2007/11/29 - 2007/11/30
1位(同エリア11件中)
さっくんさん
イエメン滞在最終日は、昨日より足を伸ばしてハジャラの要塞都市を見学、トランジットでドバイに立ち寄りました。
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再びアッザーンに叩き起こされます。
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三日目も天気は上々です。
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本日は昨日より遠出します。
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いろは坂の様に山道を登ります。
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あんな高所にも集落があります。
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車はどんどん高度を上げていきます。
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素晴らしい展望にうっとりします。
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うっとりしているのは高山病の症状では無いでしょう。
高度は2600M程、チベットやクスコ程では無いので、ダッシュしなければ大丈夫です。 -
絶景と引き換えに、どれだけ苦労の多い生活をしているのか…と言うのが旅人の感想でしょうが、此処で暮らす人々にとってはそれが当たり前でもあるんです。
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街の散策を主目的でイエメンを訪れたので、こんな素敵な山岳風景を見れるとは思っていなかったので感動です。
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とは言え、昨日より辺境故に、貧困の程度も増していると感じました。お金を求められるなら慣れたものですが、本当に困っている村落で医療品を求められると本当に心が痛みます。我々が出来る事は絆創膏や消毒薬等の外部医療品に限られます。飲み薬は心を鬼にしても提供出来ません。
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基点となる街マナハに到着しました。
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こうした地形なのでトレッキングに訪れる欧米人観光客も多い様です。
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遠くから見ると、岩がゴロゴロした地形なのかな?と思いますが…
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良く見れば人が暮らす集落です。
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目指すハジャラが見えてきました。
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崖の上にビッシリと隙間無くイエメン建築が建ち並んでいます。
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これは勿論わざとです。隙間無く建ち並ぶ建物が、城壁の役目を果しているのです。
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街への入り口は一ヶ所。狭い建物の隙間から入ります。
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その狭い入り口には銃を携えた門番が二人で見張り番。昨日訪れた街よりピリピリしたムードです。
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でもそれはほんの最初だけ、訪れたのが観光客だと知れるや否や、オッカサンがテーブル引っ張り出して、即席のお土産屋さん開業です。さぁ、寄った!寄った!
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朴訥とした、でも風情と時の流れを感じる街並み。
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それでも漆喰の使い方に遊び心を感じます。
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白馬(驢馬)に乗った王子様。お迎えするは?
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勿論お姫様です。
女の子の服装はいつも誰もお姫様の様です。しかも似合ってるんです。 -
ハジャラの街からの素晴らしい展望。
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下界には段々畑が。彼処まで登り降りしてお仕事しているのですね…。
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ハジャラは午後になると霧が発生し易く、天然にステルスな街となります。
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既にハジャラを雲が覆い始めました。
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さようなら!ハジャラ!
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帰りもマナハに立ち寄り一休み。
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この旅で一番お気に入りのマフラージ。
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サナアを遠望出来るところまで帰ってきました。如何に大きな街だか解ります。
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サナアに戻りました。
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ランク付けは好きではありませんが、私の感動した一般家庭の建築部門なら間違いなく圧倒的トップの座がイエメン建築です。
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この素敵な風景は、後世に残していく事が出来るでしょうか?今起きている紛争で次々とイエメン建築が破壊的されています。復興と言っても手のかかる日干し煉瓦の伝統建築を再現する事は資金的にも作業的にも不可能に感じます。
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イエメンの男の必需品、ジャンビーア(半月刀)のスークは刃先や鞘等それぞれ専門のお店に分かれる程のこだわり様です。
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私はあまりお土産を買う方では無いのですが、どうしても気になっていたものがあったので閉まらない内にスークヘ向かいました。
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目当てのものをゲット出来ました。
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カマリア窓から漏れる光も、暖かみのある街灯の光も大好きです。
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子供達、おやすみなさい!
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最後の夜が更けていきます。
写真はアラビアン・フェリックス・ホテル。 -
これが私が手に入れたもの。陶器で出来たイエメン建築、イエメン門、そしてミナレット。良く出来ていてカマリア窓はセロファンで再現されているので内側に電球を入れれば、ステンドグラスの様に灯りが灯ります。
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今朝以降、アッザーンを聞けるのは、何時の事でしょう?
