2017/11/11 - 2017/11/11
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norio2boさん
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この旅行記スケジュールを元に
米国のワシントンDCにあるナショナルギャラリーにはブリューゲル(父)の作品をが一枚あります。
「聖アントニウスの誘惑」
The Temptation of St Anthony
Oil on canvas, 1557
59x86cm
National Gallery of Art, Washington DC
前回の《ブリューゲルをたずねる旅~2017年ミュンヘン再訪「老農婦の肖像」を見に行きました》でアップさせて貰いましたが、ミュンヘンのアルテピナコテークは1階部分全体を改修していて見れない以上に入ることさえ出来ませんでした。
その時の残念な旅行記です。
https://4travel.jp/travelogue/11227422
ワシントンに一枚しかないブリューゲル(父)の作品です。
はるばる、日本からやって来ました。
作品は展示されているでしょうか?
見ることができるのでしょうか?
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ワシントンには現職のころの仕事で2回来たことがあります。あの頃は警備も無くて、ホワイトハウスの柵の前で仕事仲間たち全員揃って記念撮影をしたりした思い出があります。
美術館は10時からなので2階建ての乗り降り自由の観光バスに乗ってワシントンのそれぞれの観光地の位置と距離感を掴むことにしました。
ホテルのフロント(ホリディインワシントンキャピタル)でチケットを買えないかたずねました。
国立航空宇宙博物館の前の停留所でバスの中で買えるという返事でした。
ホリディインワシントンキャピタルは博物館、美術館まわりが目的の旅行ならば最適と言えます。4泊朝食付きで1000ドルでした。
写真はDCトレイルというのカタログです。中に停留所の地図があります。当初は別のオールドタウントロリーツアーに乗るつもりでした。近場の観光名所を回るにはこちらでも良かったかも知れません。チケットはバスの中で買えました。42ドル(カード支払い) チョット高いですね。
ワシントンの巡回バスには4社が参入しているようです。目的に合わせて選択した方が良いかも知れません。 -
車窓からの写真です。
早朝から走る人が多いです。
(ワシントンメモリアルで日本の脳科学者の茂木さんが走ってました)
巡回バスの車内では黒人の男性が流暢な英語でユーモアを含めて解説してくれます。一緒に笑うのはヒヤリング力の関係で無理です。
停留所ナンバーと主要観光スポットのところは参考になりました。 -
(2)国会議事堂~(4)スミソニアンナショナルアートスペース~(6)アメリカ歴史博物館~(7)国立歴史博物館~(9)チャイナタウン~(12)ホワイトハウス~(13)アフリカアメリカ歴史博物館~(14)ジェファーソンメモリアル~(16)リンカーンメモリアルと乗って来て、(21)ナショナルアーカイブ(国立公文書館)で途中下車しました。
この会社の運行は夕方5時まで30分毎に運行しています。
ナショナルギャラリーには(21)が一番近いです。
42ドル使ってバスで分かったことは、
1)リンカーンメモリアル(西)と国会議事堂(東)が直線上に配置されていてその間の距離はたったの2.25km(直線で歩くと40分)
2)ワシントンメモリアルはセンターよりリンカーンメモリアルに近くにあって、
ワシントンメモリアルを北に進むとホワイトハウス
3)ワシントンメモリアルから国会議事堂までは2つのメインアヴェニュー(コンスティテーションとインディペンデンス)があって、見るべき美術館たちと博物館たちが配置されている
4)このエリアに主要なところが集まっているので自分の足で充分という事でした。
この日はそれ以降この巡回バスには乗りませんでした。
ワシントン滞在中は全て歩きました。
このエリアなら1日で2万歩くらいです。(歩きやすい靴で)
デトロイト行きのためにIAD空港(インターナショナルエアポートオブダレス)にはタクシーで行きました。
ご参考までに
ワシントンDCには以下の3つの空港があります。
全て、ワシントンDCの中ではなく、ワシントンDCを囲む2つの州にあります。
①ロナルドレーガンワシントンナショナル空港(DCA: Ronald Reagan Washington National Airport)
バージニア州
②ワシントンダレス国際空港(IAD: Washington Dulles International Airport )
バージニア州
③ボルチモア・ワシントン国際空港(BWI: Baltimore?Washington International Airport)
メリーランド州
①は主にドメスティック(国内線)、②③は主にインターナショナル(国際線)と長距離の国内線が発着しています。
日本からは、ダレス国際空港に全日空(NH)と、ユナイテッド航空(UA)の直行便が発着。
DC市内へ最も近い空港はレーガン・ナショナル空港。タクシーのドライバーはInternational Airport of Dullesの略がIADだと説明してくれました。米国国立公文書館 博物館・美術館・ギャラリー
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下車したところにあった地図看板です。
ワシントンは要所要所に地図表示が親切にあります。
右下にナショナルギャラリーが見えます。 -
ナショナルギャラリー美術館に行く前にATTに行きました。
昨日ホテルのそばにあるCVSストア(コンビニ)でATTのプリペイドカードを買ったのですが動かないので相談に行きました。知らない街の散策にはスマホのナビゲーションが(特に高齢者には)必須だと思っています。
途中にFBI本部の前を通りました。
金文字でJ.Edgar Hoover FBI Buildingとありました。FBI 散歩・街歩き
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その奥の左側にデズニーランドのお城のような建物が見えて来ました。
近づいて見てみるとトランプホテルでした。正式名称.(Trump International Washington D.C)
4Tには登録されていないようです。
手前に巡回観光バスが写り込んでいます。ワシントンには4社が参入していると言っていました。 -
歩きながら間違えてシャッターを押してしまいました。
