2022/06/10 - 2022/06/10
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2022/06/10
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高知県立牧野植物園に行ってきました。
日本の植物分類学の父と言われる牧野富太郎博士の業績はもとより、一生がユニーク過ぎて気になります。
お仕事は。。コンピューターもない明治の時代に植物を自力でデータベース化したって事ですよね。。どんだけ~なお仕事、気になります。
東京で知り合った妻、娘の支えがあっての研究生活だったようですが、どうしてそんなに女の人達に支えられるのか、どんな魅力を持っていた方だったんだろう・・と
高知の自由な気風から生まれたのか・・
明治初めの日本中が混乱してただろう中、マイペースな人生ぶりは、かなり衝撃的なものでした。
生まれたのは160年前。1862年。
坂本龍馬が脱藩した一か月後に高知県佐川の造り酒屋の長男として生まれています。
裕福で何不自由ない環境でしたが、父、母共に幼少の頃に亡くし、祖母に育てられます。
11歳で塾通い、郷校、英語を学び12歳で小学校に入学するも物足りず自主退学して野山で植物を自主研究
その後臨時教員として働くも、研究熱は増すばかりで、高価な本なども買い、
22歳で当時植物学研究の最先端だった東京大学理学部に押しかけ、出入りを許される。
明治の混乱期、尊王攘夷だの世の中が物騒な時代、兵隊さんになりたいって男子が沢山いただろう中、植物に没頭する青年はかなりの異彩を放っていた事でしょう。
土佐時代には、従妹と結婚していますが、東京での下宿時代、小澤壽衛に一目ぼれして結婚します。
・・従妹はどうしたんだろう?
・・当時は試し婚制度があって、正式には結婚していなかったのか定かではないらしいですが・・
印刷技術も学び26歳で 自費出版で 日本植物志図編 を出版し、称賛されます。
その後も研究に没頭し、名声も高まるも、妬みに遭い大学への出入りを禁止されてしまいます。
それでも、めげることなく研究を続けると、大学から呼び戻され、助手になります。
安月給にもかかわらず、研究には惜しまず、高い本を買い、日本中を廻り、植物を採取研究生活は続きます。
妻が内助の功で支え、実家からの援助も足りず借金まみれ。
同郷の岩崎家が借金を帳消しにしてくれたこともあったそう。
ここまではご本人の事ですが、
妻の壽衛さんは、13人もの子供を産み・・7人は早世してしまったらしいのですが、夫を支えるために事業も立ち上げ牧野博士を支えたそう。
その仕事が、渋谷の飲み屋さんで宿泊施設も兼ねているっていうものだったらしい、手っ取り早くお金を作るためだったらしいのですが、傑女ぶりはかなりの人だったんでしょう。
普通なら、借金してまで研究に没頭する夫は許容できそうにありませんが、牧野博士のお人柄がそうさせるのか
博士は名声には全く興味なく、研究生活は続き、50歳で東京大学の講師となり、65歳で理学博士の学位を受けます。
苦労続きの妻の壽衛さんは博士より随分早く、64歳で亡くなり、その時は感謝の気持ちを込め、博士が発見した笹に スエコザサ と命名します。
その後94歳まで研究意欲は衰えることなく、
78歳の時には 牧野日本植物図鑑 が出版される。
妻没後は次女さんが博士を助けていたらしい。
博士のひたむきな純粋さは妻、娘の心を動かしたんでしょうか・・
博士は晩年、植物園を造るなら高知の五台山がええ・・・ということで、四国霊場第三十一番札所の竹林寺の 南の坊 跡周辺を譲り受け植物園が開園しました。
広大な植物園は緑豊かで、植物にはそれぞれ名前が表示され一つずつ目を凝らしてみていくと時間がいくらあっても足りないくらいですが、興味深く面白く構成されていました。
常設展、160年の特別企画展 博士の横顔 では、その人となりを知ることができます。
混沌とした世の中に興味のあることに没頭し続け、幸せそうな写真を見ると、人の幸せの本質を思い知らされたような、清々しい気持ちになれる植物園でした。
こんな のんきなとーさん は、一緒にいて豊かな気持ちになれるんでしょう、きっと。
次はは高知の牧野植物園へ・・また季節が替わったころ、行ってみたいと思いました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
