2023/04/19 - 2023/04/24
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j-ryuさん
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★須賀川市・旧岩瀬村にある大滝川渓谷で春の野の花に癒されてきました。
大滝川渓谷は我が家からもっとも近い渓谷の一つで
様々な野の花が見られるお気に入りの渓谷です。
この春は既に大滝川渓谷のコミヤマカタバミやエンゴサクなどを紹介しましたが
その後も春の花が見頃を迎えたので2度目の訪問です。
マニアの方は得てしてレアものを自慢しがちですが
レアものだからと言って美しいとは限りません。
ありふれた山野草だってその花のポテンシャルを十分に引き出せば
レアものに勝るとも劣らない魅力があると思います。
私がその魅力を十二分に引き出しているかと言えば
まだまだ力不足だと痛感しています(^-^;。
おそらく生涯勉強なんだろうなと思います。
そうそう今回初めてニホンアナグマに出くわしました。
一昨年はツキノワグマに遭遇したし、カモシカにも出会いました。
ここは集落からそう遠くない山間部なんですが
人間と野生動物の境界線が曖昧になってきているのかも。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
-
◆大滝川渓谷ルートMap (※地理院地図に加筆)
https://maps.gsi.go.jp/#13/37.326966/140.228291/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
大滝川渓谷は須賀川市西部・旧岩瀬村の奥羽山脈にあります。
大滝川渓谷は全国的には無名ですが大滝川渓谷へ行く途中の
旧岩瀬村には『須賀川特撮アーカイブセンター』があり、
全国から特撮好きや円谷英二ファンが多く訪れます。 -
☆須賀川特撮アーカイブセンター (写真は須賀川市のHPより)
https://www.city.sukagawa.fukushima.jp/bunka_sports/bunka_geijyutsu/1006499/index.html
「特撮の神様」とも称される須賀川市出身の円谷英二監督が礎を築いた特撮は、
多くの素晴らしい作品を生み出し続けています。
一方で、特撮ミニチュアなどの貴重な資料は、
破棄されたり散逸したりしています。
さらには、当時の状況を知っている人も少なくなりつつあります。
須賀川特撮アーカイブセンターでは、貴重な特撮資料の収集、保存、
修復及び調査研究を行い、それらを通じて特撮文化を顕彰、推進していきます。
また、ご来館された皆様は、
特撮撮影などで使用された資料の一部を見学することができます。
県道67号(中野・須賀川線)沿い須賀川市役所岩瀬支所隣りにあります。 -
◆大滝川渓谷ルートMap (※Google Mapに加筆)
https://www.google.co.jp/maps/@37.3250234,140.2406263,7651m/data=!3m1!1e3?hl=ja&entry=ttu
須賀川市方面からは県道76号・中野/須賀川線のローレルバレーカントリークラブの少し先を左折し、200mほど進んで右折し後は道なりです。
どちらの曲がり角には『幻の大滝』への小さな標識があります。
幻の大滝入口駐車場まで狭い1車線しかありません。
特に大滝川公園から上流側はかなり荒いダート道などで
運転には十分な注意が必要です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ミヤマキケマン(深山黄華鬘)
大滝川渓谷でまず見に訪れたのはミヤキケマンの自生地です。
ミヤキケマンはこの春、既に白河市天狗山の花を紹介したので
再登場です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ミヤマキケマン(深山黄華鬘)
◎ミヤマキケマン(深山黄華鬘/ケシ科キケマン属)
ミヤマキケマンは近畿以北の
日当たりの良い山地の崩壊地,谷川の礫地,林の縁などに生え越年草で
関東以南でよく見られるキケマン(黄華鬘)に似ていますが
キケマンより全体に小ぶりで寒冷地適応型です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ミヤマキケマン(深山黄華鬘)
葉っぱはセリ科の植物のようすでが
ケシ科特有のアルカロイド・プロトピンを含み有毒なので
誤食すると嘔吐・酩酊・心臓麻痺などを起こすので注意が必要です。
花が咲いていればまず山菜のセリと間違う人はいないと思いますが
やはり芽出しの頃は要注意です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ミヤマキケマン(深山黄華鬘)
ミヤマキケマンは種がこぼれ発芽し年を越し
翌春に花を咲かせる越年草なので
いくらキレイだからと言って根こそぎ採って自宅に植えても
この株は今年で枯れてしまいます。
ミヤキケマンは基本的には翌春もこの場所周辺で見られますが
川原などの場合は川が増水し種が流されることもあるので
翌春も必ず同じ場所に咲いている保証はありません。 -
★我が家のキケマン(黄華鬘) (※2023/4/11 撮影)
福島県でキヤマキケマンは自然豊かな山間の渓谷沿いや崩落地などで
見ることができますが、残念ながら母種のキケマンの野生種は自生していません。
山野草好きとしては自生していないからと言って
そう簡単に諦めるわけにはいきません。
でも今はメルカリやヤフオクなどで種類によっては
山野草の種や苗を買うことができるので
自宅で栽培することも可能です。
昨年6月、メルカリにキケマンの苗が1苗499円(税送料込み)で出品されて
いたので迷うことなく即ポチし、6月下旬に我が家の庭に植えました。 -
★我が家のキケマン(黄華鬘)
◎キケマン(黄華鬘/ケシ科キケマン属)
キケマンは関東地方以西、四国、九州、沖縄に分布する越年草。
明るい林内、林淵、海岸沿いに多く見かける。
草丈は30~60㎝位。葉は長柄があり、2~3回3出羽状複葉。
花は黄色い唇形の小さな花を茎の頂に総状花序に着く。
全草に毒を含み、特に根に毒成分が多い。
キケマンの分布地は関東以西なので果たして福島県中通りの我が家で
