2018/11/21 - 2018/11/21
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kojikojiさん
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NHKの日曜美術館を見ていたら「ロシア絵画の至宝展」が紹介されていました。昨年ロシアを旅した際はツアーだったので予定に組まれていたエルミタージュ美術館へは行くことが出来ましたが、それ以外のモスクワの美術館もサンクトペテルブルグの美術館にも行けませんでした。近いうちにモスクワとサンクトペテルブルグを再訪して美術館を巡る計画を立てているのですが、このところロシアからたくさんの有名な作品が来日していて、自分がロシアに行ったら観ることが出来ないという状況が続いています。現在も「ロマンティック・ロシア」と銘打った展覧会が開催され、イワン・クラムスコイの「忘れえぬ女」も展示されているのでなかなか踏ん切りがつきません。文化村ミュージアムは株主優待券があるし開催期間もまだあるので、八王子の富士美術館へ行ってみることにしました。ちょうど会社も休めたので平日の昼から出かけました。まずは中野まで出て「陸蒸気」でランチにします。そう、妻を伴ってなので食べるものには気を使わないとなりません。前日に急遽決めたのですが、晩御飯も八王子駅に近い「美ささ苑」というお店を予約しておきました。美術館一つ行くにも面倒な我が家です。富士美術館へ行くのは初めてでした。駅からバスに乗って創価大学まで行くので結構面倒でしたが、素晴らしい建物と収蔵品がありました。もちろんロシアの至宝も良かったですが、常設展示の質の高さに驚きました。上野の西洋美術館と比べても遜色ないのではないでしょうか。写真を撮れるのも良かったですし、ホームページの作品の紹介は非常に詳しくて勉強になりました。ただ、この美術館の至宝のような作品の数々が貸し出し中だったので観ることが出来なかったのが残念です。夕方に美術館を出るとちょうど大学の下校時間でバス停にはたくさんの学生が並んでいました。面倒なのでタクシーで八王子駅の北口にある「美ささ苑」という料理屋さんへ直行しました。初めてだったのでテーブル席でミニ懐石のようなコースを予約していましたが、こんな街中でと思うほど立派なお庭と建物でした。ちゃんと懐石料理のコースをお願いしてお座敷でいただけばよかったとちょっと後悔しました。次回のためにお庭も見せていただきましたが、翌日がお茶会だったようで綺麗に準備がなされていました。半日の外出でしたが楽しい日になりました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
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久し振りに中野ブロードウェイに来ました。北側から中に入って駅方面に向かいます。
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お昼はここに決めていました。夜は妻と何度も来たことのある「陸蒸気」という津軽料理の店です。午前11時30分に開店ですが少し出遅れました。
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スペインのトレドで買ったクエーリョのバックが初お目見えです。
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すでに店内は満席で、10人くらい並んでいました。お勘定場のおばさんに尋ねると「そろそろ1回転するからね。」と言われたのでビールとランチの焼き魚を注文します。2,600円でちょっとお釣りがありました。
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1階の炉端にしか座ったことが無かったのですが、今日は2階へ通されました。2階は靴を脱いで座敷とカウンターに座ります。
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2人なのでカウンターに座ります。ランチの定食は900円で1階の炭火で焼いた魚をいただけます。
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お漬物はセルフで好きなだけ。これをつまみにビールをいただきます。
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奥には囲炉裏の席もあります。しかしこの店の柱や梁は見事です。手斧(ちょうな)の痕が美しいです。現在こんな店を造ると大変なことになりそうです。これだけの木材はなかなか手に入らないでしょう。
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焼き魚には醤油ダレが掛かって出てきます。これにご飯と味噌汁がつきますが、どちらもお替りが出来ます。こちらはカレイです。
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妻はシャケです。魚はほっけなど8種類ほどあったと思います。
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食事中ずっと満席でした。近くのサラリーマンやOLさんばかりのようでしたが、会社の近くにこんな店があると幸せですね。
