2014/07/20 - 2014/08/13
16位(同エリア529件中)
琉球熱さん
この夏は、高山植物を目当てに北八ヶ岳の蓼科山・北横岳、白馬連峰の白馬乗鞍・小蓮華・八方尾根を歩いた。
ここでは2回の山行で観察した花たちを一挙にご紹介。
旅行記は下記の記録がベースになっている。
《2014年7月 蓼科山〜北横岳》
http://4travel.jp/travelogue/10912744
《2014年8月 白馬乗鞍〜小蓮華山》
http://4travel.jp/travelogue/10923392
《2014年8月 白馬八方尾根》
http://4travel.jp/travelogue/10923400
※花の同定には慎重を期しましたが、間違いもあるかもしれません。誤りがあればご指摘いただければ幸いです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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まずは風景としての花たち。(群落)
コスギゴケ(蓼科山)
北八ヶ岳の象徴ともいえる苔。
苔むした森は昼間でも幻想的だった。
そして、“苔のメッカ”の苔はさすがに元気で逞しく、マクロ撮影すると、そこには“ミニ森林”蓼科山 自然・景勝地
-
コメツガ(蓼科山)
深い森は深い緑に覆われている。
それでもこの時期は新芽が芽吹き、鮮やかな黄緑色をアクセントとして添えていた。 -
チングルマ(白馬乗鞍)
岩を登り雪渓を渡る登山道で、和ませてくれる。乗鞍岳(白馬大池) 自然・景勝地
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チングルマとコイワカガミ(白馬大池)
池の周囲はチングルマのお花畑。
時折、白い花の中に、朱が交わる。 -
チングルマ(白馬乗鞍)
雪渓をバックに -
そしてもう一枚
-
白馬大池周辺は、高山植物が群生。
遠目で見ても、近くで見ても楽しい。 -
イチオシ
見渡す限りのクガイソウ(八方池)
白馬の山々をバックに、紫が映える。八方池 自然・景勝地
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クガイソウのこれ程の群生は初めて見た。
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シモツケソウ(八方尾根)
斜面を赤く彩る -
イワツメクサ(小蓮華山)
岩稜に白く小さな花が可憐小蓮華山 自然・景勝地
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シロバナトウウチソウ(八方尾根)
地味な花でも群生すると素晴らしい景観 -
ハリブキ(北横岳)
大きな葉、名前の十通り葉の表面一面に“針”北横岳 自然・景勝地
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イチオシ
ミヤマダイコンソウ(小蓮華山)
稜線の風景に良く似合っていた -
イチオシ
コマクサ(小蓮華山)
さて、女王の登場である。
小蓮華への稜線で見たこのコマクサが忘れられず、今回のリベンジ山行となったと言っても過言ではない。
群落をつくっているわけではないが、稜線上に点在する姿にウハウハ。13ヶ月ぶりの再会に、時間を忘れて何回も何回もシャッターを切った。 -
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ここからはマクロを中心に色別に分類
まずは白
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アオノツガザクラ(青の栂桜 白馬乗鞍)
背丈はわずか10cmほどの、しかし至近距離で見れば森のような風景を作る。 -
イチヤクソウ(一薬草 蓼科山)
ともすれば見落としてしまいそうなほど小さな花。
しかも下を向いて控えめ。その奥ゆかしさは日本人好み。
葉の汁は止血薬に使われていたそうだ。蓼科山 自然・景勝地
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イワイチョウ(岩銀杏 白馬大池)
岩と言いながら、岩稜地帯ではなく湿地に生育する。 -
イワショウブ(岩菖蒲 天狗原)
日本固有種。
本州の日本海側の高山帯に分布。
白い非常に小さな花が、まっすぐ伸びた細い茎に多数集まって咲く。 -