厳冬を越せるのが心配でしたが、地植えでも問題なく越冬できました。 -
☆ナガミノツルキケマン(長実蔓黄華鬘/ケシ科キケマン属)
ケシ科キケマン属の花期はどれも春ですがナガミノツルキケマン(長実蔓黄華鬘/ケシ科キケマン属)だけは初秋の頃咲きます。
名前にツル(蔓)と付きますが、実際は蔓ではなく
全草が細長く華奢なので自身では自立できず
他の植物によりかかるように成長します。
赤紫の花はツリフネソウ。 -
◎ナガミノツルキケマン(長実の蔓黄華鬘/ケシ科キケマン属)
北海道~九州に分布しますが西日本では稀でなようで山梨、愛知、山口、福岡では
絶滅危惧に、福島県でも準絶滅危惧種に指定されていますが
この里山の谷地やあまり直射日光の当たらない林縁では雑草並に生えています。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
前々回紹介したコミヤマカタバミも同じ大滝川渓谷で撮影したものですが
今回はその自生地より2.2㎞ほど上流側で標高的には70m高い場所なので
9日ほど遅い見頃です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
一般的に、標高が100m上がると気温が0.6℃下がると言われます。
つまり、標高0m近い平地の気温が30℃の場合、標高3,776mの富士山山頂なら、
単純計算で27℃も低い8℃くらいまでまで下がることになります。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
◎コミヤマカタバミ(小深山傍食/カタバミ科カタバミ属)
コミヤマカタバミは北海道~九州の
山林や渓流沿いのやや湿り気のある半日陰に自生します。
超珍しいわけではありませんが、やたら出会える花でもありません。
渓流釣り好きの人も出会える機会は多いと思いますが
おそらく釣りの事しか頭に無いので
出会っていても記憶にあまり残らないかも(^-^;。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミも平地の道端などで良く見かける黄色いカタバミの仲間ですが
黄色いカタバミは抜いても抜いても生えてくるやっかいな雑草で
コミヤマカタバミは山あいの限れれた場所にしか自生しない貴重な山野草です。
花に罪は無いのですが、やはり所かまわず出しゃばるのは
人間でも植物でも嫌われますね(^^);。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
大滝川渓谷ではそう珍しくないコミヤマカタバミですが
福島県の渓谷のどこにでも自生しているわけではありません。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
この春、前々回の旅行記で紹介したコミヤマカタバミは
この自生地から2.2㎞ほど下流側にあり自生地規模としては
ここより少し大きいかな。
でも大きな違いは、ここは斜面端にも自生していて
午前中は逆光になり黒バック撮影が効果的にできる点です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
黒バック撮影はスタジオなどでは背景を黒くすれば簡単に撮影できますが
自然の中では人間の都合で背景を黒くするわけにはいかないので
黒バック撮影が出来そうなポイントであるかどうかが重要です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
ここの場合、背景が深い森で午前中はコミヤマカタバミの自生しているポイント
辺りにだけ陽が射し込みます。
そうすると手前と背後の明るさの差により、
手前は花がスポットライトを浴びたように撮影できますが
背後の森は背後ボケも相まって真っ黒に写ります。
このような撮影スキルを黒バック撮影と言います。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミは花が白いので黒バック撮影だと
よりコントラストがつき、花が一段と引き立って撮影できます。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
ただ多くの花は基本的には太陽の方を向いて咲くことが多いのですが
コミヤマカタバミは何故か太陽を背にして咲いている個体が多い気がします。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミはご覧のように草丈が5cmほどしか無いので
夏場には他の植物の下に覆いつくされてしまいますが、
よほどのガサ薮にでもならない限り来春も花を咲かせることができます。
この形態はスプリングエフェメラル春の儚い命)にも似ていますが
コミヤカタバミは常緑ではないものの秋頃まで青い葉があるので
夏前に葉が枯れて休眠するスプリングエスメラルとは少し生態が違います。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミの葉は秋まであるのでスプリングエフェメラルとは
若干生態が違いますが、春先に他の植物に先駆けて花を咲かせ
実をつけるまではスプリングエフェメラルとほぼ同じです。
コミヤマカタバミの葉は夏以降も枯れずに、他の植物に覆われても
その下でわずかな光で光合成をし栄養を蓄えているようです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
雑草扱いされる黄色いカタバミは光が燦々と届かないと
たくさんの花を咲かせることができませんが、
種がたくさんできなくても、強靭な根で増殖することができます。
その点、コミヤマカタバミは光が弱くても結実し種を残せるし
根でも増殖できるので見た目より案外強いかも知れません。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
背後がまるで黒い幔幕を張ったかのように真っ黒に写り
黒バック撮影のお手本のように撮ることができました。
これはスキル以上に自然のシチュエーションがマッチングしたからです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
午後になるとこの自生地はほとんど日陰になり
黒バック撮影はできなくなるので