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さあ今日の本題の富士美術館へ向かいましょう。中野駅からJRで八王子駅まで移動です。中央特快が待たずに乗れたのであっという間に到着しました。
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八王子駅では美術館のパンフレットが無いかキョロキョロしながら北口に向かいます。妻は物産の店に入っておはぎを物色しています。しばらく買い物に付き合ってエスカレーターを降りると観光案内所がありました。ここにパンフレットがありました。これで一人300円割引ですから大きいです。バスは平日の午後は1系統になりますが、12番のバスで20分くらいだったと思います。
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終点の創価大学の前で降りるとその横が東京富士美術館でした。1,000円の割引チケットを買ってエスカレーターで2階に上がりますが、エスカレーターの裏側にコインロッカーがあるので荷物を預けます。常設展示は撮影できる作品もあるのでカメラは持って行きます。
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まずは「ロシア絵画の至宝展」から見学します。こちらは国立ロシア美術館の所蔵品の中から、「夢」「希望」「愛」のテーマのもと、ロシアの風景や庶民の生活に焦点を当てた40点の優品を選び、ロシア美術の深い精神性に迫りまると紹介されています。展示会にあり物のオーディオガイドは無く、スマホとイヤフォンがあればホームページから音声ガイドを聞くことが出来るので便利です。
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「アレクセイ・ロバノフ=ロストフスキー公とその妻アレクサンドラ王妃」
ウラジミール・ボロヴィコフスキー
男性はアレクセイ・ロバノフ=ロストフスキー公で、議員や宮廷の高官、トゥーラ州の貴族階級の元帥も務めています。。椅子に座る女性はその妻アレクサンドラ王妃です。叙情的な雰囲気が漂う若い夫婦の愛情に満ちた肖像画です。 -
「第九の怒涛」
イワン・アイヴァゾフスキー
アイヴァゾフスキーの作品の中で最も有名で、最も人気の高い作品です。船乗りの間では、嵐のなかの九番目に来る波は最も激しく強力で、そして最も破壊的な波であると言い伝えられているそうです。 -
その九番目の波が刻一刻と迫りつつあります。数人の人々が船のマストの残骸にしがみつくなか、無情にも荒れ狂う波が彼らに襲い掛かってきます。そうした危機的な状況のなかにも、希望の光が夜の闇を打ち破ろうとしています。
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「夜の牧草地」
ウラジミール・マコフスキー
絵の題材はイワン・ツルゲーネフの小説「ベージンの野」から発想を得ているそうです。物語のなかでは小さな少年たちが火の回りに集まり、ドモヴォイと呼ばれる家の精霊や人魚、妖精などの物語を語り合いお互いを怖がらせようとします。子どもたちが草原に集って語り合う夏の一夜を描いた作品です。 -
「裸足のレフ・トルストイ」
イリア・レーピン
19世紀のロシア美術を代表する画家レーピンとトルストイは1880年の最初の出会いから、トルストイが亡くなる1910年まで30年間にわたって、深い親交があったそうです。レーピンはこの文豪を深く尊敬していて「一度トルストイを描いてしまうと、他の人間の顔がつまらなくなってしまう」とも語っています。この絵が描かれた1901年に、トルストイは著作がロシア正教の教えに反するということで教会から破門されてしまいます。それを知ったレーピンは大変に激怒して、すぐにこの本作を描いて、移動派の展覧会に出品をして文豪の正義を人々にアピールしたそうです。こんな風に縦長の作品でした。 -
「白樺の森の小川」
イワン・シーシキン
神々しさすら感じさせる力強い自然の中で、小川沿いにキノコを探し歩く二人の女性たちの存在が画面にアクセントを加えています。 -
「朝」
ボリス・クストーディエフ
この絵は画家がパリの留学時に描かれ、日当たりの良い部屋で妻のユリアが幼い息子キリルを入浴させている場面をスナップショットのように描いています。 -
「サトコ」
イリア・レーピン
ロシアの英雄叙事詩に登場する商人「サトコ」の物語の一場面が描かれています。ロシア古来の弦楽器グースリの名手だったサトコは、水の王にグースリを聴かせたことによって多くの富を得て商人となりました。あるときサトコの船が海の真ん中で動かなくなります。そこでサトコは自らの身を海の王への生贄とするため海に飛び込みます。 -
そこで出会った海の王にグースリを披露し、そのお礼に花嫁としてさまざまな民族の娘を紹介されますが、サトコは彼女たちを選ばずにロシアの娘を選びます。サトコの花嫁となるロシアの娘は、サトコの視線の先の画面の左上に描かれています。ここには美しく着飾った娘たちが、人魚に先導されながらサトコの前に進み出てくる様子が描かれています。
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イリア・レーピンといえば「ヴォルガの舟曳き」「イワン雷帝と皇子イワン」などの作品しか知らなかったのですがとても勉強になりました。そして日本に来ているロシア絵画が国に戻った頃を見計らって旅したいと思いました。