天狗原で見た時はあいにくの小雨模様だったが、花は瑞々しさを増していた。
-
イワツメクサ(岩爪草 小蓮華山)
日本固有種。北アルプスのどの山にもあるらしい。
岩場でよく見られる地味な、しかし意外にキレイな花。 -
ウメバチソウ(梅鉢草 小蓮華山)
小さくて可憐だが、花の造りはなかなか賑やかである。 -
オオヤマフスマ(大山衾 蓼科山)
これまた小さい花。直径は1cmほどだろうか。
見落としがちだが、意外にメジャーな存在。蓼科山 自然・景勝地
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オサバグサ(筬葉草 蓼科山)
苔の密生する場所で頻繁に出会った。非常に影が薄く、コケやキノコ類と間違えそうである。蓼科山 自然・景勝地
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オンタデ(御蓼 八方尾根)
大柄なので目立つが、今一つパッとしない花である。
ただ、房のように見える花の部分は小さな花の密集型で、一つ一つは意外にキレイ。八方尾根 自然・景勝地
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カノツメソウ(鹿の爪草 八方尾根)
日本固有種。
何をもって「鹿の爪」としたか不明だが、これも小さな花の密集型。ミヤマシシウドと間違えそうだが、密集度が違う。八方尾根 自然・景勝地
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実はこのカノツメソウ、花の一つ一つが非常に美しい形。
しかも花びらはハート形である。なんともオシャレな花だ。 -
キクガラクサ(菊唐草 蓼科山)
この辺になるとかなり怪しい。
白い5枚の花びらを持つ花というのは、実に厄介。蓼科山 自然・景勝地
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ゴゼンタチバナ(御前橘 小蓮華山)
蓼科山ではありがたみがないくらいに、至る所で咲いていたこの花も、白馬乗鞍エリアでは意外に少なかった。
日陰を好むからか?
花も終わりに近づくと、こんな奇っ怪な姿になる。 -
ありがたみがない蓼科山のゴゼンタチバナは、その数が多いだけに、このような“美形”も。
ちなみに、この白い部分は「花弁」ではなく「萼」。蓼科山 自然・景勝地
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ゴマナ(胡麻菜 八方尾根)
日本固有種。
陽当たりの良い場所を好み、背も高いので目立つのだが、華やかさに欠けるな・・・八方尾根 自然・景勝地
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ハクサンシャクナゲ(白山石楠花 蓼科山)
花弁に緑色の斑点、これがハクサンシャクナゲの特徴。
このような大ぶりの花は実はあまり好みではないので、接写でごまかしたという・・・(笑)蓼科山 自然・景勝地
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シロバナクモマニガナ(白花雲間苦菜 白馬乗鞍)
なぜこんな長い名前を付けられてしまったのか?意味もよくわからないが、ニガナの高山種がクモマニガナ、その白花種がシロバナクモマニガナ。
四角い花びらが特徴で、生育する標高で枚数が違うらしい。 -
シロバナソバナ(白花蕎麦菜 八方尾根)
一瞬ハクサンシャジンかと思ったが、どうも違うようだ。
ソバナの白花種で、なかなかお目にかかれない希少種。八方尾根 自然・景勝地
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シロバナノヘビイチゴ(白花の蛇苺 蓼科山)
ヘビイチゴの白花種。
紛らわしい姿だが、葉の形で何とか見分けることができる。蓼科山 自然・景勝地
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タカネイブキボウフウ(高嶺伊吹防風 白馬乗鞍)
何とも情緒のない名前だが、薬草らしい。
1cmにも満たない小さな花の密集型だが、その先端はこの通り。
なかなか美しい。 -
タカネツメクサ(高嶺爪草 小蓮華山)
イワツメクサと共に、高山の岩場を彩る花。
こちらの方がやや大ぶりで少々派手。 -
チャボゼキショウ(矮鶏石菖 八方尾根)
名前の由来がよくわからない。この花のどこが「チャボ」?