撮影は晴天の午前中がベストです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
この写真は下の写真と構図はほぼ同じですが
ピントの位置を変えて撮影してみました。
こちらは奥の花にピントを合わせ
下の写真は手前の花にピントを合わせました。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
AUTOモード撮影するとピントまでカメラが決めるので
自分の意思とそぐわないことが多々あります。
上記の写真と下の写真のどちらが良いかは好みの問題ですが
ピントは自分の意思で合わせたいので私はピントはマニュアルで撮影しています。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミの漢字表記は『小深山傍食』『小深山片喰』と
『小深山酢漿草』と書く3通りあります。
『小深山傍食』『小深山片喰』は葉が閉じた時の形から、
『小深山酢漿草』は葉を食べると酸っぱいことから名づられました。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
コミヤマカタバミの極近い仲間にはミヤマカタバミや
カントウミヤマカタバミなどがあり、
個体によってはピンクタイプもありますが
残念ながら当地ではまだ見たことがありません。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&エイザンシミレ(叡山菫)
コミヤマカタバミとミヤマカタバミは瓜二つですが
よう~く観察すると、ミヤマカタバミの葉の角は鋭角ですが
コミヤマカヤタバミは丸みがあり
花の中心部はミヤマカタバミがほぼ白なのに対し
コミヤマカタバミはやや黄色味がかっています。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
この自生地は平坦な部分にもコミヤマカタバミは群生していますが
緑と白ではコントラストが付きにくく
写真的にも平面的になり際立つ写真を撮るのが難しいです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
同じコミヤマカタバミでもやはり黒バック撮影できた方が
白さがより際立ちコミヤマカバミの存在感がUPします。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ(小深山片喰)
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★カタバミ(片喰)
◎カタバミ(片喰、酢漿草、傍食/カタバミ科カタバミ属)
こちらが一般的には雑草扱いされるカタバミ(片喰、酢漿草、傍食)です。
『らんまん』の万太郎(=牧野富太郎)からすれば
雑草という植物は無いと、叱られそうですが
ま、抜いても抜いても蔓延る嫌われ物的な植物は雑草ですよね(^-^;。
アスファルトやコンクリートの隙間などにも生える
葉っぱが赤いカタバミはアカカタバミと言い
ハナビラがやや縦型で花の中心部がオレンジ色の輪があります。 -
★オッタチカタバミ(おっ立ち片喰)
◎オッタチカタバミ(おっ立ち片喰/カタバミ科カタバミ属)
オッタチカタバミは1965年頃に初めて帰化を確認された外来種で、
戦後に駐留米軍を介して侵入したと考えられています。
花や葉が「カタバミ」とほぼ同じですが、
茎が直立して伸びるという違いがあるため、
カタバミの這性に対し「おっ立ち片喰」と呼ばれます。 -
★我が家のイモカタバミ(芋片喰)
◎イモカタバミ(芋片喰/カタバミ科カタバミ属)
南アメリカ原産で戦後観賞用に移入され、今は野生化したものが多く見られます。
別名はフシネハナカタバミ。
草丈15~30cm、名前のように根が芋のような塊茎状の多年草。
ムラサキカタバミ(下記)と良く似ていますが
イモカタバミの中心部は濃い赤で
ムラサキカタバミは黄緑色です。 -
★我が家のムラサキカタバミ(紫片喰)
◎ムラサキカタバミ(紫片喰/カタバミ科カタバミ属)
植えた覚えがないのに勝手に咲いている我が家のムラサキカタバミ(紫片喰)
こちらも南アメリカ原産で江戸時代末期に観賞用として導入され
今が日本全土に広く帰化し環境省により要注意外来生物に指定されています。
だから我が家にも許可なく入ってきたんんだな(^-^;。
ま、ムラサキカタバミが歩いたり飛んでくるはずが無いので
何かの土に根が紛れこんで根付いたと思います。
こちらの根は細長い大根状です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
このコミヤマカタバミの群生地は殆どがコミヤマカタバミですが
所々に他の山野草の花も咲いていました。
こちら薄紫色の花はササバエンゴサクです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
◎ササバエンゴサク(笹葉延胡索/ケシ科キケマン属)
ササバエンゴサクは本州~九州の山あいのやや湿った場所に自生し、
花色は薄紫や水色、青など様々です。
ヤマエンゴサクの変種でヤマエンゴサクの小さい葉が丸みのある葉なのに対し
ササバエンゴサクは名前のように細長い笹のような形をしています。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
山延胡索は中国に同じ仲間の生薬“延胡索”があり
日本の野生の延胡索と言うことで山延胡索と名づけられたそうです。
漢方のエンゴサクは鎮痙、鎮痛作用があり、
大正中薬胃腸薬、太田漢方胃腸薬などにも配合されていますが
残念ながら日本のヤマエンゴサクの薬効は劣るそうです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
-
☆エンゴサク色々
福島県ではヤマエンゴサクの他にササバエンゴサク(笹葉延胡索)や
オトメエンゴサク(乙女エンゴサク)なども見られます。
花そのものは殆ど同じで見分けは難しいですが
葉の形や花序にある小葉に切れ込みがあるか無いかなどで
見極めます。
会津地方には華奢なミチノクエンゴサクも自生しますが
残念ながら私はまだ出会ったことがありません。 -
◆大滝川渓谷でニホンアナグマに遭遇
夢中でコミヤマカタバミを撮影していたら、
ガサガサと何かが藪で動いているような音が聞こえてきました。
もしや熊??
