2015/05/23 - 2015/05/23
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kojikojiさん
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「王立美術歴史博物館」の最後は「サンカントネール博物館」です。「軍事博物館」も素晴らしかったので唯一見学していないオートワールドも気になります。この時期シトロエンDSの60周年記念の展示もあったので行きたい気持ちもありました。なにしろ妻と同い歳ですから。「サンカントネール博物館」は大きく左右の展示スペースがあり、右翼はベルギーに由来する美術品で左翼は南中北アメリカからアジア各国の美術工芸品が展示されています。日本ではほとんどお目に掛かれない中南米の工芸品には惹かれると同時に、何故これだけのコレクションがベルギーに揃っているのだろうと不思議に思えました。残念ながら日本の工芸品は訪問時にはありませんでした。ここ数年通っているインドシナ半島やインドネシアの良いものが多かったのは嬉しい事でした。ただ、キャプションがフランス語とオランダ語だけなので両方見比べて理解するという非常に時間の掛かる見学でした。また行ったことのない国々の工芸品を見ていると、あの区のこの国とこの先の旅先を考える良い機会になりました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 観光バス 船 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- エミレーツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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凱旋門に向かって右翼に「サンカントネール博物館」の建物があります。
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ギリシャ神殿のような重厚な印象を受ける建物です。チケットを買ってクロークに荷物を預けて見学を始めます。館内の撮影はフラッシュ無しであれば可能です。
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最初はエントランスホール右手のベルギーに由来する美術品の展示スペースへ向かいます。通路を抜けると大きなホールがあり、グレート・ナルテックスと案内図に書いてあります。ナルテックスとはキリスト教聖堂の正面入口の前に設ける広間のことです。ここで分かりましたがここから左手に広がる回廊を含め、元々は教会だったのでしょう。
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ナルテックスに接したハート・ミュージアムです。ボヤディジアン・コレクションとあったのでトルコ系の方のコレクションという事は分かりましたが、それ以上は不明です。このようなハートを持った人形などが並んでいます。
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イチオシ
18世紀の南イタリアで造られた7つの悲しみの聖母像です。コレクションされた方は余程ハートや心臓に関わるものが好きだったのでしょう。「マリアの七つの悲しみ」はカトリック教会の信心業の中でも普及しているもので、聖母マリアが悲しみにくれて涙を流し、7つの矢や剣で心臓を貫かれた姿で表されます。聖母マリアの7つの悲しみとは、聖母マリアの人生において起こった7つの出来事を指しています。
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イチオシ
聖心とはキリストの人類に対する愛の象徴である心臓、またそれに対する崇敬を示す言葉で、燃える心臓として描かれ炎は愛の変容させる力を表象します。
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ビザンチンの流れを感じるマリアの戴冠像です。三位一体の神がマリアに冠を捧げる場面です。
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美しい木彫祭壇です。上段中央が幼子イエスを抱き抱える聖母マリアで、左に洗礼者ヨハネと右にアレキサンドリアの聖カテリーナが立っています。下の段左に聖母マリアと右は全能の神、中央はキリストの磔刑が表され、左右には福音預言者や十二使徒が並びます。
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中央の聖人は鍵を携えているので聖ペトロと分かります。右下では逆さ磔になっているので、周囲はペトロの生涯だと分かります。世界一のベストセラー新旧の聖書の主だったストーリーを覚えているだけで西洋の美術館を巡る楽しさは倍増します。絵画を読み解くための鑑賞時間はかかりますが。
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大天使ガブリエルがマリアにイエスを身籠ることを伝える受胎告知の場面です。頭の上の鳩が聖霊で、間にある百合は処女性を表し…。
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アリストテレスとフィリス
アリストテレスはアレクサンドロス王子(アレキサンダー大王)がフィリスに夢中なのを知り説教をします。そこでフィリスはアリストテレスを誘惑します。フィリスの策略にかかり「お馬ごっこ」で馬にされます。そこにアレクサンドロス王子がやって来るという物語の一場面です。博物館のメインの収蔵品リストには載っていませんが、個人的にはこういったものに興味を惹かれます。 -
Scènes de la Passionは高さ4メートル幅9メートルのタペストリーです。題材はキリストの磔刑を中心にたくさんの人々が描かれています。
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ベルギーと言えばタペストリーの本場ですから素晴らしい出来栄えです。この博物館の1つの見どころはタペストリーと言っても過言ではありません。
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木彫祭壇は今回のベルギーとオランダの旅行で幾つ見たか分かりませんが、どれも素晴らしかったです。こちらは中央にキリストの磔刑を描き、左には十字架を担ぎゴルゴだの丘へ向かうイエスで、右側には十字架から降ろされた場面が表されています。
