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2021年8月13日(金)5時20分頃、さあ、いよいよ国宝の松本城天守へ。5重6階の大天守を中心にし、北面に乾小天守を渡櫓で連結し、東面に辰巳附櫓と月見櫓を複合した複合連結式天守。<br /><br />大天守は、初重に袴形の石落としを付け、窓は突上窓、破風は、2重目南北面と3重目東西面に千鳥破風、3重目南北面に向唐破風の出窓を付けている。構造的には望楼型天守から層塔型天守への過渡期的な性格が見られ、2重目の屋根は天守台の歪みを入母屋で調整する望楼型の内部構造を持ちながら外見は入母屋を設けず強引に寄棟を形成している。ただ、強引とはいえ外見的には層塔型の形状を成立させているため、各重の屋根の隅は様々な方向を向いており、松本城天守の特徴のひとつとなっている。<br /><br />外壁は初重から最上重まで黒塗の下見板が張られており、この黒の原料は以前は墨だったが、解体修理の際に漆塗りの痕跡が見つかり、現在は黒漆塗りとなっている。大天守の建造年には複数説があり確定してないが、いずれにせよ戦国時代末期(1591年)から江戸初期(1615年)の間に建てられたもの。<br /><br />1階に入ると周りに1段低い通路が囲んでいるが、これは武者走と呼ばれ、戦闘の際に矢玉を持って走り回れるようにしたもの。2階には武者窓と呼ばれる縦格子窓があり、有事の際には武者たちの営所に当てることが出来た(下の写真1)。<br /><br />3階は外からは分からない階で、秘密の階とも云われ、有事の際の武者溜りだった。4階はいざという時の藩主の御座所で、5階は重臣たちの作戦会議室と考えられている。そして6階が望楼で、地上22.1m、堀水面上23.9mあり、東は本丸庭園から美ヶ原高原、南は松本市街中心部から塩尻・木曽方面、西は内堀に架かる埋橋に、安積平から北アルプス、北は松本神社から城山方面の四方を見渡せるはずなのだが、雨が強くなって来て、山は全く見えない・・・<br /><br />北側の乾小天守は耐震性に問題ありとのことで非公開なので入れない。ここの構造的特徴は大天守と同じだが、最上階に2つの花頭窓が開けられている。乾小天守と渡櫓の建造は一般的には大天守と同時期とされるが、乾小天守のほうが先と云う説もある。<br /><br />東側の辰巳附櫓と月見櫓に進むが、この2つの櫓は3代将軍家光が善光寺参拝の際に松本に立ち寄ると云う内意を受け、当時の藩主だった同じく家康の孫の松平直政が1634年に建てたもの。結局は家光の善光寺参拝は中止になったのだが、天守に付属する月見櫓としては唯一の遺構となった。<br /><br />辰巳附櫓の2階にも2つの花頭窓がある。上方が狭く、下方が曲線状に広がった尖頭アーチに似た形のこの窓は、禅宗と共に鎌倉時代に中国から伝わった仏教建築。本来は火灯窓と書くが、火を嫌うことから花頭窓あるいは華頭窓と書く。格式の高い窓とされており、次第に城郭建築にも広がった。<br /><br />月見櫓は戦いのない江戸時代初期に築造されたため、武備のない櫓で、東西四間×南北三間の3方向は、柱と舞良戸という横に桟を打った薄い板戸になっている。この舞良戸を外し、畳敷きの部屋で東から昇る月を愛でられるように考えられたと思われる。その外には朱色の漆が塗られた刎ね勾欄を施した回縁が巡っている。また天井は、船底天井に柿渋が塗られて幾分赤みを帯びている。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.7769447446458545&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />天守を出ると結構雨が強くなってきている。天守の前に小笠原牡丹の案内があるが、時季外れ。武田信玄に追われた小笠原長時が松本を去る時に託した牡丹の子孫が1957年に移植されたもの(下の写真2)。<br /><br />本丸庭園には熊本城主の加藤清正が松本城を訪問した際に城主の石川康長が贈った馬(駒)を繋いだ桜の名を受け継いで1960年代に植えられた駒つなぎの桜もあるが、これも季節外れ(下の写真3)。<br /><br />管理事務所の方に戻る途中、雪見灯篭が2つあるが、写真奥の丸い穴が開いてる方は2002年に姉妹都市提携30周年で高山市から贈られた飛騨の雪見灯篭。もう一つは庭園北側にもあった戸田家江戸屋敷にあった灯籠らしい(下の写真4)。戸田家の灯籠はその東にもう1基ある(下の写真5)。<br /><br /><br />30分ほどで本丸見学を終えて、二の丸に戻るが、続く

長野 松本城天守(Matsumoto Castel Tower,Nagano,Japan)

