2016/07/11 - 2016/07/11
701位(同エリア6431件中)
玄白さん
ウィーンは初めて訪れた街なので、平凡ではあるがまずは定番の見どころを巡ることにしよう。リンクと言われるかつて城壁があった環状道路の内側の旧市街は、全域が世界遺産に登録されている。
歴史的には、古代ローマの宿営地だったウィーン(当時はウィンドボナと呼ばれていた)は中世に入ってもドナウ川沿いの交易で発展を続けた街だが、何といっても13世紀末からこの地を支配したハプスブルク家によって飛躍的な発展を遂げた。現代に至るもハプスブルク王朝の伝統と文化が濃厚に香る町である。
初日は、王宮とその付属施設、シュテファン寺院などを見て回り、連れ合いご執心のカフェにも立ち寄った。
そしてウィーンと言えば安ワイン酒場ホイリゲがはずせない。初日は、観光地ずれしていないシュトマードルフというところへ出かけた。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
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チロルで日の出前から起きる生活が続いていたので、今日も自然に早朝に目覚める。
アパートの窓から見る朝焼けのウィーンの街並みのシルエット。 -
ウィーン初日の朝食。日本から持ち込んだ食材が残り少なくなったので、現地のスーパーで買った食材での洋食が増えていく。
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まずは、旧市街の中心、シュテファン寺院へ。
アパートの最寄りバス停(徒歩1分)でバスに乗り、2つ目の Keplerplatzで地下鉄U1に乗り換え、5つ目の Stephanplatz駅で降りて、地上に出れば、ド~ンと目の前に圧倒的存在感で聳えている。乗り換えがあり、面倒なようであるが、慣れれば何ら問題はない。 -
この寺院は、正式名「ウィーン聖シュテファン司教座聖堂」と言い、オーストリアを代表するシンボルとなっている。天井の梁を見れば一目瞭然、典型的ゴシック様式だが、祭壇はバロック様式である。こんなところからも、長い歴史の重みが感じられる。
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ここは、歴代のハプスブルク家当主の墓所(心臓を除く内臓が納められている)でもあり、モーツアルトも、ここで結婚式を挙げている。だが、玄白にとって、この寺院が印象深いのは、2008年に世界的なクラシカル・クロスオーバーの歌姫、サラ・ブライトマンが、ここでコンサートを行っており、その模様をNHK-BSで放映したのを見て、感動したからである。それ以降、すっかりサラ・ブライトマンのファンになっている。
塔に昇って、ウィーン市街を眺めようと思ったのだが、まだ塔には入れなかったので、後でまた訪れることにして、王宮に行ってみる。 -
しばらく歩いて行くとアンカー時計が見えてきた。
しまった! 方向を間違えた。最近、どうも方向感覚が狂ってきたようだ。齢のせいか!?
地図を出して、王宮の方向を再確認。
このアンカー時計、毎0分になると、ハイドン、マリア・テレジアなどウィーンに関係深い人物の人形が現れるからくり時計であるが、20世紀初めに作られた比較的新しいものである。 -
シュテファン寺院に戻り、いささか、カッコ悪いが、地図を眺めながらグラーベン通り、コールマルクト通りと進み、王宮前のミヒャエル広場へ。
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ギリシャ風の彫刻で飾られた通路に入ってすぐ左にスペイン乗馬学校があるのだが、あいにく、この日は調教をやっておらず、クローズだった。スペイン乗馬学校見学はあきらめて・・・
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反対側の入口からシシィ博物館、皇帝の部屋見学へ。
後日、シェーンブルン宮殿にも行くつもりなので、ここでシシィチケットを購入しておく。シシィチケットがあれば、シェーブルンでチケット購入で行列しなくてよいし、時間指定されることもないので、王宮とシェーンブルン宮殿両方を見学するなら、これは絶対オススメ。 -
なお、残念ながらシシィ博物館も皇帝の部屋も撮影禁止。撮影できるのは、その前にある銀器コレクションだけである。
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この、銀器コレクション、600年に及ぶハプスブルク家の歴史の後半4世紀にわたって保管されてきた夥しい食器が展示されている。