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磔刑にされたキリストや足元のマリアなどの人物が物凄いリアリティです。まるでその場に居合わせたような気になります。それほど厚さは無いのですが、中景の馬上のローマ兵など立体感も表わされています。
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2匹の魚と5つのパンをイエスが奇跡をおこして5000人に食べさせたという「パンと魚の奇跡」の場面のようです。
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聖母マリアの死の場面です。木彫祭壇は保護のためガラスで覆われているので天井の照明が反射して見にくいのが難です。
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パリの聖ディオニュシオスだとすぐに分かりました。
3世紀のパリの司教で250年頃に殉教したとされます。フランスの守護聖人としてパリのノートルダム大聖堂の入り口にも彼の像が並んでいます。パリではサン・ドニと呼ばれることが多いです。 -
聖ヤコブ像です。サンティアゴ・デ・コンポステーラまで逢いに行った事を思い出しました。いつか巡礼路を歩いてみたいと思っていますが、リタイアする数年後以降の旅になりそうです。
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この像にはありませんでしたが、サンティアゴへ行く巡礼者は帆立貝を持っています。フランス語で帆立貝の事をサン・ジャックと言うのはここから来ています。
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インファント・イエスは元々は衣服を着ていたのだと思います。
ベビー・イエスの像は可愛らしかったです。右手の人差し指が Ι(ギリシャ文字のイオタ)、中指が C(同シグマ(Σ))でイエス(ΙC)を示します。
妻は今回の旅でベビー・イエスを探していて、アントワープの大聖堂で記念に買っていました。 -
この祭壇も素晴らしかったです。中央上部にキリストの磔刑と左右に十字架を担ぐ姿と十字架から降ろされた場面が表されています。下には東方三博士の礼拝などイエスの誕生の場面が続いますが、ガラスケースに収まっていないのが特に良いです。
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ヤコブの生涯やサブ論教会の伝説などのゴブラン織りのタペストリーの間に移ります。
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本物のゴブラン織りの織機が置かれてありました。
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タペストリーよりこちらに興味が行ってしまいます。パリと近郊を3週間旅した際にタペストリーの工房へ行きたかったのですが、叶わなかった想いが遂げられた気分です。
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イチオシ
聖シルヴェスターの像です。シルヴェスターはローマ教皇の1人です。カトリック教会での記念日は12月31日であるため、西ヨーロッパでは12月31日を「シルヴェスター」と呼ぶ地域もあります。
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キリストの埋葬です。アリマタヤのヨセフとニコデモの2人が亡骸を運んだ場面です。同じような構図の彫刻はいろいろな国の大聖堂で見ることが出来ます。
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物凄い頑丈そうな箱です。金属で補強され頑強なイメージを受けるので、描かれた花や風景画がミスマッチに思えます。
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素晴らしい細工のガラスのゴブレットが並んでいます。
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プラハを旅行した時にこのようなフォレストグラスの美しさにハマって幾つも購入してきました。それ以降どこを旅しても見掛けないので買っておいて良かったと思います。博物館で見掛けるとついつい目が止まってしまいます。
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数年後にチェコのチェスキー・クロムロフで復刻している工房の作品を見つけ、更にたくさん買い求めてしまいました。フレストグラスという呼び名はガラスを造る際に使う燃料や灰に不純物が多く、緑色に仕上がることから付いた呼び名だそうです。
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アストロラーベ(古代の天文学者や占星術者が用いた天体観測用の機器)の一種でしょうか。詳しいことは分かりませんが、これはもう澁澤龍彦の世界を連想させます。
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中庭を挟んでグレート・ノルティックを望みます。左右に円柱の美しい回廊が続いています。
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ブドウ型のアンフォラです。中に入れるのは間違い無く赤ワインでしょうね。
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ローマ時代のマイル・ストーンです。仕事では1年中このマイル・ストーン追いかけられています。元々は道路等の起点よりの距離をマイルで表した距離標識のことです。
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ローマ時代の発掘品を見ると古代ローマはここまで達したのかと感慨深い気持ちになります。
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ミレフィオリという技法の小皿です。ミレフィオリとは千の花という意味のイタリア語で、今でもヴェネツィアではこの技法でガラス製品を造っています。
