2017/10/31 - 2017/10/31
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kojikojiさん
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「エルミタージュ美術館」の団体入り口から建物の中に入りますが、かなり厳密な時間が指定してあったようです。セキュリティーを潜ってコートや傘などを預けます。館内は暖かいので薄手のシャツだけでも寒さは感じません。小さめのバックにカメラと交換レンズと替えのバッテリーを入れておきます。今回は美術館の見学は3時間だけです。最初に1時間30分ほど宮殿部分と有名どころの絵画をガイドさんと一緒に見学します。かなり速足で通り過ぎるように部屋を抜けていくので、見たい絵画の前で立ち止まることもできません。ダ・ヴィンチなどガイドさんが説明する絵画は順番にツアーの人たちが写真を撮っていくのでストレスも感じます。スペイン絵画などは代表的な1~2枚の説明だけなので、先に他の絵の写真を撮って皆さんが移動してからゆっくり撮影しました。それでも撮れないお気に入りの絵や通過してしまっただけのフランドルの絵画は自由時間にもう一度戻ることになります。正直3時間では短すぎますが6時間あったら十分というものでもないと思います。まずはガイドさんと一緒に宮殿部分の見学から始めます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 観光バス 船 タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
-
団体の入り口から建物の入って傘やコートをクロークに預けます。ユニクロの薄手のダウンなども場合によっては預けなければなりません。館内は暖かいのでTシャツに長袖シャツ程度の薄着で十分です。迷子になったら1階のカフェに集合することと、絶対に表に出ないという注意がありました。各人チケットを持っていないので再入場はできません。
-
表には当日券を買う人がたくさん並んでいました。個人で来る場合は予約が絶対に必要だと思います。これはここ10年くらいヨーロッパの観光地では共通のことで、予約チケットを持っていないと大変なことになります。
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1階のカフェとミュージアムショップを抜けると「大使の階段(ヨルダン階段)」が目の前に広がります。
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数人の方がトイレに行かれたのでしばらく待機になりました。
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大階段の正面の彫刻はロシアアバンギャルドのデザインのパネルで覆われています。ちょうど今年がロシア革命100周年でした。
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館内では寒がりの妻がこれくらいの薄手のシャツで大丈夫でした。
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さあイヤホンガイドのスイッチを入れて見学の開始です。
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すごい迫力のパネルですが男性の顔はレーニンに似ているように感じます。エルミタージュ美術館はかつてのロシア帝国の冬の宮殿だったので各国の大使が謁見に訪れたのでこの「大使の階段」の名前になったそうです。
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見上げれば天井にオリンポスの神々が描かれています。階段を上がるにつれ神々が住む空間へと近づく気分にさせるという仕掛けだそうです。
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「ヨルダン階段」の名はキリストが洗礼を受けたとされるヨルダン川に由来しています。ロシア宮廷では冬宮の前を流れるネヴァ川をヨルダン川に見立て、洗礼式が行われました。皇帝一家が儀式におもむく際にはこの階段を使ったことからついた名前だそうです。
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観光客の姿も多いのですが、広い空間なので混雑した感じはあまりしません。
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壁面には本物の彫像が嵌められていますが、天井周りはトロンプ・ルイユ(だまし絵)になっています。
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階段は左右に分かれているのですが、天井画は横向きに描かれています。これは上り下りが決まっていたからでしょうか。
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ガイドさんの説明の間に添乗員さんに写真を撮ってもらいます。
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階段の上から眺めた方が100周年のパネルの迫力を感じます。人の身長から考えると20メートルはありそうです。そんなパネルがすっぽり入ってしまうこの空間の広さも改めて感じます。
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193室
「将軍の間」のエルミタージュで一番重たいとされるシャンデリアです。説明するガイドさんには同じ年頃の男の子がいるらしく「シャンデリアの下にいたら危ないです。」と子供たちに注意していました。 -
19世紀に描かれたグリゴリ・アレクサンドロビッチ・ポチョムキンの肖像です。
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1762年に当時のピョートル3世を廃位したクーデターに23歳で近衛連隊の一員として参加し、36歳の時に10歳年上のエカチェリーナ2世と結ばれ、家庭には恵まれなかったエカチェリーナの生涯唯一の真実の夫と言うべき男性です。私生活のみならず政治家・軍人としても女帝の不可欠のパートナーとなった人です。いきなりこの人の肖像画からスタートするとは思いませんでした。