高知市までドライブひとり旅~
新車のナビを信頼してたら、すごく細い道案内されて、山の途中から引き返し、
グーグルで案内してもらいなおしました。
やっぱり頼るべきはグーグル・・以後肝に銘じて・・進みましょ -
細い上り坂は一方通行です。
-
途中の五台山展望台は臨時休業中でしたが、付近には綺麗な紫陽花が咲いてました。
-
まだまだ上ります。
高知市内を巡回するバスも植物園の駐車場に停まるようで、便利そうです。
牧野植物園は来年の朝ドラに向けてか、駐車場が拡大工事中でした。
この日は開園して30分後くらいに到着しましたが、余裕で停められました。 -
牧野富太郎博士の生誕160周年に合わせ特別展などが企画されていて、ユニーク過ぎる人となりを知ることができます。
牧野植物園 公園・植物園
-
五台山竹林寺の 南の坊 を譲り受け、山全体が起伏を生かした植物園となっています。約8haもあるそうです。
-
入場すると、まずは土佐の植物が、自然さながらに植栽されています。
土佐は、険しい四国山地から黒潮寄せる温暖な海岸まで 植物相が豊かな所 -
深い緑の中を進みます。
-
植物には細かく標識が添えられています。
-
咲いてますの表示もされているので観察しやすくなっています。かわいいピンクの花が咲いてました。
コマツナギ マメ科 和名は茎に馬(駒)をつないでも、切れないほど丈夫という意味 -
山地の植物エリア 標高1100m以上 笹ヶ峰は1860mにはシコクシラベの亜寒帯林も見られ、山頂には笹原も広がっています。
その下部には冷温帯林が広がっています。 -
低山の植物は標高500-1000m
そのなかの 土佐みずき
高知県の蛇紋岩地にのみ生える落葉樹で まんさく科
みずき のお仲間じゃないらしい・・
平凡な私は、これだけでも混乱しそうです。 -
カタツムリがお昼寝中~
って方に目が行きます・・凡人は・・ -
海生植物エリア 高知の海岸線は700㎞もあるというから驚きです。長いとは思ってましたが・・
-
テリハノイバラ ばら科
は海岸に5月から7月にかけて咲きます。
山の中だけでなく、海辺も研究したんですね・・ -
土佐の植物生態園を過ぎると
牧野富太郎記念館本館
チケットの博士の柔らかい笑顔が人柄を偲ばせ、ほっこりします。 -
自然と調和する建物は建築家・内藤廣氏の設計で、この本館と展示環館とがあります。
建物の中庭には青々と背の高いタイワンマダケ が生い茂っています。
イネ科植物で、帝国大学の命を受け台湾調査で発見した台湾固有種。
園内のどれもが、博士のエピソードが残る植物のようです。 -
ほとんどが木で造られていて、落ち着きます。
-
園内には生誕160年を記念して、いろんな企画をされていますが、
博士ゆかりの植物 も各所で展示されていました。
テバコマンテマ ナデシコ科
博士命名の四国山地の深山の岩壁のみに生える多年草。
絶滅危惧種に指定されています。 -
花をじっくりと見ると、可憐で見入ってしまいます。
何となく、博士が植物に没頭するのがわかるような気がします。
こんなに じっくりと植物を見ていくと、一つとして同じじゃなく個性的ですものね。 -
ヒメキリンソウ ベンケイソウ科
博士は植物の描写にもとても長けていて、まるで写真のよう -
かわいい花です。こうして見ると、博士だけでなく魅了されますが、
山中で発見するところが素晴らしい非凡な好奇心なのでしょうね・・ -
こちらも、四国の山地に固有の多年草で、岩壁などに生育しています。
絶滅危惧種 -
図書室と牧野博士の蔵書など約60000点所蔵する牧野文庫がガラス越しに観ることができます。
-
そこを過ぎると回廊170mも続きます。
-
見上げると イロハモミジが綺麗です。
-
下方には ツワブキ キク科 艶があって緑の濃い常緑多年草
-
これも 博士ゆかりの植物 個性的な花を咲かせていました。
サカワサイシン ウマノスズクサ科 -
高知、愛媛、徳島の低山の林床に生える多年草。
近年の遺伝子解析では高知東部と宮崎に分布する2種の自然交雑由来の雑種起源であることが明らかになった・・
そんなことまで近年では調べ解析できるのですね。。どうやって自然交雑できたのか・・海を渡ったのか?陸地が繋がっていたのか?