写真は膨大な数の銀の食器。銀は、ほっておくと黒ずんでくるので、メンテナンスだけでも、大変な労力が要るだろう。 -
数々の豪華な絵付けが施されたマイセンの磁器・・・主だった器には、成型、焼成、絵付けの職人たちの名前が記された説明プレートがある。
いちいち、読んでいたらきりがない。 -
ハプスブルク家の双頭の鷲の紋章が描かれたグラス類。
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ナプキン・アート
そばの解説プレートを撮影しておかなかったので記憶が薄れているが、ハプスブルク家の食卓では、ナプキンはこの形にするという決まり(伝統?)だったというようなことが書かれていたような・・・ -
Duck squeezerなる道具。フランスのChristofileというカトラリー類の製造をしていた業者が開発したという、アヒルの骨を絞ってエキスを取り出す道具。アヒルの胸肉の料理に合わせる赤ワインベースのソースを作るのに必要なモノだそうだ。
だがウィーンの宮廷では、そういう使い方はされず、エリザベート皇妃が、若さと美貌を保つために飲んでいた肉汁を作るためだったという。 -
様々な絵柄の食器類が所狭しと展示されている。
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銀や陶磁器だけでなく、金の食器まである。
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食器に囲まれたエリザベート皇妃の彫像。
長い歴史を持つハプスブルク家の歴代皇帝、皇妃の中でも、エリザベートは知名度抜群。数多くの映画やミュージカルでも取り上げられ、現代の観光立国オーストリアの最大の功労者と言ってよいだろう。 -
これでもかというほど、膨大な陶磁器の食器やら、金(メッキ?)の燭台などのコレクション!
この後、シシィ博物館や皇帝の部屋の見学と続くのだが、この2か所は撮影禁止となっている。幼少時、自由奔放に育ったエリザベートがフランツ・ヨーゼフ1世と結婚してからは、堅苦しいウィーンの宮廷生活を嫌い、旅から旅へという生活を送ったり、唯一皇妃として政治的活動であったオーストリア・ハンガリー2重帝国創設に関与したこと、若さと美貌を保つために、人生の相当な時間をトレーニングやエステに費やしたことを示す数々の展示が興味深かったのだが、ここで紹介できないのは残念である。 -
たっぷり、二時間半、銀器コレクション、シシィ博物館、皇帝の居室を見学。決められたルートに従って外に出ると、フランツ2世の銅像が立つ中庭に出た。
フランツ2世という人物、女帝としてエリザベートに次ぐ知名度の高さを誇り、マリー・アントワネットの母であるマリア・テレジアの孫にあたる。神聖ローマ帝国の最後の皇帝でもある。 -
王宮内には他にも見所は数多くあるが、連れ合いがカフェでお茶したいというので、一旦王宮を出る。
至る所に、観光馬車フィアカーが闊歩している。ウィーン旧市街は馬車が似合う街である。 -
ふたたび、ミヒャエル広場に戻ってきた。11時近くになり、ミヒャエル広場は大勢の観光客が集まっている。
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連れ合い所望のカフェ、Demelへ。最初、場所が分からず、通り過ぎてしまい、反対側から撮影。
18世紀後半から営業している菓子の老舗で、ホテル・ザッハーと並んでウィーンを代表するケーキ、ザッハトルテが有名。かのエリザベート皇妃も愛用していた菓子店兼カフェである。
なお、日本でもデメル・ジャパンとして上野に出店しているらしい。上野風月堂が出資しているのだそうだ。 -
連れ合い、まずは土産の品定めに時間を費やす。エリザベートもこよなく愛したというスミレの砂糖漬け(下の写真?)が本命らしいが、ああでもない、こうでもないと迷うことしきり。
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ようやく、土産物をゲットしてから飲み物とケーキを注文。外の席が満席だったので、2階に通される。
外は満席だったが、2階は我々だけ。カジュアルな外の席と違い、高級感漂う2階席である。 -
やはり、ウィーンの菓子と言えば、ザッハートルテを食さねばなるまいと、玄白はデメルのザッハートルテを注文。連れ合いは、同じものではつまらないと言って別のケーキをオーダー。
なお、ザッハートルテのブランドを巡ってはホテル・ザッハーと7年越しの裁判沙汰になったというが、今では共にザッハートルテというブランドを使ってよいということになったそうな。