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194室
ロシアの都をペテルブルグに移し国の近代化を推し進めたピョートル大帝をたたえる広間です。ただこの部屋が作られたのは19世紀後半なのでピョートル大帝の死後150年以上も経ってからのことです。 -
壁にはベルベットに金糸で月桂樹の葉と双頭の鷲の紋章が刺繍されています。
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195室
大きな「紋章の間」では展示会が行われていました。 -
ブロンズ製のシャンデリアにはロシア各地の紋章が描かれているそうです。
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この部屋はほとんど通り過ぎるだけなので、陳列品を眺めて立ち止まるとイヤホンガイドの声がすぐに遠くなっていきます。
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197室
「1812年祖国戦争の画廊」はナポレオン戦争に参加した300人の将軍の肖像で埋め尽くされています。天井から自然光が取り入れられ明るい印象を受けます。 -
黒くブランクになっている額は絵画の制作中に亡くなったためだそうです。
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「アレクサンドル1世の肖像画」
1812年6月24日ナポレオンの率いる総勢69万1500人の大軍はロシア国境のネマン川を渡河し、ヴィルノに集結してロシア領内に侵入します。ロシア軍はこれを迎え撃たず後退する焦土作戦を採ります。アレクサンドル1世は後退策が消極的であるとの批判が起こると総司令官バルクライ・ド・トーリを解任し、後任にクトゥーゾフ将軍を任命ます。クトゥーゾフはさらに軍を後退させ、9月14日ナポレオンはモスクワに入城します。しかしその夜モスクワは大火に見舞われ、ナポレオンは撤退を決断してフランスが誇る大軍は退却を開始します。
アレクサンドル1世はモスクワ大火と冬将軍でフランス軍をロシア国内から退去させ、その勢いに乗じて対仏大同盟を復活させることに成功します。 -
300枚ある肖像画のうち説明されるのは1枚だけでした。パーヴェル・アレクサンドロヴィチ・ストロガノフ伯爵です。ロシア皇帝アレクサンドル1世の侍従武官であり、アレクサンドルの治世当初は皇帝の「若き友人」の1人として改革を企図し、立憲制導入と農奴制廃止を改革の2大問題として捉えます。
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ナポレオン戦争では歩兵師団長として出征していますが、彼を有名にしているのは年老いたアレクサンドルヴィチは歯の多くが抜け落ち、好物のビーフステーキが食べられなくなってしまい、彼のために食べやすい大きさに切った牛肉を柔らかく煮込み、かつ牛肉の風味を生かした料理「ビーフストロガノフ」に名前が残ったことです。
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「大教会の間」
天井画はハリストスの昇天が描かれています。 -
フランチェスコ・バルトロメオ・ラストレルリの手によるドーム天井は繊細で美しいです。そして小さいけれどバロック様式の美しいイコノスタシスも素晴らしいです。
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扉には4人の福音書記者であるマルコ福音書の聖マルコ、マタイ福音書の聖マタイ、ルカ福音書の聖ルカ、そしてヨハネ福音書の聖ヨハネが上下に描かれ、扉中段左に百合の花を持った大天使ガブリエルと右に聖母マリアの受胎告知の場面が描かれています。
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受胎告知から昇天までのハリストス(イエス)の生涯が描かれている訳ですね。
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精霊を表す鳩が黄金に輝いています。
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門の上にはエカチェリーナ2世のモノグラムが読み取れます。
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聖母子像のようですが王冠を被り手には錫と持つ姿はエカチェリーナの姿でしょうか。
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同じような戴冠した聖人のイコンにはキャプションが無いので詳しくはわかりません。
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ビザンチンを起源とするオクラード(金や銀の覆い)が美しい聖母子のイコン。
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こんなオクラードは初めて見ました。これでは下に隠れている絵画の必要性が感じられません。
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この出入り口はエカチェリーナの専用だったそうです。
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もう一度肖像画の間を通り抜けます。
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198室
「聖ゲオルギーの間」とも「大玉座の間」とも呼ばれる部屋です。 -
エカチェリーナ2世のオーバーコートとスカートとかを間近に見ると歴史上の人物が身近に感じられます。
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床の象眼細工が素晴らしいのですが、同じデザインが天井のモールディングにも施されているのが驚きです。
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同じデザインの天井の黄金のモールディングです。
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大使の階段から部屋に通された各国の大使はここで皇帝に拝謁したのでしょう。