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ローマ時代の石彫も展示してあります。ローマ帝国の属領となったベルギー地方はローマ人からガリア・ベルギカと呼ばれていたそうです。
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浴場から出てきて、薄衣のトゥニカという簡素なチュニックを羽織ろうとする瞬間の姿のようです。
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頭部に生えた翼からメルクリウス像だと分かります。ギリシア神話の神々の伝令使ヘルメスと同化し、雄弁家や盗賊、商人や職人の庇護者とされます。
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同じような黄金のパネルがいくつも展示されていてさながら黄金の間です。24カラットの鈍い輝きが心をくすぐります。
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聖十字架の三連祭壇画の中央部分ですが、その精緻な細工にため息が出ます。
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アレクサンダー大王の頭部です。イスタブールの博物館ではアレキサンダー大王の棺といわれた石棺を見ましたし、イスケンダル・ケバブも何回も食べました。イスケンダルとはトルコでアレクサンダーを意味します。
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黄金だらけの部屋で素朴な聖母子像を見るとホッとします。
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下から聖人が覗き込んでいる構図が面白いです。まばゆい光に誘われてシャッターを押してしまいます。
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今度はグレート・ナルテックスの2階を見学します。
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2階のテラスには見事なソリが並んでいます。これは植民地だったコンゴの原住民を意匠としています。ベルギーが寒い土地であることが分かります。この後の旅でスケートをしたり、ソリ遊びをする絵画をたくさん見ました。
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イチオシ
レオポルド2世の銅像が鎮座していました。即位前から植民地獲得に強い関心を持ち世界各地を廻り物色していましたが、やがてコンゴに目を付けてコンゴ国際協会を創設してコンゴ探検を支援します。先住民の部族長と条約を結ぶなどコンゴ支配の既成事実化に努め、ベルリン会議においてコンゴを私有地として統治します。個人で植民地を持っていたというからすごい話です。
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一度エントランスホールに戻り、今度は左翼の見学を始めます。ネイティブ・アメリカンのトーテム・ポールがお出迎えです。これは北アメリカ大陸の太平洋に面した北西沿岸部に住む先住民インディアンの多くが、彼らの家の中や家の前、あるいは墓地などに立ててきた柱状の木造彫刻の総称です。
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収蔵品も素晴らしいですが建物も素晴らしいです。楕円の吹き抜けに円形のガラスのドーム天井が乗っています。。
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ここからは中南米の陶器のコレクションが始まります。日本ではあまり馴染みのないというか、美術館の特別展でもなければ見ることが出来ない美術品です。
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素朴な造形に惹かれますが、その精度の高さに驚かされます。
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そして不思議なデザインにどんどん引き込まれていきます。
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このエリアの展示品はペルーやコロンビアやインカなどのカテゴリーに分かれていますが、造形の面白さが先に立ってキャプションなど見ないで見学していました。
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このような色絵陶器は一体何度焼くのだろうかと不思議に思えます。素焼きで1回、白色の釉薬で1回、最低3回は焼成しているのだと思いますが…。
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当時の衣装や織模様が分かって面白いです。
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この笑顔は中国の現代美術に通じるものを感じます。
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自分で狩りをした獣の頭部の毛皮を被った猟師でしょうか。デフォルメされた口髯などを見ていると現代のアニメのキャラクターのように思えます。
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これに至ってはどう解釈すればよいか分かりません。
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ペルーのある地方では家の屋根の上にこのような教会を乗せる風習があるそうです。横浜の中華街の雑貨店で現代の作品を見たことがあります。こういうの欲しいです。マルタ島のフェアトレードの店で最後の晩餐の人形を買い洩らした経験もあります。
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一番インパクトのあった陶器がこれです。現代アートの作品と言っても誰も疑わないでしょう。キース・ヘリングが黒人男性にボディー・ペインティングした作品を思い出しました。
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額の十字はキリスト教の影響でしょうか?
