バルカン半島を旅する26スロベニア・ノヴァ・ゴリツァからイタリア・ヴェネツィア編

2018/07/01 - 2018/07/01

2018年6月4日から7月6日迄、ルーマニアから始まりブルガリア、マケドニア、アルバニア、メテオラ（ギリシャ)コソボ、モンテネグロ、セルビア、クロアチア、スロベニアと旅して何故かサンマリノに立ち寄ってベネチアで旅を終えました。2011年に訪れたクロアチア・ドブロブニクとボスニアヘルツェゴビナの旅を併せて自分なりのバルカンの旅完全版としたいと思います。

エリア その他の都市(スロベニア)

リュブリャーナから今回の最終目的地ヴェネツィア迄、一気に向かう事も出来たのですが、それでは呆気なかろうと、途中下車してから向かう事に決めました。

列車は一昨日訪れたシェコフヤ・ロカに停まり

昨日訪れたブレッド、そしてヴィントガル駅に停車。一瞬ですがヴィントガル渓谷の真上も通りました。
随分遠回りをしてイタリア国境へと向かっています。
事前に知っていればブレッド湖に宿泊していても良かったでしょう。

列車は渓谷沿いを走ります。

此処は川でしょうか？湖でしょうか？

スロベニアとイタリアの国境にあたるノヴァ・ゴリツァに到着しました。

駅を出てすぐの駅前広場に、スロベニアとイタリアの国境が存在します。
それにしても駅が国境寸前に、しかも国境に向いて建てられているのは不自然です。
それがこの街の歴史をある意味物語っています。

昔の国境の検問の名残です。
国境上の家はスロベニアでしょうか？イタリアでしょうか？

ノヴァ・ゴリツァ駅の一室にある分断博物館を訪れました。
小さな一室にところ狭しと当時の資料が展示されています。
分厚い資料を渡して貰い、展示品と照らし合わせて見学しました。

冷戦当時、東西に分断された街と言えばベルリンが象徴的存在でしたが、イタリアにもあったのですね。

第二次世界大戦後、イタリア領ゴリツァは分断されイタリアとユーゴスラビアに分断されました。

その後ユーゴスラビアはソ連とは足並みを揃えなかった事で、イタリアとの交流は少しは緩和されましたが、それも鉄のカーテン越しでした。

その後ユーゴスラビアも崩壊、ユーゴスラビア側に位置したノヴァ・ゴリツァはユーゴスラビアからスロベニア領へと変わります。

互いのゴリツァの距離は大きく縮みましたが、其処には未だ国境が立ち塞がっていました。

2007年、スロベニアがEUとシュゲン条約に加盟した事で両側の市民がパスポートチェックを受ける事無く自由に行き来が可能となり、分断の歴史に終止符が打たれました。

日本で暮らしていると、自分の祖国が違う国になってしまう事など夢にも思えない事です。
でも、此処で暮らした人々は一生の中で三回も国が変わったと言う人も多いのです。

両国を隔てていたフェンスが一部残っています。

ゴリツァ旧市街にやって来ました。

ヴィットリア広場です。

ゴリツァ城のある丘に登って来ました。

ゴリツァ城です。
ヴェネツィアの紋章、羽根のあるライオンサンマルコが刻まれています。

ゴリツァ城からゴリツァ旧市街を眺めました。

イタリア・ゴリツァ駅に到着です。

イタリアの鉄道は自動発券機なのですね。
ちょっと味気無いなぁ。

イタリアに入ると幾分列車もお洒落になった様な？

ヴェネツィアに到着しました。
来たぁ～ーーーー！

ヴェネツィア・サンタルチア鉄道駅の駅前です。
駅前だと言うのにバス停も無い、タクシーもいない。あるのは運河と行き交う船。
オロオロ…数々の名画のワンシーンですね！

ヴェネツィアを訪れるのはなんと25年ぶりです。
以来色々な街を訪れましたが、ヴェネツィアは私にとって思い入れの深い特別な場所です。
なだけに、到着した感動もひとしおです。

行き交う船に、一ヶ月の旅の終りに遂にヴェネツィアに到着した事を実感します。

Maps.meに従って、敢えてリアルト橋を通らないで今日の宿へと向かいます。

迷路の様に張り巡らされたヴェネツィアの路地。
それらを抜けた一角には、カンポと呼ばれる広場があり、大抵教会と井戸があります。
自分の位置を確かめる、又は伝えるのに格好な場所がカンポでもあります。

最初のうちは通りも運河も比較的ゆとりがあります。

ヴェネツィアにこんな広い通りがあるなんて知りませんでした。

それも最初のうち、やがてすぐに道は細くなり曲がりくねり、運河を渡る度に方向感覚を失っていきます。

無事に宿に辿り着けるでしょうか？

25年前もそうでしたが、ヴェネツィアは迷えば迷う程楽しい街。

そろそろ近い筈なのですが…
地元の子供達に尋ねて見つけた番地はどうやら違うみたい…。

遂にギブアップ。
電話をかけました。
勿論現在地が解らないと相手も誘導のしようがありません。
そんな時こそカンポの名前です！
どうやらニアピン迄来ていた様です。
すぐ迎えに来てくれるそうです。

迎えに来て頂いたのはカンポ・サンタマリア・フォルモーザ。
迎えに来てくれたのはNel cuore di Veneziaの主人。
夫婦二人で経営する民宿で、子供が使っていただろう二部屋ばかりを客用として使っています。
とっても親切で、立地的には破格と言える値段で大満足の宿でした。

宿主にエスコートされ細い路地へ、更に人一人通るのがやっとの裏路地へ。

そして部屋からの眺め。
思わず鼻血が出そうになりました。

そして共同の浴室に行って更に鼻血吹き出る景観が！
サンタマリア・フォルモーザ教会の尖塔の向こうにサンマルコ広場の鐘楼とサンマルコ寺院のドームが見えます。

宿に荷物を置いたら、さあ街歩きです。

リアルト橋を渡って。

仮面屋さんを訪れました。
滞在中にひとつは買おうと思っています。

ショッキングな事に楽しみにしていたアカデミア橋は修復中で覆われていて、渡る事は出来ても全く景色は見る事が出来ませんでした。

そんな訳で近似した風景を探してグランカナル沿いの桟橋に。
その桟橋でアルバニアから来ているカップルに遭遇。
私がアルバニアも旅してきた事を知って、大いに盛り上がりました。

さて、ヴェネツィアに来たからには彼処に行かなくては！

サン・モイゼ教会

サンマルコ広場にやって来ました。
ヴェネツィアに来たら、此処に来なければ始まりません。

サンマルコ寺院の天辺に立つ聖マルコ

ドゥッカーレ宮殿

サン・ジョルジオ・マッジョーレ教会

溜め息の橋です。

素敵な仮面が沢山飾られています。

運河沿いのレストラン。

絶対にこの塔曲がってます。
ラグーナを埋め立てて生まれたヴェネツィアは地盤が弱い為、ピサ以上に斜塔の宝庫です。

高級ホテルでしょうか？
運河から直接入れます。
素敵だなぁ。

路地を縫う様に宿へと戻ります。

ノヴァ・ゴリツァ、ゴリツァ、分断されたひとつの街を歩き、負の近代史を学びました。
ゴリツァにありがとう！

次回はヴェネツィアから日帰りでサンマリノを訪れます。

https://4travel.jp/travelogue/11409045

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