2024/04/14 - 2024/04/14
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j-ryuさん
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★今年も春らんまんの涌井の清水を黄色く染めるリュキンカを
見に行ってきました。
この春は既に矢吹町三十三観音史跡公園のリュウキンカを
ご覧いただきましたが、
涌井の清水には貴重な野生のままのリュウキンカが群生しています。
福島県でもTOPクラスの大きな群生ですが、
あまり知られていない事もあり、
平日ならいつ行っても貸し切り状態です。
野生のリュウキンカですが国道294号から車で5分とかからず、
大きな駐車場も整備され、こんな楽チンに見られる
リュウキンカの群生地はそうそうありません。
毎年紹介しているので人気が出て混雑したら自爆行為かもと、
心配していますが、それは毎年杞憂に終わっています。
ようするに私の旅行記そのものも、認知不足ってことですね(^-^;。
詭弁ぽいですがオーバーツーリズムになるよりは良いかも。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
◆涌井の清水へのルートマップ。
※Google Mapに加筆。
https://www.google.com/maps/@37.2871358,140.113621,10104m/data=!3m1!1e3
福島県天栄村の涌井の清水へは国道294号線が羽鳥湖方面と猪苗代湖方面に分岐する八十内集落の少し手前の京谷原集落を目指します。
京谷原集落に入ると防火用水のある分岐路に涌井の清水への看板があるので、それに従い500mくらい進むとダートの無料駐車場(約15台分)あがり、その右奥手が涌井の清水です。
トイレはありません。 -
◆涌井の清水への拡大ルートマップ。
※Google Mapに加筆。
https://www.google.com/maps/@37.2871358,140.113621,10104m/data=!3m1!1e3 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
駐車場から左手(南)に砂利道を10mほど進むと涌井の清水が見えてきます。
清水と言うと山肌から湧き出していたり、
小さな泉から湧き出しいているようなイメージかと思いますが、
涌井の清水は沼状の底から湧き出す湧水と
裏山から流れ込んでくる湧水の”せせらぎ”が流れ込み
面積約500㎡ほどの清らかな沼で出来ています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
涌井の清水の入口案内板では
涌井の清水は、湧水量毎分2,200L、面積約500㎡と言われ、
水底から途切れることなく砂が浮き上がる様子は神秘的で、
日照りで降雨の少ない気候でも水量に変わりなく、魚も生息し、
昔から魚を獲ったり、池をかき回すと洪水となって襲ってくると言い伝えられ、
人々から恐れられていました。
と、ありますが
私の印象では魚はそう多いとは言えないと思います。
大きなニジマスがいますがこれは在来種では無いので
誰かが放流しのだと思われます。
他には桜咲く頃にハヤが小川から遡上してきます。
当地では一般的に「ハヤ」と呼ばれていますがハヤとは
ウグイ、アブラハヤ、タカハヤ、オイカワ、ヌマムツ、カワムツなどの
総称だそうで涌井の清水のハヤの固有名は分かりません。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
たぶん虹鱒だと思います。
本来はいるはずの無い魚なので
誰かが放流したのでしょう。
増えている様子はないので今の所は大きな問題は
起きていませんが、
ニジマスにせよ、バスやブルーギルにせよ
外来種の放流はやめて欲しいとおもいます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
涌井に清水南岸に沿って細い道を進むと
真新しい神社(涌湯御前神社)があります。
昨年の今頃は壊れかけた古い社でしたが
ようやく新しい社に建て替えられました。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
その昔、成務天皇のころ(4世紀半ば)、
この沼に住む大蛇が水を湯の如く熱し人々に害を与えるので、
この池を治めた石背国造初代の建美依米命がこれを憂え、
涌湯御前神社を祀り、人々の平和を願ったといわれています。
江戸時代には、この沼が雨乞いの霊地として領主の白河藩主の耳にも入り、
慶安元年(1648年)の大早魃のときに藩主榊原忠次の命により、
また、宝永元年(1704年)の旱魃には
藩主松平基知らが領民を救済するために、大祈祷を行わせた記録があります。
(案内板より) -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
これが建て替え前の古い社(涌湯御前神社)です。(2023/04/03 撮影)
創建は成務天皇のころ(4世紀半ば)と言われますが
さすがにこの社は土台がコンクリートブロックなので
そう古くは無いと思います。
ただ痛みが激しくかなりみすぼらしかったので
見るに見かねて建て替えたのでしょう。
ただ神社とは言え宗教施設を村が建てるわけにはいかないので
地元民の寄付で新築したのでしょう。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
こちらが上記涌湯御前神社の裏山で”せせらぎ”の
源流となる清水が湧き出していてる山なんですが
なんと今回、森が伐採されていました。
この森は原生林ではなく杉が植林された森だったので
いつかは伐採される運命だったと思いますが
突然だったので驚きました。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
湧水している場所から小さなせせらぎとなって
涌井の清水に流れ込んでいます。
せせらぎ沿いにはリュウキンカが自生していますが
こんなに急激に森を伐採して大丈夫だろうかと
心配になります。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
こののせせらぎが
この写真右奥の方で涌井の清水に流れ込んでいます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
この写真の上部が伐採された森で
せせらぎは途中一旦地中に潜りリュウキンカが群生する手前で
再び地上に顔を出します。
自然の暗渠なのか、人工的に暗渠にされたのかは分かりません。
でも、30年くらい前
このリュウキンカの群生する湿地部分には
見学用のウッドデッキがあったので
一部を暗渠にしたのかも知れません。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
この写真上が奥山で湧水からの”せせらぎ”が流れてきます。
涌井の清水に注ぐ手前が湿地状になっていて
この辺りにリュウキンカが一番多く群生しています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
-
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
◎リュウキンカ((立金花/キンポウゲ科リュウキンカ属)は
本州~九州の山あいの湿地や沼地に自生し、
光沢のある黄色い花はまさに金のごとく華やかで
山野草の中でも一際存在感のある花です。
ハナビラに見えるのは萼片(がくへん)で、
これはキンポウゲ科の花に
多くみられる特徴です。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
-
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
リュウキンカは高地や冷涼な気候を好みますが
涌井の清水の標高は400mと高地とは言い難いです。
でも常に冷涼な湧水が流れているので
これだけの群生を形成するのは
リュウキンカにとっては居心地のいい楽園なのでしょう。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
湿地の所々にはミズバショウ(水芭蕉)も咲いていました。
◎ミズバショウ(水芭蕉/サトイモ科ミズバショウ属)は
主にシベリア東部、サハリン、千島列島、カムチャッカ半島と
日本では北海道(エゾノリュウキンカ)と中部地方以北の湿地に自生します。
白い花びらのように見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)で実際の花は
真ん中の円柱状の花序に小さな花がたくさん集まっています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
-
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
なので水芭蕉の本来の満開は円柱状の花序の
小さな花が満開になった時ですが
見た目的には仏炎苞が大きく展開し
円柱状の花序が蕾の時の方が仏炎苞の白さが際立ち
花序が満開の時より美しいと思います。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
-
☆2019/6/23(日) ポルドイ峠 (標高: 2,239 m)
◎カルタ・パルストゥリス(キンポウゲ科リュウキンカ属)
5年前に訪れたイタリア・ドロミテのポルドイ峠の湿地でも
リュウキンカの群生が見られました。 -
☆2019/6/23 イタリアアルプス・ドロミテ/ポルドイ峠
◎カルタ・パルストゥリス(キンポウゲ科リュウキンカ属)
近くで見ると日本のリュウキンカより一つ一つの花が少し大きく
北海道に自生するエゾノリュウキンカに似た印象です。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
涌井の清水は森に囲まれているので
優しい”せせらぎ”の水音にウグイスなど野鳥のさえずりがこだまし
マイナスイオンとナチュラルサウンドに満たされた
まさにヒーリングのサンクチュアリ。
目的は写真撮影ですが撮影している間に
知らず知らずのうちに癒され
いつしか清らかな自然に抱かれています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
リュウキンカ咲く湿地を跨いで横たわる大きな倒木があります。
倒れた当時はかなり目障りでしたが、
今は風化してきたので以前ほどの違和感はなくなりました。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
この湿地を跨ぐ倒木を私は丸太橋代わりに利用し
倒木の上からリュウキンカを撮影しています。
あくまで丸太で安定感は無いので
渡る場合は十分ご注意を。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
湿地植物はたくさんありますが
ここに自生しているのは何故か9割がリュウキンカで
残りがミズバショウです。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
他の湿地植物が侵出して来ないのは
恐らくこの湿地が森に囲まれあまり陽当たりが良くないからでは
ないかと想像しています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
湿地植物の多くは水分は当然のこと陽射しも好むので
涌井の清水の湿地部分はおそらく陽射しが足りないので
生えている植物が限定的なのではないかと思われます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
明るい湿地は様々な湿地植物の楽園ですが
しだいに葦や芦が進出しやがて陸地化することもあります。
でも涌井の清水は森に囲まれ半日陰状態。
半日陰だと葦や芦は進出できません。
できたとしても拡大増殖は難しいでしょう。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
せせらぎ沿いに灌木は何本か生えてはいますが
以前とくらべてもさほど大きくはなっていません。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
このせせらぎにも見た限り魚類は生息していません。
おそらく水量が少ないし源泉までの距離が短く
今回、森が伐採されるまで薄暗い環境だったので
魚類が好む条件が揃っていなかったのでしょう。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
では放流されたと思われる虹鱒は別としても
「ハヤ」は涌井の清水が流出する小川を遡って
清水にやってくるのだと思われます。
流出する小川は最終的には釈迦堂川に注ぎます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
春先は森の葉がまだ茂っていないので
明るい印象の清水や湿地ですが
夏にむかって段々日陰が多くなってきます。
リュウキンカは冬から春は明るい湿地が好きですが
夏場は半日陰でも大丈夫なので
葦や芦に勝てているのだと思います。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
キンポウゲ科の中にはニリンソウやユキワリソウ、キクザキイチゲ、
アズマイチゲのように雨や雪が降ったり気温が極端に下がったりすると
ハナビラ(萼片)が閉じたり、半閉じになる種がけっこう多いのですが、
リュウキンカは一度開花すると花が散るまでずっと咲きっ放しなので
撮影する側としては天気や時間帯を気にしなくて大丈夫なので
助かります。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
一部の地方ではリュウキンカの若葉を谷地蕗と言って
山菜として食べるようですが
当地では自生地が限定的なこともあり食べる習慣は聞いたことがありません。
でもリュウキンカはアルカロイド系の毒性があるので
基本的には食べない方が無難かも。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
つい先日は札幌で山菜のギョウジャニンニクとイヌサフランを
間違って食べ2人の方が亡くなられました。
この周辺の山にはギョウジャニンニクは自生していないし、
ましてや山の中に園芸種のイヌサフランなどあろうはずもないので
誤食のしようがありませんが、
家庭菜園に有毒な水仙やイヌサフランなどは
ニラと間違い易いので絶対植えてはいけません。
もし見た目で分からなかったら匂いを嗅げば一目瞭然です。
ニラやギョウジャニンニクの葉を少し傷つけると
明らかにニンニク臭がしますが
スイセンやイヌサフランには匂いらしい匂いはしません。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
涌井の清水近くの農家のお婆ちゃんから聞いた話では
以前は涌井の清水の他にも田んぼの畦や谷地でも見られたので
ヤジバナ(谷地花)と呼んでいたそうです。
ヤジバナと言う表現は全国的にありその植物はリュウキンカとは
限らないようです。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
ミズバショウの葉は大分大きくなってしまいましたが
花は今がちょうど見頃です。
ミズバショウの実際の花は白い苞の中のこん棒のような部分で
ここに細かな花がびっして咲きます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
リュウキンカは花期が比較的長い部類で
小さな花が次々に咲き出すので
咲き始めから完全に散るまで約1か月くらいは楽しめます。
今回はこれほぼ満開状態です。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
ミズバショウも実際の花は今が見頃なんですが
花が見頃になる頃は葉っぱも大きくなるので
白い苞(仏炎苞)が目立ち
花が蕾の頃の方が見栄えがします。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
ここにも倒木があり、まだ細かい枝が残っているので
まだ目障り感があります。
あと5,6年も経てば細かい枝はくちてくるので
今よりはスッキリしてくると思います。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
この辺りは”せせらぎ”が清水に合流する辺りの湿地部分です。
この辺りは比較的陽当たりが良い場所なので
リュウキンカの花が終わるとツリフネソウやミゾソバが
繁茂しリュウキンカは茂みに隠れてしまいます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
この辺りは山から流れ込む”せせらぎ”が少しずつ土砂も運ぶせいか
以前より土砂が溜り湿地部分が広がった感じがします。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
清水状の沼に少しずつ土砂が堆積すると
この辺りは明るいので他の湿地植物も侵出してきます。
近年気になるのは外来植物であるクレソンがかなり繁茂していることです。
クレソンが繁茂すると清水に強靭な根が張り巡らされ
ますます土砂が堆積しやすくなり、湿地部分が増えてしまいます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
湿地部分が少しくらい増えても日陰なら他の湿地植物は侵出できませんが
明るい湿地には外来種のクレソンをはじめドクゼリ、ツリフネソウ、
ミゾソバなどが増え始め、さらに土砂が堆積すれば厄介な葦も侵出する
恐れがあります。
葦が一度進出してしまうと駆除は容易ではありません。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
ツリフネソウなどの在来種はともかく、
外来種であるクレソンは駆除するなり、
山菜として採取しないと現在の涌井の清水が
劇的に小さくなる恐れがあります。
実際、清水の涌湯御前神社側はかなり葦が侵出し
景観も悪くなっています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
涌井の清水の南岸は水芭蕉が一番多く自生しているポイントです。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
東岸から南岸のミズバショウの多いポイントを
ズーム撮影してみました。
何年か前にはイノシシノの食害がかなり出ましたが
今年は無事なようです。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
清水の中の朽ちかけた水没樹の株にリュウキンカが咲いています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
写真左手は涌井の清水本体で
さらに奥の森影に涌湯御前神社があります。
写真右手から山からの”せせらぎ”が清水本体に注ぎ込んでいます。
この注ぎ込む周辺の湿地化が心配されます。
緑の絨毯のような部分がクレソンやドクゼリで
湿地部分が増え清水の流出部分が年々狭くなり
清水本体に浮かんだ落葉や花殻などが中々流出できずに滞留し
清水の美観を損ねています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
南岸から見た北岸のリュウキンカと水辺に繁茂するドクゼリです。
清水の水は写真右手に流れ出しています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
朽ちた水没樹の株に咲くリュウキンカ。
どうしてこんな場所に生えてきたのでしょう?
花を咲かせるくらいなので
リュウキンカにとってここが居心地がいい場所であることには
間違いありませんが
どのようにして生えてきたのでしょう? -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
リュウキンカは種ができて充実すると莢が弾けて
周囲に種が飛び条件が良ければ発芽しますが
この水没樹のすぐそばにリュウキンカは咲いていないので
種が飛んできたとは思えないし、
種は野鳥が啄む前に弾け飛ぶので野鳥の糞に混じって
ここで発芽したとも考えにくいし・・・ -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
一番有力なのは流されてきた種が水没樹の根本の苔などに引っ掛かり
そこで芽生えた可能性が高いような気がします。
ただリュウキンカの種が水散布型なのかどうかは不明です。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
リュウキンカは多年草なので、この水没樹の上で何年かは
花を咲かせますが、種がこの水没樹の上にこぼれ発芽し
世代交代しないと、多年草とは言え樹木のように数十年も
生きるわけではないのでやがて消えてしまいます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
南岸のミズバショウです。
ミズバショウのイメージ通り、
清らかな流れに咲いているので絵になるポイントです。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
清らかな水と水芭蕉&リュウキンカのコラボは
誰がみても心安らぐ光景だと思います。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
ミズバショウは上記写真のように清らかな流れに咲くイメージですが
実際は土壌が湿っていれば水は流れていなくても大丈夫です。
むしろ湿地状の方が水の中より根の呼吸も栄養も取りやすいので
好条件だと思います。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
-
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
4,5年前だったらこの辺りのミズバショウが動物に食い荒らされたことが
あり、その年はあまり花が咲きませんでした。
ツキノワグマもミズバショウの新芽を食べるようですが
土壌まで掘り起こされていたので、ミミズも狙うイノシシの仕業かなと
思われます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
福島原発事故後にイノシシが急激に増えたことがありましたが
何故か5,6年前ほどは見かけなくなりました。
やはりこの辺の気候はイノシシにとっては厳しいのかも。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
◎ミスバショウ(水芭蕉/サトイモ科ミズバショウ属)
ミズバショウは主にシベリア東部、
サハリン、千島列島、カムチャッカ半島と
日本では北海道(エゾノリュウキンカ)と中部地方以北の湿地に自生します。
白い花びらのように見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)で実際の花は
真ん中の円柱状の花序に小さな花がたくさん集まっています。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
増え方は株が増殖したり夏場に成熟した種がこぼれ
周辺で発芽したり流れに乗り辿り着いた場所で発芽したりします。
小川にそって多く自生しているのは
種が水散布されて増殖したからだと思われます。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
水芭蕉は野生種が1種あるだけで
園芸種さえありません。
近縁に茶色い仏炎苞の座禅草があるくらい。
でもぱっと見が同じような水芭蕉ですが
自生地によってけっこう個性があります。
涌井の清水の水芭蕉は最もポピュラーな花だと思います。 -
☆南会津町駒止湿原の双苞の水芭蕉 (※2009/5/26 撮影)
福島県南会津町の駒止湿原(こまどしつげん)には
世界的にも貴重な双苞のミズバショウが群生しています。
通常、水芭蕉の白い仏炎苞は1枚が花序をぐるりと囲んでいますが
なんと駒止湿原の水芭蕉は2枚の仏炎苞が1本の花序を取り囲んでいます。
花序も他所より太いものが多いと思います。 -
☆ザゼンソウ(座禅草/サトイモ科ザゼンソウ属)(※2021/3/21 撮影)
◎ザゼンソウ(座禅草/サトイモ科ザゼンソウ属)
ミズバショウによく似た花にコゲ茶色のザゼンソウ(座禅草)がありますが
色の他に匂いも正反対なんですよ。
ミズバショウは甘くいい香りがするのに、
ザゼンソウは臭い匂いがします(-"-)。
ザゼンソウは北米にも自生地があり
英名がEastern Skunk Cabbage。
北米に白い水芭蕉は自生しておらず
Asian skunk cabbageと呼ばれます。
でも水芭蕉は良い香りがするのにskunk cabbageとは
失礼な命名ですいね(--〆)。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
清水の傍らではショウジョウバカマも花盛りでした。
◎ショウジョウバカマ(猩々袴/メランチュウウム科ショウジョウバカマ属)
ショウジョウバカマは日本全国の低地~高山まで広範囲に分布し、
やや湿った林縁、林床、土手などに自生します。
花色は薄いピンクや濃いピンク、薄紫など自生地でビミョウな違いがあります。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
ショウジョウバカマは晩秋から春にかけては太陽が燦々と当たり、
夏から秋は木漏れ日射す半日陰。
土壌は常に湿り気のある場所を好みます。
資料によってはショウジョウバカマはスプリングエスメラル(春の儚い命)だと
されていますが、ショウジョウバカマの葉は夏でも常緑で休眠することは
ありません。 -
◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
沼状の清水では沼底の至るところからブクブクと湧水しています。
沼底が白っぽい部分は特に湧水量が多いポイントで
頻繁に気泡が湧き上がり水面に波紋が広がります。 -
◆新緑萌える涌井の清水 (※2023/5/9 撮影)
四季折々趣のある涌井の清水ですが
清水そのものとしては新緑が出そろった頃が一番好きです。
漆黒の水面が水鏡になり
周囲の森が写り込む眺めは神秘的でもあります。 -
◆新緑萌える涌井の清水 (※2023/5/9 撮影)
-
◆新緑萌える涌井の清水 (※2023/5/9 撮影)
涌井の清水は森に囲まれているので
比較的風は静かで水面も凪いでいることが多いので
水鏡の写真は撮りやすいと思います。 -
★涌井の清水の山野草
涌井の清水や周辺ではリュウキンカや水芭蕉の他にも
四季折々様々な山野草の花が見られます。 -
★涌井の清水の山野草
左上から
◎フシグロセンノウ◎ハンゴンソウ◎コバギボウシ◎アケボノシュスラン
◎ホタルカズラ◎コオニユリ◎サワオグルマ◎ササバギンラン
◎ツリフネソウ◎ノダケ◎ヤマユリ◎アケボノソウ
◎ハルリンドウ◎オタカラコウ◎チゴユリ◎トリアシショウマ
等々、他にも様々な花が見られます(開花時期はそれぞれ別です)
盗掘は問題外ですが足元の小さな芽や花は踏みつけないよう
御注意下さい。 -
★深々と雪降り埋む涌井の清水
深々と雪降り埋む静寂の涌井の清水も素敵です。
涌井の清水は沼底から常時湧水しているので
厳寒期でも凍ることはありません。
これで◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして、いいねをポチってくれた人には改めて御礼申し上げます。
ではまた。 j-ryu
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◆奥州矢吹宿~三十三観音摩崖仏と春の訪れ
2024/04/05~
西白河・岩瀬
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◆奥州三古関・白河の関~春風吹き抜ける野の花の里
2024/04/11~
白河
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◆リュウキンカに染まる春らんまんの涌井の清水
2024/04/14~
西白河・岩瀬
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◆郡山市湖南町~湿原林の白き貴婦人<ミズバショウ>と魅惑の<青花キクザキイチゲ>を訪ねて
2024/04/15~
郡山
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◆白河・天狗山の春の儚い妖精~ニリンソウの大群落
2024/04/20~
白河
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◆日本最大級のヤマブキソウの楽園~白河・天狗山
2024/05/02~
白河
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◆初夏の猪苗代湖南部で野の花巡礼
2024/05/22~
郡山
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◆日本最大級・天空のヒメサユリ群生地~南会津町・高清水自然公園
2024/06/20~
田島・南会津
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◆あぶくま高地”鮫川村”春呼ぶ戸倉川の福寿草を訪ねて
2025/03/20~
東白川・石川
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◆カタクリに彩られた阿弥陀如来~ 須賀川市舘ヶ岡の摩崖仏
2025/04/11~
須賀川
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◆春うららかな白河の関to白河天狗山で野の花三昧
2025/04/17~
白河
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◆リュウキンカ咲き埋む陽春の涌井の清水~天栄村
2025/04/21~
西白河・岩瀬
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◆可憐な野の花咲く陽春の大滝川渓谷~須賀川市・旧岩瀬村
2025/04/22~
須賀川
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◆湿原林の白き貴婦人<ミズバショウ>が奏でる猪苗代早春符~郡山市湖南町
2025/04/22~
郡山
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◆絶滅危惧種ヤマブキソウの楽園に憩う~白河天狗山
2025/04/30~
白河
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◆若葉まぶしき初夏の猪苗代湖南部の花紀行
2025/05/28~
郡山
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◆涼風にワタスゲたなびく初夏の駒止湿原~南会津町&昭和村
2025/06/20~
田島・南会津
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◆猛暑の候~束の間の涼を求めて、花咲く明神滝(天栄村)&花咲く中山風穴(下郷町)
2025/07/28~
湯野上温泉
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◆オオナンバンキセル咲く立秋の御霊櫃峠&野の花巡り~郡山市湖南町
2025/08/10~
郡山
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◆至高の花園(蝦夷ミソハギ&草レダマ)~真夏の羽鳥湖高原(天栄村)
2025/08/15~
西白河・岩瀬
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旅行記グループ 野の花 Ⅱ
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