2017/01/14 - 2017/01/14
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motogenさん
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異様な音で目が覚めてしまった。
まだ空も暗い5時だ。
窓の外から、モスクのお経にも似た音楽が響いてきている。
でもこの諧調はイスラムのそれではない。
音源はそんなに遠くからではない。
-
ベランダに出て音の出所を探してみるが、それらしきものは見つからない。
焚き火のような火がチョロチョロと燃えているが、町はまだ眠ったままだ。
ただその音は、静まりかえった町に不気味に鳴り続けていた。 -
明るくなって外に出ると、道路中央の広場で炊き出しをしている人たちがいた。
大きな鍋の中でスープがグラグラ煮えている。
暗い中で見た焚き火はここだった。 -
その近くの道路には、赤い絨毯が敷かれ、飾りたてたテントが張られている。
来客が次々とやって来て、挨拶してテントの中に消えていく。
結婚式が行われているのだ。
そういえばこのテント、昨日からあったことを思い出した。 -
おお、これはすごい。
来客たちが料理を囲み、宴もたけなわだ。
5時前から大音響を響かせて準備をし、7時を過ぎたばかりなのこんな早い時間から、結婚パーティーの真っ最中。
この人たち、何時に起きたんだろう・・・ -
パーティーの邪魔にならないよう、そのままロータリーまで歩き、
-
ロータリーから、63・64ストリートを眺めてみる。
2本がセットになって機能しているこの道路は、田舎町とは思えない広さ。
州都としてのプライドを示そうとしているのだろうか。 -
東方面のこの道路は、クラチェからバスでやって来た道で、昔からの家屋が並んでいる。
田舎町の素朴さを感じさせる通りだ。 -
南西に伸びるこの道路は64ストリートの延長で、シュムリアップへと続く道のようだ。
-
南に向かうのはストリート28。
やや登り坂となっていて、小さな丘の上にはパゴダがあるらしい。
時間があれば歩いてみたい道だ。 -
結婚式に参列していた人たちは、先ほど行列を作って出かけて行ったが、しばらくして戻って来た。
お寺又はメコン川で聖なる儀式でも行って来たんだろう。 -
出席者たちと共に記念撮影をして、結婚式は閉幕となった。
テントの張ってある場所は公道、それもメインストリートで、交通に支障をきたしている。
「こんなことができ、みんなもそれで良しとする、のどかで楽しい国なんだね・・・」
女房は笑っている。 -
8時半。
果たして迎えはやって来るのか・・?
ロビー内でおとなしくしていられず、外に出てウロウロしていた。 -
すると1台のバイクがやって来た。
バスのところまで送るという。
最初は女房、そして私。 -
連れて行かれた場所は、最初に見たゲストハウスだった。
ミニバンがやって来た。
部屋の中から出てきた怖そうな兄ちゃんたちと一緒に乗り込んだ。 -
メコンに架かる長い長い橋を渡る。
いつの間に、こんな立派なインフラを作りあげたのか・・・
カンボジアのイメージが変わる。
携帯電波についてもそう思う。
人の住んでいる地域では、3G回線やLTE回線が可能で、その通信速度もなんら困ることはない。 -
ストリート64を快適に走っていく。
この道路は最近整備されたようで、路面状態は良好、がんがんスピードを上げて走っていける。
タケオの番頭Sさんの言葉を思いだす。
「バイクで走れば、爽快そのもの・・・カンボジアの自然を楽しめます。」 -
ゆるやかな起伏のある道を、気持ちよく走っていく。
どこまでも、どこまでも、天竺までも続いているような一本道。 -
周りは広々とした草原。
移動は昼間がいいと改めて思う。
旅の楽しさは、移動そのもの。
観光スポットなんてなくていい。
退屈でもいい。
足腰が多少窮屈でもいい。
流れていく景色を見ているだけで、旅をしている満足感が湧き出てくる。 -
あの奇岩の遥か向こうには、ラオスがあると思うだけで、気持ちも昂ぶってくる。
思いもよらない辺境の路を、今、自分が走っていることが驚きだ。
あの世への旅立ちの瞬間に、この景色が走馬灯のように、まぶたに浮かぶのだろうか。 -
給油所に着いた。
-
モヒガン頭の怖そうなお兄さんたちは、さっそく向かいの店でビールでのどを潤している。
女性1人を含めた3人で旅をしているようだ。
笑顔を全く見せない兄さんたちなので、話しかける勇気もなし。 -
隣の軒先では、サトウキビを整形して売り物にしていた。
子供たちも見よう見真似でお手伝い。
パジャマ姿が普段着だ。 -
モヒガン男たちはこんな可愛い子供たちにも目をくれず、何か物色中。
でも、かっこいいなあ・・・
こんなだったら、どこへ行っても怖いものなしなんだろうな・・・ -
次に停止したのはプリアヴィヒアの町。
プリアヴィヒア遺跡は有名だが、町から遺跡までは80kmも離れているらしい。 -
止まった広場には、ミニバンとトゥクトゥク、それにタクシーしかいない。
乗ってくる客もいなかった。
ここでもモヒカン男たちはビールを買う。
1本を飲み干して、さらに1本車内に持ち込んだ。 -
そしていよいよ昼食タイム。
町から離れたカンボジアの道の駅。
時刻は12時近く。
出発から2時間半以上たっていた。 -
さて、何を食べよう。
パラソルの下にはたいした物はなく、それほど腹が減っているわけでもない。 -
小汚い食堂の、パッドの中にあった肉料理と、野菜を炒めと、ライスを注文。
量が多いので、これを二人で分ければ充分と、一人前しか注文しないのに、
ライスは二人分運ばれてきた。
会計すると、これだけで3ドル。
モヒカン男たちはもっと安く食べているのに・・・・
おかしい・・・ -
おとなしい私たちは文句も言えず、
3ドルなら、仕方ないか・・・・と、肉の付いた固い骨片は子犬にあげて、イヌが喜ぶ姿を眺めながら食べていた。 -
北にあるこの小高い山々が、タイとの国境線なんだろうか?