コーヒーはメランジェ(左)とアインシュペナー(右)
メランジェはエスプレッソに温めたミルクを混ぜ、ミルクの泡をのせたコーヒー。オーストリアではポピュラーなコーヒーの飲み方であるが、ようするにカプチーノみたいなものである。アインシュペナーはコーヒーにたっぷりのホイップした生クリームをのせ、カップではなくグラスで供される。日本でいうウィンナーコーヒーである。ただしウィーンでは、どの店にもウィンナーコーヒーなるメニューはない。 -
もう一度、シュテファン寺院に戻る途中、グラーベン通りの奥まったところに青いクーポラの屋根の教会が目に入ったので寄ってみる。地図を見るとペーター教会とある。
調べてみると、この教会の起源は非常に古く、ローマ軍の兵舎をバシリカ風の教会にしたのが始まりだという。その後、8世紀末にフランク王国のカール大帝がロマネスク様式の教会に改築したが、17世紀中ごろ火災で焼失。18世紀初めにバロック様式の教会として再建された。 -
イチオシ
外観はゴシックのような派手な彫刻で飾り立てられてはいないが、一歩中に入ると絢爛豪華なバロックの装飾があふれている。
主祭壇には、Martino Altmonteという人物による祭壇画が飾られ、上方にはだまし絵的なドームが描かれている。 -
クーポラの天井には、ロットマイヤーが2年の歳月をかけて描いたフレスコ画が見事。
ロットマイヤーはバロック時代末期のウィーンの著名な画家である。 -
イチオシ
アップで。
中央の一段高い部分には精霊の鳩、ドーム側面は聖母マリアが天上界で神による戴冠を受けている場面を描いているのだそうだ。50mを超すはるか上方で良く見えない。こんなとき、双眼鏡を持って来ればよかったと、ちょっと後悔。 -
説教壇も煌びやかな装飾満載
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金と銀のコテコテ装飾!
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至る所にだまし絵的な天井画が見られる。
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主祭壇の反対側(入口上方)にはロココ風の装飾が施されたパイプオルガン。2175本のパイプから構成されている大規模なオルガンである。
外の通りは観光客で溢れているが、教会内部はとても静か。いつまでもこれらのフレスコ画や装飾を眺めていたい気分であるが、気が済むまでじっくり見ていたら、何日滞在していても時間が足らなくなる。 -
グラーベン通りのほぼ中央に建つペスト記念柱。
14世紀からほぼ100年に一度大流行したペストは、原因や治療法が分からなかった当時、すさまじい犠牲者を出した最も恐ろしい出来事だった。そのため、ペストの流行を抑える祈りを捧げたり、流行の終焉を記念して、ヨーロッパ各地にペスト記念柱が建てられた。中でもウィーンの記念柱は、バロック彫刻の粋が施された豪勢なものである。
記念柱の下は、修復工事か何かで囲いに覆われていたので、カット! -
旧市街のところどころに水飲み場が設置されている。この日は、とても暑い日だったので、水飲み場には行列が出来ている。
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イチオシ
再び、シュテファン寺院にやってきた。太陽が高く上がり、23万枚も使われているというモザイク屋根のタイルが一層鮮やかに輝いている。
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シュテファン寺院には4つの塔がある。一番高いのは南塔だが、これは北塔。どちらも登ることができるが、南塔は階段、北塔はエレベータが設置されている。
軟弱な我が家としては、ラクチンな北塔へ。 -
塔の入口近くには多くのフィアカー(観光馬車)がたむろしている。
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塔からの眺め。
間近でみるモザイク屋根。 -
ウィーン中心部には高層ビルはないので、見晴らしがよい。
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真下を覗くと、かなりの高度感。高所恐怖症の連れ合いは、下をみることが出来ないでいる。
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モザイク屋根には、タイルでハプスブルク家の鷲の紋章が描かれている。