考え出すと眠れなくなりそうな・・没頭するかも・・って気分になってきます。無理ですが・・ -
素敵な石畳の回廊も
-
回廊には、いろんな花が色を添えてもいました。
スズムシバナ キツネノマゴ科
淡い紫色が美しいかわいい花です。 -
ヤマアジサイにも、いろいろあるようです
-
ヤマアジサイ 星の雫
2020年に登場したばかりの園芸品種 -
回廊の左手には ふむふむ広場
-
五感で植物に親しもう というエリアです。
-
香りのするハーブ類
-
ラベンダー はお馴染みですね
-
ニオイテンジクアオイ フクロソウ科
流通名は レモンローズゼラニウム
植物って名前がいくつもあるようです・・ -
こちらは 食べられる植物コーナー
ウスベニアオイ あおい科
流通名は コモンマロウ
こちらは流通名より 和名の方がメジャーなような・・
何が何だか・・二か国語マスターしなきゃって感じ・・大変です・・ -
カミツレ キク科
流通名 カモミール
オランダ語を日本語にあてたらカミツレになったらしい -
ティムス・キトリオドルス シソ科
流通名は レモン・タイム
お馴染みなのに、難しい名前なのね -
コエンドロ セリ科
流通名 コリアンダー
あー、コリアンダーね・・二つも名前があると大変~
植物の世界は分類だけじゃなく2つずつお名前があって大変~
それにしても、コリアンダー・・お料理に使うけど、こんな可憐な花を咲かすとは・・知らなかった~ -
メラレウカ・ブラクテアタ フトモモ科
流通名 ブラック ティー ツリー
このふわふわ自体が花 抗菌成分をもつらしい -
やっと、普通に花が咲いててほッとします。
-
ふむふむ広場でつい、お勉強し過ぎて・・
外国語の勉強してるみたいになって、頭がちょっと疲れた後に
和む花々も咲いてました。 -
ふむふむ広場を過ぎると、
牧野富太郎記念館の展示館 -
入り口には クマシデ カバノキ科
が青々と生い茂ってました。葉っぱの葉脈が独特で目につきます。 -
展示館の中へ
こちらも本館と同じように落ち着く空間が広がります。 -
左手の展示館前 牧野博士の笑顔が迎えてくれます。
-
目下、生誕160年の企画展が催されてます。
こちらも素敵な笑顔ですね。 -
右手にはカフェ
レストランは本館にあって、こちらはカフェ -
落ち着く空間です。一休みするのにちょうど良さそうです。
-
額縁庭園のように広がっています中庭が
-
ココロが整ってきそうな風景が広がっています
-
こちらのクマシデ には果穂がついてます
-
展示館は撮影不可になってましたが、どれも興味深いものばかり
-
牧野博士の人となりが十分にわかりました。
-
幕末の時代に生まれながら、時代に翻弄されることなく、自分の没頭したい事とはいえ、あくなき探求心で94歳まで研究を続けた博士のあっぱれな人生に感動します。
-
こちらの常設展にも笑顔が・・
色んな角度から牧野博士の事を知ると同時に、最後は観てるこちらも植物に魅了されてしまいそうになります。 -
展示館を出て、連絡路を歩きます。
途中にはベンチがあったり・・ -
花々を観ながら
-
連絡道を進みましょ
-
歩きやすい道です。
-
緑が生い茂っていて心地よい散策ができます。
-
途中の展望台からは深い山が見下ろせました。
-
進みましょ
-
所々には お遍路路があります。
お遍路っていうのは、元々はこういう道なのですね・・
途方もなく大変ですね、88か所歩くのは。
ここは四国霊場札所の竹林寺だったところですものね。
登ったり下ったり、こういう道が続いてたんですね。大変な業だったのですね。 -
連絡道を進みます
-
右手にはこんこん山
この上に広場があり、展望台もありますが、今回は通過・・ -
左前方には温室が見えてきました。まだ遠くに見えます。
左下に降りる階段があり、降りていくと -