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この美術館で何より良かったのは特別展示室を出た先に無料のラウンジがあり、お茶や紅茶が無料でいただけるところです。表にはこんな彫刻も並んでいます。
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ミュージアムショップにはロシア絵画にちなんでロシアグッズがたくさん並んでいました。絵葉書を数枚購入していると、妻が「マトリョーシカが可愛いから買う。」といいだします。見てみるとマトリョーシカの作家さんの品揃えから椎名町にある「マリンカ」という店が頭に浮かびました。後で見てみるとなるほど同じものがHPに載っていました。
ロシアに行くきっかけについて https://4travel.jp/travelogue/11298835 -
常設展示室の1室から5室と6室の一部は写真撮影が可能でした。キャプションに禁止マークがついていなければよいそうです。この美術館の常設展示の質の高さには驚きました。第6室から時代を遡るように観ていきます。時代順に並んでいるのはマドリッドのテッセン・ボルネミッサ美術館に似ていて勉強になります。
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「ヴァイオリンのあるマルト・ルバスクの肖像、サントロペにて」
アンリ・ルバスク
ルバスクは、ナビ派の結成に加わって「ディヴィジョニスム(色面分割法)」を取入れ、さらに新印象主義者ポール・シニャックらの影響で点描技法を採用する先進的意欲に富む一方、ピサロを深く敬愛した画家です。 -
「若い女」
ピエール・ボナール
ポスト印象派とモダンアートの中間点に位置する画家で、ナビ派の画家の中でも最も日本美術の影響を強く受け、「ナビ・ジャポナール」(日本かぶれのナビ、日本的なナビ)と呼ばれたそうです。 -
明治期の日本の画家が描いた作品に見えたのはボナールの日本びいきからくるものだったのでしょうか。
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「シルクのソファー」
ミケーレ・ゴルディジャーニ
19世紀後半のフィレンツェで活躍した画家で、肖像画や風俗画の分野で成功をおさめ、イタリア宮廷の公式肖像画家として活躍しました。 -
ソファーのカバーのシルクの質感や壁に張られたシルクの皺などがまるで本物のようです。そして何より描かれた女の子の愛くるしい表情が印象に残ります。
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「バラ色の服の少女」
ベルト・モリゾー
モリゾーというとオルセー美術館で観た「ゆりかご」が一番に頭に浮かぶのと、
エドゥアール・マの描いた「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」が有名ですね。 -
ロンドンのコートールド美術館のマネの「フォリー・ベルジェールのバー」や「草上の昼食」に並んで、モリゾーの「女性の肖像」が展示してありましたがモネに引けを取らない画家だと感じました。
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「モレル・ダルルー伯爵夫人と息子」
メアリー・カサット
アメリカの女流画家だそうですがここで初めて知りました。 -
「草原の道、ヴォードルイユ」
ギュスターヴ・ロワゾー
ゴーギャンと行動していた時期もあるようですが、その一派が推進した綜合主義からは遠く、むしろモネとの親近性を指摘できるほど印象主義に近い作風です。 -
「トルーヴィルの別荘」
ギュスターヴ・カイユボット
カイユボットと言えばオルセー美術館の「床削りの人々」が印象に残っています。仕事柄無垢材の床材はこうやって削っていたのだと納得した覚えがあります。そして画家というよりも、相続した財産を使ってモネやルノワール、ピサロやシスレー、ドガやセザンヌらの作品を買うことで画家たちを経済的に助けたことが印象深いです。 -
「プールヴィルの断崖」
クロード・モネ
全長8kmの美しい砂浜と断崖で名高いフランスの海辺の避暑地プールヴィルの東北端にあるアモンの崖の風景を描いた作品です。2度目の訪問では再婚した妻アリス・オシュデとその娘を連れて何枚かの絵を描いています。 -
「ベルクの海岸」
ウジェーヌ・ブーダン
ブーダンは青空と白雲の表現に優れ、ボードレールやコローから「空の王者」としての賛辞を受けるほどだったそうです。じっと見ていると雲が奥から手前に流れてきそうな錯覚にとらわれます。 -
「ヴェネツィア、大運河」
ウジェーヌ・ブーダン
ジューデッカ島のツィテッレ教会辺りから描いたことが分かります。ヴェネツィアは1週間ほどの滞在を4回旅しているので見当がつきます。 -
左にはサンタ・マリア・デッッラ・サルーテ教会のクーポラと右側にサンマルコ広場の塔が確認できます。
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「ユディット」
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
長年風景画を描いたコローは晩年の15年間に人物画を描くようになったそうです。最初は家族や友人など身近な人物を肖像画風に描きますが、やがて静かに夢想して詩的な雰囲気の漂う人物を描くようになります。ユディットの絵と言えばホロフェルネスの首がつきものですが、この絵には描かれていません。今まで見て来たクリムトやカラヴァッジオやクラナッハなどと全く違った雰囲気を感じます。 -
