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2020年11月13日(金)午後3時過ぎ、びわ湖疏水船を降り、蹴上疏水公園を抜けて、蹴上インクラインを下らずに公園の横からインクラインの下の道に降りると通称ねじりまんぽがある。三条通から南禅寺に抜ける道がインクラインを潜る歩行者用トンネルのことで、粟田口隧道とも云う。「まんぽ」と云うのは聞きなれない言葉だが、トンネルを意味する古い言葉。滋賀県南部を中心に使われている呼び名で、滋賀県北部や三重県などでは「まんぼ」となり、愛媛県や岡山県、兵庫県などでは「まんぷ」となる。<br /><br />語源は諸説ある。一番多く云われているのが、鉱山で鉱石を取るために掘った穴を指す間歩(まぶ)が変化したと云うもの。漢字を見るとそれらしく思える。他にはマンホールから来たと云う説や、トンネル設計のフランス人技師が話した単語の一つを聞き取ったものと云う説もあるが、真偽は不明。<br /><br />「ねじり」の方は、内部から見ると文字通り渦を巻くような形で螺旋状にれんがが積まれていることから。上部のインクラインを行き交う船を乗せた台車の重さに耐えられるように、斜めの線路と直交するように煉瓦を積んでゆく工法。この形式のトンネルは全国的に施工例が少なく、また多くが老朽化や廃線等で撤去されており、明治時代の土木技術を物語る貴重な遺産となっている。<br /><br />東西の出入口には琵琶湖疏水の発起人となった第三代京都府知事・北垣国道が揮毫した扁額が掲げられている。東の南禅寺側が「陽気発所(ようきはっするところ)」で、西の蹴上駅側が「雄觀奇想(ゆうかんきそう)」。陽気発処は中国の朱子語類からの引用で「精神を集中し事を為せば、何事でも成し遂げることができる」の意。「雄観奇想」の出典は不明だが「素晴らしい眺めと優れた考え」との意で、琵琶湖疏水完成の姿をイメージしたフレーズとも云われる。 <br /><br />ねじりまんぽを抜けて三条通りに出て、北に進むと蹴上の三差路。そして、三条通りと仁王門通りとの間に蹴上発電所がある。なお、蹴上については下記の無鄰菴の話の後半に書いた。<br />https://4travel.jp/travelogue/11675985<br /><br />蹴上発電所は1891年(明治24年)に発電機2台で運転を開始した営業用としては日本最初の水力発電所。当初は近接する蹴上インクラインの動力源として用いられ、1897年の第1期工事竣工後には近隣に配電され、さらに1895年に開通した京都電気鉄道(後の京都市電)の動力としても使われた。<br /><br />1912年(明治45年)、第2疏水の完成に伴い第一期蹴上発電所が取り壊され、第二期蹴上発電所が開業。さらに1936年(昭和11年)には、第一期発電所の跡地に白いコンクリート造りの第三期発電所が建設された。開業から100年以上を経た現在も、この第三期発電所が関西電力発電所として現役で稼働している。落差34mで、最大出力が4500kW。なお、1914年(大正3年)には下流の夷川発電所と伏見(墨染)発電所も稼働している。夷川発電所については下記参照。<br />https://4travel.jp/travelogue/11674635<br /><br />三条通り側に建つ特徴的なレンガ造りの建物は1912年完成の第二期蹴上発電所で、現在は使われていない。毎週金曜日に無料の見学会(事前予約要)が行われているようで、行ってみたいが、その見学会でも内部には入れないようだ。内部に入れるのは、現役で動いている第三期発電所(下の写真)。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4914060368663948&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />以上でこの日の三井寺から琵琶湖第1疏水回り、終了

京都 琵琶湖疏水 蹴上発電所 (Keage Power Station, Biwako Canal, Kyoto, JP)

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2020/11/13 - 2020/11/13

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年11月13日(金)午後3時過ぎ、びわ湖疏水船を降り、蹴上疏水公園を抜けて、蹴上インクラインを下らずに公園の横からインクラインの下の道に降りると通称ねじりまんぽがある。三条通から南禅寺に抜ける道がインクラインを潜る歩行者用トンネルのことで、粟田口隧道とも云う。「まんぽ」と云うのは聞きなれない言葉だが、トンネルを意味する古い言葉。滋賀県南部を中心に使われている呼び名で、滋賀県北部や三重県などでは「まんぼ」となり、愛媛県や岡山県、兵庫県などでは「まんぷ」となる。

語源は諸説ある。一番多く云われているのが、鉱山で鉱石を取るために掘った穴を指す間歩(まぶ)が変化したと云うもの。漢字を見るとそれらしく思える。他にはマンホールから来たと云う説や、トンネル設計のフランス人技師が話した単語の一つを聞き取ったものと云う説もあるが、真偽は不明。

「ねじり」の方は、内部から見ると文字通り渦を巻くような形で螺旋状にれんがが積まれていることから。上部のインクラインを行き交う船を乗せた台車の重さに耐えられるように、斜めの線路と直交するように煉瓦を積んでゆく工法。この形式のトンネルは全国的に施工例が少なく、また多くが老朽化や廃線等で撤去されており、明治時代の土木技術を物語る貴重な遺産となっている。

東西の出入口には琵琶湖疏水の発起人となった第三代京都府知事・北垣国道が揮毫した扁額が掲げられている。東の南禅寺側が「陽気発所(ようきはっするところ)」で、西の蹴上駅側が「雄觀奇想(ゆうかんきそう)」。陽気発処は中国の朱子語類からの引用で「精神を集中し事を為せば、何事でも成し遂げることができる」の意。「雄観奇想」の出典は不明だが「素晴らしい眺めと優れた考え」との意で、琵琶湖疏水完成の姿をイメージしたフレーズとも云われる。

ねじりまんぽを抜けて三条通りに出て、北に進むと蹴上の三差路。そして、三条通りと仁王門通りとの間に蹴上発電所がある。なお、蹴上については下記の無鄰菴の話の後半に書いた。
https://4travel.jp/travelogue/11675985

蹴上発電所は1891年(明治24年)に発電機2台で運転を開始した営業用としては日本最初の水力発電所。当初は近接する蹴上インクラインの動力源として用いられ、1897年の第1期工事竣工後には近隣に配電され、さらに1895年に開通した京都電気鉄道(後の京都市電)の動力としても使われた。

1912年(明治45年)、第2疏水の完成に伴い第一期蹴上発電所が取り壊され、第二期蹴上発電所が開業。さらに1936年(昭和11年)には、第一期発電所の跡地に白いコンクリート造りの第三期発電所が建設された。開業から100年以上を経た現在も、この第三期発電所が関西電力発電所として現役で稼働している。落差34mで、最大出力が4500kW。なお、1914年(大正3年)には下流の夷川発電所と伏見(墨染)発電所も稼働している。夷川発電所については下記参照。
https://4travel.jp/travelogue/11674635

三条通り側に建つ特徴的なレンガ造りの建物は1912年完成の第二期蹴上発電所で、現在は使われていない。毎週金曜日に無料の見学会(事前予約要)が行われているようで、行ってみたいが、その見学会でも内部には入れないようだ。内部に入れるのは、現役で動いている第三期発電所(下の写真)。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4914060368663948&type=1&l=223fe1adec


以上でこの日の三井寺から琵琶湖第1疏水回り、終了

  • 右手奥に突き出した塔がある白い建物が第三期蹴上発電所

    右手奥に突き出した塔がある白い建物が第三期蹴上発電所

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