近くに寄ってみるとキレイ。八方尾根 自然・景勝地
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チングルマ(稚児車 八方池)
もう説明の必要もないくらい、北アルプスの普通種。
群落を作って見る者を楽しませてくれる。
至近距離で見る花は意外に騒々しい。八方池 自然・景勝地
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花も終わりに近づくと、黄色が目立つようになる。
白い群落が黄色い群落に変わっていく。 -
黄色が過ぎればこの姿。赤い綿毛のような姿に変身。
これが大群落で風にそよぐ姿は圧巻。
この後、葉が赤く染まり、高山植物としては珍しく、長期間に渡って楽しませてくれる奇特な花だ。 -
ツガザクラ(栂桜 八方池)
日本固有種。
アオノツガザクラと同類で、群落が美しい。八方池 自然・景勝地
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一つ一つの花をマクロで見ると、樹木のようだ。
白い釣鐘型の花が可愛い。 -
ツマトリソウ(端取草 蓼科山)
「妻取草」だとしたら物騒なことこの上ない。
花の縁が薄い紅色で縁どりされるのが名前の由来。
ただ、白一色の個体以外はお目にかかったことがない。蓼科山 自然・景勝地
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ツメクサ(爪草 小蓮華山)
イワツメクサと言い、タカネツメクサと言い、どれもかなり控えめでひそやかな花だが、群生しているとことのほか目立つ。
そして例外なくマクロ撮影してしまう。 -
バイカオウレン(梅花黄連 蓼科山)
オウレン族の花の形は面白い。この個体は盛りを過ぎて形も崩れてしまっているが、雄しべ・雌しべが特徴的だ。
ミツバオウレンやコシジオウレンかも?と思ったが、葉が5枚あることからバイカオウレンと判断した。蓼科山 自然・景勝地
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ハクサンイチゲ(白山一華 白馬大池)
日本固有種。
これも北アルプスではメジャーな花だ。
所によっては大群落をつくり、白い絨毯のようになる。
1本の茎が先端で枝分かれして複数の花を付けるので見分けやすい。 -
この花も花びらに見える部分は萼だ。
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ハクサンボウフウ(白山防風 天狗原)
日本固有種。
一瞬、これは何かと思ったが・・・ -
ハクサンボウフウだった。
どちらかと言うと地味な花。 -
ハッポウウスユキソウ(八方薄雪草 八方池)
エーデルワイスの仲間であるミネウスユキソウの変種で、八方尾根だけの固有種。
全体的に色が薄く、埃をかぶった草のような印象を受ける。
まさか固有種とは…八方尾根 自然・景勝地
-
マイヅルソウ(舞鶴草 蓼科山)
なんとも優雅な名前をもらった花だ。苔地帯で多く見かけたが、湿地を好むというわけでもないらしい。
ハート形の葉を、鶴が羽を広げた姿になぞらえて命名されたそうだ。蓼科山 自然・景勝地
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花はこんな具合。
花とも呼べないような球形の集まり。 -
ミツバオウレン(三つ葉黄連 蓼科山)
オウレン族独特の形。
これを美しいと感じるかどうかは好みの問題だろうが、非常に個性的な形であることは間違いない。蓼科山 自然・景勝地
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ミヤマウイキョウ(深山茴香 八方尾根)
カリフラワーのような地味な花。
漢方の生薬やハーブとして利用されるヒメウイキョウの高山種。しかし、このミヤマウイキョウは薬用にはならない。八方尾根 自然・景勝地
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先端は花の密集度が凄い。
でも、正直、覚えなくても良い花だ(笑) -
ミヤマコゴメグサ(深山小米草 小蓮華山)
小さな花が密集している。何かと思ってのぞきこめば、こんな凝った姿。
黄色のワンポイントに、紫のグラデーション。やるなぁ -
ミヤマシシウド(深山猪独活 八方尾根)
日本固有種。大型の高山植物。どこにでもある。
これだけで興味は半減だが、こんな角度から撮るとちょっと印象が変わる。
「花火のよう」と形容する人もいるが、それはちょっと褒め過ぎだろう(笑) -
イチオシ
ミヤマダイモンジソウ(深山大文字草 八方尾根)
日本固有種。
誰がこんなデザインを考えた? -
おまけに、下2枚の花びらが長い。
なかなかやるね! -
モミジカラマツ(紅葉唐松 天狗原)
比較的どこでも見られる花だ。 -
派手さはない。しかしどことなく清楚な印象。
萼すらない、雄しべが剥き出しの特異な花だ。 -
ヤマハハコ(山母子 白馬乗鞍)
一見、雑草のようだが -
近くで見るとそれなり。
