2014/05/09 - 2014/05/23
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jijidarumaさん
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ドイツの春:北方二州・シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州&メクレンブルク・フォアポンメルン州を中心に巡る旅
期間:2014年05月09日~23日 15日間)
05月19日(月) 212km、朝方は曇り空、ヒルデスハイムからは晴れ、13.5〜22℃
≪Hildesheimヒルデスハイム観光≫
12:00〜15:00
http://www.hildesheim.de/index.php
2005年4月26日に初めて訪れた。ツェレのお気に入りのHotel Fuerstenhof Celle古城ホテル フュルステンホフ(後記参照)に2泊し、ここからブラウンシュヴァイク、ヒルデスハイムの二都市を巡る小旅行をしたのである。
日本の観光本では出てこない世界遺産の町でもあったヒルデスハイムは見所も多く、今年の旅でももう一度行ってみたいと、行程に入れることにした。
写真はフックウプの像
<伝説・Huckup (Hock-auf背負う) Denkmalフックウプの記念碑>
12:14
1905年に建てられたドレスデンの彫刻家Carl Roederカール・レーダーの作品フックウプの記念碑が、歩行者天国の南端、Schuhstrasseシュー通りとホーヘル小路の角にある。
2005年4月の旅では気付かなかったのだが・・・。
いたずら好きの小人(妖精)が悪い人を懲らしめる伝説の主人公なのだ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ヒルデスハイムは世界遺産【1985年登録】の町である。人口10万人。
ニーダーザクセン州の州都Hannoverハノーファーから南に30kmのヒルデスハイムは世界遺産のDom聖マリア大聖堂(872年創建、キリストの円柱、十字路回廊、千年のバラ)とSt.Michaelis-Kirche聖ミヒャエルス教会(1010年建設、エッサイの樹)で有名だ。
とはいえ、駐在中の1970年代のAral観光本には掲載されているが、日本の観光本には載っていなかった。
1985年には世界遺産の町になっていたにも拘わらず、2003年の“地球の歩き方”にも無い。これほど魅力的な町なのだが、今もツアーの対象にはなっていないだろう。
写真はフックウプの記念碑そばの案内図 -
ヒルデスハイムの歴史:
ヒルデスハイムは古くから東西を結ぶ重要な通商路の交差点であったことで繁栄し、その歴史は1000年以上前にさかのぼる。
815年、ヒルデスハイムに司教座が置かれた(後記参照:千年のバラの伝説)。
1249年には都市権を獲得。
1367年にはハンザ同盟に加盟した。
第二次世界大戦の空襲(1945年末期)で町が焼かれた際に、世界遺産の歴史的建造物を含む町の多くが破壊された。
旧市街の木組の家が1500程あったがその内、200のみが残った。
戦後数年の間に、人々の驚異的な努力で、二つの世界遺産は元のように復元され、現在までに木組の家の多くが再建され、かつての中世風の町並みも再現されている。
写真は大改修中のDom聖マリア大聖堂の千年のバラは寂しい格好でした。 -
写真は千年のバラが辛うじて咲いていた。
-
聖ミヒャエルス教会は旧市街の左手上の小高いミヒャエルスの丘にある。
カフェのある教会下の広場から見ると実に美しい眺めです。目の前のなだらかな斜面を登り、きれいに改装された教会から振り返ってみる景観もまた良し。
写真はSt.Michaelis-Kirche聖ミヒャエルス教会(1010年建設) -
第二次大戦の爆撃で全焼した教会は1960年に再建されている。
幸いにも1943年には天井画、天使の柵も避難させていたため、生き残ったわけです。
教会内にある見所は、教会の中央天井に見える、12世紀半ばに改装された際にも残された1300枚の木の板に描かれた天井画“エッサイの木”(13世紀)です。
それはイスラエル王ダビデの父、エッサイからイエス・キリストまでの系譜を樹木で表現したもので大変見事な色彩で描かれたもの。
写真はエッサイの樹 -
Huckup Denkmalフックウプの記念碑:
ドレスデンの彫刻家Carl Roederカール・レーダーが1905年に作ったフックウプの記念碑は、ヒルデスハイムの歩行者天国の南端、Schuhstrasseシュー通りとHoher Wegホーヘル小路の角に見ることができる。
フックウプはヒルデスハイムの町に伝承された民話の主人公であり、その正体は悪戯好きの小人(妖精)で、悪い人を懲らしめると云われている。
写真はフックウプの記念碑 -
≪伝説:フックウプ(ヒルデスハイム)Die Sage:Huckup(Hildesheim)≫
リンゴを盗んだ若者は右手にリンゴの詰まった袋を重そうに引きずりながら、悪戯好きの小人(妖精)を重そうに背負っている。
これはやましい心(盗人)を戒める、ヒルデスハイムの昔話のようです。
碑銘は台座に書かれ、ヒルデスハイムの方言で何やら説明が書いてある。
次の通りの文言は残念ながら方言なので正しくは訳せないが、リンゴを盗んだ若者を小人(妖精)が懲らしめている様子を表現しているようだ。
(想像した意訳は以下に・・・)
Junge, lat dei Appels stahn, 若者は気軽に道端に成っていたリンゴの実を盗む
sues packet deck dei Huckup an / リンゴの詰まった袋を背にして歩んでいると
Dei Huckup is en starken Wicht, 何時の間にか背に乗った小人が段々重くなっていく
hoelt mit dei Stehldeifs boes Gericht. リンゴを盗んだ悪い若者は法の裁きの下に連行だ!