「横顔をみせる少女」
グスタフ・クリムト
クリムトが18歳の頃の作品です。この頃のクリムトは弟のエルンストやフランツ・マッチュと共同で「芸術家商会」を営み、ウィーンのブルク劇場やヘルメスヴィラや美術史美術館などの壁面や天井の絵画装飾を手がけています。クリムトらしいエロチシズムは全く感じられません。 -
「風景の中の山羊と羊」
テオドール・ジェリコー
17世紀フランドルの画家ピーテル・ボルの作品の一部をジェリコーが模写したものです。ジェリコーといえばイコール「メデューズ号の筏」が頭に浮かびますが、違った一面を見ることが出来た気がします。 -
簡単な筆のタッチに目見えますが、絶対に描けないと感じます。
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山羊を見るとゴヤの描く悪魔的な姿を思い出してしまいます。今年はさんざんゴヤの作品を見てきましたから。
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「ナント侯アントワーヌ・フランセ伯爵の肖像」
ジャック=ルイ・ダヴィッドの工房
ダヴィッドの工房の作品ということとナントという地名が懐かしく思えました。
ロワール渓谷の古城をかたっぱしに12か所周った旅の終わりはナントでした。
フランス人が住みたい町No,1というだけあって素敵な町でした。「シェルブールの雨傘」を撮ったジャック・ドゥミ監督の生まれた町で、映画にも出てくる美しいパッサージュとビスケットとラ・マシン・ド・リルの本拠地がある町です。 -
ナポレオン1世の肖像画が2枚ありました。ルーブル美術館で観た「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」があまりにも有名ですが、「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト」などジャック=ルイ・ダビッドの作品のあまりにも美化されたナポレオンの姿が好きです。
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「ナポレオン1世」
フランソワ・ジェラールの工房
18世紀以降グロと共にヨーロッパの画壇において圧倒的な勢力を保ち続けたダヴィッド派の画家の一人です。第一帝政時代にはナポレオン一族をはじめ高位高官を多く描き、王政復古時代になってからはブルボン家の宮廷画家に就任し、ルイ18世やその他の貴族の肖像画を描いています。 -
「戴冠衣装の皇帝ナポレオンの肖像」
アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾンの工房
ナポレオンの眠るパリのアンヴァリッドへも行ったことを思い出させます。 -
「果物のある静物」
コルネリス・デ・ヘーム
上野の国立西洋美術館所蔵の「果物籠のある静物」に似ている作品です。
ベルギーとオランダの美術館を3週間廻っているうちにヴァニタス画やこのような静物画に惹かれるようになり巻いた。 -
果物の瑞々しさやカタツムリなど細部に引き込まれます。
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「ダヴィデ王を諫めるナタン」
アールト・デ・ヘルダー
この絵の主題は旧約聖書に語られた預言者ナタンがダヴィデ王を諌める場面です。
ウリヤの妻バテシバに恋したダヴィデは、ウリヤを危険な戦場に派遣します。ダヴィデのもくろみ通りにウリヤが戦死すると、ダヴィデはバテシバを妻にしてしまい、二人のあいだには息子が生まれます。しかし神はダヴィデのもとに預言者ナタンを遣わします。そこでナタンはダヴィデに富者と貧者のたとえ話を語り、ダヴィデに自分の犯した罪を諭します。 -
ヘルダーはアムステルダムでレンブラントに学び、レンブラント後期様式に手を加え展開させます。ヘルダーの最高傑作のいくつかはレンブラント作品と見なされたこともあり、「ヘルダーの絵はレンブラントの絵よりも美しすぎる」との批評があるほどです。
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「ヴィーナスの誕生」
ノエル=ニコラ・コワペル
ヴィーナスの誕生と言えばフィレンツェのウフィッツィ美術館のボッティチェルリを想像します。キプロス島を旅した時に立ち寄ったペトラ・トゥ・ロミウという美しい海岸がありますが、そこがヴィーバスの生誕地と言われています。 -
ギリシア・ローマ神話に登場する女神たちを、ロココ風の感性で優美に描き出した作品です。トリトンが法螺貝を吹き鳴らして愛と美の女神の誕生を祝福し、海のニンフたちもその若く美しい姿を波間に漂わせています。
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「ルイ16世の妹 エリザベート王女』
エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン
18世紀最も名をなした女流画家で、王妃マリー・アントワネットに気に入られ王妃付の画家としてヴェルサイユ宮殿に迎えられます。フランス革命が起こると余波を逃れヨーロッパ各国を遍歴し各地の宮廷で歓迎され肖像画制作を行ないます。 -
