はちのすけさんのクチコミ(37ページ)全3,565件

　石碑があるのみだが、いろいろと思いをはせることができる場所だ。まずは六角獄舎跡。平安時代に創設された京都の牢獄で、江戸時代の京都大火でこの地に移転してから通りの名を取って「六角獄舎」と呼ばれるようになった。現地には医師の山脇東洋が江戸時代に国内初の人体解剖を実施したことを讃える碑と、勤王の志士が惨殺された史実を伝える二つのモニュメントがある。禁門の変で発生した大火（京都どんど焼け）の折、囚人を放って治安が乱れることを恐れた役人が、生野の変の首謀者である平野国臣ら多数の志士を処刑した悲劇を伝える。京都三条会商店街を少し南下した住宅があり、観光地とは言い難い。が、マンションの一角にある石碑は江戸期の日本の様子を生々しく伝えているような気がする。

　京阪電車の宇治駅１階にある。観光案内所の看板にある「お茶の京都」は京都府南部の自治体で進めるプロジェクトで、日本茶のふるさとの魅力を広く発信していく取り組みを繰り広げている。宇治や木津川市、京田辺市、八幡市など12市町村だ。このエリアの観光案内、食などの情報を集中的に発信している。

　2018年春に開通した新名神高速の神戸―高槻に設けられたサービスエリアで、上り下りの高速道が一つの施設を共有するタイプだ。運営が難しいガソリンスタンドも一カ所で済むし、上り下りの商業施設が一緒ならば買い物も往路に品定めして復路で購入することも可能だ。出掛けるときに欲しいと思ったものが帰路のＳＡで売っていないことはよくあることだが、そんな心配はない。施設も大きく、パティオやメインストリートなど物販以外のエリアも魅力的だ。また、これまで売っているようで売っていなかった宝塚のお土産、たとえば宝塚歌劇と手塚治虫関連のグッズが豊富で、品揃えも新鮮だ。難点は人気の余り混雑しやすいことだろう。また、トイレがあまりきれいで「インスタ映え」するらしく、写真を撮らないでくださいとの張り紙も。

　京都三条会商店街を訪ねた時に見つけたお寺さんだ。商店街の北側、神泉苑の南側に位置する。少し時間が遅かったせいか門は閉まっていたが、山門前に「熊谷蓮生坊守護本尊」と大書された石碑が立っている。熊谷蓮生坊は源平合戦の壇ノ浦の戦いで平敦盛を打ち取った熊谷直実の法名で、直実の念持仏が収められているという。直実は法然に弟子入りしたことから、浄土宗のこのお寺に伝わっているのかもしれない。観光寺院というよりも地域のお寺さんという雰囲気だ。

　大正７（１９１８）年の発足というから百年を超す歴史がある老舗商店街だ。京都市街地の商店街は外部流入者向けの観光商店街であり非日常が売りだが、ここは京都の生活であり日常が垣間見える商店街だ。和菓子の老舗やスーパー、専門個店やスイーツの名店、いかにも暮らしという店がアーケードの下で混在している。全長800メートルという長い商店街。神社仏閣や名所とは違う魅力的な散策が楽しめる。

　茶道の裏千家が運営する資料館。堀川寺之内の裏千家センター内にある。茶わん、掛け軸、花入れなど茶道に関係する美術工芸品だけでなく、併設する今日庵文庫では茶道関連の書物も扱う。訪ねた時は大阪兵庫の焼物展をやっていたが、新型コロナウイルス感染予防のため、呈茶は制限されていた。

　この日は一月の三連休。お昼過ぎだったが、今宮神社は初もうで客でいっぱいだ。必然的に門前にあるあぶり餅の二店ともに長蛇の列。が、熟練の客さばきでどんどん列が短くなっていく。一和の列に並びながら観察していたが、どうも満席ではなく生産能力を超えてしまっているのだ。あぶり餅はオーダーを受けてから焼くが、来店客が人数分のあぶり餅だけでなくお土産用をオーダーする例が多く、フル回転で作っても間に合わないのだ。目の前では従業員が必死の形相で餅を串に刺していく。お土産用が少なくなると、どどっと列が短くなっていく。思ったよりも早く順番が来た。当方も奥さんと二人で三人前を注文。簡単に平らげてしまった。枝ぶりの見事な松が軒先を飾る店舗は老舗感たっぷりで、待っている間も退屈しない。

　応仁の乱で西軍の大将だった山名宗全の邸宅跡。乱の勃発時、宗全はこの地に陣を敷いた。一帯の地名を「山名町」とされるのは邸宅があったことにちなむが、碑の周りに手入れの行き届いた竹垣があるなどある種信仰にも似た地元民の心情を感じる。碑文は「山名宗全舊蹟」とあるが、常用漢字では「旧跡」という字。少し東に行った堀川通り沿いにも「山名宗全邸址」の碑もある。

　日蓮宗の京都十六本山の一つで、豊臣秀吉の京都大改造で誕生した鞍馬口付近の「寺町」にある大寺院だ。本法寺や妙顕寺などの近くで、一帯は寺院好きにとっては散策したいエリアだ。建物内は非公開だが、境内は参拝可能。威風堂々とした建物だが、ここでは山門も見どころだ。秀吉が築いた聚楽第の門を移築したものとされ、幻の城とされる聚楽第の少ない遺構。そのことを知らなくともしばらくは見入ってしまうような雰囲気がある山門だ。