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2021/08/13 - 2021/08/13

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ちふゆ

ちふゆさん

2021年8月13日(金)5時20分頃、さあ、いよいよ国宝の松本城天守へ。5重6階の大天守を中心にし、北面に乾小天守を渡櫓で連結し、東面に辰巳附櫓と月見櫓を複合した複合連結式天守。

大天守は、初重に袴形の石落としを付け、窓は突上窓、破風は、2重目南北面と3重目東西面に千鳥破風、3重目南北面に向唐破風の出窓を付けている。構造的には望楼型天守から層塔型天守への過渡期的な性格が見られ、2重目の屋根は天守台の歪みを入母屋で調整する望楼型の内部構造を持ちながら外見は入母屋を設けず強引に寄棟を形成している。ただ、強引とはいえ外見的には層塔型の形状を成立させているため、各重の屋根の隅は様々な方向を向いており、松本城天守の特徴のひとつとなっている。

外壁は初重から最上重まで黒塗の下見板が張られており、この黒の原料は以前は墨だったが、解体修理の際に漆塗りの痕跡が見つかり、現在は黒漆塗りとなっている。大天守の建造年には複数説があり確定してないが、いずれにせよ戦国時代末期(1591年)から江戸初期(1615年)の間に建てられたもの。

1階に入ると周りに1段低い通路が囲んでいるが、これは武者走と呼ばれ、戦闘の際に矢玉を持って走り回れるようにしたもの。2階には武者窓と呼ばれる縦格子窓があり、有事の際には武者たちの営所に当てることが出来た(下の写真1)。

3階は外からは分からない階で、秘密の階とも云われ、有事の際の武者溜りだった。4階はいざという時の藩主の御座所で、5階は重臣たちの作戦会議室と考えられている。そして6階が望楼で、地上22.1m、堀水面上23.9mあり、東は本丸庭園から美ヶ原高原、南は松本市街中心部から塩尻・木曽方面、西は内堀に架かる埋橋に、安積平から北アルプス、北は松本神社から城山方面の四方を見渡せるはずなのだが、雨が強くなって来て、山は全く見えない・・・

北側の乾小天守は耐震性に問題ありとのことで非公開なので入れない。ここの構造的特徴は大天守と同じだが、最上階に2つの花頭窓が開けられている。乾小天守と渡櫓の建造は一般的には大天守と同時期とされるが、乾小天守のほうが先と云う説もある。

東側の辰巳附櫓と月見櫓に進むが、この2つの櫓は3代将軍家光が善光寺参拝の際に松本に立ち寄ると云う内意を受け、当時の藩主だった同じく家康の孫の松平直政が1634年に建てたもの。結局は家光の善光寺参拝は中止になったのだが、天守に付属する月見櫓としては唯一の遺構となった。

辰巳附櫓の2階にも2つの花頭窓がある。上方が狭く、下方が曲線状に広がった尖頭アーチに似た形のこの窓は、禅宗と共に鎌倉時代に中国から伝わった仏教建築。本来は火灯窓と書くが、火を嫌うことから花頭窓あるいは華頭窓と書く。格式の高い窓とされており、次第に城郭建築にも広がった。

月見櫓は戦いのない江戸時代初期に築造されたため、武備のない櫓で、東西四間×南北三間の3方向は、柱と舞良戸という横に桟を打った薄い板戸になっている。この舞良戸を外し、畳敷きの部屋で東から昇る月を愛でられるように考えられたと思われる。その外には朱色の漆が塗られた刎ね勾欄を施した回縁が巡っている。また天井は、船底天井に柿渋が塗られて幾分赤みを帯びている。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.7769447446458545&type=1&l=223fe1adec

天守を出ると結構雨が強くなってきている。天守の前に小笠原牡丹の案内があるが、時季外れ。武田信玄に追われた小笠原長時が松本を去る時に託した牡丹の子孫が1957年に移植されたもの(下の写真2)。

本丸庭園には熊本城主の加藤清正が松本城を訪問した際に城主の石川康長が贈った馬(駒)を繋いだ桜の名を受け継いで1960年代に植えられた駒つなぎの桜もあるが、これも季節外れ(下の写真3)。

管理事務所の方に戻る途中、雪見灯篭が2つあるが、写真奥の丸い穴が開いてる方は2002年に姉妹都市提携30周年で高山市から贈られた飛騨の雪見灯篭。もう一つは庭園北側にもあった戸田家江戸屋敷にあった灯籠らしい(下の写真4)。戸田家の灯籠はその東にもう1基ある(下の写真5)。


30分ほどで本丸見学を終えて、二の丸に戻るが、続く

  • 写真1 武者窓

    写真1 武者窓

  • 写真2 小笠原牡丹

    写真2 小笠原牡丹

  • 写真3 駒つなぎの桜

    写真3 駒つなぎの桜

  • 写真4 2つの雪見灯篭

    写真4 2つの雪見灯篭

  • 写真5 戸田家の灯籠

    写真5 戸田家の灯籠

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