女性の描く女性の肖像画には何とも言えない魅力を感じます。しかし彼女の運命は悲しいもので、フランス革命の最中に兄ルイ16世と王妃マリー・アントワネットの一家と最後まで運命をともにした。マダム・エリザベートと呼ばれていました。 処刑のときエリザベートは台に紐で縛り付けられる際に肩にかけていたショールが取り払われ肩を露わにされます。「礼儀を守りなさい、ムッシュー。ショールをかけなさい!」彼女が死刑執行人にそう叫んだまさにその時、ギロチンの刃が彼女の頭上から落とされたと言われます。
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「ヴェネツィア、サンマルコ広場」
カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)
ここにもカナレットがありました。最後に観たのはエルミタージュの「ヴェネチアにおけるフランス大使のレセプション」という大作でした。 -
カメラ・オブスクーラと呼ばれるピンホールカメラの原理を用いた箱の中に入り、被写体の各点で乱反射した光線のうち、空間にあるピンホールの一点を通る光線のみを選び出し、平面に投射することで射影された像を写し取ります。カナレットの使っていたカメラ・オブスクーラは、ヴェネツィアのコレール美術館に保存されています。
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ほとんど現在と変わらない風景が完璧に描かれています。サン・ジョルジョ・マッジョーレ島の教会のファサードはアンドレア・パラディーオの晩年の傑作です。小広場にはカナル・グランデに面して2本の円柱があり、それぞれ頂上には聖マルコを象徴する「有翼の獅子」像と、「聖テオドーロ」像が見えます。中世にはこの柱の間に死刑執行台を設置したため、ヴェネツィアっ子は柱の間を通り抜けないというので、間にいるのは当時の観光客でしょう。
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「ローマ、ナヴォーナ広場」
カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)
こちらも懐かしいローマのナヴォーナ広場の姿です。ローマにも5~6回は行っていると思います。一度ローマのバロックを中心にカラヴァッジオとベルニーニの作品を探して周ったことがありました。 -
カナレットの作品は正面と左右からと観る場所によって絵の表情が変わるので面白いです。
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広場の中央に建つ4大河の噴水はもちろんジャン・ロレンツォ・ベルニーニの作品です。「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と賞賛されたバロック芸術の巨匠です。
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「ベッドフォード伯爵夫人 アン・カーの肖像」
アントニー・ヴァン・ダイク
ヴァン・ダイクの作品も出ここにあったのですね。イギリス国王チャールズ1世の首席宮廷画家として知られるヴァン・ダイクは、ルーベンスの工房で修業を積み、10代後半の若さで工房の筆頭助手を務めたといわれます。 -
モデルのアン・カーはサマセット伯ロバート・カーとその妻フランセスの娘として生まれ、1637年にベッドフォード伯と結婚して、7人の息子と3人の娘を産んでいます。母のフランセスは殺人罪で死刑を宣告されていたが後に恩赦の身となった人物で、アンはその服役中にロンドン塔で生まれています。アンが自分の母親に関するスキャンダルを知ったのは結婚のあとで、真実を聞かされた時はひどく動揺し気を失って卒倒したと伝えられます。
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「ヘラクレスとオンファレ」
テオドール・ファン・テュルデン
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスのエピソードで、友人を殺した罪を償うためにリディアの女王オンファレに奴隷として売られ、後にオンファレの恋人となります。そして、女王の寵愛により自らを苦しめた狂気を克服したヘラクレスが穏やかな日々を過ごしたというギリシア神話を題材にしたものです。 -
女官たちが見守る中で中央に座るヘラクレスを傍らのオンファレが愛撫している。女王オンファレはヘラクレスのライオン狩りを象徴するライオンの毛皮と棍棒を持ち、一方のヘラクレスは女性の役割を象徴する糸巻棒を持ち糸を紡いでいます。本来の持物を入れ替えることにより、女性による男性の支配を表したこのような図像は、この時代に好んで描かれた主題の一つでもあります。ルーカス・クラナッハの描く「ヘラクレスとオンファレ」に至ってはヘラクレスが女装していますから。
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「アントニウスとクレオパトラ」
フランス・ウーテルス
作家については詳しくは分かりませんが題材に惹かれました。騎馬姿のアントニウスと船に乗ったクレオパトラの姿です。二人の新婚旅行の姿でしょうか。 -
トルコを旅した3回のうち2回はエフェスに行きました。一度はギリシャからのクルーズで、一度はイズミールでイスタンブール行の船に乗れなくて行くところも無くて仕方なく行ったのですが、大理石で覆われた大通りをアントニウスとクレオパトラが新婚旅行で歩いたと言われます。そんなことを思い出しました。