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双頭の鷲が刺繍された壁の上の天蓋の上の壁面には聖ゲオルギー(ゲオルギウス)の竜退治のレリーフが施されています。この部屋の名前はこのレリーフから来ています。
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大玉座の間から廊下のような陳列室をガイドさんは急ぎます。途中はほとんど素通りですが、素晴らしいものがたくさん並んでいます。こちらは16世紀にアントワープで造られたオーク材の祭壇で、キリストの生涯が細かく彫られています。
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なぜか1枚だけ飾られていたフランドルの画家のロヒール・ファン・デル・ウェイデンの「聖母の肖像を描く聖ルカ」です。これは複製画なのでスルーだったのでしょうか。
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十字架降架の美しいステンドグラス。
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こんな回廊を駆けるようにガイドさんは先を急ぎます。それくらいでないと主だったものの見学はできないのでしょう。
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なぜかガイドさんはこの犬の像の前で止まります。「誰に似ているか分かりますか?」「プーチン大統領ですよ。」
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ローマで造られたエリザベータのモザイクのポートレートです。ロマノフ王朝第6代ロシア皇帝で、ピョートル1世の娘で母はエカチェリーナ1世です。非常に細かい見事なモザイクです。
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ローマのモザイクやビザンチンのモザイクが好きで各国を回っていますが、18世紀でもこんな技術が残っていたのだなと思います。
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窓の外にはネヴァ川と対岸のペトロハバロフスク要塞の聖堂の尖塔が望めます。
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ようやく204室の「パヴィリオンの間」に到着です。ここはさすがに時間をかけて見学するので人がたくさんいます。
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元々は4つの部屋に分かれ、エカチェリーナの愛人だったポチョムキンが住んでいた場所です。ここにはポチョムキンがイギリスで造らせた「クジャクの時計」が鎮座しています。
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時計はイギリスの有名な宝飾家ジェームズ・コックスが1770年代に制作されたそうです。現在でも完全動かせるそうですが、普段は動いていないので横に置かれたモニターに映像が流されています。
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クジャクが有名ですがカゴに入ったフクロウやリスなどもいるのですね。
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そして雄鶏です。頭の近くにはマイクが置かれています。これは黄金ではありません。
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正面から撮るとどうしても枠が入ってしまいます。中国の人たちはこの時計が大好きなようでバシャバシャ写真を撮っています。モニターまで動画で写さなくてもYou Tubeで見ることが出来ます。
https://youtu.be/5bOkIdRkYug -
肝心な時刻はキノコで分かるようになっているそうです。
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そして床のモザイクも見事です。
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中央
にはメドューサの首が描かれています。 -
宮殿の床に移されたローマのモザイクというとギリシャのロードス島のグランドマスターの館を思い出しますが、あちらは本物を近くの島から移設しています。こちらは完全に模して造らせたものです。ただ完成度は素晴らしいです。
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ここから空中庭園を眺めることが出来ます。さすがに10月も終わりなので花が咲いていない分寒々しい眺めです。
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外からの光で写真は上手く撮れません。
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ミラー越しに部屋のインテリアを撮ってみます。
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19世紀のローマで造られたモザイクが数点飾られています。こちらはローマ郊外のティボリの洞窟を描いています。ティボリは水が豊富で噴水で、有名なエステ荘のあるところです。フランツ・リストはピアノ曲集「巡礼の年第3年」の中で「エステ荘の噴水」という曲を残しています。
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近くにはローマ皇帝のハドリアヌスの別荘も残っています。
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面白いのがこの右側の男性の左足だけがこちらを向いています。
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ここまでで約1時間弱の見学時間が費やされました。ここからは有名な絵画が並ぶエリアの見学に移ります。
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