写真はフックウプの記念碑の台座部分:戒めが書かれている) -
<フックウプの動画(以下)がこの伝説話がよく分かる。>
http://www.youtube.com/watch?v=VV5agimByD0
尚、Huckupは高地ドイツ語の古語でHock-auf(背負う)の意味だ。
ドイツ語単語にはHuckeフッケ(背負った荷)、Huckebeinフッケバイン(不幸者)、 huckenフッケン(背負う)、hockenホッケン(背負って運ぶ)といった言葉がある。
XXX
写真はフックウプ -
Wikによればコボルト(Kobold、kobalt)は、ドイツの民間伝承に由来する醜い妖精、精霊である。
コボルトの最も一般的なイメージは時に手助けしてくれ、時には悪戯をするという、家に住む小人たちというものである。彼らはミルクや穀物などと引き替えに家事をしてくれるが、贈り物をしないままにしておくと、住人の人間に悪戯をして遊んだりもする。また、一度贈り物をもらったコボルトはその家から出て行ってしまうとも云われる。
もう一つのコボルトのイメージは坑道や地下に住み、ノームにより近い姿である。ノーム(英語でGnome)は大地を司る精霊・妖精だと云う。
原子番号27の金属元素コバルトの名はコボルトに由来する。
コバルト鉱物は冶金が困難なため、16世紀頃のドイツではコボルトが坑夫を困らせるために魔法をかけて作った鉱物と信じられていたからである。
写真はパイプを吹かすコボルト -
マルクト広場と木組みの建造物: 14:00〜〜14:20
町の中心はマルクト広場にあり、周辺には市庁舎(1268〜1290年)、Rolandbrunnen 騎士ローラントの泉(1540年)、
出窓の美しいTempelhausテンペルハウス(14世紀)、壁面が極彩色の細密な模様に描かれているルネサンス様式のWedekindhausヴェデキントの家(1598年)、Rolandhausローラントの家(14世紀)・・・今、税務署、貯蓄銀行の店、
最も素晴しい食肉・製パン協同組合Knochenhauer-Amtshausクノッヒェンハウワーアムツハウスの高さは29m、ルネッサンス様式のギルドハウス(1529年)und Baeckeramtshausベッカーアムツハウス(1800年) がある。
その他にもStadtschaenkeシュタットシャンケ(酒屋)とロココハウス、Wollenweber-Gildehausヴォーレンヴェバー・ギルデハウスなどの木組みの家があります。
天気の良い日は写真の映りも良く、木組みの建造物の色合いも良く撮れた。面白いことに食肉・製パン協同組合の建物の右の側面は現代風の絵が描かれていた。前回の時には気が付かなかったのだが・・・。
戦後の瓦礫の中から、マルクト広場は1984年〜1990年にかけて再建され、中世の雰囲気を持った建物をよくこれまでに復興させたものと思う。ドイツ人に脱帽です。
写真はマルクト広場の市庁舎 -
写真は食肉・製パン協同組合の建物
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写真は食肉・製パン協同組合の建物の右の側面は現代風の絵が描かれていた
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写真は右の側面は現代風の絵が描かれていた
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写真はこぶりなBaeckeramtshausベッカーアムツハウス(1800年)
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写真は壁面が極彩色の細密な模様に描かれているルネサンス様式のWedekindhausヴェデキントの家(1598年
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写真はマルクト広場周辺の木組みの家並み
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写真は出窓の美しいTempelhausテンペルハウス(14世紀)
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参考:
≪ドイツの春:北方二州を巡る旅に出る≫
http://4travel.jp/travelogue/10883955