昔は草餅にヤマハハコの葉を入れたそうだ。 -
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色別分類 青〜紫
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イブキジャコウソウ(伊吹麝香草 小蓮華山)
高山の岩場に群生する。
でも地味だな〜 -
花の形にシソ科の片鱗が見える。
漢方では咳、風邪薬に使うそうだ。 -
イワギキョウ(岩桔梗 小蓮華山)
森林限界を過ぎた過酷な環境で育つにもかかわらずこの色である。否が応でも目につく。 -
昨年、視界がほとんど利かないこの稜線で、強烈な存在感を誇示していたのを思い出す。
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オオバギボウシ(大葉偽宝珠 栂池)
擬宝珠(ぎぼうし)とは、橋の欄干に付けられるねぎ坊主のような飾りのこと。
この花の付き方、なかなか壮観である。 -
綺麗か否か、というより存在感。
なにせ、1mを越す大きさである。 -
オヤマリンドウ(御山竜胆 八方尾根)
日本固有種。
まっすぐ上を向いた濃い紫の花が印象的。
マツムシソウと並んで、秋の訪れを告げる花の一つ。八方尾根 自然・景勝地
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カライトソウ(唐糸草 八方尾根)
日本固有種。
アルペンラインの乗り場付近に群生している。
この色、目立つ。八方尾根 自然・景勝地
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キキョウ(桔梗 栂池)
○○キキョウと色々あるが、これは元祖キキョウ。
栂池のロープウェイ乗り場で見かけたもの。植生かな? -
クガイソウ(九階草 八方尾根)
葉が何段にもつくことから「九階草」だとか。
高山で群生する姿は正に絵になるが、その割に風情のない由来だ。
「九蓋草」とも書くらしい。八方尾根 自然・景勝地
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一見紫に見える花も、マクロでは澄んだ青。
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グンバイヅル(軍配蔓 蓼科山)
実の形が軍配に似ており、茎が地上を這いながら根を出していくことが名前の由来。
クワガタソウの仲間のようだが、あまり似ていない。
花も小さく、あまり目立たない存在だ。蓼科山 自然・景勝地
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ケブカツルカコソウ(毛深蔓夏枯草 蓼科山)
なんともけったいな名前を付けられてしまったもんだ。
花の形はシソ科そのもので、色もキレイなのだが。
繊毛が多いのは確かだが、「毛深い」とは…蓼科山 自然・景勝地
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タカネナデシコ(高嶺撫子 八方尾根)
カワラナデシコの高山種。
花弁が細かく裂けているのが特徴。八方尾根 自然・景勝地
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こちらは小蓮華山で見かけたもの。
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タカネマツムシソウ(高嶺松虫草 八方尾根)
日本固有種。
マツムシソウの高山型。八方尾根 自然・景勝地
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この花が咲き始めると、そろそろ秋だとか。
こちらは異様に白っぽい個体。 -
タテヤマウツボグサ(立山靫草 八方尾根)
日本固有種。
基準標本が立山で採集されたことからこの名になっているだけで、立山固有種と言うわけではない。
ウツボグサの仲間は花の形が奇妙で面白い。八方尾根 自然・景勝地
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意外に目立つ存在。
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タテヤマリンドウ(立山竜胆 八方尾根)
当然日本固有種。
非常に小さく、色も淡い。全体的にとても儚げな風情を醸し出す。八方尾根 自然・景勝地
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テガタチドリ(手形千鳥 蓼科山)
ランの仲間である。変わった花の形、花の付き方がいかにも蘭という感じ。蓼科山 自然・景勝地
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ハクサンシャジン(白山沙参 八方尾根)
日本固有種。
八方尾根で頻繁に見かけた花の一つ。
釣鐘型の淡い青の花が目を引く。
ツリガネニンジンの高山型。八方尾根 自然・景勝地
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ちょっと遊んでみた。
マクロにも耐える美しい花だ。 -
ハクサンフウロ(白山風露 蓼科山)
日本固有種。
何度見ても美しい。蓼科山 自然・景勝地
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色は様々で。青、白、淡い紫、淡い赤。
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これは小蓮華に向かう稜線で見たもの。
朝露が光る。 -
これも小蓮華。
ここで見たハクサンフウロは、白馬大雪渓で見たものより心なしか大きく、群生しているのには驚いた。 -
ハッポウアザミ(八方薊 八方尾根)
高山型のアザミで、八方尾根にだけ生える固有種。
花は下向きに咲くのが特徴。
八方限定と知らずに見逃すところだった。八方尾根 自然・景勝地
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イチオシ
ハッポウタカネセンブリ(八方高嶺千振 八方尾根)
名前の通り、八方尾根の固有種。
しかしこの美しさは・・・息を呑む。
センブリ自体は、昔から胃腸薬として使われている。また、苦い薬の代表として良く知られるところだ。
お湯に千回振り出してもまだ苦味が出る、というのが名前の由来。
その高山種であり、白馬八方限定種である。
絶妙なカラーと、同色のドット。工芸品のような美しさだ。
しかもそれは1cmに満たない花に施された装飾であり、目を凝らさないとわからない。何ともったいない。八方尾根 自然・景勝地
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イチオシ
さて、この花。(八方尾根)
花弁に斑点がない、萼が大きい。なのでハッポウタカネセンブリではない? 大きさは同じくらいなのだが・・・
センブリにしては花が小さすぎる。
わからずじまいだが、この花もハッポウタカネセンブリ級の美しさ。八方尾根 自然・景勝地
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ヒメシャジン(姫沙参 八方尾根)
釣鐘型の花、キキョウの色、ハクサンシャジンよりも大きい。
ということでヒメシャジンかと。八方尾根 自然・景勝地
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ミヤマウツボグサ(深山靫草 蓼科山)
蓼科山 自然・景勝地
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ミヤマクワガタ(深山鍬形 小蓮華山)
大好きな花の一つである。
小さい花でありながら、隈取りを思わせる存在感。 -
こちらは八方尾根で見つけたもの
八方尾根 自然・景勝地
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ミヤマトリカブト(深山鳥兜 栂池)
日本固有種。
ヤマトリカブトとは生息場所で区別するのが一般的。
それにしても、何と鮮やかな色だろう。こんなきれいな花に猛毒があろうとは… -
ミヤマママコナ(深山飯子菜 八方尾根)
独特な花を咲かせるが、根をまわりの植物の根に差し込み、そこから養分をもらうという、半寄生植物。
それにしても舌を噛みそうな名前・・・八方尾根 自然・景勝地
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ヤマホタルブクロ(山螢袋 八方尾根)
日本固有種。
花の色は白から濃い赤紫まで様々。
大きいのでよく目立つ。八方尾根 自然・景勝地
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色別分類 赤
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イワカガミ(岩鏡 北横岳)
日本固有種。
不思議に同系色の花と混在していない。そのためこのピンクがよく目立つ。
高度によって(低い方から)オオイワカガミ、イワカガミ、コイワカガミとなる。おそらくこれはコイワカガミだと思う。北横岳 自然・景勝地
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こちらは白馬大池で見たもの。
大池周辺はチングルマの大群落があるが、その中からポツリポツリとこのピンクが顔を出している。 -
オニシオガマ(鬼塩竃 栂池)
日本固有種。
シオガマの仲間では最大、オニと呼ばれるだけのことはある。 -
コケモモ(苔桃 蓼科山)
蓼科山頂でハイマツに混じって群生していた。
何とも可愛らしい花。
こけももジャムは既にお馴染み。蓼科山 自然・景勝地
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コマクサ(駒草 小蓮華山)
一度見たら忘れられない独特の形。
