2015/05/28 - 2015/05/28
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kojikojiさん
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ブリュージュ2日目の観光はメムリンク美術館の開館時間の9時半に合わせて行動します。ちょうど開館に合わせてチケットが買えたので誰もいない状態でしばらく見学が出来ました、ブリュージュカードの購入も考えたのですが、金額を合計しても割に合わない事が分かったので個別の支払いにしました。美術館の前半は美術館はヨーロッパでも最も古い歴史を持つ病院だった聖ヨハネ施療院に関係する品々や絵画。施療院は1181年まで歴史を遡れるそうで、単なる医療活動だけではなく旅人に宿も提供していました。病院としては1978年まで営業というのが驚きです。後半はドイツ出身ながらブルージュの市民権を得て画家として大成したハンス・メムリンクの作品が並ぶ部屋を見学します。特にベルギーの7大秘宝”のひとつに数えられる「聖女ウルスラの聖遺物箱」はすごかったです。フラッシュ無しであれば写真が撮れるので助かります。その場での感動は日を置くと薄れてしまいますが、写真を見ると思いだすことが出来ます。「聖カタリナの神秘の結婚」の三連祭壇画も忘れられません。こんな美術館ですが訪れる人も少なく逆に何故と思ってしまいます。午後に行ったグルーニング美術館も素晴らしかったですが、収蔵されている建物のロケーションが違います。続いて近くにある聖母教会の見学を続けます。こちらは半分くらいが修復中でミケランジェロの聖母子像は見られましたが、突進公シャルルと、美しい姫マリーの霊廟は見ることが出来ませんでした。聖母教会のミケランジェロの製作した像は数奇な運命をたどる歴史があります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 観光バス 船 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- エミレーツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「プレートの上の洗礼者ヨハネ」
16世紀にフランドル地方で造られた木彫です。ほとんど実物大なのでリアルな感じがします。特に右額の傷がリアルです。サロメが現われてきそうな気がします。サロメはヘロデ王に祝宴での舞踏の褒美として好きなものを求めよと言われ、母のヘロディアの命により洗礼者ヨハネの首を求めたという新約聖書の物語です。(聖書にサロメの名前はありません。)ギュスターブ・モローの絵が頭に浮かんできます。 -
「死の床のシスター・エリザベス・ローフレット」
この施療院で働いていた修道女の衣装は特徴的です。 -
三連祭壇画ですが閉まらない構造になっています。17世紀にこの病院で働いていた4人の修道女が中央のピエタを見つめているようです。青い衣の聖母マリアとマグダラのマリアの姿が見えます。
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聖書とロザリオを持ち、静かに祈りを捧げる修道女たち。
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ヤン・ベールブロック
「聖ヨハネ施療院の病室」
まさにこの美術館の場所で医療行為が行われていた訳です。 -
当時の施療院の情景が手に取るように分かります。
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後に設けられた柱と梁がありますが、石造りのアーチはまさに絵の通りです。
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「聖女ウルスラの聖遺物箱」
ハンス・メムリンクの傑作です。
ブルターニュ王の娘ウルスラがローマに詣でた帰り道にフン族の首長からの求婚を断ったために、お供をしていた11,000人の処女たちともに殺害されたとされる物語です。 -
聖女ウルスラとマントの中に庇護された10人の聖処女たち。ウルスラを含め11,000人の処女を表しています。
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イチオシ
ウルスラは王の娘として生まれた伝説上の聖女です。4世紀末のブルターニュ出身と考えられているそうで、父王からイングランド王の息子との縁談を持ちかけられるとウルスラは承諾しますが、「夫はキリスト教の洗礼を受け、共にローマへ巡礼すること。」「自分と共に10人の処女を同行させ、自身を合わせた11人にそれぞれ1,000人の処女を同行させること。」そして条件は整えられ11,000人はブルターニュ港を出発します。
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この聖遺物箱には6つの場面が描かれています。
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第1の場面はウルスラの一行がケルンに到着したところです。そこへ天使が現われて一行が殉教することを伝えます。
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青い衣がウルスラで周囲には10人の聖女が囲んでいます。