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このクレオパトラはエリザベス・テイラーというよりはサラ・ベルナールに似ているかななどと考えてしまいます。
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「少年と騎士見習」
パオロ・ヴェロネーゼ(パオロ・カリアーリ)と工房
ヴェロネーゼは貴族の別荘の装飾をいくつか手がけていますが、この絵はそれらの部屋のドアに描かれた装飾画だったようです。絵の中の架空の扉を開けて入ってくる騎士見習や幼女を愛らしく描いたトロンプ=ルイユ(だまし絵)的な手法によって、建築家や彫刻家や画家が共同作業をして、一つの邸宅の総合的な装飾を造り上げたそうです。 -
本当はこちらから観て行くと時代の順番になるという事を最後に気付きました。貸し出し中や展示されていない作品もホームページから分かるので、また訪れたいと思いました。
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建物も特徴がある訳ではありませんが、その分絵画がメインになっているので好感が持てました。
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可愛らしいマトリョーシカがあったのでお買い上げです。
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夕方4時過ぎに美術館を出てバスで八王子駅方面へと思ったら、ちょうど創価大学の学生さんの下校時間と重なってバス停は凄い人でした。諦めて美術館前のタクシー乗り場から車に乗ります。
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八王子駅の手前ですが1,600円くらいかかりましたが、予約していた「美ささ苑」に到着しました。
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こちらからと言いたいところですが、予約したのはテーブル席のコースでした。これはちょっと失敗したかなと思いました。
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お庭の奥には「獨楽庵」という由緒ある茶室まであるようです。
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実は開店が5時で予約したのは5時30分でした。まだ開店前ですが、写真を撮っていたら店の方が気付いて入れてくださいました。
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テーブル席と言っても仕切りがあって半個室っぽいしつらえです。
仲居さんが翌日にお茶会があるとお話ししてくれて、ちょっとお庭を見せていただくことになりました。 -
ちょうど日が暮れる美しい時間帯でした。
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奥にお茶室がありました。「利休ゆかりの茶室 獨楽庵物語」という本まで出ているそうです。この茶室は千利休が天正年間に宇治田原に建てた二畳壁床の茶室が起こりだそうです。離宮の没後、尾形光琳と親しかった銀座内蔵助が京都の屋敷に移築し、浪花の豪商阿波屋が大阪に移築し、それを松平不昧公が譲り受けて江戸の大崎に移築されます。
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幕末のペリーの黒船来航と共に国防上急遽品川沖に砲台を造ることになり取り壊されました。松平家は茶室を深川の下屋敷に移しましたが、翌年の伊豆地震の大津波で冠水してしまいます。大正になって松平家の品々を譲り受けた武藤山治氏は興福寺や法隆寺の古材を使って北鎌倉に「獨楽庵」を復元します。
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その後さらに茶室は芝白金に移り、最終的に八王子に移築されたそうです。
大山崎にある妙喜庵の武田さんの「待庵」には何度も伺ったことがあるのでこのお茶室にも入ってみたかったです。 -
茶室の周囲には上品なお座敷が並んでいます。やはりあと数千円足してお座敷で懐石にすればよかった…。
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季節柄「七五三」のお食事会で使われることも多くあるそうで、今年姪が七歳なのですが、来年「八五三」のお祝でもしようかと本気で考えます。
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待合いに出る手前には信楽のような壺に花が綺麗に生けられていました。
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松平不昧公についてもいろいろ描かれてありました。
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そろそろ席に戻ります。テーブル席にもこんな蹲が置かれ風情を醸し出します。
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お腹が空いた顔になっています。
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テーブルの間にはこんな御簾が掛かっていますが我々しかお客はいませんでした。平日の夕方ですからね。