花の形が馬の顔に似ていることから、「駒草」なのだそうだが、昔の人の想像力に脱帽。
4枚の花弁の打うち、2枚がめくれ上がり、2枚が突き出している。 -
高山の砂礫地に生えるが、初見の根石岳のコマクサは、山荘の主人が苦労して育てたものだ。
もちろん、この稜線のものは自生である。
環境省のレッドリストでは、絶滅危惧II類(VU)に登録されている。 全草が有毒とは、「美しい花には棘がある」どころではない。 -
シモツケソウ(下野草 八方尾根)
派手な花である。赤い線香花火を散りばめたような容姿。
『アカバナシモツケソウ』と称する図鑑もあるようだが、シモツケソウがそもそも赤いので、この分類はあまり意味がないように思う。八方尾根 自然・景勝地
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雄しべを長く伸ばした派手な出で立ちの小花が密集しているのだから、派手にならないはずがない。
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タカネヤハズハハコ(高嶺矢筈母子 小蓮華山)
日本固有種。
別名は高嶺薄雪草。当然、ヤマハハコの仲間である。 -
ハッポウワレモコウ(八方吾亦紅 八方尾根)
名前の通り、白馬八方に多い固有種。
かつワレモコウとカライトソウの混雑種。
紅とも呼ぶべき濃い色は非常に目立つ。八方尾根 自然・景勝地
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ベニバナイチゴ(紅花苺 白馬乗鞍)
日本固有種。
緑の多い景色の中で、この濃い赤紫の花がよく目立つ。
実はやっぱり美味しくないらしい。 -
ヘビイチゴ(蛇苺 蓼科山)
食べられないわけではないが、味はほとんどないそうだ。蓼科山 自然・景勝地
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ミヤマアズマギク(深山東菊 小蓮華山)
典型的な野菊の形、実は高山植物では珍しい。なので、目立つ。 -
ミヤマホツツジ(深山穂躑躅 小蓮華山)
日本固有種。かつれっきとしたツツジの仲間。
高山の環境に適応して、背が低い。これでも「木」なのだ。
反り返った花びらに、象の鼻のようなおしべが特徴。
まぁ、あまりきれいではない(笑) -
ヨツバシオガマ(四葉塩竃 小蓮華山)
特異な形。異形とも言える。小蓮華山 自然・景勝地
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こちらは八方尾根で見たもの。
大分印象が違う。八方尾根 自然・景勝地
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リンネソウ(夫婦花 小蓮華山)
非常に小さく可憐な花だ。花は1cm足らず、背丈は10cmに満たないだろう。ハイマツなどの木の下に生える小さな高山植物。
ヨーロッパにも分布し、スウェーデンの博物学者リンネにちなんで名付けられたそう。てっきり『輪廻』かと・・・(笑) -
イチオシ
別名のメオトバナは花を2つ付けることから。ありがたや〜。
それにしても、キレイだ。 -
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色別分類 黄
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イチオシ
イワオトギリ(岩弟切 蓼科山)
日本固有種。
好きな花の一つだ。雄しべのはじけ具合が華やかで良い。
名前の通り、岩場でよく見かける。蓼科山 自然・景勝地
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こちらは八方尾根。
名前の由来は、秘密にしていた薬草の名を漏らした弟を、兄が斬り殺したという、少々物騒な伝えから。その薬草はオトギリソウなのだが、その高山種がこのイワオトギリソウである。八方尾根 自然・景勝地
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ウサギギク(兎菊 八方尾根)
葉を兎の耳に見立てて、こう呼ばれる。八方尾根 自然・景勝地
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ウマノアシガタ(馬の足形 蓼科山)
葉の形が馬の蹄に似ているというのだが、どこが似ているのやら。 有毒で、誤食すると腹痛や下痢、嘔吐などの症状が出るそうだ。蓼科山 自然・景勝地
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エゾシオガマ(蝦夷塩竃 天狗原)
日本固有集。
赤紫色が多いシオガマ類の花の中で、数少ないクリーム色。 -
オタカラコウ(雄宝香 天狗原)
大柄で群生を作るから目立つのなんの・・・
でもその花は決して美しくない。
近縁種にメタカラコウという花もあるらしい。冗談のような話だ。 -
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪 白馬乗鞍)