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第2の場面はバーゼルに到着したところで、船を降りた後は徒歩でアルプスを越えてローマを目指します。
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ウルスラと処女たち。すでに殉教する話を知っているにしては幸せそうです。
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第3の場面はローマ到着に到着したところです。ウルスラとその婚約者を始め、一行はローマ教皇に歓待されます。受洗がまだの者は教皇キュリアクスに洗礼を授けられます。
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洗礼を受けるウルスラの姿です。
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反対側の場面に移ります。
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第4の場面はローマを出発するところです。このとき教皇キュリアクスと従者らが随行します。
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第5の場面は再びケルンに到着したところです。ケルンを占領していたフン族が一行を襲い、イングランド王子と処女たちは命を落とします。
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第6の場面では捕えられたウルスラがフン族の長の求婚を断って殉教する場面です。ウルスラは兵士の矢に打たれます。
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感情を抑えた表情は箱に描かれた物語と言う事こともあるのでしょうか。すべてに悲壮感や恐れの表情では騒がしいものになるでしょう。
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このような聖遺物箱をじっくり見学したのは初めてでした。聖母子と依頼主と思われる施療院の修道女の姿があります。聖ウルスラ崇拝は伝説の舞台となったケルン地方のだけでなく、ライン地方やネーデルランドやヴェネツィアなどでも信仰を集めたそうです。
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また聖ウルスラは毛織物業者の守護聖人とされるほか頭痛の治癒を助けたり、幸福な死の仲介者ともされていました。毛織物で栄えたブルージュで親しみをもって讃えられていたのだなと感じます。
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「受胎告知」
これも現代風な木製の枠と共に印象に残りました。三連祭壇画の両翼のパネルを閉じた状態です。この面に描かれた絵画は白を基調にしたものが多いようですが意味があるのでしょうか。このパネルの表側はニューヨークのピアポント・モーガン図書館にあり、センターパネルはヴィチェンツァのシビコムセオに保管されています。 -
木彫のピエタはこの建物が施療院だった頃に置かれていたものだそうです。
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聖バルバラの像は16世紀のフランドル地方で作られたものです。外科医の守護聖人で腎臓結石にご利益があるようなので拝んでおきます。
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「キリスト降架」
16世紀フーゴー・ファン・デル・グースの写しのようで、オリジナルはゲントの美術館に収蔵されていました。フーゴー・ファン・デル・グースというとフィレンツェのサンタ・マリア・ヌオーヴァ教会の「ポルティナーリ三連祭壇画」が思い出されます。 -
「カナの婚礼」
南部ネーデルランドの作家の作品です。ガラリアのカナで婚宴があり、イエスと聖母マリアと弟子たちは婚宴に招待されます。葡萄酒がなくなったのでイエスは使用人に「水がめに水をいっぱい入れなさい」と命じ、石で出来た水瓶を6個並ばせます。 -
そして水が葡萄酒になるというイエスの最初の奇蹟が示されます。新婦の頭上に冠が吊られていますが、ブリューゲルの「農民の婚宴」の絵を思い出させます。
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今回の旅行で見た木彫祭壇では一番素朴でありながら一番印象に残りました。受胎告知からマリアの物語が表わされています。
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周囲のゴシック様式の柱やアーチやレース装飾が美しいです。
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美術館の一番奥に礼拝堂が設けられています。
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聖ヨハネ祭壇画「聖女カタリナの神秘の結婚」
ハンス・メムリンクの傑作です。 -
イチオシ
3世紀末アレクサンドリアに生まれたカタリナはイエスから指輪を授かり、花嫁として迎えられる幻視を体験をします。カタリナはアレクサンドリアの高貴な家に生まれキリスト教に帰依しますが、ローマ皇帝の求婚を断り斬首刑に処せられます。