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シンメトリーのようで微妙に模様は違っています。デザインも不思議ですが一体何に使われたのでしょうか。
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翡翠の仮面は中国の文明にも通じるものがあります。刳り抜かれた目の部分が不気味です。
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これは人間を表しているのでしょうか?昔読んだ「神々の指紋」という本を思い出します。
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ピューマか何かの獣が表現されています。動物の力強さを呑み込んで体に取り込もうとしているのでしょうか。
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もう何だか分かりません。
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アライグマでしょうか。
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空白が嫌いだったのでしょうね。
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この一連のペルーのモチカ陶器の完成度は非常に高いと思いました。
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呪術師かなにかでしょうか。
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このペルーのモチカ陶器は博物館のパンフレットの表紙になっていました。モチカ文化はペルーの中央アンデスの北海岸の特にモチェ川によって形成された谷で発達しました。
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動物の毛皮を着て力を受け継いだ姿でしょうか。
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この黒色は釉薬では無くて生地の色から真っ黒なようです。
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太鼓を叩いて歌を歌っている姿。
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これはもうイラストとしか思えません。
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こんな顔をした登場人物の漫画ありましたよね。
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しかしこの釉薬の光沢はどうやって残っているのでしょう。
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初めて見る国々の陶器は非常に興味深く鑑賞できました。
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猿がいなければ世界中に共通するデザインのようでもあります。
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イチオシ
初めて見るモアイ像です。渋谷のモヤイ像とは違います。もちろんイースター島から来たものでしょう。
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迷路のような通路や階段を通ってギリシャ・ローマの展示エリアへ移動します。
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コレクションの中心は現在のシリアのオロンテス川周辺でベルギーの考古学調査隊の発見によって形成されています。巨大なモザイクが素晴らしい上にコンディションも最高です。シリア国境のアンタクヤ(ハタイ)のモザイク博物館にも行きましたが、これほどの物はありませんでした。
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4世紀から5世紀のモザイクが壁面を飾っています。幾何学的な模様の物も良いですが。
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やっぱり生き生きとした動物や人物が素晴らしいと思います。アフリカからローマの各地域へライオンも運ばれていたのでしょう。
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イチオシ
ルキウス・セプティミウス・セウェルスというローマの皇帝のブロンズ像です。
ローマ時代の風俗がよく分かります。特にサンダルが印象に残りました。 -
19世紀のコレクターの収集品と寄付で始まったベルギーのエジプト考古学の収集品はJ・カパールという人の考古学的な研究で土台が出来たそうです。古代エジプトにおいてハヤブサの姿をしたホルスは「王そのもの」であり、ファラオはホルスの化身で地上で生きる神(現人神)で現世の統治者と捉えられました。コブラの首に下げられているのはアンクと呼ばれる現世(此岸)と来世(彼岸)の間にある「境界」を無事に超えるための通行証です。
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女性の頭部の優しい眼差しが何とも言えません。頭髪なども細かく細工されています。
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コア・グラスの香水瓶です。コアガラス技法は器の内側の形の芯を金属の棒の先につくり、その芯にガラスを被せて器を製作する技法です。最も古いガラス器の技法で紀元前16世紀末の古代メソポタミア文明時代の時代に発明されました。ローマ時代に吹きガラス技法発明されると廃れていきます。