　京都市が整備した都市公園だ。南北を走る堀川通の寺之内通から上立売通にかけて第一、第二、第三せせらぎ公園があるほか、東西を走る紫明通りの中央部に紫明せせらぎ公園がある。通りの名の基になった堀川は高度成長期の都市化の中で水流を失っていたが、復活。併せて公園を整備したのがせせらぎ公園だ。緑だけでなく季節の花も植わっており、観光客が散策するのも好適なルートだ。

　今宮神社に参拝の帰りに巡り合ったのがこの雲林院だ。今宮神社から大徳寺の中を通り抜けた北大路通交差点のすぐそばにある。門前に「源氏物語ゆかりの…」というデザイン性豊かな説明版があり、目を引く。もともとは巨大な寺院で源氏物語にも登場していた。この辺りの地名が「雲林院町」であることも往時の証左だ。その後の有為転変で寺域はぐっと小さくなったが、今でも味わいのある門構えを残している。中で観音堂を拝むことができる。

　西陣の地に建つ考古学専門の博物館だ。京都市埋蔵文化財研究所が京都市の指定管理者となって運営しており、年数回の特別展のほか、同研究所が実施した発掘調査の速報展示をやっている。場所がいい。いわゆる西陣のど真ん中で「千両ケ辻」のすぐそばだ。有名な「西陣」の碑がある。入館無料でさまざまな資料を見ることができるだけに、考古学、京都学ファンにとっては見逃せない資料館だ。

　京都で有名な地名だが、行政名ではない。堀川寺之内を東に入った地点に「百々橋の礎石」があるが、ここにはかつて川が流れており、応仁の乱で山名宗全（西軍）と細川勝元（東軍）が対峙したことから山名軍が布陣したあたりを西陣と呼ぶようになった。乱が終わった後、離散していた織物職人が戻ってきたことから西陣織の産地としても知られるように。往時は京都で一番栄えたことから西陣の中心である今出川大宮の辺りは「千両ケ辻」と呼ばれた。一帯はあまり道が広くないが、京都の商家や町屋が並ぶさまは古き京都の町並みを残しており、テーマパークを散策するような楽しみがある。織物だけでなく、和菓子の老舗やおしゃれなショップが点在しており、巡るのも楽しい。

　茶道表千家の事務所的な役割を果たしている建物だ。同門会などの事務所が入居しており、会員が出花入りする姿を見かける。周辺は豊臣秀吉の京都改造で構築された寺町。その中に表千家茶道会館、表千家不審菴など表千家を代表する建物が並んでいる。この会館自体はあまり観光的ではない。

　この日は吉野山にドライブし、寺巡り。最後に壺坂寺へ向かう途中でこの道の駅を見つけた。道の駅は風光明美な場所に建つケースが多いが、ここは周辺が土砂採取場となかなかの場所にある。ただ、そのせいか駐車場が広い。吉野杉をふんだんに使ったという建物は少し変わった形だ。 屋根に明かり取りが二つあるが、これは修験者の額につける「頭巾（ときん）」をデザインしたという。店内は広い。野菜売り場が二カ所に分かれており、安価で品数が多い。さらに奥には吉野杉の製品、例えば割りばしなど特産品が並んでいた。この日は旅行中だったので購入を断念したが、ここの野菜、総菜は価格も含めて魅力だ。

　尾道市と瀬戸内海に浮かぶ向島を結ぶ橋だ。同じルートには既に「尾道大橋」があるため、名称に「新」を冠した。尾道大橋が歩行者も渡れる生活道なのに対し、新大橋は「しまなみ海道」の一部を構成する自動車専用橋だ。車だとあっという間だが、景色はとてもいい。

　尾道市が出資する第三セクターのバス会社だ。道が狭い尾道での観光では車を駅前に置いておいて長い距離はバスで、近くは歩いて回るのがお勧め。そんな場合、この路線バスが便利だ。全国各地の交通系ICカードが使用できるので、支払いもスムーズ。特に海沿いに集中している観光資源を回る場合、使いやすいバスだ。バル料金のほかロープウエー料金、観光施設の割引などがパックになった「尾道フリーパス」はコスパは高い。

　近くにあるガウディハウス（旧和泉家別邸）を見に行った時に〝発見〟した。蔵造りの堂々とした外観はいかにも目を引く。黒壁の店舗に白壁の倉庫。安政元年創業との文字が。入り口の上には年季が入った杉玉が飾られている。車だったので試飲はできなかったが、代表的な銘柄の「寿齢」の純米吟醸を一本購入した。帰り際に発見したが、店舗前の壁に小さな酒瓶が何十本も埋め込まれていた。

　中国横断自動車道米子自動車道にあるパーキングエリアだ。駐車スペースとトイレがあるだけのパーキングエリアで、土産物などは購入できない。中国縦貫自動車道に最も近いパーキングエリアなので、下りの場合はトイレ休憩に好適だ。

　誰もが教科書で習う応仁・文明の乱。東軍と西軍に分かれて長期間の戦闘を繰り広げたが、その東軍と西軍を分けたのが、この百々橋だった。当時、現地には小川が流れており、百々橋を挟んで両軍が対立。橋より東に布陣したから東軍、西に布陣したので西軍と通称された。現在、橋は洛西竹林公園に復元されているが、現地の名残として礎石が置かれている。京都では「先の戦い」というと第二次世界大戦ではなく、応仁の乱を指す。それほど京都の歴史に深く刻まれた出来事だったのでこうした展示がしてあるのだろう。