それとも国境となる山は、この向こう側にあるのだろうか?
国境線にプリアヴィヒア遺跡があり、その所属を巡って銃撃戦が行われた場所だ。 -
ミニバンは90km近いスピードで走り続け、時にトラクターを追い抜き、
-
曲がりくねったバナナ園や藪の中も走って行く。
-
眠くなってしまい、集中力をなくしたままシャッターを押していた。
しばらくたって、マップを見て、びっくりした。
なんとペンメリアル遺跡のすぐ横を通過していたのだ。
急いで画層を点検すると、この画像の左側がペンメリア遺跡だ。
『天空の城ラピュタ』のモデルではないかと言われるペンメリア遺跡・・・
発見当時のまま、森林の中に手つかずに置かれていると聞いていたので、山奥の中にあると思っていたら、こんな車の通る道路脇にあったのだ。 -
後悔、後悔、情けなさばかり。
分かっていたら、もっと写真を撮っていたのに・・・・
もっとじっくり観察したのに・・・
気づいた時には、シュムリアップまでは直線距離25kmの地点。
主要道路からはずれて、造成中の赤土の道を走っていた。 -
その後40分弱、
シュムリアップの街中に入ってきて、 -
シュムリアップ川のほとりに到着した。
さあ、歩くぞ。
声をかけてくるトゥクトゥクを軽くいなして、タケオGHに向かいます。 -
自分の足で歩けるところは歩く。
それが私の旅の流儀です。
金を払えば様々なサービスが買え、楽で、快適で、便利な生活ができる世の中。
でも、苦労して、自分の力でやってみる、それが生きる証なんじゃないかと、私は世の中に反抗する。
文句も言わずについてくる女房に感謝しながら。 -
タケオGHはベッド3つの部屋をとった。
1つは荷物置き場だ。
これなら寝ていて落ちることはないだろう。
「汚い、埃だらけ、かび臭い・・」
いつの間にかそんな小言も言わなくなった女房。
タケオには、楽しい人たちがたくさんいて、安心できるのかも・・・タケオ食堂 和食
-
夕食は裏通りの行きつけのレストランで、
-
久しぶりの豪華な食事。
シュムリアップに戻ってきて、帰国日も近くなった安堵も重なり、 -
最後はビールならぬ、ライムジュースで閉めとなりました。
これで8ドル。
これを豪華と呼ぶんですから、私たちの旅は可愛いものです。 -
今回のコースでした。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- trat baldさん 2017/03/03 08:33:02
- GoogleMapで追いかけているよ〜。
- 2時間半でストゥントレン〜プリァヴィヒア走破は恐るべしだね!3$で飯が食えりゃあ我慢我慢(^o^)
ゲルマンandアングロサクソン系は戦って滅びたアメリカインディアンに自分達のルーツを感じているのかアメリカ人よりモヒカン志向が強いみたいね。
ASEAN全域で公共交通機関での禁酒は常識だけどファランには通じないね、、、、、
それにしてもプリァヴィヒアとペンメリアは勿体無かったなあ、、、、、もっともプリァヴィヒアはまだまだカンボジア側からの接近は厄介らしいけど。
最後に素敵な言葉が出ましたね「女房に感謝」男は心の中で呟けば良いんだもんね(^o^)
- motogenさん からの返信 2017/03/04 10:07:39
- RE: GoogleMapで追いかけているよ〜。
- 一番の心残りはペンメリアでした。
帰ってからゲストハウスの番頭Sさんに聞くと、道路からも遺跡が少し見えるとか。
まさか、あんな道路が走っている路脇に、謎の遺跡があるとは思っていませんでした。
-
- アリヤンさん 2017/03/02 14:28:20
- プリアビヒアの近くを通るルートがあったとは!
- いやあ、新発見です。
ストゥントレンからシェムリアップに帰るルートに驚きました。
こんなルートがあったとは、全く未知でした。。。
- motogenさん からの返信 2017/03/04 10:03:52
- RE: プリアビヒアの近くを通るルートがあったとは!
- 旅の達人、アリヤンさんの知らない場所に行けたこと、嬉しいです。
旅の楽しさは何気ない移動ですね。
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