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プンメリンという大鐘。
1711年、オスマントルコ軍がウィーンを包囲したものの、撃退されて軍が街に残していった大砲を溶かして鋳造したという。
当初、南塔に設置されていたが、第二次世界大戦でシュテファン寺院が被災した際、プンメリンは塔から落ち割れてしまい、再鋳造して北塔に設置したものだという。 -
朝一番で来たときは、静かだったが、今は大勢の観光客でごった返している。なにしろ、ウィーン一番の観光スポットで、年間300万人が訪れるのだという。
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そろそろ、ランチの時間。今日も連れ合いがおにぎり弁当を作ってくれたので、市立公園に行って、ピクニックランチとしゃれこむことにする。
花時計の奥に見える建物はクアサロン。コンサート、ときにはディナー付コンサートも行われるそうだ。 -
ガイドブックでも必ず紹介されている金ぴかのヨハン・シュトラウス像。
旧市街からは少し離れているせいか、観光客はいない。
ヨハン・シュトラウスの銅像をながめながら、ベンチでピクニックランチだ。 -
こんな絵を描きながら売っている画家(の卵?)
東洋系の顔だちだったので、絵の勉強で留学中で、こづかい稼ぎしているのだろうかと、勝手な想像をめぐらす。 -
園内を食後の散策。
芝生の広場では、お嬢さんが、水着姿で日光浴中。こんなアングルだと、盗撮していると怪しまれる?! -
シンドラーの銅像。ドイツの実業家で、自分の工場のユダヤ人従業員をナチスのホロコーストから守ったという、スピルバーグ監督の映画「シンドラーのリスト」の、あのシンドラー? なぜ、ここに??
よく見ると、First name がJ.Eとなっている。たしか、あのシンドラーのFirst name はオスカーだったはずだから、別人のようだ。
後で調べてみると、19世紀のオーストリアの画家だった。どうでもよい雑学ではあるが、彼の娘アルマは、長大な交響曲を作曲したマーラーと結婚している。 -
池にはカモたちが羽を休めている。
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花が多い公園ではないが、ところどころに、夏の花が咲いている。
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イチオシ
旧市内の見どころは歩いて回れるのだが、せっかく、72時間フリーパスを買ってあるので、トラムに乗って移動してみる。行先は王宮のブルク庭園へ。
ここにモーツアルト像があり、市立公園のヨハン・シュトラウス像と違って、大勢の観光客に取り囲まれている。午前中訪れたシシィ博物館とは、王宮敷地内の反対側にあたる。 -
新王宮。内部には古楽器コレクション、狩猟・武器コレクションなどの博物館があるが、パス。行きたいところは、世界一美しいと言われている国立図書館プルンクザールだ。
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ブルク庭園を横切り、アルベルティーナがある建物を回り込んで歩いて行くと、プルンクザールの左側にアウグスティーナ教会があったので、ちょっと覗いてみた。
思いがけず、パイプオルガンの演奏が始まったので、急遽、しばしの音楽鑑賞の時間となった。 -
オルガンの荘厳な音色を聞きながら、教会内部を見学。この教会は、宮廷付属の教会で、フランツ一世とマリア・テレジア、フランツ・ヨーゼフ一世とエリザベートなど、歴代の皇帝夫妻が結婚式をあげているところだ。
ハプスブルク家には奇妙な風習があって、亡くなると遺体から心臓を取り出し、銀の容器に入れて、この教会の地下のロレッタ礼拝所に安置する。ちなみに肺や肝臓など他の臓器は銅の容器に入れてシュテファン寺院へ、それ以外の遺体の部分は、カプツィーナ教会に葬られている。 -
日本人にとっては、いささかグロテスクな葬送儀礼だが、謂わば心臓崇拝とも言える風習は、ハプスブルク家だけでなく、バイエルンのヴィッテルスバッハ家、イングランドの獅子心王リチャード一世、フランスのルイ9世にも行われたという。
肉体より精神を重視する仏教と違って、イエスの復活の奇跡に基づく肉体の復活という宗教概念と、当時は心は心臓に宿ると考えられていたことから、火葬はしないという風習を極端に推し進めた葬送儀礼なのであろう。
ハプスブルク家のプライベートな教会ということで、内部の装飾は地味である。 -