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ツタンカーメンの石像です。ツタンカーメン由来の展示品もいくつかありました。この数年後にようやくエジプト旅行へ行くことが出来ました。
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当時のエジプトの風俗がよく分かる模型です。
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パリのルーブル美術館にもたくさんありましたし、カイロ博物館のコレクションは見事でした。
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再現された古代エジプトの墳墓の内部の原寸模型です。鮮やかな世界が広がります。
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イチオシ
「アデル ファラオと復活の秘薬」という映画を思い出しました。大きさからいってここに石棺かミイラの入ったケースが置かれていたのでしょう。床のカーペットの日焼け具合からもそう思えます。
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精巧なローマ市内の模型がありました。実に巨大で精巧に出来ています。
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コロッセオからフォロ・ロマーノ、一番下の辺りは現在のテルミニ駅なんて考えてしまいます。それくらいローマの街中は何度も歩き回りました。
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イチオシ
ローマ時代の石棺の周囲の彫刻は、中に納められた個人よりも雄弁です。これだけ精巧なものですから直接土に埋めるのでは無く、玄室の様な場所に入れられたのだと分かります。
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ローマ時代のこういった道化の仮面は何ともユーモラスです。
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この博物館が素晴らしいと思ったのはモザイクで使われている色大理石の産地と種類が集められて展示してある所です。こんな展示ケースが2つありました。
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上の階に上がると東南アジアや中国の展示エリアになります。
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見事な唐三彩の神獣と神像が並んでいました。上海美術館や上野の国立博物館東洋館の収蔵品とも同等の大きさなので迫力があります。
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同じような文官や駱駝の姿も見えます。
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美しい清時代の寝台が置かれてありました。大きなものですがこれだけの空間があると小さくすら見えます。
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以前中国の烏鎮(ウーチン)の百床館へ行った事を思い出しました。このような寝台が100台くらいありました。屋敷を改造した博物館に所狭しと並んでいるので、こんな広い空間に置かれるとさらに素晴らしく見えます。
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インドネシアのスラウェシ島の伝統家屋の模型です。インドネシアの島々も行ってみたいと思ているのですが、まだバリ島とジャワ島どまりです。
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そしてジャワ島の人形がたくさん並んでいました。木彫りの人形を用いるワヤン・ゴレは西部ジャワで盛んに行われ、演じられるのは古代インドの叙事詩マハーバーラタやラーマーヤナです。10世紀ごろヒンドゥー教とともにインドネシアに伝えられ、影絵として発展したのがワヤン・クリで人形が木彫りになったのがワヤン・ゴレです。
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ジャワ島のジョグジャカルタのソノブドヨ博物館で見たのと同じような仮面がありました。これはジャワ島中西部のチルボンの仮面舞踊トペン・チルポン topeng Cirebonで使われるものです。
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この仮面を使った舞踊を一度見てみたいものです。
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ジャワ島のワヤン・クリという影絵の人形たちです。マハーバーラタやラーマヤーナ叙事詩を演じます。
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バリ島のガムランとは違った物悲しいジャワ島のガムランの音色とワヤン・ダランと呼ばれる操り師の語るご詠歌のような旋律と声が懐かしいです。
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数年前のジャワ島のジョグジャカルタの旅行の事がいろいろ思い出されます。
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ガルーダに乗るヴィシュヌ神です。バリ島で白檀で出来た木彫を買ったことがあり、非常に精緻な彫刻で値段もそれなりに高かったのですが、数年前に行った時には全く姿を見ませんでした。良い物は見つけた時に買って置かないとつくづく思います。
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ウブドのプリ・ルキサン美術館にも同じような仮面がありました。