こりゃ絶対スミレだ!と思ったら違っていた。
キバナノコマノツメもスミレ科であることに変わりはないが・・・
葉の形が馬の蹄に似ているから、このような名前になった。
似ているか? -
イチオシ
少々気になるのは、花弁が3枚に見えること。スミレ科は5枚である。
花弁の模様(線)や葉の形は間違いないのだが、ちょっとわからない。 -
イチオシ
キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環 蓼科山)
白馬で見て惚れてしまった苧環。
花の形が特異、ゆえに目立つ。
ヤマオダマキは萼の色が赤紫、ミヤマオダマキは青、キバナは白。どれも萼のグラデーションが非常に美しい。
ちなみに「苧環」とは「紡いだ麻糸を巻いて中空の玉にしたもの」だそうだ。蓼科山 自然・景勝地
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ニッコウキスゲ(日光黄菅 八方尾根)
名前の通り日光に多いようだが、日光限定ではない。八方尾根 自然・景勝地
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ハクサンオミナエシ(白山女郎花 八方尾根)
日本固有種。
黄色い小さな花が密集。
それこそ「花火のよう」八方尾根 自然・景勝地
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その一つ一つの花も、なかなかの美形。
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ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草 白馬乗鞍)
乗鞍岳(白馬大池) 自然・景勝地
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別名 黄金菊。アキノキリンソウの高山型。
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ミヤマダイコンソウ(深山大根草
日本固有種。
葉が大根に似ているとの説もあるが、似ていない(笑)
かなり怪しい説である。 -
開花直前の蕾
雄しべがぎっしり -
それにつけても、キレイな花だ。
大根とはだいぶイメージが違うので、ちょっと気の毒。 -
ミヤマタンポポ(深山蒲公英 八方尾根)
タンポポは、その辺の河原に雑草のように生えていて全く稀少性はないのだが、高山になれば話は別。
事実、この花に向けてカメラを構える人多数。
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膨大な写真をご覧いただき、ありがとうございました。八方尾根 自然・景勝地
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この旅行記へのコメント (6)
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- ごんじさん 2014/09/06 21:33:10
- よくまとめました〜。
- 琉球熱さん
花の図鑑作成、きれいにまとまってますね〜。
色ごとにまとめるとか、考えたことなかったです。
これからは名前がわからない花があったらこのページに調べにきますね!
ハッポウタカネセンブリ、見たことないです。見てみたい〜。
自然の造形美は人間のセンスを超越してますよね。
そしてやっぱり・・八方尾根ですね!
来夏は絶対、花咲き乱れる八方尾根に行くぞ〜〜。
それにしても、やはりマクロレンズは必要かしら・・と思う今日この頃。
ごんじ
- 琉球熱さん からの返信 2014/09/07 00:10:55
- RE: よくまとめました〜。
- ごんじさん、まいどどうも!
> 色ごとにまとめるとか、考えたことなかったです。
> これからは名前がわからない花があったらこのページに調べにきますね!
それは光栄。でも間違いがあるかもですよ。
色別というのは、普段使っている図鑑が科目別だったり場所別だったりで、いざ調べる時には花の色や花弁の数で絞り込めた方が断然検索効率が良いのに…との思いからです。
実はそういうサイトを発見しまして、最近はもっぱらそのサイトを併用して調べています。
> ハッポウタカネセンブリ、見たことないです。見てみたい〜。
> 自然の造形美は人間のセンスを超越してますよね。
仰る通り!花にしろサカナにしろ、人間のセンスは置き去りです。
むしろ、それらの自然界からデザインのヒントをもらってきたんじゃないかと思えるくらいです。
ハッポウタカネセンブリは一見の価値ありです。工芸品のような美しさですよ。それが極小ですからなおさら。
> 来夏は絶対、花咲き乱れる八方尾根に行くぞ〜〜。
唐松に行かなくても、八方は行く価値有りです。
しかーし、お盆の時期は止めた方が良いかも(笑)
> それにしても、やはりマクロレンズは必要かしら・・と思う今日この頃。
でしょ?