しばし、無料のパイプオルガン演奏を楽しんだ後、目指すプルンクザールへ。プルンクザールとは豪華な広間という意味。
かつては、王宮付属図書館だったが、今ではオーストリア国立図書館となっている。 -
入口から入り、左側にチケット売り場がある。チケットを持って左側の階段を昇っていくと・・・
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ギリシャ神話の知恵の女神アテナ(ミネルヴァ)が出迎えてくれる。
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イチオシ
そして、中に入ると、建物外観からは想像できない豪華壮麗なバロック様式の内装に目を奪われる。世界一美しいと賞されるこの図書館は、女帝マリア・テレジアの父カール6世の命により、1723年から12年の歳月をかけて建設された。手がけたのは宮廷建築家フィッシャー・エルラッハ父子である。前の旅行記でも記したが、この建築家の名前は、我々が滞在しているアパートの目の前の公園にその名を残している。
白い大理石の柱、床のモザイク模様、壁のフレスコ画、あちこちに置かれた彫刻の数々・・機能オンリーの近代的図書館とはおよそ懸け離れた、建築芸術としての存在感に圧倒される。 -
イチオシ
アーチ型の天井には、騙し絵的なフレスコ画。あたかも空中に飛び出ているかのように描かれた人物。
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別角度から・・・
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側面には、びっしりと本が並べられた書棚が並んでいる。16世紀初頭から19世紀半ばまでの20万冊の本が蔵書されている。ただし、一般観光客は、これらの本を手に取ったり、触ったりすることはできない。
中には、対オスマントルコ戦争で活躍したオイゲン公の蔵書15,000冊や宗教改革のルターの貴重な蔵書もコレクションされている。 -
アーチ型の天井に描かれたフレスコ画を背景に2階にも本棚が並んでいる。
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美しい装飾が施された中世の写本も展示されている。
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14世紀のTroppauの福音書の古写本。どういうものかは解説を読んでもよくわからないが、そのカラフルな装丁には目を見張る。
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今年は、ハプスブルク帝国の実質的に最後の皇帝でありエリザベートの夫であるフランツ・ヨーゼフ一世の没後100周年にあたっており、各地で記念行事が行われている。ここ、プルンクザールでも彼の生涯を紹介したパネル特別展示がされていた。英語でも解説されているので、興味深いのだが、全部読んでいる時間はない。
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一番奥まったところの天井がクーポラになっていて・・・
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見事なフレスコ画が描かれている。宮廷画家 Daniel Granという人物 によるもので、1730年に完成という。
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イチオシ
クーポラの真下には、この図書館の創設者カール6世の銅像が、ヘラクレスに擬した姿で鎮座している。
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クーポラの下のオーバル部分の4隅には地球儀が置かれている。今回の旅行では、プラハのストラホフ修道院の神学の間という図書館も見学したが、そこでも古書が並んだ書棚の前に地球儀が並んでいた。
なぜか、中世の古書を集めた図書館には古い地球儀がよく似合う。 -
夕方は、ホイリゲに行くつもりだが、まだ少し時間があるので王宮の敷地内をブラブラ・・・ふたたび、ミヒャエル門を通って中庭へ。
プルンクザールを見学中ににわか雨が降ったようで、路面が濡れている。 -
赤と黒で彩られたスイス門。この辺りは王宮でももっとも古い部分だそうだ。ここは、王宮の警護の任務についていたスイスの傭兵の宿営地だったため、スイス門と呼ばれるようになった。
