イスラームの旅・いざ核心ヘ!サウジアラビア 序章

2023/11/09 - 2023/11/09

今回の旅は二転三転しました。毎度お世話になっている代理店に行きたい先を述べるもコロナの余波だったり、話を入れたその矢先に危険情報が上がり渡航出来なくなったり…。オジャンにしてしまうのも申し訳無く感じ、本来個人旅行で訪れる予定だったサウジアラビアを申し込む事となりました。でもこれが後々とんでも無い良い結果を産むとはこの時知る由も無く…。

サウジアラビアの観光ビザが解禁されたのは勿論知っていました。がコロナもありましたし、いやそれが無くても余り乗り気にはなれない自分がいました。当時マッカもアル・マディーナも行けない状態で基本はリアドとジェッダの旅となりますが、それでは足りない感が強かったのです。しかし22年アル・マディーナが開放されたと知り事態は急変します。イスラームの旅を掲げる私が行かない訳に行きません。

でもそれで尚躊躇している自分がいました。何せ開国したばかりの第二の聖地。反抗勢力を必死に抑えながら改革を進める若き皇太子ですが、逆に言えば保守派もまだまだ多い筈です。国が観光を進めても現場には行き届いていない事も多い筈です。その最たるものが宿泊先です。私が調べたところ未だ三つのホテルしか正式にノン・ムスリムの宿泊を認めていない様です。

しかしその逆も考えました。この不安定な状況で多くの観光客が押し寄せれば、一定数の招かざる客もアル・マディーナに入ってくる事でしょう。そんな輩が現地の人々を刺激してしまったら…(観光客の不遜な行為により、どれだけの貴重な遺跡が制限されてしまった事か！)そう思うと居ても立っても居られない自分に気づきました。そうとなればいざ出発です。

エリア リヤド(サウジアラビア)

チェックインは思った以上に時間がかかりました。二週間以内のイランへの渡航の有無とコロナの接種の有無を聞かれました。サウジアラビアはコロナの接種証明の提出を撤廃した筈ですが「国がそう指示しています。」と嘘の一点張りです。論破してやっても良いのですが、面倒臭いので、こんな時にと鞄に入れっぱなしにしておいた接種証明（とっくに期限は切れているだろうもの）を提出したら、すんなり通りました。

私が嘘っぱちと言ったのは根拠があります。国の指針に関しましては私も、私の担当がしっかり調べていましたし、結果サウジアラビア入国時も一切コロナに関する質疑はありませんでした。考えられるのはエミレーツでイランの渡航者にコロナ感染者がいてサウジアラビアに入国拒否されたか何かで、エミレーツがトバッチリを喰らうのを嫌い慎重になったが故でしょう。

この様にリスクを嫌い当該国の求める以上の条件を搭乗者に求める事は時として発生します。私は何度もそれを体験しています。例えば当該国がアライバルビザを発給していたとしても、搭乗者が出国時にビザを持っていないと、あれこれイチャモンをつけられたり…。

マリに渡航した時はヴィザの開始日と私の出発日にズレがあった事にイチャモンをつけられ擦った揉んだしました。有効期限内であったにも関わらずです。これには辟易して、相手が辻褄の合わない会話をしているのを遮って電話をかけて
「貴女に電話を変わって欲しいと言う方がいます。」
と無理やり航空会社の職員にスマホを渡しました。私が繋いだ相手はマリ大使館の担当。すっかり態度が豹変してスマホを手にしながらペコペコしていました。

この様にリスクを恐れる余りに当該国の要求以上の事を求める場合も見受けられますが、正当な理由があるのなら毅然と立ち向かいましょう。只面倒臭くもあるのでコロナの証明書、大使館の電話番号を控えておくとスムーズに事が進むでしょう。

さて、今回のサウジアラビアの旅。私が躊躇していた理由がもう一つあります。それはサウジアラビアが列記とした車社会の国である事。観光もこれまで閉鎖的だった事。裕福な国なので殆どの人が車を所持している為、バスは愚かタクシーさえ捕まり辛いと聞きます。

即ちいつもの私の路地裏を彷徨き周る様な旅が成立しないと言う事。SIMカードを購入し、始終スマホをオンライン状態として、ウーバーを使い熟す必要があるのです。望む旅ではありませんが、致し方無い事です。

実際旅をして感じた事は、言われている程タクシーが少ない事はありませんでした。ウーバー待ちをしていると
「お前もウーバーかよ!」
的に声をかけられる事も多々ありました。ウーバーの台頭がタクシー運転手に大きな課題となっている事は確かな様です。

遥か向こうにキングダム・センターが聳えています。

今回はフリーツアーなので宿も豪華です。但し何処へ行くにも微妙に遠いのが玉に瑕。でもリアドは見所が離れ過ぎててとても徒歩では巡れません。それどころか信号も殆ど無いくせに片側3車線の道があるので、道路の反対側に行く事すらままなりません。

ウエルカム・水もありました。いつも自分で決める宿にはそんなものありません。あっても飲めません(笑)お腹壊します。

砂漠の国なので致し方ありませんがお湯はぬるいです。下町生まれにはきつい。

アメニティもしっかりとあります。

そして私の愛読書。敬愛する旅人イブン・バトウータの三大陸周遊記。

さて次回からサウジを歩きます。

最期までご覧くださりありがとうございました。