伏見旅行記(ブログ) 一覧に戻る
2020年12月10日(木)1時20分頃、伏見稲荷付近から鴨川運河を南に向かう。ススハキ橋から左岸を進むとすぐに京阪龍谷大前深草駅につながる深草橋。1994年に架けられた橋で、龍谷大前深草駅が2019年9月に現在の名前に改称するまでは深草駅だったのに合わせた名前と思われる。ただし、1910年(明治43年)の京阪本線開業時にはわずか8ヶ月ほどの間だが稲荷駅だった。元々車庫が併設された拠点駅だったが、1980年の淀車庫の完成により深草車庫は廃止された。現在の駅舎は2016年に完成したもの。<br /><br />駅のホームを運河越しに見ながら歩くと砂川橋。昭和3年竣工の橋で、橋の東北角から砂川が運河を潜って流れており、その名前から来ている(下の写真1)。砂川は稲荷山西麓の溜池を水源とし、運河を潜った後、さらに西に流れ鴨川へ注いでいる。<br /><br />砂川橋を渡っているのは第一軍道と呼ばれた道。京都兵器支廠(現京都府警察学校・龍谷大学深草キャンパス)と京都練兵場(現在は住宅地)の間を通る道路で、砂川橋と西砂川橋で疏水と京阪電車をまたぎ、伏見街道と師団街道とをつないでいる。現在は府道201号中山稲荷線の一部。砂川橋東詰すぐで伏見街道に突き当たり、少し北にずれて道が細くなって続いているが、この道は鎌倉末期の延慶年間に創建された日蓮宗の深草山寶塔寺の参道(下の写真2)。<br /><br />砂川橋の南にはほぼ等間隔(100mほど)で、綿森橋、町通(ちょうどおり)橋、野田橋と同じような石造りの三角橋が続く(下の写真3)。橋の名前はいずれも町名から。綿森橋が1923年(大正12年)、町通橋がその翌年の1924年に架けられたもので、野田橋は1956年と新しい。綿森橋と野田橋の運河中央の橋桁には京都市旧水道局章の六芒星マークが刻まれている。<br /><br />野田橋の100m南の師団橋は1974年に架け替えられたものだが、元々は1908年(明治41年)に陸軍が直轄工事で架橋した。運河中央の橋桁には元の橋にあった旧陸軍の五芒星マークが刻まれた石材がそのまま使われている(下の写真4)。これは師団橋を東に進んだすぐ先に陸軍第16師団が置かれていたから。五芒星が旧陸軍で使われた起源や意味についてははっきりしてないが、桜花の萼の形を模しているとも、弾除けの意味をかついで採用されたとも云われる。<br /><br />師団橋を渡る道は第二軍道と呼ばれ、第一軍道と同様に伏見街道と師団街道とをつなぎ、伏見街道側に16師団司令部庁舎があり、師団街道に繋がるところには京都練兵場の正門があった。16師団はフィリピンのレイテ島に移駐し壊滅したが戦後もこの司令部庁舎はそのまま残り、聖母女学院が払い下げを受け、現在も藤森キャンパスとして使われている。<br /><br />聖母女学院は1923年(大正12年)に大阪市玉造で開学、1932年(昭和7年)に寝屋川市移転し、1949年(昭和24年)にこの地に聖母学院小学校と中学校を開校した。その後幼稚園、高校も開園・開校。1968年には短大の新学科を設置し、その後寝屋川キャンパスにあった学科もこの地に統合している(短大は2018年閉学)。現在はこのキャンパスに本部が置かれる他、大阪・香里キャンパスにも小中高を持つ。<br /><br />このキャンパスの本館は1908年(明治41年)8月に竣工した司令部庁舎の建物を継承している。外観は古典様式の意匠でまとめられており、室内の装飾は簡素ながらも、天井の真飾りや各部屋で異なる暖炉の装飾、階段の意匠など、随所にさまざまな趣向が凝らされている。戦時中は対空カムフラージュのため外壁が真っ黒に塗られていたが、その後洗浄されてほぼ元の赤レンガの姿になった。2016年に国の有形文化財建造物に指定された。<br /><br />正面玄関脇の受付窓口は馬上から書類の授受を行えるよう高く作られている。また校門の南脇には陸軍用地を物語る石杭がある(下の写真5)。<br /><br />正面の北側にはカトリック伏見教会。1951年に建てられた教会。右手の宣教師館の庭にはクリスマスの飾り付けが行われていた。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.6107625662640740&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />墨染へ向かうが、続く

京都 琵琶湖疏水 鴨川運河4(Kamogawa Canal, Biwako Canal, Kyoto, JP)

4いいね!

