バルカン半島を旅する9コソボ・プリズレン編

2018/06/18 - 2018/06/18

2018年6月4日から7月6日迄、ルーマニアから始まりブルガリア、マケドニア、アルバニア、メテオラ（ギリシャ)コソボ、モンテネグロ、セルビア、クロアチア、スロベニアと旅して何故かサンマリノに立ち寄ってベネチアで旅を終えました。2011年に訪れたとボスニアヘルツェゴビナの旅を併せて自分なりのバルカンの旅完全版としたいと思います。

エリア コソボ

豊かな緑の大地を走りアルバニアからコソボを目指します。

途中綺麗な湖畔で休憩しました。

コソボに近づくと山が迫ります。
途中でプリシュティナへ行く乗客と別れミニバスに分乗しプリズレンに向かいます。

プリズレン到着です。
バスターミナル近くに小さな、屋根の無いモスクがありました。

旧市街っぽくなってきました。
この雑多な感じ、私は好きです。

先ず最初に目に入ってきた見所は予想外に教会でした。
紛争で廃墟となってしまったのでしょうか？
調べてみて驚きました。
これが世界遺産の危機遺産にも認定されているリヴィシャの生神女教会なのですね。

周囲は鉄条網で痛々しく守られていました。
のっけから重いもの見せられてしまいました。

でも街の雰囲気はとても良いです。
人々も親切そのもの。
こんな綺麗な街に暮らす素敵な人々を豹変させてしまう。
戦争って本当に嫌です。心が痛みます。

ビストリツァ川に出ました。
旧市街を貫く川で、この川さえ出れば後は地図要らず？？

素敵なお姉さんでも歩いているのかな？
男達の視線が同じ方向です。

日本にも伝わり江ノ島等で有名ですね。
恋人達が永遠の愛を誓い橋にかける鍵。
ユーゴ紛争は数多くの異教徒同士の恋人達を引き裂いたと言います。
だからこそ、此処にかけられた鍵は切実なものを訴えかけている様な気になります。
平和が、愛が、永遠のものであります様に。

オスマントルコ時代の石橋の向こうにスィナン・パシャ・モスク。
プリズレンを紹介する時必ずと言って良いほど使われる構図の場所に到着しました。

城塞を目指して坂を登りました。

途中正教会らしい建物がありましたが鍵がかかって入れませんでした。

城塞に到着です。
プリズレンの全貌を眺められます。

モスクのミナレットがニョキニョキと。

城塞内部は広大な敷地内に幾つかの遺構が残っています。
目下整備中と言う感じで所々で工事中でした。

ヨーロッパの街並みよりちょっと渋目の屋根瓦の色合い。ちょっぴりシックな佇まいです。

城塞は多くの人で賑わっていました。
観光客より地元の人が多い様に感じました。
紛争地のイメージが強かった分、この平和な光景が見れて嬉しく思います。

奥にある遺構のアーチが連なるデザインはアルバニアの城塞でも見かけました。
モスク跡でしょうか？

恋人がプリズレンの景色をバックに二人の時間を過ごしています。
平和な光景に心がなごみますが、高所恐怖症の私には真似できません。

プリズレン旧市街の中央を貫くビストリツァ川とスィナン・パシャ・モスク

城塞には砲台がありました。
城塞ならあって当然なのですが
紛争のあった場所故考えさせられてしまいます。
考え過ぎでしょうか？

城塞で出逢った四人組のコソボっ子。
両手に花で羨ましい限りです。

子供達の遠足でしょうか？
壇上で歌の練習をしていました。
観光客は即効の観客に変身。
拍手喝采です。
子供達の中には壇上からスマホで観客の写真を写す子がいたり、堂々としたものです(笑)

城塞から登ってきた時閉まっていた教会を見下ろしました。
外観こそ立派な教会ですが天井がありません。
あ！人がいます！
降りていってみましょう！

川沿いにスィナン・パシャ・モスク。
山沿いにセルビア正教会。

教会まで降りると見学していた人が引き上げ、鍵をかける寸前でした。
慌てて声をかけると国籍を聞かれた上で歓迎され拝見させて頂きました。
これも日本の先人の旅人達の賜物ですね。
自分も跡を濁さぬ様に！

礼拝堂は辛うじて屋根の下。
建設途上であって紛争の被害では無いとの事。
ちょっと胸を撫で下ろすけど
紛争に発展しなければ完成していたであろう事を思うとやっぱり複雑な心境は拭えません。

正教会からの眺めも素晴らしいです。

坂を下って街へと戻ります。
下にも正教会が見えます。
以前は共存していた歴史があったのです。

スィナン・パシャ・モスクまで降りてきました。

スィナン・パシャ・モスクの内部です。

プリズレンの中心、シャドルヴァン広場
イスラームの街の中心には必ず水呑場があります。
砂漠で生まれた宗教なので、水はとても貴重で大切なもの。

シャドルヴァン広場を抜けビストリツァ川を渡って…

街の中心だけあって、何度も訪れる場所ですが、その度々カメラを構えたくなる構図です。

何屋さんでしょう？
日本ではあまり見かけない店です。
豆かなぁ？香辛料かなぁ？

レッドブル味のアイスに挑戦しました。
元気出るかな?

これは紛争の跡では無いですよね？
大丈夫なのか心配になります。

宿のテラスからの景色も中々でした。

城塞も見えます。

プリズレンの八百屋さん。

プリズレンの街歩きしながらモスク巡りです。

バルカン半島の小規模のモスクはドームでは無く三角屋根のものが多いです。
三角屋根のモスクはインドネシアでも見かけました。インドネシアでは多雨の為広く軒を広げて雨避けする為三角屋根のモスクが生まれました。

ガーズィ・メフメット・パシャ・ハマムです。

決してお洒落では無いけれど、素朴な街並みです。

此方のモスクは小さいながらもドームを持っています。

此方はプリズレンでは、結構規模の大きめのモスクです。城塞からも目立って見えました。

ビストリツァ川を上流目指してテクテク歩いていきます。

またまたモスク発見！

ビストリツァ川の上流はちょっとした渓流っぽくなっていました。

散策にはもってこいです。

その先でお約束の夕立が。
すぐ止みましたが渓流は濁流になってしまったので引き返しました。

射的場がありました。
ごくごく普通の風景ですが、
ちょっとした以前に紛争が起こった場所なだけ
複雑な心境になります。

再びスィナン・パシャ・モスク付近まで戻ってきました。
もう夕暮れ間近です。

目的も無く歩いていても「どこ行くんだ？迷ったか？」と声をかけてくれるところはイスラーム圏ならでは。
折角なのでmaps.meで気になっていたモスクの場所を聞いて見ましょう。

街を散策中、初老の男性に声をかけられました。
彼はチャイを勧めてくれながら私に尋ねました。
コソボの事どう思う?
昨年のナゴルノカラバフでもそうでしたが、満場一致の承認を得られていない国で良く聞かれる質問です。
一件平和が訪れた様に見えても、心の奥底では未だ不安を抱えているに違いありません。
素敵なところです。
と答える私に彼は更に
貴方自身の言葉が聞きたいんだ。
と重ねて来ます。私は答えました。
私は５体陸全て旅してきましたが、その中で一番好きな場所はイスラームの街です。懐かしい故郷に帰った気持ちになるからです。プリズレンでもとてもコンフォータブルな気持ちで過ごさせて貰ってます。
勿論それは偽りの無い、私の本心です。

プリズレン・アルバニア連盟博物館のモスクのミナレットの上に、まるでイスラームのシンボルの様な三日月が昇っていました。

夜のスィナン・パシャ・モスクと石橋です。

最後に城塞への途中の正教会まで坂を登ってプリズレンを見下ろしました。
アドリア海沿岸の旧市街の様に華美では無いものの、素朴で何処か懐かしさを感じる素敵な街でした。
プリズレンにありがとう。
そして最後まで御覧になってくださり、どうもありがとうございます。

次回はプリシュティナを訪れます。

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