牧野博士の銅像がありました。
片手にはカラカサタケを手にしています。
周りは広場になっていて、その周りを植物が囲んでいました。
牧野博士が採取した標本は60万点、命名したのは2500余りにもおよぶそう。
故郷高知の五台山で後世に植物学の魅力を垣間見せてくださりありがとうございます・・って気分になります・・この辺りまで散策してくると -
ヒメアジサイが鮮やかに咲いてました。
-
カワラナデシコ ナデシコ科
-
オカトラノオ サクラソウ科
-
マルバタマノカンザシ
夜に純白で芳香のある花を咲かせます。
博士は夜も探検して調査したんでしょう・・ね -
ホタルノブクロ キキョウ科
和名を提灯に見立てたという説と 花の中にホタルを入れて遊んだという説があります。 -
きれいな色で咲いてます。
-
アメリカノリノキ アナベル アジサイ科
-
珍しそうなアジサイが咲いてるそうです、行ってみましょ。
-
遠い・・進みますと
-
沢山花をつけてます
ヤクシマアジサイ アジサイ科
屋久島の固有種 -
白く大きな花弁が不ぞろいなのが不思議な紫陽花でした。
-
自然な雰囲気が続きます。
-
ホタルブクロは あちこちで咲いていました。
-
花菖蒲が咲いていたり
-
緑の中をかき分け進む感じです。
-
花弁が幾重にもなって綺麗です。
-
進みましょ
-
山の斜面全体、アジサイが綺麗でした。
-
上っていくと、温室に出ました。
-
入り口入ると みどりの塔
まあるい円柱の空間の天井にぽっかり穴が開いていています。
大木の洞窟をイメージして、壁面にはアコウの枝などが生い茂っていて、光が差し込んで、力強いイメージです。 -
ウォーターガーデンは、まるで神殿にいるかのようです。
-
色んな植物がありましたが、咲いていたのは
ホーエンベルギア・ステラタ パイナップル科
カリブ海などに分布しています。 -
蘭も花を咲かせていました。
リンコラエリア・ディグビアナ メキシコなどに分布 -
カトレア・フォープシー ラン科
ブラジルなどに分布 -
エビデンドルム族の交配種
綺麗な色です。 -
温室の中は広々と、車いすでも通れそうなくらいです。
-
フォックステールパーム ヤシ科 オーストラリアに分布
-
鮮やかな花が続きます
-
オオニバス スイレン科
アマゾン水系に分布
子供だと載れそうなくらいのハス -
花も咲いていました。
-
オオニバスを下から観察できるようにもなっていました。
-
違う植物のようです、裏側は。
温室のジャングルの中を歩き・・ -
50周年記念庭園
こちらは東洋の園芸植物が集まっています。 -
コロラド スイレン科
ピーチピンクの花。アメリカで作出 -
金輪蓮 ハス科
涼し気に集まって立っています。 -
花菖蒲も綺麗に咲いていました。
-
小青空 アヤメ科 江戸古種
空色に紫の小筋 -
藤絞り アヤメ科 白地に藤色の着物のしぼりのような柄
-
桃霞 アヤメ科 こんなピンク色の菖蒲もあるんですね。
-
土佐観覧センター
カンランは高知県が誇る東洋ランだそうで、その魅力を紹介する建物です。 -
季節柄、花菖蒲展も催されていました。
-
そして、最後に ヤマアジサイ 舞姫
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ざっと、これくらい観て3時間くらいでした。
もっと時間をかけ、1日いるのが適当な、充実した植物園でした。
ここで博士の人となり、人生、研究成果を知り、来年のドラマが楽しみになりました。
コロナで人間やってるのも大変~なんて思うこともありますが、植物の世界を垣間見ると、そんなの関係ない、ピュアな世界に生きる力を貰える博士、植物園でした。
高知の旅後半につづく
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