2020/8/18、この自生地の上流500m辺りで生熊と遭遇しているだけに
一瞬緊張が走りました。
辺りを見回しても熊は見当たりませんでしたが
大滝川の対岸でまだガサガサ何かが動いています。
タヌキ? キツネ? アライグマ?
笹藪に隠れて全体がよく見えません。 -
◆大滝川渓谷でニホンアナグマに遭遇
観察を続けていると笹藪から出てきました。
目の回りが黒いのでタヌキか?
体長的にはタヌキっぽいけど、何か少し違う気もするし・・・ -
◆大滝川渓谷でニホンアナグマに遭遇
こちらを向きましたが、まだハッキリ見えません。
写真では直ぐ近くに見えますが望遠レンズで撮っているので
実際は大滝川を挟んで15mくらい離れています。 -
◆大滝川渓谷でニホンアナグマに遭遇
おっ!!
全体を現しました。
タヌキに似ているけれど顔が細長いので
ニホンアナグマ(日本穴熊)です。
名前にクマと付きますが熊の仲間ではなく
全く別のイタチ科アナグマ属です。
ニホンアナグマは日本の本州、四国、小豆島、九州地域の里山に棲息する。
11月下旬から4月中旬まで冬眠するが、
地域によっては冬眠しないこともあるそうです。
体長は40~60cm程。尾長11.6 ~14.1cm。
体重12 - 13kg。 -
◆大滝川渓谷でニホンアナグマに遭遇
ニホンアナグマは雑食で山林では落葉の中のミミズなどを鼻で
掘り返して食べるそうです。
鼻は良く利くものの視力は悪いそうで
対岸にいる私は見えていないかも。
でも私は熊避け鈴を2つも付けていたので
移動する度にチャリチャリ鳴っていたので
おそらく音で私の存在に気づき逃げ出したと思われます。
私はニホンアナグマ初遭遇でしたが、地元のハンターに聞いたら
私の町にも以前出没したそうで、籠罠で3頭捕獲したんだそうです。
私の町は田畑はありますが山林は少ししか無いので
ニホンアナグマが捕獲されたことがあるとは驚きでした。 -
◆大滝川渓谷のニホンカモシカ (※2021/04/21 撮影)
今回のニホンアナグマを撮影した直ぐ近くの林道で
2年前はカモシカと遭遇したことがありました。
この辺りは集落からさほど遠くない場所なんですが
熊、イノシシ、カモシカ、ニホンアナグマなど
けっこう大きい野生動物とたびたび遭遇するのですから
動物と人間の生活圏がかなり被っているようです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
ニホンアナグマは私に気づき山奥へ去ってきました。
ツキノワグマでなくてホント良かったです(^-^;。
5/2には同じ須賀川市の勢至堂地区で
山菜取りの男性が熊に襲われ怪我をしたので
山に入るのには細心の注意が必要です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
ブルーのササバエンゴサクも咲いていました。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ササバエンゴサク(笹葉延胡索)
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ミヤマタチツボスミレ(深山立坪スミレ)
コミヤマカタバミの群生地ではミヤマタチツボスミレ(深山立坪スミレ)も
咲いていました。
里地でよく目にするタチツボスミレ(立坪スミレ)と良く似ますが
ミヤマタチツボスミレの距(蜜壺)は白ですが
タチツボスミレの距は水色です。 -
★タチツボスミレ(立坪菫)
タチツボスミレ(立坪菫/スミレ科スミレ属)は
おそらく日本で一番繁栄しているスミレではないかと思います。
低地から低山までどこにでも分布しています。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ミヤマタチツボスミレ
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ミヤマタチツボスミレ
前々回紹介したコミヤマカタバミの群生地では
スミレサイシン(菫細辛)とのコラボでしたが
ここではみなミヤマタチツボスミレとのコラボでした。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ミヤマタチツボスミレ
おそらくスミレサイシンも咲いていと思いますが
既にスミレサイシンの花は終わっていたので
目立たなかったのかも知れません。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コミヤマカタバミ&ミヤマタチツボスミレ
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コチャルメラソウ(小哨吶草)
◎コチャルメラソウ(小哨吶草/ユキノシタ科/チャルメルソウ属)
本州~九州の山地の沢沿いや湿った林内などに自生。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~コチャルメラソウ(小哨吶草)
見地味で小さな花ですがクローズアップで見ると
雪の結晶のような、原始動物のような、とても個性的な花です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ルイヨウボタン(類葉牡丹)
◎ルイヨウボタン(類葉牡丹/メギ科ルイヨウボタン属)
ルイヨウボタンは、北東アジアと北海道~九州の深山広葉樹林下に自生します。