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王宮礼拝堂入り口。覗いてみたかったが、すでに見学時間を過ぎていたので中には入れなかった。ここは月曜日は午後2時で閉じてしまう。
ここは、日曜日のミサには、有名なウィーン少年合唱団と、ウィーンフィルハーモニーの選抜楽団員などによる教会音楽の演奏されるのだが、今回は日程が合わず、演奏を聴くことはできなかった。 -
王宮見学を終えて、いざホイリゲへ。ホイリゲとは手頃な値段の安ワインを飲ませるワイン居酒屋である。ウィーンの北にあるグリンツィングのホイリゲが旅行ガイド本でも紹介されていて有名だが、すっかり観光地してしまい、団体旅行客が観光バスで押し寄せるという。
調べてみると、グリンツィング以外にシュトマードルフというところにもホイリゲがあり、そちらは地元の人が多く、観光客はほとんどいないらしい。店の情報はないが、そちらに行ってみることにした。
少し早いが、4時半ごろ出かけた。
行き方は、旧市街の最寄りの地下鉄U2かU4でショッテンリンク駅に行き、トラム31番で終点まで行く。 -
終点、Stammerdolfに到着。乗り換えが多く、45分ほどの移動時間がかかってしまった。
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イチオシ
観光客は全くいない。通りを歩いている人もおらず、ちょっと心細い気分になってきたが、トラムの停車場の北側の道を西の方向へ、しばらく歩いて行く。
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ずらりとホイリゲが軒を連ねているというイメージを抱いていたのだが、ところどころにポツンとホイリゲらしき店が現れる。
だが、まだ早いのか、営業していない店が多い。 -
イチオシ
ようやく、オープンしている店を発見!
店の情報は全くないので、ここに入るしかない! -
けっこう、繁盛している。見渡したところ、観光客らしき人はおらず、ほとんどが地元の人らしい。
客寄せのバンドはおらず、かしましいアジアの某国の団体客もいない。皆さん、大きなリンデンの木の下で静かにワインとおしゃべりを楽しんでいる。良い雰囲気だ。 -
紙ナプキンに印刷された店の名前は 「Weinhof Sammer」 住所は 21, Stammerdorfer Str, 87 とある。
テーブルでは、ワインのみオーダーし、つまみは店内のカウンターで、そのつど現金決済で注文し、セルフサービスで自分のテーブルに運ぶ。
店は老夫婦2人で切り盛りしているらしく、ご主人は、ワインの注文を取りにテーブルを飛び回っている。つまみ売り場は奥さん担当だが、困ったことに全く英語が通じない。幸い後ろに並んでいた地元のオジサンが英語を話すので、見ただけではわからない食べ物を説明してもらい、つまみ数点を注文。
最初の一杯はグラスで注文したが、ホイリゲに来たからには、やっぱりジョッキーでないと・・・ということで、2杯目以降はジョッキーワインだ。 -
観光客が一人もいない地元の人が集まる素朴な雰囲気のホイリゲで、アルコール分が低い、ややぼけた感じのワインを一時間ほど楽しんでから、帰路に着く。
かくして、ウィーン初日が暮れていく。
続く
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この旅行記へのコメント (2)
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- こあひるさん 2016/12/29 00:21:01
- ステキな構図がいっぱい
- 師匠、こんばんは。
いつもステキなお写真だけれど、なんかすごくステキな構図がいっぱいで・・・勉強になります〜〜!
ホイリゲ、いい雰囲気でしたね!
こあひる
- 玄白さん からの返信 2016/12/29 11:18:56
- RE: ステキな構図がいっぱい
- こあひるさん、こんにちは!
3年前にアラスカでオーロラ撮影のために買った超広角ズームが、今回は役に立ちました。
普段使いでは画角が広すぎて使いにくく、長いことしまいっ放しだったのですが、ウィーンやプラハの大きな建築物を近くで撮るときには、威力を発揮しました。
このところ、オーストリア・チェコ旅行記がちっともはかどりません。(^ ^);
こあひるさんのイタリア旅行記よりは早く終わらせるのを目標にしているんですけど(笑)
今年も残すところ、3日。良いお年をお迎えください。
来年もこあひるさんの人気の旅行記、楽しみにしています。
玄白
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