2012/05/15 - 2012/05/29
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jijidarumaさん
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Romantische Strasseロマンチック街道、Schwaebische Alb Strasseシュヴェービッシュ・アルプ街道、Burgenstrasse古城街道の旅
期間 :2012年05月15日(火)〜05月29日(火)15日間の旅
ネルトリンゲンからロマンチック街道を外れ、エッティンゲン・ヴァラーシュタイン侯爵家に関わりのある町に向かう。
B466を北東にニュルンベルク方面に走ると、15kmでOettingen in Bayernエッティンゲン(バイエルン州)に到着した。
初めて訪れた町は賑やかで、人々が中世の仮装をして歩いている。事前に知らなかったが、ラッキーにも今日は“中世祭り”が行われているのだ。
写真はエッティンゲン旧市街・Koenigsturm王の塔
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
Oettingenエッティンゲンの町はドナウ川支流のヴェルニッツ川沿い、直径25kmの巨大な隕石クレーターであるリース盆地の北縁部に位置する。
エッティンゲンは1522〜1731年の200年間にわたり、Grafschaft Oettingen.エッティンゲン伯領つまり、Oettingen-Wallersteinエッティンゲン・ヴァラーシュタインとOettingen-Oettingenエッティンゲン・エッティンゲンという、両家の首都でした。
1806年にバイエルン王国領となった。人口5千人だから、村と言っても良い。
写真はエッティンゲンの俯瞰 -
≪伝説;エッティンゲンのコウノトリOettingens Stoerche≫
エッティンゲン家のルートヴィヒ16世伯(400年以上前)の時代には、既にこの地にSchwarzschnabelstorchコウノトリが巣を作っていたと云う。
ルートヴィヒ伯はコウノトリをたいへん愛好したので、伝説が残る。
1546〜47年に起きたシュマルカルデン戦争*の後、エッティンゲン伯が荒廃した町を去った時、コウノトリも渡りに発ち戻って来なくなった。
長い時が過ぎ、1563年にエッティンゲン伯が町に戻ると、コウノトリも再び姿を見せるようになり現在に至っていると云う。
(*1530年にカトリックの神聖ローマ皇帝カール五世に対し、プロテスタント諸侯と諸都市はSchmalkaldischer Bundシュマルカルデン同盟を結び、反旗を翻した。)
(2012年8月27日;訳・編集)
写真はコウノトリの巣 -
XX
ヨーロッパでは、「赤ん坊はコウノトリのくちばしで運ばれてくる」「コウノトリが住み着いた家には幸福が訪れる」という言い伝えがある。
生物学的にはコウノトリ Ciconia boyciana ではなく、シュバシコウ Ciconia ciconia である(ヨーロッパにコウノトリはいない)。
シュバシコウ(朱嘴鸛、学名:Ciconia ciconia)とはコウノトリ科に分類される鳥類の一種である。和名は「赤いクチバシのコウノトリ」の意味。
旅行記ではあえてコウノトリとして書く。
写真はコウノトリ(シュバシコウ)の巣 -
縁起が良い鳥として危害が加えられないため、人をそれほど恐れない。
繁殖地は主にヨーロッパと中央アジア。特にポーランドは他を圧倒する世界最大の繁殖地で、2004年の調査で確認された全世界約23万のペアのうち約4分の1に当たる52,500ペアがポーランド国内で繁殖、夏のポーランド湖水地方の田舎は木々も家々の煙突も電柱も、あらゆる高い場所がコウノトリの巣だらけになる。
また、ドイツ、リトアニアの国鳥である。(Wik)
XXX
写真は赤いクチバシのコウノトリ -
≪Oettingenエッティンゲン:中世祭り見学≫
14:50〜15:45 入場券Euro18
http://www.oettingen.de/
いちいち訪れる町や博物館などの、行事や日程を常に確かめてはいない。
だから、町や大学の行事で訪れた場所が観光客を締めだすとか、純然たる休館で涙をのんだことはしばしばである。
その逆に予想もしなかった特別展や催しに出会って、その僥倖に感謝する事もあった。
Oettingenエッティンゲンは小さな町だが、その僥倖に出会った。
写真は中世祭り:こんな格好の人たちが賑やかに大通りを練り歩く。 -
所謂、“中世の祭り”である。
この町では“Historischer Markt(直訳すれば、歴史市場)”という言い方をしているが、1984年から開催されたもので、もう25年以上になる。
その祭りの内容は先に訪れた“ディンケルスビュールのキンダーツェッヒェの祭り”や、各地の古城を中心に行われる“Burgfest城祭り”と、似たり寄ったりのものだ。
写真は中世祭り:羊たちも参加 -
≪Historischer Markt mit Ritterturnier騎士の馬上槍試合が目玉である中世祭り≫
祭りの期間は5月18日〜20日、金土日の週末3日間に町をあげて、開催される。
http://www.historischermarkt-oettingen.de/htm/geschichte.htm
5月18日(金)19時〜 “Die Nacht der Narren道化たちの夜”
5月19日(土)13時半〜 Historischer Umzug中世の行列、
Ritter-Turnier im Hofgarten宮廷庭園での騎士の馬上槍試合
5月20日(日)10時〜中世の行列、馬上槍試合、
最後をZapfenstreich(tattooタトゥー;松明とドラム?パフォーマンス)により終わる。
写真は中世祭り:旧市街の大通り -
金曜日の夜から、“馬鹿騒ぎ”のスタートのようだ。
私共が訪れた日は日曜日、祭りの最終日になる。こうした中世の祭りを謳った場を直接見るのは初めての事で、興味深く、実に面白かった。
日程に余裕があれば、ここに宿泊して3日間を楽しむのも良いかもしれない。
写真は中世祭り:Saumarktザウマルクト(かつて“Sauザウ=豚”の取引市場があった。ネルトリンゲンでもザウの話が出ました。)への案内 -
旧市街は完全に閉鎖された空間になる。
つまり訪れた人から、入場料を各入口で徴収する。1日分は大人Euro9だから、高い。(因みに週末2日間はEuro11とパンフレットにあった。)
これでは旧市街や王宮の見学はままならないと思い、祭りを楽しもうと覚悟して、入場券を買い、旧市街に入った。
写真は中世祭り:服も売っている? -
仮装の人々の間をくぐって、前に進む。
往来の両側に様々な中世のあらゆる(多分!)職業の店が出ている。鍛冶屋、革細工、陶器屋、石工、薬屋、床屋、弓作り、染物師、靴屋、仕立屋、銀細工師、織工、ガラス細工、パン屋、酒場、食事処など、あの時代にメガネ屋まであったのか?!これには驚いた。
写真は中世祭り:大道芸人が曲芸技 -
この先はヴェルニッツ川沿いに広がる宮廷庭園があり、馬上槍試合の場だ。1時の試合が終了し、次は5時なので、これでは無理だ。
恐ろしげな2mの大男がやってきたので、写真を一緒に撮らせてもらった。怖い顔・怖い格好をしていたが、案外に親切な人でした。
写真は中世祭り:恐ろしげな2mの大男と -
さらに川向うの草原には30年戦争当時を懐かしむ野営地があり、旧教派の皇帝軍の野営地では野戦炊事場、教練、大砲・鉄砲試技等を見せるらしい。
(ローテンブルクの聖霊降臨祭=マイスタートルンクや、ディンケルスビュールのキンダーツェッヒェの祭りも)
写真は中世祭り:木組み建築の家並みと白樺の5月柱 -
色々な広場で魔法使いや火吹き男の実演、合唱・合奏団、ライブ・ミュージックの演奏、子供たちにはグリム童話のマリオネット(人形芝居)が用意されていた。
木組み建築の家並みが続き、白樺の5月柱も立っている。
写真は中世祭り:マリオネット(人形芝居) -
主な観光ポイントは
Koenigsturm王の塔;
ここから旧市街に入る。現存する唯一の旧防衛施設としての塔(13世紀)である。
Rathaus町庁舎:
シュヴァーベン地方で最も壮麗な木組み建築の一つ。石造りの1階は1431年に造られ、玄関にも石が敷かれている。上階部分や印象的な屋根の木組みは1480年に設けられた。
写真は中世祭り:メガネ屋 -
Marktplatzマルクト広場;
広場の東側にはバロック建築が、西側には木組み建築が並ぶ。
写真は中世祭り:子供たちの演奏 -
<Residenzschloss Oettingen エッティンゲン宮殿>
D-86732 Oettingen i. Bay 、Schlossstr. 1
Fuerst zu Oettingen-Spielbergエッティンゲン・シュピールベルク侯爵家の宮殿は王の塔から、城広場まで延びる一本の道を歩くと、その先に壁のように立っている。
写真は侯爵家の宮殿 -
宮殿は17世紀にバロック様式で建てられたもので、城内のFestsaal祝典用大広間が見所、漆喰塗の天井・壁が美しいと云う。
金色の間、赤の部屋、金のサロンなども知られている。
写真は赤の部屋 -
ヴァラーシュタインの町のOettingen-Wallersteinエッティンゲン・ヴァラーシュタイン侯爵家と共に、両家の家系はすごい事に現在も連綿と続いている。
1806年、新興のバイエルンとヴュルテンベルクの二つの王国の間で、エッティンゲン家の領土は埋没してしまったが、当時の両家の領土は凡そ850平方キロ、人口6万人を数えたと云う。
写真は祝典用大広間 -
今は小さな町々のヴァラーシュタインとエッティンゲンに、侯爵の両家の居城が残っているだけだ。この旅で訪れた城は*印を付けた。
侯爵の両家の主たる城にエッティンゲン宮殿以外として、
*Schloss Wallersteinヴァラーシュタイン城、
*Die Harburgハールブルク城、
*Schloss Baldern バルデルン城、
Fuerstliche Residenz・Schloss Hohenaltheim 侯爵家の宮殿・ホーエンアルトハイム城、
Burg Flochberg フロッヘベルク城、
Schloss Alerheim アラーハイム城、
*Burg Katzensteinカッツェンシュタイン城などがある。
写真は中庭のバロック様式のマリアの泉(1723年) -
城内ガイドは月休館、この日は14時のみということで、すでに終了していた。
中庭のバロック様式のマリアの泉(1723年)、イギリス風宮廷庭園、オランジェリーと言った外観だけを見ただけで終わった。
http://www.oettingen-spielberg.de/
XXX
写真は*Schloss Baldern バルデルン城
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この旅行記へのコメント (2)
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- ももであさん 2014/09/27 07:14:30
- 内閣府特命担当大臣への提言!?
- jijidarumaさん、おはようございます。
ロマンチック街道を外れ、寄り道すると“中世祭り”とは、
コウノトリ伝説もあながちうそとは言いきれませんね〜
少子高齢化の日本も、まずはポーランド並のコウノトリの
繁殖地へ向け、国策として目指す?
ももであ
- jijidarumaさん からの返信 2014/09/27 12:33:52
- 内閣府特命担当大臣への提言!?・・祭りの勧め
- ももであさん
こんにちは、初めまして。ご投票とコメントありがとうございました。
伝説好き、古城好きですので、旅の途中で中世祭りや古城祭りなどの祭りに出会うと嬉しいですね。
祭りがあるということは、地域が豊かで安定しており、平和なのでしょう。エッティンゲンのコウノトリもそれらのシンボルと思います。
祭りがあれば、老若男女が集まり、様々な機会が生まれるでしょうね。
かつての日本もそうだったように思いますが・・・。
jijidaruma
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