の平等性が欠如していると思います。これだからニュースは信用を失うのです。
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そんな報道に騙されて、アフガニスタンは紛争で荒み切って、不幸のドン底で生活していると信じ込まされたまま、あの世にいく羽目にならなかっただけでも、此処まで旅してきた甲斐があると言うものです。
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イチオシ
何はともあれ、無数の滝に囲まれた世にも青い、世にも不思議な成り立ちから生まれた、まさに此処でしか見る事の出来ない時を過ごす事が出来ました。
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湖を後にすれば、一面渇いた大地が広がります。
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渇いた大地を見る度、思い出すイスラームの風習があります。スーク等の店先に古めかしいウォーター・サーバーが設置されていたり、庶民的な食堂(観光客向けレストランでは無い)では、海外では珍しく無料で水が提供されたり、今ではめっきり減りましたが、大きなペットボトルを首からかけていると、ちょっと水分けて!と声がかかります。
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イスラームは渇いた大地で産まれました。そんな場所では水は生命線です。そんな大切なものだから、奪い合うのでは無くシェアするものと言う風習が生まれたのです。ですから店主は客に水を振る舞い、道行く水を持たざる者は、持っている人に気軽に水を求めるのです。
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私も最初は驚きましたが、その風習を知って感銘しました。昨今の資本主義の国々では、米が足りないとなると、買い占め転売する輩が湧き出すは、先にも述べた様な大人気の土地には世界中から投資が集まり、その影響で地価が高騰し、地元の人が暮らせなくなる一方、投資目的で買われた空き部屋ばかり目立つと言う始末。ハイエナにさえ劣る連中やな…(苦笑)
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資本主義が金を信仰する弱肉強食のシステムである事は承知しているけれど、その様なシステムであるからこそ、それをいき過ぎない様にコントロールするのが政治家の仕事です。それが一般市民の衣食住と言う基本的人権迄脅かす様になったなら、そんな国の政治は無能過ぎます。終わってます。タリバンの政治がどうのこうの言う前に、よっぽど人権侵害してると思います。
私ね…時に国の運営とソシャゲの運営に似ている点を想うんです。ソシャゲには廃課金してマウント取ってるトップ勢もいれば、適当に楽しんでる無課金勢も同居しています。しかし、過度に差が開き過ぎると馬鹿馬鹿しくなってきて多くの人が去ってしまいます。そうすればサ終まっしぐらです。やっぱりね、大き過ぎる格差は社会を潰します。新参者も、頑張って稼いでガチャ回せば、ワンチャン逆転有り得る?くらいに夢を持たせてあげる社会を作らなけらば、資本主義社会は崩壊すると思います。 -
バーミアン市街迄戻ってきました。だいぶ日も傾いてバザールも活気を取り戻しつつあります。
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4WDの運転手さんとは此処でお別れです。踊りが上手い陽気なおじいちゃん。警察官として勤め上げたにも関わらず、タリバン政府が年金払ってくれないと嘆いていました。
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心ばかりのチップを渡すと頑なに辞退します。おじいちゃん、年金が貰えず煙草が買えないのか私に煙草をねだっていたっけ…。
「これで煙草買いなさいって!」
そう言うと照れ隠しに大笑いしながらハグして受け取ってくれました。謙虚で、踊り上手な素敵なおじいちゃんでした。ありがとうございます。 -
バザールの喧騒の中、少し休憩を取り、今日最後の目的地を目指します。
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車は何やら訪れた事の無い悪路を進みます。
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遠くの岩山に無数の石窟が掘られています。
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本日最後の訪問地、カクラク石窟に到着しました。
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看板に日本の旗が描かれています。こんな場所にも日本の援助が行き渡っている様です。
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下部には先日訪れた大仏跡と同時期に建てられた大仏跡が残り、頂上にはゴール朝時に建造されたと思われる見張り塔が残されています。此処だけ見ても、バーミアンは重層的な歴史に彩られている事が解ります。
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しかし、ジンギス・ハーン以降の痕跡は殆ど見受けられません。その事が如何にジンギス・ハーンのこの地に於ける破壊行為が苛烈だった事が想像できます。
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現代に至ってはソ連の侵攻、アメリカの侵略と長きに渡り紛争に晒されました。平和が訪れれば、リゾート化と言う侵略行為と戦う事になるかもしれません。古くから交通の要衝として、常に権力者を惹きつけてきたこの土地は、これからも観光客を、そして招かざる権力者達を惹きつけ続ける事でしょう。
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現在では石窟には何も残されていませんが、著名な仏教壁画「狩猟王」が発掘された石窟として有名です。本物はカブール博物館に所蔵されているそうです。
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立地的にはバーミアン中央部からシャーレ・ゾハーク側に向かった先でバーミアン川の支流カクラク川に沿って進んだ先です。
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此方が第三の大仏の石窟です。高さは他の二つよりかなり小さめの身長7m弱。薄っすらと背後に残る痕跡から座像かなと感じたのですが、調べて見ると立像の様です。地元では、有名な二つの大仏跡を大きい方を男ブッダ、小さい方を女ブッダと呼んでいますが、此方は子供ブッダだそうです。
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遺跡からバーミアン渓谷を眺めました。
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石窟としては有名な二つの石窟より遥かに小さいですが、ゴール朝の望楼と周囲の岩場の造形が素晴らしい遺跡でした。
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逆行を浴びて、シャーレ・ゴルゴラのシルエットが浮かび上がります。
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楽しかった1日が終わります。
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私が訪れたバーミアンの遺跡は以上ですが、車窓からも小さな遺跡風な構造物は幾つか確認出来ました。細かく見ていけば数多くの遺跡が残されているのかもしれません。バーミアン渓谷を流れるバーミアン川は地図を見れば幾つかの支流を持っています。今後の情勢の安定化と遺跡の発掘調査の進展に大いに期待したいです。
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遺跡を後にします。4WDの活躍はバンディ・アミールだけ。元の車で走っていますが、此方こそ4WD必要だったんじゃない?と思う様な悪路を進み、ヒヤヒヤしました。
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ソ連侵攻時の戦車が討ち捨てられていました。
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当初バーミアンは破壊された大仏跡で、此処を訪れた玄奘三蔵を偲べれば程度に考えていましたが、二日間かけて持ち帰れない程の体験を私に与えてくれました。素晴らしい訪問先でした。
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今晩のメニューは、バンディ・アミールで欲した通り、魚のフライです。(バンディ・アミールの魚では無い。)しっかり揚げられており、骨ごと食べられます。美味でした。
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