2020/12/10 - 2020/12/10

1415位(同エリア1779件中)

旅行記グループ 琵琶湖疏水

0

5

ちふゆ

ちふゆさん

2020年12月10日(木)1時20分頃、伏見稲荷付近から鴨川運河を南に向かう。ススハキ橋から左岸を進むとすぐに京阪龍谷大前深草駅につながる深草橋。1994年に架けられた橋で、龍谷大前深草駅が2019年9月に現在の名前に改称するまでは深草駅だったのに合わせた名前と思われる。ただし、1910年(明治43年)の京阪本線開業時にはわずか8ヶ月ほどの間だが稲荷駅だった。元々車庫が併設された拠点駅だったが、1980年の淀車庫の完成により深草車庫は廃止された。現在の駅舎は2016年に完成したもの。

駅のホームを運河越しに見ながら歩くと砂川橋。昭和3年竣工の橋で、橋の東北角から砂川が運河を潜って流れており、その名前から来ている(下の写真1)。砂川は稲荷山西麓の溜池を水源とし、運河を潜った後、さらに西に流れ鴨川へ注いでいる。

砂川橋を渡っているのは第一軍道と呼ばれた道。京都兵器支廠(現京都府警察学校・龍谷大学深草キャンパス)と京都練兵場(現在は住宅地)の間を通る道路で、砂川橋と西砂川橋で疏水と京阪電車をまたぎ、伏見街道と師団街道とをつないでいる。現在は府道201号中山稲荷線の一部。砂川橋東詰すぐで伏見街道に突き当たり、少し北にずれて道が細くなって続いているが、この道は鎌倉末期の延慶年間に創建された日蓮宗の深草山寶塔寺の参道(下の写真2)。

砂川橋の南にはほぼ等間隔(100mほど)で、綿森橋、町通(ちょうどおり)橋、野田橋と同じような石造りの三角橋が続く(下の写真3)。橋の名前はいずれも町名から。綿森橋が1923年(大正12年)、町通橋がその翌年の1924年に架けられたもので、野田橋は1956年と新しい。綿森橋と野田橋の運河中央の橋桁には京都市旧水道局章の六芒星マークが刻まれている。

野田橋の100m南の師団橋は1974年に架け替えられたものだが、元々は1908年(明治41年)に陸軍が直轄工事で架橋した。運河中央の橋桁には元の橋にあった旧陸軍の五芒星マークが刻まれた石材がそのまま使われている(下の写真4)。これは師団橋を東に進んだすぐ先に陸軍第16師団が置かれていたから。五芒星が旧陸軍で使われた起源や意味についてははっきりしてないが、桜花の萼の形を模しているとも、弾除けの意味をかついで採用されたとも云われる。

師団橋を渡る道は第二軍道と呼ばれ、第一軍道と同様に伏見街道と師団街道とをつなぎ、伏見街道側に16師団司令部庁舎があり、師団街道に繋がるところには京都練兵場の正門があった。16師団はフィリピンのレイテ島に移駐し壊滅したが戦後もこの司令部庁舎はそのまま残り、聖母女学院が払い下げを受け、現在も藤森キャンパスとして使われている。

聖母女学院は1923年(大正12年)に大阪市玉造で開学、1932年(昭和7年)に寝屋川市移転し、1949年(昭和24年)にこの地に聖母学院小学校と中学校を開校した。その後幼稚園、高校も開園・開校。1968年には短大の新学科を設置し、その後寝屋川キャンパスにあった学科もこの地に統合している(短大は2018年閉学)。現在はこのキャンパスに本部が置かれる他、大阪・香里キャンパスにも小中高を持つ。

このキャンパスの本館は1908年(明治41年)8月に竣工した司令部庁舎の建物を継承している。外観は古典様式の意匠でまとめられており、室内の装飾は簡素ながらも、天井の真飾りや各部屋で異なる暖炉の装飾、階段の意匠など、随所にさまざまな趣向が凝らされている。戦時中は対空カムフラージュのため外壁が真っ黒に塗られていたが、その後洗浄されてほぼ元の赤レンガの姿になった。2016年に国の有形文化財建造物に指定された。

正面玄関脇の受付窓口は馬上から書類の授受を行えるよう高く作られている。また校門の南脇には陸軍用地を物語る石杭がある(下の写真5)。

正面の北側にはカトリック伏見教会。1951年に建てられた教会。右手の宣教師館の庭にはクリスマスの飾り付けが行われていた。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.6107625662640740&type=1&l=223fe1adec


墨染へ向かうが、続く

  • 写真1 砂川

    写真1 砂川

  • 写真2 寶塔寺参道

    写真2 寶塔寺参道

  • 写真3 手前から野田橋・町通橋・綿森橋・砂川橋

    写真3 手前から野田橋・町通橋・綿森橋・砂川橋

  • 写真4 師団橋

    写真4 師団橋

  • 写真5 陸軍用地石杭

    写真5 陸軍用地石杭

4いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

旅行記グループ

琵琶湖疏水

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP