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ガダミスからトリポリに戻ります。往路はイスタンブールでの天候不順によりリビア到着が遅れに遅れた為、観光どころか、ガダミスに辿り着けるか危うい程でした。<br /><br /> によって復路で往復分全ての予定訪問先を訪れます。ドライバーさんには負担の大きな日程になってしまいました。嫌な顔一つせず安全運転ありがとうございます。<br /><br /> 今回の行程はチュニジアのタタウィン地方の文化と非常に共通しており、文中に幾度もその地方の地名等が登場します。過去旅も、是非参照してください。<br /><br />チュニジア・タタウィン地方の旅<br /><br />https://4travel.jp/travelogue/11425022

マグレブを旅する Final Destination ジャベル・ナフサでクサール巡り

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2025/10/28 - 2025/10/28

8位(同エリア53件中)

旅行記グループ マグレブ(北西アフリカ)の旅

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さっくん

さっくんさん

ガダミスからトリポリに戻ります。往路はイスタンブールでの天候不順によりリビア到着が遅れに遅れた為、観光どころか、ガダミスに辿り着けるか危うい程でした。

 によって復路で往復分全ての予定訪問先を訪れます。ドライバーさんには負担の大きな日程になってしまいました。嫌な顔一つせず安全運転ありがとうございます。

 今回の行程はチュニジアのタタウィン地方の文化と非常に共通しており、文中に幾度もその地方の地名等が登場します。過去旅も、是非参照してください。

チュニジア・タタウィン地方の旅

https://4travel.jp/travelogue/11425022

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
5.0
グルメ
5.0
  •  夜が明けました。この旅、最大の目的地であったガダミスとサハラ砂漠の旅が完了しました。胸一杯、お腹一杯ですが、リビアの旅は終わりません。

     夜が明けました。この旅、最大の目的地であったガダミスとサハラ砂漠の旅が完了しました。胸一杯、お腹一杯ですが、リビアの旅は終わりません。

  •  と言うか、今日の行程は、往きに何処にも立ち寄れ無かった分を含めて、ジャベル・ナフサ地域のクサール群を一気に訪れる強行軍です。失われた時間を取り戻す為、ドライバーさんには負担をかけてしまいます。

     と言うか、今日の行程は、往きに何処にも立ち寄れ無かった分を含めて、ジャベル・ナフサ地域のクサール群を一気に訪れる強行軍です。失われた時間を取り戻す為、ドライバーさんには負担をかけてしまいます。

  •  そんな訳で出発は7時半、ホテルの朝食の開始時間も7時半。フライングして詰め込めるだけ詰め込みます。と言っても、場所が場所だけに選択肢も多くありません。

     そんな訳で出発は7時半、ホテルの朝食の開始時間も7時半。フライングして詰め込めるだけ詰め込みます。と言っても、場所が場所だけに選択肢も多くありません。

  •  あっという間に詰め込んだら早速出発です。

     あっという間に詰め込んだら早速出発です。

  •  リビアの日の出はとてもノンビリしていて7時半頃に昇ります。

     リビアの日の出はとてもノンビリしていて7時半頃に昇ります。

  •  本日の観光の舞台となるジャベル・ナフサ。ジャベルとはアラビア語で山を意味し、即ちジャベル山と言う意味になりますが、当該の地形を鑑みると、ナフサの断崖絶壁と言い表した方が解り易いです。<br /><br /> 西のナールートから東のガリアン迄約250㌔、東西に長々と標高差約300mの断崖絶壁が連なり、リビアの大地を南北に分断しています。こうした、一つの山と言うより、断崖絶壁地帯をジャベル・ナフサと呼びます。

     本日の観光の舞台となるジャベル・ナフサ。ジャベルとはアラビア語で山を意味し、即ちジャベル山と言う意味になりますが、当該の地形を鑑みると、ナフサの断崖絶壁と言い表した方が解り易いです。

     西のナールートから東のガリアン迄約250㌔、東西に長々と標高差約300mの断崖絶壁が連なり、リビアの大地を南北に分断しています。こうした、一つの山と言うより、断崖絶壁地帯をジャベル・ナフサと呼びます。

  •  本日は、その断崖絶壁を降りたり登ったりしながら、其処に点在するベルベル人のクサールを訪れます。リビアでは、城郭を意味する「カスル」表記で説明される事が多いですが、此処では「集落」を意味するクサールで説明したく思います。

     本日は、その断崖絶壁を降りたり登ったりしながら、其処に点在するベルベル人のクサールを訪れます。リビアでは、城郭を意味する「カスル」表記で説明される事が多いですが、此処では「集落」を意味するクサールで説明したく思います。

  •  途中の村でティータイムと車にはガソリンを飲ませます。

     途中の村でティータイムと車にはガソリンを飲ませます。

  •  目的地にはこのままセミデザートを突っ切って、一昨日断崖絶壁を登り辿り着いたナールート直前で進路を変えます。

     目的地にはこのままセミデザートを突っ切って、一昨日断崖絶壁を登り辿り着いたナールート直前で進路を変えます。

  •  さて、では、クサール(カスル)とは一体なんぞや?と言う事を解説したいと思います。

     さて、では、クサール(カスル)とは一体なんぞや?と言う事を解説したいと思います。

  •  クサールはチュニジア南部タタウィンや本日訪れるリビアのジャベル・ナフサ一帯に点在する、ベルベル人の集落を指します。しかし、スターウォーズ等の影響で、映画にも使われたクサール内の穀物貯蔵庫が有名になったせいで、この穀物貯蔵庫自体をクサールと呼ぶ事もあります。<br /><br /> 一方リビアでは、穀物貯蔵庫単体は「城郭」を意味する「カスル」と呼ぶ事が多く、観光客の大抵がこれを目的とする事から、「カスル」と呼ぶケースが主流です。<br /><br /> よって、ちょっとこんがらがり易い言葉ですが、クサール(集落)の中には、カスル(穀物貯蔵庫)を持たないクサールもあるので、此処では基本的に集落をクサール、カスルを穀物貯蔵庫と言う表記にしていこうと思います。<br /><br />纏め<br /><br />クサール≒集落<br />カスル≒クサール内の穀物貯蔵庫

     クサールはチュニジア南部タタウィンや本日訪れるリビアのジャベル・ナフサ一帯に点在する、ベルベル人の集落を指します。しかし、スターウォーズ等の影響で、映画にも使われたクサール内の穀物貯蔵庫が有名になったせいで、この穀物貯蔵庫自体をクサールと呼ぶ事もあります。

     一方リビアでは、穀物貯蔵庫単体は「城郭」を意味する「カスル」と呼ぶ事が多く、観光客の大抵がこれを目的とする事から、「カスル」と呼ぶケースが主流です。

     よって、ちょっとこんがらがり易い言葉ですが、クサール(集落)の中には、カスル(穀物貯蔵庫)を持たないクサールもあるので、此処では基本的に集落をクサール、カスルを穀物貯蔵庫と言う表記にしていこうと思います。

    纏め

    クサール≒集落
    カスル≒クサール内の穀物貯蔵庫

  •  元々「集落」を意味するクサールと言うアラビア語は、地中海を渡り、スペイン語化し、「要塞」を意味するアルカサルと言う単語になりました。<br /><br /> 結果、更にこんがらがり易い言葉になってしまいました。

     元々「集落」を意味するクサールと言うアラビア語は、地中海を渡り、スペイン語化し、「要塞」を意味するアルカサルと言う単語になりました。

     結果、更にこんがらがり易い言葉になってしまいました。

  • 平坦なセミデザートをひた走ります。

    平坦なセミデザートをひた走ります。

  •  見渡す限りのセミデザート。ベルベル人の暮らす、過酷な大地です。

     見渡す限りのセミデザート。ベルベル人の暮らす、過酷な大地です。

  •  最初の目的地カバウに到着しました。ロータリーに据えられた文字は「ヤズ」と呼ばれるベルベル人の文字で、彼等のアイデンティティと自由を意味する言葉です。

     最初の目的地カバウに到着しました。ロータリーに据えられた文字は「ヤズ」と呼ばれるベルベル人の文字で、彼等のアイデンティティと自由を意味する言葉です。

  •  嘗てベルベル人文化の中心だったと言われます。

     嘗てベルベル人文化の中心だったと言われます。

  •  現在は新市街も築かれていますが、煉瓦製の質素な街並みで、周囲の荒涼とした風景に溶け込んでいます。

     現在は新市街も築かれていますが、煉瓦製の質素な街並みで、周囲の荒涼とした風景に溶け込んでいます。

  •  そんなカバウの街の片隅にカバウの旧市街、即ちクサールが残されています。一見周囲の街並みに同化していますが、遺跡化しており、最早人は暮らせません。<br /><br /> チュニジアのクサールは、人の住居は最早残されておらず、穀物貯蔵庫のみが残されているケースが多く、それがクサール=穀物貯蔵庫と受けとめられる一因となっていましたが、カバウのクサールは本来通り、人家の部分も残されています。

     そんなカバウの街の片隅にカバウの旧市街、即ちクサールが残されています。一見周囲の街並みに同化していますが、遺跡化しており、最早人は暮らせません。

     チュニジアのクサールは、人の住居は最早残されておらず、穀物貯蔵庫のみが残されているケースが多く、それがクサール=穀物貯蔵庫と受けとめられる一因となっていましたが、カバウのクサールは本来通り、人家の部分も残されています。

  •  民家の後だったであろう廃墟の中を覗きました。

     民家の後だったであろう廃墟の中を覗きました。

  •  小規模の民家だったであろう家屋の奥に、一際堅牢な要塞上の建物がありました。この街の領主さんの要塞でしょうか?

     小規模の民家だったであろう家屋の奥に、一際堅牢な要塞上の建物がありました。この街の領主さんの要塞でしょうか?

  •  内部に入って驚きました。なんと、穀物貯蔵庫じゃ、あ~りませんか!チュニジアで見た穀物貯蔵庫は、外から見て解る状態のものでしたが、カバウの穀物貯蔵庫は、外観はまるで要塞であり、内部に入って初めて穀物貯蔵庫と解る様に作られていました。

     内部に入って驚きました。なんと、穀物貯蔵庫じゃ、あ~りませんか!チュニジアで見た穀物貯蔵庫は、外から見て解る状態のものでしたが、カバウの穀物貯蔵庫は、外観はまるで要塞であり、内部に入って初めて穀物貯蔵庫と解る様に作られていました。

  •  無数に開けられた穀物貯蔵庫。一つ一つはそれほど大きく無く、独居房程度の大きさです。

     無数に開けられた穀物貯蔵庫。一つ一つはそれほど大きく無く、独居房程度の大きさです。

  •  周囲には貯蔵庫で使われていただろう壺の残骸が残されていました。

     周囲には貯蔵庫で使われていただろう壺の残骸が残されていました。

  •  それにしても何故食物貯蔵庫が、まるで要塞と間違われるかの様な堅牢な建物と化し、しかも要塞の様に集落の中心に建てられたのでしょうか?

     それにしても何故食物貯蔵庫が、まるで要塞と間違われるかの様な堅牢な建物と化し、しかも要塞の様に集落の中心に建てられたのでしょうか?

  •  それは当時の荒れた情勢にあったと思われます。例えば穀物を個々の家で管理して、襲撃にあったとすれば、個人の家では太刀打ち出来ず、容易に穀物を奪われてしまった事でしょう。<br /><br /> 襲撃を受け、各個撃破されてしまえばクサールは壊滅してしまいます。そんな危機を防ぐ為、生活に何より欠かせない穀物を共同管理する事で、クサールの安全を図ったのです。<br /><br /> だから、街の中心に、しかも外観からは、まるで要塞の様で、まさか穀物貯蔵庫とは思わない、厳重で頑丈な建物を造り上げたのです。

     それは当時の荒れた情勢にあったと思われます。例えば穀物を個々の家で管理して、襲撃にあったとすれば、個人の家では太刀打ち出来ず、容易に穀物を奪われてしまった事でしょう。

     襲撃を受け、各個撃破されてしまえばクサールは壊滅してしまいます。そんな危機を防ぐ為、生活に何より欠かせない穀物を共同管理する事で、クサールの安全を図ったのです。

     だから、街の中心に、しかも外観からは、まるで要塞の様で、まさか穀物貯蔵庫とは思わない、厳重で頑丈な建物を造り上げたのです。

  •  住民は、貯蔵庫に収めた刻物の一定の量を、使用料として納める事で、貯蔵庫の運営が賄われました。貯蔵庫は、大切な食料の保管庫として使われるだけでは無く、交易として販売する為の穀物のストックとしても利用されました。<br /><br /> クサールの人々にとって生きてゆく上で欠かせない施設だった故、何よりも頑丈に造られた為、結果クサールが廃墟になった後も、貯蔵庫だけが残るケースが多く、貯蔵庫=クサールと呼ばれる要因になりました。

    イチオシ

     住民は、貯蔵庫に収めた刻物の一定の量を、使用料として納める事で、貯蔵庫の運営が賄われました。貯蔵庫は、大切な食料の保管庫として使われるだけでは無く、交易として販売する為の穀物のストックとしても利用されました。

     クサールの人々にとって生きてゆく上で欠かせない施設だった故、何よりも頑丈に造られた為、結果クサールが廃墟になった後も、貯蔵庫だけが残るケースが多く、貯蔵庫=クサールと呼ばれる要因になりました。

  •  それにしても、摩訶不思議な外観です。当時の建築の屋根材は木片が利用される事が殆どでしたが、穀物貯蔵庫では虫やネズミなどの侵入を防ぐ為、煉瓦や石材を使用しなければなりません。<br /><br /> 当時の建築技術では、煉瓦や石材では、フラットな屋根にする事は難しく、アーチ状にブロック同士の張力を利用して積み上げられるので、結果アーチ型の屋根になります。(即ち、この奇抜な外観は、デザインでは無く、当時の建築技術の必然性が産んだものです。)<br /><br />(門構えの形状を観察しても、ローマ時代の門構えはアーチ式であるのに比べ、建築技術が向上したビザンティン時代には、フラットな門構えが登場します。)<br /><br /> それが集団貯蔵庫と言う事もあり、結果として小さなアーチが連続して連なる造形となったのです。建築技術が向上して、フラットな屋根が造れるようになってから、このカスルが築かれたのなら、何の変哲も無い穀物貯蔵庫になっていたのかもしれません。<br /><br /> そして、そんな現代人とはかけ離れた発想故に、宇宙人的デザインとして旅人に持て囃される事になりました。

     それにしても、摩訶不思議な外観です。当時の建築の屋根材は木片が利用される事が殆どでしたが、穀物貯蔵庫では虫やネズミなどの侵入を防ぐ為、煉瓦や石材を使用しなければなりません。

     当時の建築技術では、煉瓦や石材では、フラットな屋根にする事は難しく、アーチ状にブロック同士の張力を利用して積み上げられるので、結果アーチ型の屋根になります。(即ち、この奇抜な外観は、デザインでは無く、当時の建築技術の必然性が産んだものです。)

    (門構えの形状を観察しても、ローマ時代の門構えはアーチ式であるのに比べ、建築技術が向上したビザンティン時代には、フラットな門構えが登場します。)

     それが集団貯蔵庫と言う事もあり、結果として小さなアーチが連続して連なる造形となったのです。建築技術が向上して、フラットな屋根が造れるようになってから、このカスルが築かれたのなら、何の変哲も無い穀物貯蔵庫になっていたのかもしれません。

     そして、そんな現代人とはかけ離れた発想故に、宇宙人的デザインとして旅人に持て囃される事になりました。

  •  それは映画監督をしても、そう思わせたのでしょう。チュニジアのタタウィン郊外に残る穀物貯蔵庫が映画スターウォーズのロケ地となった事で、この穀物貯蔵庫が一躍有名になる事になります。<br /><br /> 映画では貯蔵庫は、タートゥイーン星人の住居と言う設定になりました。タートゥイーンと言う星の名前も、タタウィンから転じたものですし、タタウィンのベルベル人の民族衣装が、そのままタートゥイーン星人の衣装として使われていたので、タタウィンを旅して、民族衣装の老人と出くわすと、オビ・ワン・ケノービかと思いました。

     それは映画監督をしても、そう思わせたのでしょう。チュニジアのタタウィン郊外に残る穀物貯蔵庫が映画スターウォーズのロケ地となった事で、この穀物貯蔵庫が一躍有名になる事になります。

     映画では貯蔵庫は、タートゥイーン星人の住居と言う設定になりました。タートゥイーンと言う星の名前も、タタウィンから転じたものですし、タタウィンのベルベル人の民族衣装が、そのままタートゥイーン星人の衣装として使われていたので、タタウィンを旅して、民族衣装の老人と出くわすと、オビ・ワン・ケノービかと思いました。

  •  まるで宇宙人が作ったかの様な、斬新なデザインな穀物貯蔵庫は、この渇いた大地で、必死に収穫した穀物を、如何に守っていくか?と試行錯誤したベルベル人の知恵の結集が作り出したものでした。<br /><br /> チュニジアを旅した時はガイドさんもいなかったですし、建物自体オープンスペースに存在したので、不思議な建築程度の理解でしたが、今回シッカリ説明を受けた事から、この穀物貯蔵庫が街の中心に、まるで要塞の様に、且つ外観では貯蔵庫とは思えない造りになった経緯を合点する事が出来て、本当に目から鱗でした。

     まるで宇宙人が作ったかの様な、斬新なデザインな穀物貯蔵庫は、この渇いた大地で、必死に収穫した穀物を、如何に守っていくか?と試行錯誤したベルベル人の知恵の結集が作り出したものでした。

     チュニジアを旅した時はガイドさんもいなかったですし、建物自体オープンスペースに存在したので、不思議な建築程度の理解でしたが、今回シッカリ説明を受けた事から、この穀物貯蔵庫が街の中心に、まるで要塞の様に、且つ外観では貯蔵庫とは思えない造りになった経緯を合点する事が出来て、本当に目から鱗でした。

  •  穀物貯蔵庫を頂点に、嘗てのクサールが展開しています。

     穀物貯蔵庫を頂点に、嘗てのクサールが展開しています。

  •  荒山の山肌にも、ヤズのシンボルを発見しました。ベルベル人は北アフリカの先住民族ですが、フェニキア人、ローマ人、ビザンティン、そしてアラブと次々とマグレブに進出してきた外来の勢力に押され、肥沃な地中海沿岸の地から。渇いた過酷な南部への地へと追いやられました。<br /><br /> そしてその苦難の歴史と、過酷な大地を生き抜いた、そんな彼等のアイデンティティのシンボルが「ヤズ」に籠められているのだと思います。

     荒山の山肌にも、ヤズのシンボルを発見しました。ベルベル人は北アフリカの先住民族ですが、フェニキア人、ローマ人、ビザンティン、そしてアラブと次々とマグレブに進出してきた外来の勢力に押され、肥沃な地中海沿岸の地から。渇いた過酷な南部への地へと追いやられました。

     そしてその苦難の歴史と、過酷な大地を生き抜いた、そんな彼等のアイデンティティのシンボルが「ヤズ」に籠められているのだと思います。

  •  複雑に切り込んだ断崖絶壁に貼り付く様に、まるで大地の保護色の様なクサールが展開しています。厳重に守られた穀物貯蔵庫と言い、この立地と言い、往時は如何に防御が重要だったかを、物語っていると思います。

     複雑に切り込んだ断崖絶壁に貼り付く様に、まるで大地の保護色の様なクサールが展開しています。厳重に守られた穀物貯蔵庫と言い、この立地と言い、往時は如何に防御が重要だったかを、物語っていると思います。

  •  見るからに過酷な環境の光景です。でも、美しい…。

     見るからに過酷な環境の光景です。でも、美しい…。

  •  まるで、荒涼とした大地に溶け込んでしまうかの様な、現地の土で築かれた集落の中で、モスクだけが白く塗られ、此処が村落である事を主張しているかの様です。

     まるで、荒涼とした大地に溶け込んでしまうかの様な、現地の土で築かれた集落の中で、モスクだけが白く塗られ、此処が村落である事を主張しているかの様です。

  •  何処から何処迄が、嘗てのクサールか?はたまた新市街か、近付かなければ判断が出来ませんが、この厳しい環境下、今も人の営みは脈々と続いています。

     何処から何処迄が、嘗てのクサールか?はたまた新市街か、近付かなければ判断が出来ませんが、この厳しい環境下、今も人の営みは脈々と続いています。

  •  カバウ村を後にします。

     カバウ村を後にします。

  •  再び、遮るものの無い荒野をひた走ります。

     再び、遮るものの無い荒野をひた走ります。

  •  途中の村で、簡素なブランチを。リビアではラムを余り食べないのか、メニューにも少なく、あっても高額でした。(日本みたいだ。残念!)と言う訳でビーフサンドをチョイス。<br /><br /> 飲み物は微炭酸で、日本で言うファイブミニ的立ち位置のものでしょうか?

     途中の村で、簡素なブランチを。リビアではラムを余り食べないのか、メニューにも少なく、あっても高額でした。(日本みたいだ。残念!)と言う訳でビーフサンドをチョイス。

     飲み物は微炭酸で、日本で言うファイブミニ的立ち位置のものでしょうか?

  •  軽食を摂った店の前には、規模の大きいモスクが。すると、リビアには珍しい大型の観光バスが。同じRJトラベルさんが新たな観光客を伴って、恐らくガダミスへと向かう途中。空港で出迎えて頂いたボスとも再会。<br /><br /> リビアは欧州から目と鼻の先にあるから結構旅人が訪れるのかもしれません。貸し切り状態で旅を続けていられるのは、ラッキーだったのかもしれません。

     軽食を摂った店の前には、規模の大きいモスクが。すると、リビアには珍しい大型の観光バスが。同じRJトラベルさんが新たな観光客を伴って、恐らくガダミスへと向かう途中。空港で出迎えて頂いたボスとも再会。

     リビアは欧州から目と鼻の先にあるから結構旅人が訪れるのかもしれません。貸し切り状態で旅を続けていられるのは、ラッキーだったのかもしれません。

  •  次の目的地に到着寸前、断崖絶壁から雄大な光景が眺められました。しかし、焦る必要はありませんでした。何故なら、次の目的地は、この雄大な眺めに囲まれるかの様な立地に存在するからです。

     次の目的地に到着寸前、断崖絶壁から雄大な光景が眺められました。しかし、焦る必要はありませんでした。何故なら、次の目的地は、この雄大な眺めに囲まれるかの様な立地に存在するからです。

  •  到着したクサールの名はtarmisah。ターミッシュ?それともタルミサと呼ぶのでしょうか?2011年度版の地球の歩き方にも記載がありませんし、ネットでも殆ど詳細な情報がありません。

     到着したクサールの名はtarmisah。ターミッシュ?それともタルミサと呼ぶのでしょうか?2011年度版の地球の歩き方にも記載がありませんし、ネットでも殆ど詳細な情報がありません。

  •  クサールの入り口に、マグレブの伝統的スタイルを持つミナレットが聳えていました。

     クサールの入り口に、マグレブの伝統的スタイルを持つミナレットが聳えていました。

  •  このクサールには集合穀物貯蔵庫は存在しませんが、その分集落としての機能はよく残されており、当時の人々の生活を垣間見る事が出来ます。また、何より絶景を堪能する事が出来ます。

     このクサールには集合穀物貯蔵庫は存在しませんが、その分集落としての機能はよく残されており、当時の人々の生活を垣間見る事が出来ます。また、何より絶景を堪能する事が出来ます。

  •  tarmisah村は東西を走る断崖絶壁が大平原に突き出した、岬状に築かれており、クサールの三方を断崖絶壁が囲みます。

     tarmisah村は東西を走る断崖絶壁が大平原に突き出した、岬状に築かれており、クサールの三方を断崖絶壁が囲みます。

  •  広場の様なスペースに集会所の様な施設が建っています。

     広場の様なスペースに集会所の様な施設が建っています。

  •  此処にも、ベルベル人のシンボル「ヤズ」の文字が刻まれていました。

     此処にも、ベルベル人のシンボル「ヤズ」の文字が刻まれていました。

  •  舞台が設置されていました。

     舞台が設置されていました。

  •  村の規模は大きなものでは、ありませんが、保存状態は良好で、恐らく新市街に移った嘗ての住民達が、保全しているものと思われます。

     村の規模は大きなものでは、ありませんが、保存状態は良好で、恐らく新市街に移った嘗ての住民達が、保全しているものと思われます。

  •  私は、豪華絢爛な宮殿より、寧ろ、こうした過酷な大地に生き抜いた遺跡の方に心動かされます。<br /><br /> 前者は、金が幾らでも有れば、そりゃどうにでもなるわなぁと思ってしまいますが、後者は、生き延びる為、限られた選択肢の中での必死の手段や、振り絞った知恵が、美しさとして昇華した点に感動を覚えるからです。

     私は、豪華絢爛な宮殿より、寧ろ、こうした過酷な大地に生き抜いた遺跡の方に心動かされます。

     前者は、金が幾らでも有れば、そりゃどうにでもなるわなぁと思ってしまいますが、後者は、生き延びる為、限られた選択肢の中での必死の手段や、振り絞った知恵が、美しさとして昇華した点に感動を覚えるからです。

  •  そして、地球上に多く存在する乾燥帯の殆どで、信仰されているのがイスラームです。私がイスラームを語る時、「教」と言う単語をつけない事には理由があります。イスラームは礼拝や戒律等、日本人が宗教として認識する部分もあります。勿論重要な部分です。しかし、イスラームはそれに留まりません。<br /><br /> 暮らし方、食べ方、建築法…人が生きる全てに於いて言及した、生きる為の指南書とも言えます。即ち、日本人が、一般的に考える「宗教」と言う枠組みを遥かに超えて「文化」と言う存在に近いものです。ですので、誤解を防ぐ為にも、敢えて「教」と言う字は使わない様にしています。

     そして、地球上に多く存在する乾燥帯の殆どで、信仰されているのがイスラームです。私がイスラームを語る時、「教」と言う単語をつけない事には理由があります。イスラームは礼拝や戒律等、日本人が宗教として認識する部分もあります。勿論重要な部分です。しかし、イスラームはそれに留まりません。

     暮らし方、食べ方、建築法…人が生きる全てに於いて言及した、生きる為の指南書とも言えます。即ち、日本人が、一般的に考える「宗教」と言う枠組みを遥かに超えて「文化」と言う存在に近いものです。ですので、誤解を防ぐ為にも、敢えて「教」と言う字は使わない様にしています。

  •  イスラームは乾燥帯で、生まれた宗教なので、取り分け、乾燥帯に生きる人々にとって重要な役割を果たしてきました。肌の露出を忌避し、女性がベールで髪を覆うのも、凶悪な直射日光と砂塵から身を守る為、ムスリムで無くとも、乾燥帯では、推奨されるスタイルです。

     イスラームは乾燥帯で、生まれた宗教なので、取り分け、乾燥帯に生きる人々にとって重要な役割を果たしてきました。肌の露出を忌避し、女性がベールで髪を覆うのも、凶悪な直射日光と砂塵から身を守る為、ムスリムで無くとも、乾燥帯では、推奨されるスタイルです。

  •  イスラームは酒が御法度です。乾燥帯では水資源は非常に貴重なものです。そんな乾燥帯では、作るにも大量の水を使い、飲んだ後も、水分を欲してしまう。更には依存性迄ある、飲酒と言う習慣は、コミニティの水資源を干上げてしまう危険性を孕みました。これがイスラームが酒を忌避する真意だと思います。

     イスラームは酒が御法度です。乾燥帯では水資源は非常に貴重なものです。そんな乾燥帯では、作るにも大量の水を使い、飲んだ後も、水分を欲してしまう。更には依存性迄ある、飲酒と言う習慣は、コミニティの水資源を干上げてしまう危険性を孕みました。これがイスラームが酒を忌避する真意だと思います。

  •  ムスリムやユダヤ人は反芻する動物の肉を食べ、豚を食べる事はありません。では、何故、反芻する動物を食べるのでしょう?それには、反芻する動物を知る必要があります。

     ムスリムやユダヤ人は反芻する動物の肉を食べ、豚を食べる事はありません。では、何故、反芻する動物を食べるのでしょう?それには、反芻する動物を知る必要があります。

  •  反芻する動物は、食物競争を勝ち抜く為、他の動物が消化出来ない様な草を、何度も胃から口に食物を戻し、再度噛む事を繰り返す事で、栄養を摂る様に進化を遂げた動物です。即ち、人類の食べられないものを食べる。つまり、人類と食料が競合しないと言う事です。

     反芻する動物は、食物競争を勝ち抜く為、他の動物が消化出来ない様な草を、何度も胃から口に食物を戻し、再度噛む事を繰り返す事で、栄養を摂る様に進化を遂げた動物です。即ち、人類の食べられないものを食べる。つまり、人類と食料が競合しないと言う事です。

  •  砂漠や乾燥帯では、水と共に穀物も非常に貴重なものです。いざと言う時に、食べ物が人類と競合する動物を飼育していると、共倒れになっていしまう可能性がありますが、食べ物が競合していない動物なら、食べ物を奪い合う結果にはなりません。

     砂漠や乾燥帯では、水と共に穀物も非常に貴重なものです。いざと言う時に、食べ物が人類と競合する動物を飼育していると、共倒れになっていしまう可能性がありますが、食べ物が競合していない動物なら、食べ物を奪い合う結果にはなりません。

  •  人類と食べ物が競合する上、雑食性で、乳も出さず、皮革製品にもならない、肉としてしか用途の無い豚を飼育する事は、乾燥帯では、リスキーな事だったのです。

     人類と食べ物が競合する上、雑食性で、乳も出さず、皮革製品にもならない、肉としてしか用途の無い豚を飼育する事は、乾燥帯では、リスキーな事だったのです。

  •  この様に乾燥帯、特にマグレブでは、人々の暮らしがイスラームと深く密接しています。イスラームを知ると、マグレブの人々の暮らしが見えて来て、逆にマグレブの人々の文化を理解する事で、イスラームが解って来るとも言えます。

     この様に乾燥帯、特にマグレブでは、人々の暮らしがイスラームと深く密接しています。イスラームを知ると、マグレブの人々の暮らしが見えて来て、逆にマグレブの人々の文化を理解する事で、イスラームが解って来るとも言えます。

  •  そろそろクサールも、最奥部、即ち断崖絶壁の岬状に張り出した頂点に至ります。

     そろそろクサールも、最奥部、即ち断崖絶壁の岬状に張り出した頂点に至ります。

  • 狭い廊下を潜ると…。

    狭い廊下を潜ると…。

  •  見渡す限りの大展望が待っていました。<br /><br />https://youtube.com/shorts/Qsm3KZUwkJI?si=3NDlETo2CEA8XZ0y

     見渡す限りの大展望が待っていました。

    https://youtube.com/shorts/Qsm3KZUwkJI?si=3NDlETo2CEA8XZ0y

  •  右に左に絶景を堪能します。

     右に左に絶景を堪能します。

  •  イスラームや、マグレブの事。現地を訪れ、また一つ理解を進めましたが、一向に理解出来ない事もあります。<br /><br /> 現地の若者は、目前の岩の上によじ登り、映える写真を撮ると言います。<br /><br />「一体どうやって?」<br /><br /> 高所恐怖症の私には、全く理解が追いつきません。

     イスラームや、マグレブの事。現地を訪れ、また一つ理解を進めましたが、一向に理解出来ない事もあります。

     現地の若者は、目前の岩の上によじ登り、映える写真を撮ると言います。

    「一体どうやって?」

     高所恐怖症の私には、全く理解が追いつきません。

  •  遥かに広がる大平原を眺め、ふと思います。人は何故この過酷に思える砂漠を往き、交易路としたのでしょうか?トランスサハラ交易しかり、ユーラシア大陸を股に架けたシルクロード交易もまた、砂漠が連なる交易路です。

    イチオシ

     遥かに広がる大平原を眺め、ふと思います。人は何故この過酷に思える砂漠を往き、交易路としたのでしょうか?トランスサハラ交易しかり、ユーラシア大陸を股に架けたシルクロード交易もまた、砂漠が連なる交易路です。

  •  彼等は、何百頭からなる駱駝や馬を引き連れて移動しました。そんな彼等の行く手を阻む最大の障壁は、渡河です。インフラが整った今日では、何の問題は無くなったかもしれませんが、ちょっとした森林や、泥濘んだ道も、大いに彼等を苦しめた事でしょう。

     彼等は、何百頭からなる駱駝や馬を引き連れて移動しました。そんな彼等の行く手を阻む最大の障壁は、渡河です。インフラが整った今日では、何の問題は無くなったかもしれませんが、ちょっとした森林や、泥濘んだ道も、大いに彼等を苦しめた事でしょう。

  •  そんな中、砂漠には川も無ければ、森林もありません。大規模なキャラバンを引き連れるには、最適解の道それが砂漠だったのかもしれません。

     そんな中、砂漠には川も無ければ、森林もありません。大規模なキャラバンを引き連れるには、最適解の道それが砂漠だったのかもしれません。

  •  しかし、砂漠にも問題は山積みです。森林や複雑な地形だけが、人を迷わす訳ではありません。360°見渡す限りの砂漠では、見渡しが良過ぎて、人は目指すべき方角を見失ってしまうのです。

    イチオシ

     しかし、砂漠にも問題は山積みです。森林や複雑な地形だけが、人を迷わす訳ではありません。360°見渡す限りの砂漠では、見渡しが良過ぎて、人は目指すべき方角を見失ってしまうのです。

  •  ですから、砂漠を往くキャラバンは、夜に出発したと言います。無論昼に行動する等暑さに耐えられるものでは、ありませんが…。

     ですから、砂漠を往くキャラバンは、夜に出発したと言います。無論昼に行動する等暑さに耐えられるものでは、ありませんが…。

  •  彼等が夜に砂漠を越えた最大の理由は、彼等が星座を目印に砂漠を越えたからです。キャラバンを率いた隊商達は、結構ロマンチストだったのかもしれません。月の砂漠と言うけれど、満月の夜は要注意。素直になり過ぎるからでは無く、星座が見えづらくなってしまうから。<br /><br />注)中島みゆきさんが、悪女になるなら、月夜はおよしよ、素直になり過ぎると、唄っています。<br /><br />https://youtu.be/ZkyCrUolctw?si=s5nR7kX8mhhQ7e_y

     彼等が夜に砂漠を越えた最大の理由は、彼等が星座を目印に砂漠を越えたからです。キャラバンを率いた隊商達は、結構ロマンチストだったのかもしれません。月の砂漠と言うけれど、満月の夜は要注意。素直になり過ぎるからでは無く、星座が見えづらくなってしまうから。

    注)中島みゆきさんが、悪女になるなら、月夜はおよしよ、素直になり過ぎると、唄っています。

    https://youtu.be/ZkyCrUolctw?si=s5nR7kX8mhhQ7e_y

  •  中島みゆきさんネタを差し込んだ処で、私は彼女の「地上の星」が涙が出る程好きなんです。魂が共鳴します。<br /><br /> 「皆、空(欧米)ばかり見てる」なら、私は空に旅する必要はありません。私は「地上の星」を見つけたくて旅しています。偏見を持たれ、誤解され、時に恐れられ、そして忘れられた、それでいて光る事を忘れない、イスラーム圏に眠る「地上の星」を、訪れたくて、伝えたくて、旅を続けています。<br /><br /> 中島みゆきさん、素敵な歌をありがとう!<br /><br />https://youtu.be/v2SlpjCz7uE?si=DokWq_eBcYXMfqAs

     中島みゆきさんネタを差し込んだ処で、私は彼女の「地上の星」が涙が出る程好きなんです。魂が共鳴します。

     「皆、空(欧米)ばかり見てる」なら、私は空に旅する必要はありません。私は「地上の星」を見つけたくて旅しています。偏見を持たれ、誤解され、時に恐れられ、そして忘れられた、それでいて光る事を忘れない、イスラーム圏に眠る「地上の星」を、訪れたくて、伝えたくて、旅を続けています。

     中島みゆきさん、素敵な歌をありがとう!

    https://youtu.be/v2SlpjCz7uE?si=DokWq_eBcYXMfqAs

  •  釜戸が設けられていました。

     釜戸が設けられていました。

  •  窓の外には断崖絶壁の絶景が。

     窓の外には断崖絶壁の絶景が。

  •  釜戸take2。此方は多少崩壊してしまっています。

     釜戸take2。此方は多少崩壊してしまっています。

  •  断崖絶壁に貼り付く様に築かれたクサール。眺めが良くて羨ましいな!と感じてしまいますが、同じ様に断崖絶壁の上に聳えるスペイン、アンダルシアのロンダにせよ、アドリア海に浮かぶ様に佇むクロアチアの街々も、防衛の為に生まれたもので、呑気な感想を抱くのは、旅人だけだったかもしれません。

     断崖絶壁に貼り付く様に築かれたクサール。眺めが良くて羨ましいな!と感じてしまいますが、同じ様に断崖絶壁の上に聳えるスペイン、アンダルシアのロンダにせよ、アドリア海に浮かぶ様に佇むクロアチアの街々も、防衛の為に生まれたもので、呑気な感想を抱くのは、旅人だけだったかもしれません。

  •  彩色を施されないクサールは、周辺の石材により築かれる為、まるで保護色の役割を果たし、遠くから眺めれば、周囲の自然と一体化してしまいます。

     彩色を施されないクサールは、周辺の石材により築かれる為、まるで保護色の役割を果たし、遠くから眺めれば、周囲の自然と一体化してしまいます。

  •  壁に小物を置く事が出来るスペースを設ける事は、イスラームの家では良く見られる手法です。

     壁に小物を置く事が出来るスペースを設ける事は、イスラームの家では良く見られる手法です。

  •  建築は石材を積む事で築かれていますが、屋根は木材が利用されています。此方は椰子の木。

     建築は石材を積む事で築かれていますが、屋根は木材が利用されています。此方は椰子の木。

  •  此方はオリーブの木が利用されています。椰子から採れるデーツとオリーブ油は、リビアに暮らす人々にとって、とても重要な産物の両横綱です。

     此方はオリーブの木が利用されています。椰子から採れるデーツとオリーブ油は、リビアに暮らす人々にとって、とても重要な産物の両横綱です。

  •  門構えの上部に施されるレリーフです。後日訪れるローマ遺跡のアーチにも同じレリーフを見つけ驚きました。美しい技術は民族を超えて受け継がれていくのでしょう。

     門構えの上部に施されるレリーフです。後日訪れるローマ遺跡のアーチにも同じレリーフを見つけ驚きました。美しい技術は民族を超えて受け継がれていくのでしょう。

  •  一件一件、興味津々お邪魔させて頂き、往時の人々の暮らしに想いを馳せました。崖の上から、数珠繋ぎとなって崖を登るキャラバンを見つけては、<br /><br />「商売相手が来たぞぉ!」<br /><br /> と、出迎える準備に大わらわになっていたかもしれません。

     一件一件、興味津々お邪魔させて頂き、往時の人々の暮らしに想いを馳せました。崖の上から、数珠繋ぎとなって崖を登るキャラバンを見つけては、

    「商売相手が来たぞぉ!」

     と、出迎える準備に大わらわになっていたかもしれません。

  •  モスクのミナレットは、礼拝の時を伝えると共に、見張りの役割も果たした事でしょう。

    イチオシ

     モスクのミナレットは、礼拝の時を伝えると共に、見張りの役割も果たした事でしょう。

  •  オリーブ油を精製する石臼がありました。

     オリーブ油を精製する石臼がありました。

  •  しっかりスペアも用意されています。

     しっかりスペアも用意されています。

  •  奥には、ロープを巻き上げるドラムが設置されていました。

     奥には、ロープを巻き上げるドラムが設置されていました。

  •  そしてこの木の棒がグルグルと回転して…。何やら大掛かりな仕掛けの装置です。

     そしてこの木の棒がグルグルと回転して…。何やら大掛かりな仕掛けの装置です。

  •  崖の上のポニョならぬ、崖の上のクサールを堪能しました。

     崖の上のポニョならぬ、崖の上のクサールを堪能しました。

  •  断崖絶壁を九十九折りの道路を伝って下界へと降り、次なるクサールを目指します。<br /><br />https://youtu.be/72UFDgveRFc?si=YG1VW9Un4duVV2dl

     断崖絶壁を九十九折りの道路を伝って下界へと降り、次なるクサールを目指します。

    https://youtu.be/72UFDgveRFc?si=YG1VW9Un4duVV2dl

  •  こんな荒涼とした断崖絶壁の上下に、一定の間隔でクサールが存在します。何故この断崖絶壁にクサールが築かれたのでしょう?

     こんな荒涼とした断崖絶壁の上下に、一定の間隔でクサールが存在します。何故この断崖絶壁にクサールが築かれたのでしょう?

  •  ガダミスにて、トランスサハラ交易を語りました。地中海を渡り、トリポリに齎された交易品は、ガダミスを目指しサハラ砂漠に向かいます。一方サハラ砂漠を渡り旅を続けた隊商はガダミスを経由しトリポリを目指します。その両者が、どのルートを辿っても、突き当たる事になるのが、この断崖絶壁ジャベル・ナフサです。

     ガダミスにて、トランスサハラ交易を語りました。地中海を渡り、トリポリに齎された交易品は、ガダミスを目指しサハラ砂漠に向かいます。一方サハラ砂漠を渡り旅を続けた隊商はガダミスを経由しトリポリを目指します。その両者が、どのルートを辿っても、突き当たる事になるのが、この断崖絶壁ジャベル・ナフサです。

  •  そんな隊商達の行く手を阻んだ断崖絶壁の上下にクサールを構える事で、隊商達にとっては旅支度を整える格好の拠点となり、クサールに暮らす人々にとっては、隊商達が落とす資金が繁栄の源になった事でしょう。<br /><br /> こうして、リビアの荒野の中で、断崖絶壁、即ちジャベル・ナフサにクサールが集中する事になった、即ちジャベル・ナフサのクサール群は、キャラバン達の道の駅だったのです。

     そんな隊商達の行く手を阻んだ断崖絶壁の上下にクサールを構える事で、隊商達にとっては旅支度を整える格好の拠点となり、クサールに暮らす人々にとっては、隊商達が落とす資金が繁栄の源になった事でしょう。

     こうして、リビアの荒野の中で、断崖絶壁、即ちジャベル・ナフサにクサールが集中する事になった、即ちジャベル・ナフサのクサール群は、キャラバン達の道の駅だったのです。

  •  本日訪れる3つ目のクサールは、クサール(カスル)アル・ハッジです。

     本日訪れる3つ目のクサールは、クサール(カスル)アル・ハッジです。

  •  かなり大規模なクサールで、見学出来なかったゾーンも含めると、かなりのボリュームのクサールと感じました。

     かなり大規模なクサールで、見学出来なかったゾーンも含めると、かなりのボリュームのクサールと感じました。

  •  隊商達の隊商宿もありました。トリポリから訪れた隊商達が。これから登らなければならない断崖絶壁を目前にして、溜息をつき、ガダミスから断崖絶壁を下り切った溜息達が安堵に浸る。そんな光景が目に見える様です。

     隊商達の隊商宿もありました。トリポリから訪れた隊商達が。これから登らなければならない断崖絶壁を目前にして、溜息をつき、ガダミスから断崖絶壁を下り切った溜息達が安堵に浸る。そんな光景が目に見える様です。

  •  只、保存状態は、余り良くはありません。だけど、そんな有りの儘の姿が良いのかもしれません。外貨獲得が難しい国では、観光客が増加すると、インバウンドからの収入欲しさに過剰な修復が行われたり、余計なオブジェが加えられたり、景観がガラリと変わってしまうケースも多々あります。

     只、保存状態は、余り良くはありません。だけど、そんな有りの儘の姿が良いのかもしれません。外貨獲得が難しい国では、観光客が増加すると、インバウンドからの収入欲しさに過剰な修復が行われたり、余計なオブジェが加えられたり、景観がガラリと変わってしまうケースも多々あります。

  •  観光客が変えてしまうものは景観だけではありません。リビアの人々は、敬虔なムスリムで、ユルユルの私からすると、生真面目なタイプが多いです。それなのに、お隣の国なのに、同じアラブ人なのに、お隣のエジプト人は、世界三大ウザい人に挙げられる程、癖の強い人々です。<br /><br /> 何がリビア人とエジプト人をこうも変えてしまったのか?それは間違い無く観光客です。カダフィ政権、そして紛争と、観光客に殆ど晒される事の無かったリビア人。一方、観光公害と言う言葉が生まれるずっと以前より、観光公害に晒され続けたエジプト人。観光客は、人の気質さえ変化させてしまうのです。<br /><br /> そんな観光公害に太刀打ちする内にウザい人に覚醒せざる得なかったのでしょう。観光客は、その国の人の気質さえ変えてしまうのです。否、インバウンドは人の気質だけに留まらず、その国の人々を駆逐してしまう危険性も孕みます。<br /><br /> 世界の富裕層に大人気のハワイでは、富裕層の投資が集まった結果、物価が高騰、特に地代の高騰が著しく、観光業など低賃金の仕事に多く従事する、本来のハワイのロコ達が生活出来なくなり、ハワイを去らねばならないケースが頻発していると言います。日本も対岸の火事では無く、ニセコや沖縄の離島で、そんな傾向が強まっています。こうなってくると、インバウンドでは無く、インベーダーの領域です。<br /><br /> つまり、過剰なインバウンドは、インベーダーに繋がると言う事です。ハワイのロコが消えたハワイを、ハワイと呼べますか?世界の富裕層しか暮らす事が出来なくなった東京を、故郷と呼べますか?<br /><br />高市さん、小野田さん、頼りにしています。<br /> 

     観光客が変えてしまうものは景観だけではありません。リビアの人々は、敬虔なムスリムで、ユルユルの私からすると、生真面目なタイプが多いです。それなのに、お隣の国なのに、同じアラブ人なのに、お隣のエジプト人は、世界三大ウザい人に挙げられる程、癖の強い人々です。

     何がリビア人とエジプト人をこうも変えてしまったのか?それは間違い無く観光客です。カダフィ政権、そして紛争と、観光客に殆ど晒される事の無かったリビア人。一方、観光公害と言う言葉が生まれるずっと以前より、観光公害に晒され続けたエジプト人。観光客は、人の気質さえ変化させてしまうのです。

     そんな観光公害に太刀打ちする内にウザい人に覚醒せざる得なかったのでしょう。観光客は、その国の人の気質さえ変えてしまうのです。否、インバウンドは人の気質だけに留まらず、その国の人々を駆逐してしまう危険性も孕みます。

     世界の富裕層に大人気のハワイでは、富裕層の投資が集まった結果、物価が高騰、特に地代の高騰が著しく、観光業など低賃金の仕事に多く従事する、本来のハワイのロコ達が生活出来なくなり、ハワイを去らねばならないケースが頻発していると言います。日本も対岸の火事では無く、ニセコや沖縄の離島で、そんな傾向が強まっています。こうなってくると、インバウンドでは無く、インベーダーの領域です。

     つまり、過剰なインバウンドは、インベーダーに繋がると言う事です。ハワイのロコが消えたハワイを、ハワイと呼べますか?世界の富裕層しか暮らす事が出来なくなった東京を、故郷と呼べますか?

    高市さん、小野田さん、頼りにしています。
     

  •  観光客は口さがないものです。やれ、観光ズレしているだの、テーマパーク化されてるだの…。<br /><br /> いえいえ、それは貴方達が訪れた結果であり、観光客は少なくとも、そうなってしまった共犯者なのです。旅人はウイルスの様なものであり、旅人が持ち込んだ異質のものは、素朴な現地の景観を一変し、純粋な現地の人々の気質を変えてしまうだけの毒を孕んでいます。<br /><br /> 私の残した足跡に、毒を残さぬ様…自戒を籠めて…旅人の端くれとして。

     観光客は口さがないものです。やれ、観光ズレしているだの、テーマパーク化されてるだの…。

     いえいえ、それは貴方達が訪れた結果であり、観光客は少なくとも、そうなってしまった共犯者なのです。旅人はウイルスの様なものであり、旅人が持ち込んだ異質のものは、素朴な現地の景観を一変し、純粋な現地の人々の気質を変えてしまうだけの毒を孕んでいます。

     私の残した足跡に、毒を残さぬ様…自戒を籠めて…旅人の端くれとして。

  •  いつの日か、リビアに平和が訪れ、観光客が押し寄せた暁には、この静かなクサールに、御土産屋さんが建ち並び、クサールがピッカピカに姿を変えているかもしれません。

     いつの日か、リビアに平和が訪れ、観光客が押し寄せた暁には、この静かなクサールに、御土産屋さんが建ち並び、クサールがピッカピカに姿を変えているかもしれません。

  •  そうなる前に、有りの儘な姿を体験出来た私は、果報者です。

     そうなる前に、有りの儘な姿を体験出来た私は、果報者です。

  •  クサール(集落)の散策を終え、メインとなるカスル(穀物貯蔵庫)に向かいます。

     クサール(集落)の散策を終え、メインとなるカスル(穀物貯蔵庫)に向かいます。

  •  此方が本命の穀物貯蔵庫です。つまり、クサール・アル・ハッジのカスル・アル・ハッジです。ジャベル・ナフサで一番規模が大きく、且つ美しいと言われる穀物貯蔵庫です。

     此方が本命の穀物貯蔵庫です。つまり、クサール・アル・ハッジのカスル・アル・ハッジです。ジャベル・ナフサで一番規模が大きく、且つ美しいと言われる穀物貯蔵庫です。

  •  此処まで来ると、最早チョコザイな要塞を軽く上回る壮観さです。

     此処まで来ると、最早チョコザイな要塞を軽く上回る壮観さです。

  •  やはり内部に入り仰ぎ見れば、紛れも無く穀物貯蔵庫です。全く外観からは想像だに出来ません。

     やはり内部に入り仰ぎ見れば、紛れも無く穀物貯蔵庫です。全く外観からは想像だに出来ません。

  •  見渡せば、圧巻の穀物貯蔵庫です。部屋の数は114室あり、その数はクルアンの章の数と一致します。<br /><br />https://youtube.com/shorts/5pOi6iEwT3s?si=hycfvoM8v4FFURjQ

     見渡せば、圧巻の穀物貯蔵庫です。部屋の数は114室あり、その数はクルアンの章の数と一致します。

    https://youtube.com/shorts/5pOi6iEwT3s?si=hycfvoM8v4FFURjQ

  •  13世紀にアブダッラー・アブ・ジャトラにより建設されたと言われます。「ハッジ」と言う言葉はアラビア語で「マッカへの巡礼」を指す重要な意味を持ちます。クルアンと同じ数を持つ貯蔵庫と言い、敬虔なムスリムが築いたクサール。もしかすると、この地方から、ハッジに旅立つ拠点だったのではないかと推測しました。

     13世紀にアブダッラー・アブ・ジャトラにより建設されたと言われます。「ハッジ」と言う言葉はアラビア語で「マッカへの巡礼」を指す重要な意味を持ちます。クルアンと同じ数を持つ貯蔵庫と言い、敬虔なムスリムが築いたクサール。もしかすると、この地方から、ハッジに旅立つ拠点だったのではないかと推測しました。

  •  四層から成る穀物貯蔵庫は、最上階に登る事が出来ます。お世辞にもしっかりしたものではありませんが、恐る恐る登りました。高所恐怖症なのに、旅が私の背中を押します。冷や汗ものです。

     四層から成る穀物貯蔵庫は、最上階に登る事が出来ます。お世辞にもしっかりしたものではありませんが、恐る恐る登りました。高所恐怖症なのに、旅が私の背中を押します。冷や汗ものです。

  •  そろり、そろりと歩みを進めます。販売用もストックしていたとは言え、穀物貯蔵庫の規模から推察しても、このクサールが大規模のものであった事が窺えます。<br /><br /> この、農業に適さない、この地方に暮らす人々にとって、穀物を奪われると言う事は、生きる糧を失う事であり、商売道具も共に失うと言う事です。自宅なら、破壊されても一ヶ月もあれば、建て替えられる事でしょう。しかし、穀物を奪われたら、少なくとも、次の収穫迄半年はかかってしまいます。

    イチオシ

     そろり、そろりと歩みを進めます。販売用もストックしていたとは言え、穀物貯蔵庫の規模から推察しても、このクサールが大規模のものであった事が窺えます。

     この、農業に適さない、この地方に暮らす人々にとって、穀物を奪われると言う事は、生きる糧を失う事であり、商売道具も共に失うと言う事です。自宅なら、破壊されても一ヶ月もあれば、建て替えられる事でしょう。しかし、穀物を奪われたら、少なくとも、次の収穫迄半年はかかってしまいます。

  •  それにしても、街の中心に据えられたのが、王様が暮らす宮殿では無く、穀物貯蔵庫と言う発想が素敵だと思います。王がいなくても、取り敢えず生きてはいけますが、飯が無くては今日さえ生きてはいけません。

     それにしても、街の中心に据えられたのが、王様が暮らす宮殿では無く、穀物貯蔵庫と言う発想が素敵だと思います。王がいなくても、取り敢えず生きてはいけますが、飯が無くては今日さえ生きてはいけません。

  •  敵襲があって、王様を守る為戦え!との命令が出たら、私は一目散にトンズラしてしまうでしょう。しかし、今晩の夕食の為に戦え!との命令が出たら、私は命懸けで戦うでしょう。食べ物の恨みは恐ろしいんです。<br /><br /> 冗談は、兎も角、集落にとって、一番大切なものを、街の中心に据えて、みんなで守ると言う発想に感動しました。 

     敵襲があって、王様を守る為戦え!との命令が出たら、私は一目散にトンズラしてしまうでしょう。しかし、今晩の夕食の為に戦え!との命令が出たら、私は命懸けで戦うでしょう。食べ物の恨みは恐ろしいんです。

     冗談は、兎も角、集落にとって、一番大切なものを、街の中心に据えて、みんなで守ると言う発想に感動しました。 

  •  では、いったい、クサールの王様なり領主さんは何処に住んでいたのでしょう?ガダミスにしろ、これ迄幾つかのクサールを見てきましたが、領主さんが暮らす様な豪邸や要塞は見かけませんでした。<br /><br /> 私はこれと同じ疑問をアルジェリアのムサブの谷でも感じました。ムサブの谷では、どの集落もイスラームの戒律通りに、どの家屋も均等の大きさに建てられており、それが街の外観を美しいものにしていました。つまり、要塞などのずば抜けて大きな建築は存在しなかったのです。<br /><br /> 共通するのはガダミスも、ジャベル・ナフサのクサール群も、ムサブの谷も、マグレブの内陸部に暮らすベルベル人の集落だと言う事です。

     では、いったい、クサールの王様なり領主さんは何処に住んでいたのでしょう?ガダミスにしろ、これ迄幾つかのクサールを見てきましたが、領主さんが暮らす様な豪邸や要塞は見かけませんでした。

     私はこれと同じ疑問をアルジェリアのムサブの谷でも感じました。ムサブの谷では、どの集落もイスラームの戒律通りに、どの家屋も均等の大きさに建てられており、それが街の外観を美しいものにしていました。つまり、要塞などのずば抜けて大きな建築は存在しなかったのです。

     共通するのはガダミスも、ジャベル・ナフサのクサール群も、ムサブの谷も、マグレブの内陸部に暮らすベルベル人の集落だと言う事です。

  •  これは私の推測に過ぎませんが、マグレブを旅して、読み解けてきた様にも感じます。ムサブの谷も然り、ガダミスも然り、此処ジャベル・ナフサも然り、マグレブの過酷な内陸部に暮らす人々は、厳格にイスラームを信仰してきました。これは特異な事では無く、世界中何処であっても、閉ざされた辺境に暮らす人々の文化は保守的な傾向を持つものです。<br /><br /> マグレブの内陸部に位置するムサブの谷でも、ガダミスでも、イスラームの戒律に厳格に、男女を分離する手段を持っていました。ガダミスに至っては、男性は1階通路を、女性は屋上を歩き、男女の街を歩く動線を分離してしまう程でした。これ程の分離は、地中海沿岸で暮らすアラブ人の街では見られない事です。

     これは私の推測に過ぎませんが、マグレブを旅して、読み解けてきた様にも感じます。ムサブの谷も然り、ガダミスも然り、此処ジャベル・ナフサも然り、マグレブの過酷な内陸部に暮らす人々は、厳格にイスラームを信仰してきました。これは特異な事では無く、世界中何処であっても、閉ざされた辺境に暮らす人々の文化は保守的な傾向を持つものです。

     マグレブの内陸部に位置するムサブの谷でも、ガダミスでも、イスラームの戒律に厳格に、男女を分離する手段を持っていました。ガダミスに至っては、男性は1階通路を、女性は屋上を歩き、男女の街を歩く動線を分離してしまう程でした。これ程の分離は、地中海沿岸で暮らすアラブ人の街では見られない事です。

  •  イスラームの重要な要素の一つに、人類皆平等と言うものがあります。イスラームでは聖職者であっても、権力者であっても、人としては皆平等に扱われます。もしかすると、イスラームを厳格に信仰した、内陸部に暮らすベルベル人達は、家屋の大きさもそれに適応させ、例え領主であったとしても平民と同じ規模の住居で暮らしていたのではないでしょうか?<br /><br /> ガルダイアでもガダミスでも、ジャベル・ナフサでも見つけられなかった、その土地を収めているだろう者の家。私にはその理由がそれ位しか思いつきません。そしてそれが、正しければ、アラブ人でさえ成し遂げられなかった家屋としての平等が、ベルベル人達によって成し遂げられていたと言う事になるのではないでしょうか?<br /><br /> 彼等が厳格に守った平等の精神、その象徴とも言える、街の中心に、均等に設けられた穀物貯蔵庫を眺めれば、その美しさの源は、只単に奇抜なデザインに有らず、この過酷な大地に生きたベルベル人達の生き様にあると、私は感じました。

     イスラームの重要な要素の一つに、人類皆平等と言うものがあります。イスラームでは聖職者であっても、権力者であっても、人としては皆平等に扱われます。もしかすると、イスラームを厳格に信仰した、内陸部に暮らすベルベル人達は、家屋の大きさもそれに適応させ、例え領主であったとしても平民と同じ規模の住居で暮らしていたのではないでしょうか?

     ガルダイアでもガダミスでも、ジャベル・ナフサでも見つけられなかった、その土地を収めているだろう者の家。私にはその理由がそれ位しか思いつきません。そしてそれが、正しければ、アラブ人でさえ成し遂げられなかった家屋としての平等が、ベルベル人達によって成し遂げられていたと言う事になるのではないでしょうか?

     彼等が厳格に守った平等の精神、その象徴とも言える、街の中心に、均等に設けられた穀物貯蔵庫を眺めれば、その美しさの源は、只単に奇抜なデザインに有らず、この過酷な大地に生きたベルベル人達の生き様にあると、私は感じました。

  •  冷や汗を掻きながら地上に戻りました。日本で、こんな建築が出来たら、きっとカプセルホテルになるのでは無いでしょうか?中央の共同スペースには、オープン・カフェがあったりしたら、素敵なカプセルホテルになりそうです。

     冷や汗を掻きながら地上に戻りました。日本で、こんな建築が出来たら、きっとカプセルホテルになるのでは無いでしょうか?中央の共同スペースには、オープン・カフェがあったりしたら、素敵なカプセルホテルになりそうです。

  •  過酷な大地を生き抜く為に、ベルベル人達が編み出した、奇想天外な穀物貯蔵庫を堪能しました。

     過酷な大地を生き抜く為に、ベルベル人達が編み出した、奇想天外な穀物貯蔵庫を堪能しました。

  •  折角断崖絶壁を下ったのに、もう一度断崖絶壁を登って、最後の目的地を目指します。

     折角断崖絶壁を下ったのに、もう一度断崖絶壁を登って、最後の目的地を目指します。

  •  向かうはジャベル・ナフサの東端に位置するガリアンと言う街。ガイドさんに言われないと気付かないけれど、あちら此方に開いてるわ!開いてるわ!地面に大きな穴があっちこっちに開いています。

     向かうはジャベル・ナフサの東端に位置するガリアンと言う街。ガイドさんに言われないと気付かないけれど、あちら此方に開いてるわ!開いてるわ!地面に大きな穴があっちこっちに開いています。

  •  地面に開いた大きな竪穴を覗いて見れば、其処には、周囲に無数の横穴を持つ住居の中庭になっていました。無数の横穴は、一家族が暮らせる住居となっています。チュニジアのマトマタにある住居と同じ構造です。

    イチオシ

     地面に開いた大きな竪穴を覗いて見れば、其処には、周囲に無数の横穴を持つ住居の中庭になっていました。無数の横穴は、一家族が暮らせる住居となっています。チュニジアのマトマタにある住居と同じ構造です。

  •  現在では、此処に暮らす人は居なくなり、地上に築かれた住居で暮らしていますが、穴は埋められる事無く、倉庫等に利用されています。その内の一つが、観光用に整備されています。

     現在では、此処に暮らす人は居なくなり、地上に築かれた住居で暮らしていますが、穴は埋められる事無く、倉庫等に利用されています。その内の一つが、観光用に整備されています。

  •  竪穴には、緩やかに曲がって降りるスロープを下ります。途中モスクがありました。

     竪穴には、緩やかに曲がって降りるスロープを下ります。途中モスクがありました。

  •  マトマタでは、この不思議な住居がタートゥイン星のバーと言う設定で、スターウォーズに登場しています。

     マトマタでは、この不思議な住居がタートゥイン星のバーと言う設定で、スターウォーズに登場しています。

  •  洞窟住居の中には、横穴が、他の竪穴と、連結されている場合もあり、正に蟻の巣の様な構造を持っています。

     洞窟住居の中には、横穴が、他の竪穴と、連結されている場合もあり、正に蟻の巣の様な構造を持っています。

  •  何故、彼等が蟻の巣の様な住居を築いたのか?それは勿論暑さを凌ぐ故です。渇いた気候のリビアでは、こうする事で、驚く程気温差が生じるのです。

     何故、彼等が蟻の巣の様な住居を築いたのか?それは勿論暑さを凌ぐ故です。渇いた気候のリビアでは、こうする事で、驚く程気温差が生じるのです。

  •  こうした洞窟住居を築いた技術力と、類稀なる発想力は、地下水脈があるオアシスの地。即ち地下に住居を掘る訳にはいかない地形で、蟻の巣では無く、地上に蟻塚を築く要領で、ガダミスと言う、奇想天外な街を造り上げる原動力になった事でしょう。

     こうした洞窟住居を築いた技術力と、類稀なる発想力は、地下水脈があるオアシスの地。即ち地下に住居を掘る訳にはいかない地形で、蟻の巣では無く、地上に蟻塚を築く要領で、ガダミスと言う、奇想天外な街を造り上げる原動力になった事でしょう。

  •  間取りは、思った以上にありますが、イスラーム圏なので、大家族と思われるので、それを考慮すれば、手狭に感じます

     間取りは、思った以上にありますが、イスラーム圏なので、大家族と思われるので、それを考慮すれば、手狭に感じます

  •  一つの穴の一辺に二家族分。4辺で8世帯。私のアパートが8室だから、同じ規模?いやいや、私のアパートは、ワンルームだから、一回りは大きい規模でしょう。

     一つの穴の一辺に二家族分。4辺で8世帯。私のアパートが8室だから、同じ規模?いやいや、私のアパートは、ワンルームだから、一回りは大きい規模でしょう。

  •  チュニジアのマトマタの洞窟住居は、ホテルに改装されて宿泊する事が、出来ます。只、バックパッカー向けの安宿なので、そっけない内装や家具で、私が訪れたジャスミン革命直後はドミトリーなのに、貸し切り状態だったので、独居房に泊まった気がしました。こうして生活感を出すと、グッと暖かみが増します。

     チュニジアのマトマタの洞窟住居は、ホテルに改装されて宿泊する事が、出来ます。只、バックパッカー向けの安宿なので、そっけない内装や家具で、私が訪れたジャスミン革命直後はドミトリーなのに、貸し切り状態だったので、独居房に泊まった気がしました。こうして生活感を出すと、グッと暖かみが増します。

  •  今でこそ、地上には普通の家が建ち並び、穴は目立たなくなってしまいましたが、往時は何も無い荒野の所々に大穴が、あちら此方に開いている光景を想像すると、さぞ不思議な光景であった事でしょう。

     今でこそ、地上には普通の家が建ち並び、穴は目立たなくなってしまいましたが、往時は何も無い荒野の所々に大穴が、あちら此方に開いている光景を想像すると、さぞ不思議な光景であった事でしょう。

  •  日本で洞窟住居を作ったら、年に数度は地底湖になってしまう事でしょう。渇いていて酷暑のこの地方だから生まれた発想。事なる環境が、我々には思いつきもしない住環境を生み出しました。

     日本で洞窟住居を作ったら、年に数度は地底湖になってしまう事でしょう。渇いていて酷暑のこの地方だから生まれた発想。事なる環境が、我々には思いつきもしない住環境を生み出しました。

  •  それは住環境に留まらず、思想、宗教、政治…人が生きる全ての事柄に当てはまります。それは時に我々の理解の範疇の想像を遥かに上回ります。だからこそ、如何にその様な構造が出来上がった歴史、そして環境を読み解くこそ、理解への第一歩と考えています。

    イチオシ

     それは住環境に留まらず、思想、宗教、政治…人が生きる全ての事柄に当てはまります。それは時に我々の理解の範疇の想像を遥かに上回ります。だからこそ、如何にその様な構造が出来上がった歴史、そして環境を読み解くこそ、理解への第一歩と考えています。

  •  そろそろお暇致します。お邪魔させて頂きました。

     そろそろお暇致します。お邪魔させて頂きました。

  •  沢山のリビアの国旗が飾られていました。様々な国を訪れましたが、リビアの様に、分裂状態に陥っている国や、様々な理由で、国に危機状態にある国では、掲げられる国旗の数が増える傾向があります。

     沢山のリビアの国旗が飾られていました。様々な国を訪れましたが、リビアの様に、分裂状態に陥っている国や、様々な理由で、国に危機状態にある国では、掲げられる国旗の数が増える傾向があります。

  •  漆喰で塗り固められた緩くカーブするスロープを登って、地上に登ります。

     漆喰で塗り固められた緩くカーブするスロープを登って、地上に登ります。

  •  地上には、結構立派な新市街が広がっています。

     地上には、結構立派な新市街が広がっています。

  •  再び、断崖絶壁を下り、トリポリに帰ります。

     再び、断崖絶壁を下り、トリポリに帰ります。

  •  トリポリも近くなる頃、車窓の奥に陽が傾いていきます。ドライバーさん、頑張ってくれました。あとひと頑張りして、トリポリの渋滞を掻い潜ります。

     トリポリも近くなる頃、車窓の奥に陽が傾いていきます。ドライバーさん、頑張ってくれました。あとひと頑張りして、トリポリの渋滞を掻い潜ります。

  •  日の出から日没迄、ガダミスからトリポリ迄、ジャベル・ナフサのクサールを巡りながら旅をしました。ベルベル人の文化を堪能した一日になりました。

     日の出から日没迄、ガダミスからトリポリ迄、ジャベル・ナフサのクサールを巡りながら旅をしました。ベルベル人の文化を堪能した一日になりました。

  •  ガダミスや、ジャベル・ナフサを旅してトリポリに戻れば、まるで別世界の大都会。

     ガダミスや、ジャベル・ナフサを旅してトリポリに戻れば、まるで別世界の大都会。

  •  部屋もバッチリです。

     部屋もバッチリです。

  •  本日の夕食は、なんと地中海のシーフードです。海が目の前なので美味しいに決まってます。ピザが2連チャンだったので、テンション・マックスです。

     本日の夕食は、なんと地中海のシーフードです。海が目の前なので美味しいに決まってます。ピザが2連チャンだったので、テンション・マックスです。

  •  ドライバー兼ガイドさん、セキュリティ・ポリスの2人はシーフード・パスタをチョイス。カニや海老が入った大盛りパスタです。ユダヤ人正統派は鱗の無い魚は食べられ無いので、カニも海老も食べられませんが、ムスリムは大丈夫な様で、タコも食べると言っていました。でも生魚がNGなので、寿司は食べられないそうです。

     ドライバー兼ガイドさん、セキュリティ・ポリスの2人はシーフード・パスタをチョイス。カニや海老が入った大盛りパスタです。ユダヤ人正統派は鱗の無い魚は食べられ無いので、カニも海老も食べられませんが、ムスリムは大丈夫な様で、タコも食べると言っていました。でも生魚がNGなので、寿司は食べられないそうです。

  •  で、私は普通のパスタを頼んだのですが…マカロニじゃないですか!確かにマカロニもパスタですが、それを言ったらクスクスだってパスタです。嗚呼麺類食べたかったのに…。

     で、私は普通のパスタを頼んだのですが…マカロニじゃないですか!確かにマカロニもパスタですが、それを言ったらクスクスだってパスタです。嗚呼麺類食べたかったのに…。

  •  気を取り直して、真打ち登場!自分で、今日捕り立ての店に並べられた魚の中から指差して、それを焼いて貰います。シンプルな塩焼き、でもそれが良い、ヤッパ焼き魚は塩焼きに限ります。地中海の魚を一番好きな調理法で食べられて大満足です。パスタじゃなくて白飯だったら最高だけど、イタリア仕込みのパスタ(マカロニだけど…)で食べる塩焼きも乙なものです。<br /><br />最後迄ご覧になってくださり、ありがとうございます。

     気を取り直して、真打ち登場!自分で、今日捕り立ての店に並べられた魚の中から指差して、それを焼いて貰います。シンプルな塩焼き、でもそれが良い、ヤッパ焼き魚は塩焼きに限ります。地中海の魚を一番好きな調理法で食べられて大満足です。パスタじゃなくて白飯だったら最高だけど、イタリア仕込みのパスタ(マカロニだけど…)で食べる塩焼きも乙なものです。

    最後迄ご覧になってくださり、ありがとうございます。

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