帰国したら遅刻しそうです。 -
後ろ髪を引かれつつイエメン門へと向かいます。
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イエメンを旅して、「貧(ヒン)しても貪(ドン)するな。」と言う言葉を思い出します。
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第三ヵ国であるあるですが、ちょっと道尋ねただけなのに、やれチップだバクシーシだと、しつこく付きまとわれたり…。
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それは、チップの習慣の無い国の人々に金をばらまいた欧米の旅人にも非があるのですから、一概にその国の人々を悪くは言えません。ただ、それを言えばイエメンも同様に欧米人がチップをばらまいた事でしょう。
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それでもイエメンでは、ガツガツした人をあまり見かけませんでした。それ以上に彼等は道に迷っていれば声をかけられ、目が合えばウエルカムと微笑んでくれました。今では貧しく無く、逆に富める国でさえ、困っていても見て見ぬふりされる事が殆どでしょう。
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その要因の根底には彼等は敬虔なムスリムである事は明白ですが、私は彼等は嘗て「幸せのアラビア」と呼ばれた国の人々の末裔であるからでは?と思わずにはいられません。いつかイエメンに輝きが戻る事を願いつつ、イエメンを後にしました。
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トランジットでドバイに立ち寄りました。まるでタイムスリップしたかの様な感覚を覚えます。
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きらびやかなゴールドスーク。
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スークの通りも洗練されています。
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クリークの向かうでは近代的な高層ビルが輝いています。
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私はスークはもう少しカオスがあった方が嬉しいかな。
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クリークはアブラと呼ばれる渡し船で往来出来ます。
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グランド・モスク
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ドバイ博物館です。
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バスタキヤ地区を訪れました。ドバイの伝統建築が再現されている地域です。
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独特なデザインの小さな塔が立っているのが解ります。これは風の塔と呼ばれます。
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これは50度にも及ぶこの地域の暑さをやわらげる為の工夫です。
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塔内部にはそれぞれの対角線に壁が張られ、上空を吹く風を取り込む構造になっています。また、室内に溜まった暑い空気を排出する役割もあります。
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つまり風の塔は、古式の室内空気の循環システムなのです。
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最先端な街並みに忘れられがちですが、ドバイも古い伝統を大切にしています。
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こうした地域独特の景観が、近代化と共に均一的なビル群に置き換わってしまうのは残念な事ですが、夏になると50度を越す暑さに加えアラビア海に面している為湿度も加わるのでエアコンは欠かせません。
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再びグランド・モスクです。
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このドームはイランの様式です。
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イスファハーンを彷彿させるファザードです。
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U.A.Eはスンニ派が主流となるのでシーア派に属するイランのモスクはシーア派にとって貴重なモスクでしょう。
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クリークに夕暮れが訪れます。
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クリーク界隈は先進的なドバイにあって、庶民的風景が残るところです。
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川の対岸は出稼ぎに来ているパキスタン系の人が多く暮らしています。
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一人でクリークを散策していたら、地元のオッサン方に誘われ、お茶やお菓子を振る舞って頂きました。
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バスタキヤ地区のライトアップが始まりました。
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風の塔が良いアクセントになっています。
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さて、そろそろお暇の時間です。
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きらびやかなネオン溢れる道を走って空港へと向かいます。
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ジュメイラ・モスクに立ち寄りました。ゴールドスークに陳列されてるジュエリーと同じ色に輝いています。(ライトアップの為そう見えます。実際はクリーム色です。)
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ドバイを歩いて感じた事。この発展もまた、イスラームの街造りに沿って発展を遂げたと言う事。街にあらゆる世界一を造り上げ、街の評判を高め、世界中の人々を街へ呼ぶ。これは幸せのアラビアと呼ばれたサナアも取った同じ手法。
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つまりドバイは現代版幸せのアラビア。短かったけれど新旧幸せのアラビアを巡った旅となりました。
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この旅行記へのコメント (5)
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- miさん 2022/07/18 19:48:26
- 憧れのイエメン!
- 遠い昔、東京のエジプト料理屋さんで居合わせた女子大生が、数週間後にイエメンに留学すると聞き、なぜイエメン?イエメンてとんな国?情勢はだいなの?と疑問ばかり出たのを思いだじした。
それ以来、心の中にイエメンがいつもあり、
今回、さっくんさんのイエメンの旅、たいへん興味深く楽しませていただぎした。
ありがとうごさいます。
さっくんさんのものの見方、感じ方もとても共感できました。
貴重な体験、シェアいただき感謝です。(^-^)
- さっくんさん からの返信 2022/07/18 21:27:59
- Re: 憧れのイエメン!
- 暖かいコメントありがとうございます。女性で中東に留学するのはとても大変な事だと思います。しかもイエメンと言うのは驚きです。
もし情勢がこのようなものでなければ本当にお勧めの旅先なのですが、今日のイエメンを想うと心が潰されそうに感じます。今は我慢の時期ですし、いつまでかかるかは解りませんが、一人でも多くの人がイエメンに関心を持って、いつか旅して貰いたい、そして私自身再訪したいと思っています。
- miさん からの返信 2022/07/23 19:00:40
- Re: 憧れのイエメン!
- 日本のニュースでは、今はウクライナとロシアのことばかりで、他にも大変なところはたくさんあるのに、知られていないですよね。
一人でも多くの人に早く普通の生活ができますように。
東京で会ったイエメンに留学するという女性は、確か、建築を学ぶと言ってました。その時はすでにイエメンでのホームステイを体験済みで、素晴らしい国、すてきな人達が多いと言っていたのを思い出しました。
- さっくんさん からの返信 2022/07/24 20:54:33
- Re: 憧れのイエメン!
- 建築で留学だったのですね!イエメン建築は世界でも唯一無二のものですし、凄く目の付け所が鋭いと思いますし、イエメン建築の破壊が進むなか、貴重な知識となっていると思います。
ウクライナ紛争が続き、エネルギー、食料の高騰が続くと体力の無い国々が連鎖的に崩壊しかねません。そうした影響の方が私は心配しています。
- miさん からの返信 2022/07/24 21:25:04
- Re: 憧れのイエメン!
- 本当に、そうですね。
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