≪世界遺産の町ヒルデスハイム:千年のバラ伝説1000-jaehrige Rose≫
http://4travel.jp/travelogue/10851877
≪ホテル自慢の“鴨料理”を楽しんだ古城ホテル・フュルステンホフ・ツェレ≫
http://4travel.jp/os_hotel_tips_each-11206318.html
XXX
写真はRolandbrunnen 騎士ローラントの泉(1540年)からマルクト広場 -
ミヒャエルスの丘の下に小さなカフェがある。また立ち寄りたいカフェだ。
写真はお茶の時間に食べたケーキ
(お茶)El.Puente Weltcafe ヴェルトカフェ
13:00〜13:25 Euro10(1,322円)
D-31134 Hildesheim 、Langer Hagen 36
Bienenstichビーネンシュティッヒ(「蜂の一刺し」という名前のドイツのケーキ、アーモンドとキャラメルの香ばしい甘さと、ドイツ風 バタークリー ムのリッチな味わい。)、アップルトルテにコーヒー。
1時間の歩き疲れと少しお腹も空いていたので、まだ清掃していたカフェに入れてもらった。
お祖父さん、母親の家族経営の店で、9歳の女の子が掃除を手伝い、お店のテーブルで勉強をしていました。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- frau.himmelさん 2015/01/13 21:36:49
- 笹川良一さんの母親を背負う像にソックリですね(笑)
- 思わずどこかで見た構図だと思ったら、日本の船舶王の像でした。
グリム童話の「ルンペルシュティルツヒェン」は以前、ドイツ語の宿題でやった題材でした。
そのときは全然判らなかったのですが、jijidarumaさんの説明でようやく理解できました。
ドイツ語はかなたに遠ざかりつつありますけど。
また楽しい旅行記お待ちしています。
himmel
- jijidarumaさん からの返信 2015/01/14 00:38:18
- 笹川良一さんの母親を背負う像にソックリですね(笑)
- himmelさん
なるほどね!フックウプの像は確かに笹川船舶王に似ています。
疑問に思って調べてみると、小人(妖精)についてのお話がいろいろありました。グリム童話の「ルンペルシュティルツヒェン」もその一つでしたが、ドイツの北方2州の旅で出会った伝説・民話は少なく・・・というか、当方に気持ちの余裕がなかったのか、気付いたものは少なかったようですけど。
これで小人の伝説は3つ目、お楽しみ頂ければ幸いです。
jijidaruma
-
- merumoさん 2015/01/09 08:47:47
- こんにちは!
- jijidarumaさん
今年もよろしくお願いいたします。
私もヒルデスハイムに行こうと思っているんでとても参考になりました。
「千年のばら」のある大聖堂の修復は終わったんでしょうか?
いらした時期にも少し咲いていたんですね。たぶん同じ時期になると思いますので。
予定を考えているときが一番楽しいです!
merumo
- jijidarumaさん からの返信 2015/01/09 17:47:47
- こんにちは!
- merumoさん
こちらこそ宜しくお願いいたします。
春の旅、どのような行程になるのかお楽しみですね。
何かご質問有れば、メールでお申し越し下さい。
ヒルデスハイムは訪れる価値があると思います。
「千年のばら」のある大聖堂の修復は既に昨年8月末には終わり、普通に戻ったようです。
きれいな大聖堂内部も、元気な千年のバラも見られることでしょう。
尚、通例、5月の終り頃から2週間が花の最盛期だとHPにありました。
HPは
http://www.dom-hildesheim.de/
そうそう、聖ミヒャエルス教会下のEl.Puente Weltcafe ヴェルトカフェでお茶をしてみてください。
今年はまだドイツの旅の計画が始まりません。
いろいろと宿題を抱えて、正月からその宿題をこなすのに苦労しています。
ともあれ良い年にしたいですね。
jijidaruma
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旅行記グループ ドイツの伝説・民話その2
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