名前の由来は、葉の形状がボタンに似ているため、類葉牡丹です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ルイヨウボタン(類葉牡丹)
草丈は 40~70cm、 花期は4~6月で、茎頂あるいは上部の葉腋に
集散花序をつけます。
花は10個程度がまばらにつき、花径は1~1.5cm、
花色は黄緑色でぱっと見はかなり地味(渋い?)花ですが
太陽に透かして見るととてもキレイなライムグリーンだと思います。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ルイヨウボタン(類葉牡丹)
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ルイヨウボタン(類葉牡丹)
花の構造が少し分かり難いタイプなので解説します。
外萼片数枚と内萼片が6枚あります。
外萼片は開花後すぐ落ち、花弁のように見えるのは内萼片です。
花弁は萼片より著しく小さく萼片の基部に重なるようにつき、
扇状に広がった先端は蜜腺状になります。
花後には、1つの花に2つずつの種子ができ緑色から、
秋には黒紫色の種子になります。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~チシマネコノメソウ(千島猫目草)
これまた地味な花が咲いていました。
よほど山野草に興味が無い限り注目されることは無いと思います。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~チシマネコノメソウ(千島猫目草)
◎チシマネコノメソウ(千島猫目草/ユキノシタ科ネコノメソウ属)
北海道、本州(近畿以北)、千島列島、サハリン、カムチャッカ半島に分布。
花弁はない。萼片は4個。雄蕊は8個。
根元に大きなロゼット葉があり、花時にも残る。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~チシマネコノメソウ(千島猫目草)
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ニッコウネコノメソウ(日光猫の目草)
◎日光猫目草/ユキノシタ科ネコノメソウ属)
ニッコウネコノメソウは本州東北南部~四国に分布。イワボタンの変種。
主に太平洋側の山地や沢沿いに生える多年草。
名前の由来は日光国立公園の塩原で発見された事からで
日光に限らず広範囲に分布します。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ニリンソウ(二輪草)
ニリンソウ(二輪草/キンポウゲ科イチリンゾウ属)も少し咲いていました。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
新緑の中に美しい青紫色が美しいラショウモンカズラが満開でした。
ようやく春らしい色合いの花の登場です(^-^;。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
◎ラショウモンカズラ(羅生門蔓/シソ科ラショウモンカズラ属)
ラショウモンカズラ本州~九州の山間部の少し湿った川沿いなどに自生し
草丈は30cmくらい花の大きさは3~4cmほど、
シソ科の中では最大級の花です。
ランナー(匍匐・ほふくけい)で増え群生を作り、
ラベンダー(シソ科)に似たいい香りがします。
花色は紫がほとんどですが稀に桃色もあります。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
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◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
名前の由来は
平安中期の頃、京都朱雀大路南端にあった羅生門に棲みついた鬼が
夜な夜な悪さをし人々を困らせていたので
源頼光(みなものよりみつ)の家臣の渡辺綱(わたなべのつな)が
その腕を斬り落とし鬼を退治したそうな。
その鬼の腕に似た花というので羅生門蔓と名づけられたそうです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
花も色も春らしいのですが、花名の言われを聞くと
見た目とは裏腹に恐ろしい言われに戸惑います。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
映画の『羅生門』は1950年初上映。
監督は黒澤明で、三船敏郎、京マチ子、森雅之などが出演。
芥川龍之介の短編小説『藪の中』を原作とし、
タイトルや設定などは同じく芥川の短編小説『羅生門』が元になっています。
平安時代を舞台に、ある武士の殺害事件の目撃者や関係者が
それぞれ食い違った証言をする姿をそれぞれの視点から描き、
人間のエゴイズムを鋭く追及して、
ラストで人間信頼のメッセージを訴えた作品です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
映画『羅生門』は同じ出来事を複数の登場人物の視点から描く手法は、
本作により映画の物語手法の1つとなり、国内外の映画で何度も用いられた。
海外では羅生門効果などの学術用語も成立した。
撮影担当の宮川一夫による、サイレント映画の美しさを意識した
視覚的な映像表現が特徴的で、光と影の強いコントラストによる映像美、
太陽に直接カメラを向けるという当時タブーだった手法など、
斬新な撮影テクニックでモノクロ映像の美しさを引き出している。
第12回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞、第24回アカデミー賞で
名誉賞(現在の国際長編映画賞)を受賞し、
これまで国際的にほとんど知られていなかった日本映画の存在を、
世界に知らしめることになった。
また、本作の受賞は日本映画産業が国際市場に進出する契機となった。
(※Wikiより) -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~桃色ラショウモンカズラ(桃色羅生門蔓)
青紫色のラショウモンカズラと1週間遅れで
桃色ラショウモンカズラ(桃色羅生門蔓)も見頃になりました。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~桃色ラショウモンカズラ(桃色羅生門蔓)
青紫色のラショウモンカズラの変種なのか突然変異なのか良く分からないし、
なぜ見頃が1週間遅いのかも分かりません。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~桃色ラショウモンカズラ(桃色羅生門蔓)
青紫色のラショウモンカズラは山間の谷間に行けば良く見られますが
桃色ラショウモンカズラはここでしか見たことがありません。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~桃色ラショウモンカズラ(桃色羅生門蔓)
ほぼ毎年見に行きますが消えもしませんが、
さほど増えている印象もしません。
他の地域では白花もあるようですが
私はまだ見たことがありません。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ウラシマソウ(浦島草)
大滝川渓谷で一昨年偶然見つけたウラシマソウ(浦島草)も
見頃になっていました。
今まで郡山市西部の里山で何度か見ましたが大滝川渓谷では初めてです。
福島県ではあちこちに隔離分布していますが
そうそう目にする機会は無いので絶対数は少ないと思われます。
それにしても、この草地は毎年訪れているのに
どうして見つけられなかったんだろう?
私の目が節穴だったってことか?(--〆)。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ウラシマソウ(浦島草)
◎ウラシマソウ(浦島草/サトイモ科テンナンショウ属)
ウラシマソウは北海道南部から本州、九州の一部も分布する球根植物で、
主に山間の林床や人里近い林下に多く見られます。
苞の中から伸びた付属体の先端部が細く糸状に伸び、
その姿を、浦島太郎が釣り糸を垂れている姿に見立てて
浦島草と名付けられました。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ウラシマソウ(浦島草)
地下にはサトイモに似た大きな球根があり、春にめを出し10枚前後の葉を
傘のように広げ、黒褐色の苞を開きます。
この苞は水芭蕉と同じように「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれます。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ウラシマソウ(浦島草)
本来の花は、付属体(釣り糸)の下につき、そのままの状態では見えません。
成長や栄養の状態によって、雄花から雌花に変化する性転換植物として
知られています。
雄花から雌花への花粉の受粉は虫媒でキノコバエの仲間よって行われます。
雄性の仏炎苞の開口部から進入したキノコバエは雄花群から出された花粉を身にまとい、仏炎苞下部にある隙間から脱出することができるが、
雌性の仏炎苞ではキノコバエが脱出できる隙間がなく、
開口部から進入したキノコバエは雌花群をうろつく間に授粉させられ、
最後は脱出できずに死んでしまう恐ろしい植物です(^^;)。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ウラシマソウ(浦島草)
葉は秋までには落葉し、タネができた花茎は、
房状に赤く完熟した果実をつけて、そのまま晩秋のころまで残り、
冬には倒れて、球根の状態で休眠します。
秋に球根のわきに小さな球根をたくさんできて増えますが、
元の親球根は5年程度で枯れるようです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~ウラシマソウ(浦島草)
ウラシマソウの花(仏炎苞)は葉っぱの下で咲くので
人間の立った姿勢では見つけにくいですが、
ヤツデのような葉の切れ込みが他のテンナンショウ属より多いのが特徴です。
なのでまずはこの特徴的な葉を見つけるのが先決かも。 -
☆カラスビシャク(烏柄杓/サトイモ科ハンゲ属)
ウラシマソウの形態に似た花にカラスビシャクがあります。
◎カラスビシャク(烏柄杓/サトイモ科ハンゲ属)
カラスビシャクは北海道~九州まで広範囲に自生し稲作伝来の頃
、東アジアから伝わった史前帰化植物の可能性が強いそうです。
形状はテンナンショウ属のウラシマソウに似ますが
苞の中の柱状の花序がその背面で苞と癒合する点などが違うので
別属になるようです。
珍妙な名前の由来は、花の形(仏炎苞)を柄杓に見立てて、
人が使うには小さいのでカラスの名をあてて、カラスビシャクの名になったとか。
植物では役に立たないものやまがい物をイヌ〇〇〇と名付ける場合が多いですが、カラスも似たような意味合いの接頭語のようです。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~マムシグサ(蝮草)
マムシグサも見頃を迎えていました。
マムシグサ(蝮草)と言う聞くだけでもオドロオドロした名前や
鎌首をもたげたような姿から嫌われることが多い
マムシグサですが、太陽に透かして見ると流麗な縦じま模様に
シックなダークワインレッドやライムグリーンの花色は
とても美しいと思います。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~マムシグサ(蝮草)
マムシグサはテンナンショウ(天南星)とも呼ばれ
山野草好きにはけっこう人気があり
テンナンショウ属ばかりを集めるマニアもけっこういます。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~マムシグサ(蝮草)
テンナンショウ属はマムシグサとも呼ばれ、世界に150種、
日本には30種ほどあるそうですが分類の仕方や呼び名が
未だ確定していないようです。
全草にシュウ酸カルシウムの針状結晶、サポニン、コニインが含まれる。
特に球根の毒性が強く、その汁に触れると炎症を起こす。
誤って食すと口中からのどまでに激痛がはしり、
唾を飲み下すことすらできないほどとなる。
また、激しい下痢や嘔吐、心臓麻痺といった症状が現れ、
重篤な場合には死亡することもあるそうです。
まさに、毒蝮(ドクマムシ)ですね(^-^;。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~マムシグサ(蝮草)
◎マムシグサ(蝮草/サトイモ科テンナンショウ属)
マムシグサは北海道から九州にかけて分布し、
山地や原野の湿った林床に生える。
形状に変異が多い多年草で、成長すると高さは50 ~ 60cm。
雌雄異株で、晩春に花茎を直立させて開花する。
花に見えるのはホウ(苞/仏炎苞)は黒紫色~黄緑で白い縦縞があります。
実際の花はこん棒状の花序で、細かい花が集合しています。
果実は秋に橙色から赤色に熟し、トウモロコシに似た形状の果実を付けます。 -
☆ミミガタテンナンショウ(耳形天南星)
福島県の南部や茨城県境周辺ではマムシグサの仲間の
ミミガタテンナンショウ(耳形天何星/サトイモ科テンナンショウ属)が
自生しています。
葉が展開する前に花=「仏炎苞」が展開するのが
大きな特徴です。
「仏炎苞」はエンジ色が多い感じです。
仏炎苞の中程が外側に少し反っている部分をも耳に見立てた命名のようです。 -
★ヒトツバテンナンショウ&ヒロハテンナンショウ
当地では数はそう多くないもののヒトツバテンナンショウや
ヒロハテンナンショウも自生します。
◎ヒトツバテンナンショウ(一ッ葉天南星/サトイモ科テンナンショウ属)左2点
ヒトツバテンナンショウは本州中部以北の湿り気のある山中の半日陰に自生。
大きな葉が1枚(小葉は7~9)で仏炎苞は白緑色。
内面の中央近くに八の字濃紫色の斑紋があるのが最大の特徴で
仏炎苞の中の付属体は細い棒状で、先は斜め前に曲がっています。
☆ヒロハテンナンショウ(広葉天南星/サトイモ科テンナンショウ属)写真右2点
ヒロハテンナンショウは主に日本海側の湿り気のある落葉樹林下や
川沿いなどに自生。
大きな葉が1枚でヒトツバテンナンショウに似ますが
小葉に柄がなく葉が広めです。
最大の違いは内面の中央近くに八の字濃紫色の斑紋がありません。
また仏炎苞の中の付属体はヒトツバテンナンショウよりは太く真っ直ぐです。 -
★我が家のムサシアブミ(武蔵鐙)
テンナンショウ属ついでに我が家のムサシアブミ(武蔵鐙)も
ご覧下さい。
ムサシアブミは関東以西に分布すると言う資料が多いですが
福島県でも県南部のいわき市周辺に自生します。 -
★我が家のムサシアブミ(武蔵鐙)
◎ムサシアブミ(武蔵鐙/サトイモ科テンナンショウ属)
ムサシアブミは主に関東以西に分布し
地面から立ち上がる第一の葉柄の途中から二番目の葉柄が分岐し、
その途中から花柄が伸びる。
葉柄上端には先が細くなった三枚の葉(小葉)をつける、つまり3出複葉である。
花柄は葉柄よりも短い。
花(仏炎苞)の形が鐙に似ていること、
武蔵の国でつくられた鐙が良質であったことから
武蔵鐙と呼ばれるようになりました。 -
★我が家のムサシアブミ(武蔵鐙)
黒紫色の苞は透かして見るとダークワインレッドで流麗な縞模様も
相まって玄人好みの美しさです。 -
★我が家のムサシアブミ(武蔵鐙)
流麗な曲線はまるでアールデコ調の芸術品のごとくです。 -
★我が家のユキモチソウ(雪餅草)
テンナンショウ属ついでに我が家のユキモチソウ(雪餅草)も
ご覧ください。
ユキモチソウは世界的に見ても日本の三重、奈良、四国の
限られた地域に自生するとても貴重な山野草です。
環境省のレッドデータカテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。 -
★我が家のユキモチソウ(雪餅草)
ユキモチソウは図鑑やNetで見るだけの憧れの山野草でしたが、
何とヤフオクで種(小球根)が出品されいて、
10球で1700円(送料込み)だったので
迷わずポチしました。 -
★我が家のユキモチソウ(雪餅草)
図鑑やNet情報で栽培の仕方を調べ昨年(2022)3/13に
小指の爪の半分にも満たない小さな球根を大事に植えました。