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まずはビールをお願いします。そして胡麻豆腐。
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上品なお椀です。
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良いお出汁加減でした。
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この辺りから日本酒の温燗に変わります。
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メインの料理が出てきました。
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あん肝の煮凝り。
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お刺身は鯛と鮪と帆立でした。どれも美味しかったです。
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秋らしい吹き寄せです。紅葉以外は全部いただけます。
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煮物の栗が秋らしいです。
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このコースは税サ込みで3,600円というお手頃なお値段でした。
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日本酒がどんどん進みます。
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海老真薯も美味しかったです。
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お食事は茶そばと焼きおにぎりのお茶漬けから選択できます。
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両方頼んで半分こするのが我が家の習わしです。
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松葉のお皿に乗ったのはイチゴのムースとオレンジ。
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通りの角まで仲居さんが見送ってくださいました。八王子駅までは15分くらいでしょうか。ほろ酔い気分で楽しい八王子の旅でした。
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旅行記グループ
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サンクトペテルブルク
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初冬のロシア旅(16)サンクトペテルブルグ エルミタージュ美術館新館でアンリ・マティスとリディア・デレクター...
2017/10/31~
サンクトペテルブルク
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初冬のロシア旅(17)サンクトペテルブルグ・シーケンス 妻と2人でライトアップした街巡りとネフスキー通りのシ...
2017/10/31~
サンクトペテルブルク
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初冬のロシア旅(18)ツァールスコエ・セローのエカテリーナ宮殿の豪華さに驚き、「おろしや国酔夢譚」の大黒屋 ...
2017/10/31~
サンクトペテルブルク
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初冬のロシア旅(19)ペテルゴフの夏の離宮でピョートル大帝の宮殿見学し、次回は噴水の美しい季節に再訪すること...
2017/11/01~
サンクトペテルブルク
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初冬のロシア旅(20)サンクトペテルブルグ・シーケンス 妻と2人でネフスキー通り散策とネヴァ川のナイトクルー...
2017/11/01~
サンクトペテルブルク
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初冬のロシア旅(21)サンクトペテルブルグ ネフスキー大通りでカザン大聖堂に参拝し、最後のショッピングの後は...
2017/11/02~
サンクトペテルブルク
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サンクトペテルブルグで立ち寄れなかった国立ロシア美術館の至宝を観に東京富士美術館を訪ねる。
2018/11/21~
高尾・八王子
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旅行記グループ 2017 モスクワと黄金の輪とサンクトペテルブルグの旅
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