そうやって一眼の深みにはまって行くのですよ(笑)
なので私はこれからも当分コンデジです(虚勢)
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- はんなりさん 2014/09/06 15:41:11
- まさに百花繚乱花図鑑
- 琉球熱さん
早速お邪魔しています。
海と思えば山にも熱中
山海熱さんと言いたくなるような美しく詳しい花図鑑に
ただただ見入ってしまいまする。
ハッポウタカネセンブリは
濃い青を見つけられたんですねぇ。
はんなりの見たのはほとんど淡く
どちらかと言うと水色に近かったように思います。
濃青も見たかった☆
カノツメソウの細やかなハート♡花びらに着眼
なんて素晴らしいのでしょう。
確か根が鹿の爪に似ているからとかって読んだ記憶がありますが
根は見ませんもの分かりませんよねぇ。
はんなりも4トラ初めのころは花図鑑を別編で載せていたのですが
皆削除してしまいました。
ご存知かと思いますが
クガイソウなどの群生は滋賀県の伊吹山でも見られます。
興味があればお薦めですよ。
大好きな花々の素敵なページ楽しませて頂きました。
- 琉球熱さん からの返信 2014/09/07 00:02:39
- RE: まさに百花繚乱花図鑑
- はんなりさん、ありがとうございます。
> 海と思えば山にも熱中
> 山海熱さんと言いたくなるような美しく詳しい花図鑑に
最近、本当に山ばかりで、海はおろか沖縄すら縁遠くなってきています。
完全に名前負けです。
> ハッポウタカネセンブリは
> 濃い青を見つけられたんですねぇ。
> はんなりの見たのはほとんど淡く
> どちらかと言うと水色に近かったように思います。
> 濃青も見たかった☆
あの花は本当に美しいですね。芸術品です。八方に行かないと見ることができないというのも、稀少性が高くていいですね。
> カノツメソウの細やかなハート花びらに着眼
> なんて素晴らしいのでしょう。
> 確か根が鹿の爪に似ているからとかって読んだ記憶がありますが
> 根は見ませんもの分かりませんよねぇ。
確かに「根の形が鹿の爪に似ていることが名前の由来」と私も聞いています。根を掘り起こして見るわけにもいかず(笑)
ハート形の花というのも洒落ていますよね。
高山植物は奥が深くて面白いです。
今後ともよろしくお願いします。
-
- kuniさん 2014/09/05 09:07:48
- 高山植物図鑑
- 琉球熱さん、おはようございます。
たくさんの高山植物、素晴らしいですね。
まるで高山植物の図鑑を拝見しているようで大変感心いたしました。
私も山に行くと花は気になりますが、綺麗だな〜、で終わってしまい、花の名前や特徴まで観るまでには至りません。
その点、琉球熱さんは花の名前や特徴などの解説まで書かれていて素晴らしいです。
しかし、これだけたくさんの花々を観られる山は、やはり惹かれる存在です。これからは紅葉もだんだん見頃になりますので楽しみですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
kuni
- 琉球熱さん からの返信 2014/09/06 14:21:37
- RE: 高山植物図鑑
- kuniさん、こんにちは。
投票&書き込み、ありがとうございます。
いやはや、ちょっと褒め過ぎですね。好きでやっているだけですから。
でもちょっと嬉しい(笑)
こんな感じなので、通常のコースタイム通りに行かないわけです。
仰る通り、あのエリアの花の種類は凄いですね。
多くの人が集まるのもうなづけます。
これから秋山シーズンですね。
今度は紅葉だ!
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