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幼子イエスがバルバラの左手薬指に指輪をはめようとしています。今回の旅では同じ題材の絵を何度か見ました。マリアの下に敷かれてあるのはメムリンクの絨毯と呼ばれています。このようなギュルの織り込んである絨毯がコーカサス絨毯でもトルコ絨毯でも「メムリング絨毯」と呼ばれているのはメムリングさんが由来になっています。
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「洗礼者ヨハネの斬首」
後ろに描かれた塔ではヘデロ王の宮殿でサロメが踊る場面が見えます。そして盆を手にしたサロメの視線が印象に残ります。そしてヨハネの顔の穏やかな表情も。 -
イチオシ
「パトモス島の聖ヨハネ」
ギリシャのパトモス島で黙示録を書いた聖ヨハネのヴィジョンが極彩色で描かれています。パトモス島には1度行った事があり、ヨハネの黙示録教会にも参拝しました。こんな洞窟でと思える所でしたが、キリスト教徒の方には聖なるところのようでした。 -
三連祭壇画の扉を閉めた表側には15世紀の修道会の修道女たちの姿があります。
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この「聖女カタリナの神秘の結婚」はガラスケースに入っていないので生の迫力が伝わってきます。
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「聖コルネリウス」
ブリュージュで14世紀に造られたローマ教皇の像です。前教皇ファビアヌスの死から14ヶ月の空白を経て、コルネリウスは教皇に選出されますが、大罪のゆるしについて殺人や姦通や背教といった罪もゆるすことができると考え、ノウァティアヌスとその一派と対立します。 -
「若い女性の肖像」
ハンス・メムリンク
15世紀末に流行した衣装に身を包んだ若い貴婦人の姿です。
後頭部できつく束ねられた髪と細い黒い帽子、透明のベールが印象に残ります。メムリンクは1480年にブルッヘの富家227人の1人として皇帝マキシミリアンに戦時税を支払った記録が残っているのは、宗教画だけではなく寄進者像を中心とした肖像画を多く描いたからではないでしょうか。 -
「マールテン・ファン・ニューウェンホーフェの二連画」
ハンス・メムリンク
画枠の下にメムリンクの署名と年号からこの男性が23歳だったことが分かるそうです。右側のマールテン・ファン・ニューウェンホーフェは後にブリュージュの市長にもなります。彼の視線は聖母マリアに注がれています。 -
イチオシ
聖母マリアの持つリンゴに触れようとする幼子イエスです。豪華な金刺繍のクッションに座っています。宗教的な主題を華麗な色彩と北方絵画特有の細部までゆるがせにしない徹底した写実表現をもって描いたと感じます。
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信心深い青年の姿です。窓のステンドグラスは聖ゲオルギウスの姿があります。
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「アドリアーン・レーンの三連祭壇画」
ハンス・メムリンク -
中央の哀悼の場面ではマリアはイエスに祈りを捧げ、福音書記者ヨハネが茨の冠を外そうとしています。マリアの後ろに立つのはマグダラのマリアです。左右の扉部分は光の具合で上手く写せませんが、左パネルには作品の注文主でこの施療院のアドリアーン・レーンが描かれ、右パネルには聖女バルバラが描かれています。
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「ヤン・フロレインスの三連祭壇画」
ハンス・メムリンク
こちらもこの施療院の院長がメムリンクに発注した祭壇画です。当時の施療院にはお金があったのですね。 -
左端で祈祷書を手に祈りを捧げているのが院長のヤン・フロイレンスです。この祭壇画では中央部分に寄進者が描かれています。
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場面は東方三博士の礼拝の図です。年長のマギが跪きイエスの足に口づけしています。彼の贈り物はすでに聖ヨセフに渡されています。
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祭壇画を閉じた閉翼時に表になる部分の左側のパネルは洗礼者ヨハネが描かれています。ゴシック様式のアーチが建物の内部を感じさせます。
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右扉には聖女ヴェロニカの姿があります。手に持った聖骸布からすぐに分かります。
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左側のパネルには降誕の場面です。天から祝福の光線がイエスに当たっています。イエスを見守る小さい天使が可愛らしいです。後ろで立っているのは養父ヨセフです。
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右パネルには神殿奉献の場面が描かれています。エルサレムの神殿の祭壇の前で女預言者アンナの立会いのもと、マリアから老シメオンにイエスが手渡されます。
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美術館の屋根の古い小屋組みが綺麗です。2階はイベントホールのようです。最初から最後までほとんど他に訪れる人も無くメムリンクの作品を堪能できました。続いて「聖母教会」に移りますがここは人が多かったです。