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これもインドネシアのロロ・プロニョの木彫です。座ったタイプの人形をジョグジャカルタのスルタンの弟さんのお宅で買い求めたことがあります。街中のお土産品とは違った素晴らしいものでしたが、この人形にはちょっと負けるかな。
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タイのベンジャロン焼です。これも新しいものには無い美しさを感じます。これなら欲しいなと思います。
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タイの仏像もいくつか収蔵されています。
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ヤックと呼ばれる鬼の像です。
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ラーマヤーナ叙事詩に出てくる10の頭を持つラーヴァナです。ランカ島の王様でもありランカは現在のスリランカです。これはコーンと呼ばれるタイ舞踊の仮面だと思います。同じような仮面舞踊はカンボジアにもあるのでその違いは分かりません。
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そしてハヌマーンです。これら仮面を造っているバンサイ民芸文化村の工房にも行きました。プミポン前国王の妃でワチラロンコン現国王陛下の母であるシリキット王太后陛下がこのようなOTOP(One Tambon One Product)と呼ばれる「一村一品運動」を支援していたことも思い出しました。
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イチオシ
蓮の葉を持つ女性像はカンボジアで造られたもののようです。普通の彫刻では少し凹んでいる眼が出っ張っているので不思議な視線を感じます。
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この辺りからクメール彫刻が続きます。どこかの寺院の欄間を飾った彫刻です。中央は3つの頭を持つエラワン象に乗っているのでインドラ神です。アンコールの遺跡を1週間廻り続けた暑い夏の旅を思い出します。
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クメールの微笑みを讃えた像は無残にも首だけになり、刀傷のようなものも残っています。タイを旅していても首を落とされた仏像を数多く見る事がありますし、カンボジアを旅していても同じことを思います。
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蛇の神ナーガが守る禅定{ぜんじょう}に入る仏陀像はほとんど完璧な形で残っています。カンボジアでは水を司る神であるナーガに対する信仰が篤く、仏教と結びついてこの形の像が多数造られました。仏陀が瞑想していたところ大雨が降ってきたので、ナーガが頭を傘のように広げてブッダを守ったという説話に基づいた像です。
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吹き抜けのガラスドームの先はインドからの収蔵品が並んでいます。
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左にはチベット仏教の収蔵品が並びます。
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チベット仏教の普賢菩薩像はエロチックなお姿です。
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「歓喜天」とか「 聖天 」と呼ばれる像です。
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牛頭天王(ごずてんのう)は仏教における天部の1つで、インドのインドラ神の化身と言われています。
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牛頭天王(ごずてんのう)は日本における神仏習合の神でもあり、釈迦の生誕地に因む祇園精舎の守護神とされます。京都にある現在の八坂神社にあたる感神院祇園社から勧請されて全国の祇園社や天王社で祀られています。
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インドやパキスタンの展示室コーナーです。4本の支柱は蓮の葉をかたどった寺院の遺構をそのまま移しています
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中央にはダンシング・シヴァの姿があります。この博物館の至宝だそうです。ナタラジャを踊るシヴァはムヤラカという悪魔を踏みつけて右足だけで立ち、4本の腕を広げて優雅に踊ります。特徴的な髪形はコブラの姿に変わります。その中に女神ガンガの姿もあります。シヴァは地上に落下するガンガーを豊かな髪で受け止めヒマラヤ山中に注ぎ、人々に恵みを与えたとされます。
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ヒンドゥーの神像が並びます。豊満なボディが魅力的です。
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シヴァとパールヴァティ像は穏やかで愛情深いものを感じます。
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ガンダーラの仏像もいくつかありました。
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東京国立博物館の東洋館のコレクションにも良いものがあります。そして旅順博物館に残された大谷探検隊のコレクションの事も思い出します。軽い気持ちで入ったサン「カントネール博物館」でしたが、気が付いたら2時間じっくり観ていました。
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