情報では早い場合は翌春、普通は2年後に開花するとのことなので
大切に見守りました。
関西以南の植物なので福島の冬は寒かろうと
室内で冬越しさせました。
3月になり他の植物が次々新芽を出し始めたのに
我が家のユキモチソウはうんともすんとも言いません。
もしかしたら寒さに耐えられず枯れたのかもと心配が過ぎり
少し土を掘り起こしてみたら
球根は無事でまだ冬眠中でした(^-^;。 -
★我が家のユキモチソウ(雪餅草)
春の目覚めが遅い我が家のユキモチソウにやヤキモキさせられましたが
3月下旬にようやく小さな芽が出始め
4/19になんと10球のうち5球に花が咲きました。
今年の開花は期待していなかったので
思いがけない開花に嬉しさMaxです(^^♪。
残りの5球も元気なので、おそらく来年は花を咲かせることでしょう。
昔なら中々手に入れられなかった珍しい山野草が
ヤフオクやメルカリなどで手に入れれるのですから良い時代になりました。
でも出品の出所が怪しいものはなるべく買わないで
種や球根から育てるようにしています。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~クルマバソウ(車葉草)
記事の途中で我が家のテンナンショウを織り込んだので
前後の脈絡が少し乱れましたが
再び、大滝川渓谷に咲いていた山野草(クルマバソウ)をご覧下さい。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~クルマバソウ(車葉草)
◎クルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
大滝川渓谷ではクルマバソウも見頃になっていました。
草丈は20~25cmほど、
葉っぱが車輪状なので見たまんま車葉草と呼ばれます。
全国の渓流沿いや林床などに分布しますが
北海道以外は山地の冷涼でやや湿った林内に群生します。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~クルマバソウ(車葉草)
-
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~クルマバソウ(車葉草)
クルマバソウ属の仲間にはオククルマムグラやキヌタソウ、ヤエムグラ、
カワラマツバ、クルマムグラ、ホソバヨツムグラなど良く似た花があります。
どの花もかなり小さいのですがクルマバソウはその中でも一番大きな花です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~クルマバソウ(車葉草)
クルマバソウの葉っぱに甘い香りの芳香成分であるクマリンが含まれ
ヨーロッパでは葉を乾燥させてワインやビールの香り付けに利用したり
衣類の防虫に使うそうです。
クマリンの匂いなど知らないと思うかもしれませんが、実は桜餅のあの香りです。
桜の葉(特に八重桜)にクマリンが多く含まれていて乾燥させたり塩漬けにするとあの独特の甘い桜の香りがします。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~クルマバソウ(車葉草)
つまり我々が一般的に桜の香りだと思っているのは
クマリンの匂いで桜の花じたいは生ではあまり香りはしません。
以前、私も試しにクルマバソウの葉を少し採ってきて乾燥させ匂いを嗅いだら正に
桜餅のような甘く美味しそうな香りがしました。
ちなみにクルマバソウは宿根草なので少々刈り取っても
来年また芽吹くので大丈夫です。 -
◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う~オククルマバムグラ(奥車葉葎)
クルマバソウと良く似たオククルマバムグラも咲いていました。
◎オククルマムグラ(奥車葎/アカネ科ヤエムグラ属)
自生地がかぶり良く似ているのがオククルマムグラです。
全国に分布し山あいの湿り気のある山林内や渓流沿いなどに自生し
草丈は15~25cm、輪生する葉っぱは6枚,下部は8枚、
十字型の白い小花の花径は2.5mm、
茎や葉にとげ状の毛があります。
ムグラ(葎)とは、密生し藪をつくる草のことだそうで
その通り渓流沿いのあちこちで群生しています。
でもクルマバソウと決定的に違うのは
クルマバソウの花は朝顔のようなロート型ですが
オククルマムグラは平たい星型です。
葉っぱも
クルマバソウは放射状に8枚で葉の表面に毛は生えていません。
オククルマムグラの葉も放射状ですが6枚で
葉の表面には細かい毛が密に生えています。 -
☆二岐渓谷 桔梗清水~クルマムグラ(車葉葎)
上記のクルマムグラやオククルマムグラも花はとても小さいですが
それより小さいのがクルマムグラ(車葉葎)です。
◎クルマムグラ(車葎/アカネ科ヤエムグラ属)は全国に分布しブナ帯などの
落葉広葉樹林の林床、草地、谷間などに自生する。
草丈は10~20cmほど。
葉は輪生し、下部の葉は8~9枚、上部では6枚付くことが多い。
葉の長さは1~3cmで先端は尖る。
葉の縁には微毛があるが、茎や葉の裏面などには毛が見られず、
この点がオククルマムグラとの違いです。
これで◆陽春の大滝川渓谷で野の花に憩う、はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして、いいねもありがとうございます。
ではまた。 j-ryu
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