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現在見られる聖母教会の姿は1297年に竣工され1361年に完成したもので、122メートルの塔は1518年にアントワープのノートルダム大聖堂に抜かれるまでは、ネーデルランドで最も高い教会塔だったそうです。登れないのが残念です。
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内部の半分が工事中でパネルで覆われているので、外観から感じる大きさと比べると狭い印象を受けます。肝心な突進公シャルルとマリーの棺も工事用のパネルの奥なので見ることは出来ません。翼廊のミケランジェロの聖母子像の置かれた祭壇は有料で、お金を払わないと見えない位置にあります。
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美しい彫刻が飾られていますが堂内の全体が感じられなくて残念です。
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反対側の礼拝堂までは見学出来ました。
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壁面の祭壇画の裏には古い教会堂の壁が残されています。
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イチオシ
狭いスペースにいろいろ置かれている印象を受けます。
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ミケランジェロによる大理石の「聖母子像」です。憂いを含んだ表情を浮かべるマリアと幼子イエスの彫像です。ブルージュの商人が教会に寄贈した彫像で、これまで2度も略奪に遭いましたが現在は無事に戻されています。特に第2次世界大戦時のナチス・ドイツの略奪は「ミケランジェロ・プロジェクト」というジョージ・クルーニー監督・主演の映画のタイトルにもなったほど有名です。特に素晴らしい映画という訳ではありませんが、史実を知ってからこの母子像の前に立つと感慨深いと思います。同じようにゲントで観たヤン・ファン・エイク兄弟の「ヘントの祭壇画」も略奪美術品の1つです。
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イチオシ
これはバチカンにあるピエタ像の5年後に造られた作品で、ミケランジェロが生きている間にイタリアの外に出された唯一の彫刻とされています。カッララ大理石で造られた美しいこの聖母マリアとイエスの姿は、幼い頃に母親を亡くしたミケランジェロの母の愛を求める気持ちが強く現れたものと言われています。
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この像は欧州の多くの芸術家に影響を与え、このあたりを旅したデューラーもわざわざ母子像を見るためにブルージュへ足を運んだそうです。素材は違いますが大きさとレイアウトが、ローマのサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会のモーゼ像の祭壇を思い出させます。ただ聖母子像の位置は本来もっと上にあったのではないでしょうか。マリアの視線が見下ろしているのとマニエリスムの彫刻のように長さのバランスがおかしく感じます。エル・グレコの祭壇画が下から見上げるバランスで描かれているのと同じような印象を受けます。
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祭壇の右に銀の聖人像があります。これはホテルの近くの橋の上にもありましたが、プラハの聖人ヤン・ネポムスキーです。彼は水難からの庇護者として船員や橋の守護聖人でもあります。北のヴェネツィアと呼ばれるブリュージュらしい聖人かも知れません。
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頭上の5つの星が彼のトレードマークです。船員のギルドか船主が奉納したのでしょうか。詳しいことは分かりません。
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ミケランジェロの祭壇が見えないように置かれた三連祭壇画です。
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天使が天蓋を持ち上げる説教壇は立派でした。さぞかし全体が見えれば立派な教会堂なのでしょう。
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説教壇にはたくさんの天使の彫刻がありました。ヤン・デ・ボン監督の映画「ホーンティング」を思い出します。夜中になって天使が動き出し「エレノア…。」と呼ぶ声を思い出します。良く出来たホラー映画でした。
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パイレーツ・オブ・カリビアンの出てきたような宝箱までありました。本当にこんな複雑な錠前があったのですね。こんなの初めて見ました。この教会で聖母子像以外で一番印象に残りました。
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