風が強くて体感温度としては寒いです。 -
ATTの店内です。
アメリカでもハードは安くて通信料で儲けるビジネスモデルです。
ソフトバンクですので、「アメリカ放題」でも良いのですが、、、、
ATTは4GかLTEで動きます。 -
テレビ対応装置、アップルTVとかアマゾンの製品の比較ができるようになっています。
AIスピーカーもアマゾン、サムソン各社のが並んでいました。これもハードは安いようです。アップルもSiriを応用したものを近々出して来るようです。
プリペイドシムカードの方は、(よくわかりませんが)トップアップ(追加入金)は出来ないようで新規の購入となりました。28ドルでした。昨日買ったのは無駄になりました。
教訓
プリペイドシムカードはアクティベート(動かす)までやってくれる店(キャリア)で購入しましょう。
パスポートの本紙の提示は求められませんでした。 -
帰り道は反対側を歩きました。トランプホテルの東側の入り口です。
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ナショナルギャラリーのはす向かいにあるナショナルアーカイブ(米国国立公文書館)ではベトナム戦争の特集をやっていました。
当時の戦時ヘリコプターが2機種展示されていました。
退役軍人(ベテラン)が説明していました。操縦席にも座らせて貰って記念撮影する若い人が多かったです。米国国立公文書館 博物館・美術館・ギャラリー
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写真の若い夫婦、旦那が操縦桿を握ってピースサインして奥さんに撮影して貰っています。
あの悲惨なベトナム戦争も、もはや「大昔の事」になってしまったようです。 -
ナショナルアーカイブの正面玄関の写真です。
ヴェトナム特集をやっていました。
この次に見ようと思ってましたが、残念ですが、見損ないました。
教訓
旅行中は「この次と考える」のはやめよう。米国国立公文書館 博物館・美術館・ギャラリー
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ナショナルギャラリーが右側に見えて来ました。
ブリューゲル(父)の作品とされている「聖アントニウスの誘惑」を見に行きました。 by norio2boさんナショナルギャラリー オブ アート 博物館・美術館・ギャラリー
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ナショナルギャラリー(西館)に到着しました。
月曜日から土曜日は10時~17時
日曜日は11時~18時
休館はクリスマスと元旦
フェルメールの特集をやっていました。ブリューゲル(父)の作品とされている「聖アントニウスの誘惑」を見に行きました。 by norio2boさんナショナルギャラリー オブ アート 博物館・美術館・ギャラリー
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入場料は無料です。
フロントでスマホに入れてきたブリューゲルの「聖アントニウスの誘惑」を見せてブリューゲルの作品といいました。
ブリューゲルの綴りは?
Bruegel
パソコンで検索して
2階の41号室にあると言ってマップに道順まで書き込んでくれました。
チャイニーズか?と聞くので
ジャパニーズだというと日本語版のフロアマップをくれました。
写真に写したマップに41と書かれています。 -
2階に上がったら、フロントの女性が説明してくれたように噴水のある広場を右折して、、、、
-
その先のこの噴水のある広場を左折、、、
と進むと進入禁止になっていて迂回して41号室に到着しました! -
ありました!
「聖アントニウスの誘惑」の右側ヒエロニムスボッシュの「死と守銭奴」の前に写り込んでいるのは一般の男性の鑑賞者の方です。 -
「聖アントニウスの誘惑」です。
-
額縁を取って見ると絵の主題がはっきりとします。
1557年制作
「The Temptation of St.Anthony」
Oil on Canvas 59x86cm
ワシントンのナショナルギャラリーにあるこの絵の主題の「聖アントニウス」は250~350年頃のキリスト教の歴史に残る聖人です。
彼は禁欲的な修道士生活(修道の誓いをたて、終身独身を貫き信仰に身を捧げる人)を始めた人として聖人に崇められています。
聖アントニウスが砂漠での禁欲的な苦行生活の中で、諸々の悪魔や魔物に誘惑され、煩悩に苦悩しながら信仰を深めて行くというストーリーです。
ブリューゲル以外にも「聖アントニオスの誘惑」を主題とした作品を描いて画家がいます。
ヒエロニムスボッシュ(リスボン国立美術館蔵)
マティアスグリューネヴァルト(1470~1528)
レオナルドダヴィンチ(バチカンのピナコテカにある未完成作品)
この旅行記は
https://4travel.jp/travelogue/11263250
近くでは、サルバドールダリも描いています。
ブリューゲル(父)にはペン画をベースにした版画もあります。 -
絵の右下の部分です。
聖アントニウスが修業する姿が描かれています。
信仰深める修業するアントニウスの心は煩悩で悩まされます。修行なんか意味がないよと誘惑しようと悪魔や悪霊が現れています。
この絵が描かれた16世紀中頃には、人気があった絵画の主題でした。
民間信仰では「聖アントニウス」を主題にした絵を飾れば、疫病や奇病にならない為の「お守り」としてご利益があると信じられていたのです。 -
展示プレートです。
「Follower of Pieter Bruegel the elder」とあります。
制作年は1550/1575と書かれていました。
因みにブリューゲル(父)は1525年にアントワープで生まれ1569年にブリュッセルで亡くなっています。
当時は、画家は組合(ギルド)に属し活動していました。画家は自分の工房を持ち弟子たちと共同で絵画を描いていました。
Rembrandt workshopと言えばレンブラント工房の制作を意味します。(工房の弟子たちが描いた)
アントワープにあるルーベンスハウスに行くと分かりますがルーベンス(1577~1640ブリューゲル(父)より半世紀後の画家)の工房は「黄金の工房」と呼ばれ大規模な分業システムで作品を制作しました。
アントワープのブリューゲル訪問記は
https://4travel.jp/travelogue/11102907
ブリューゲル(父)も工房は持っていました。
「Follower of Pieter Bruegel」とは
ピーターブリューゲルに影響された(誰か)画家ということが出来ると思います。
ブリューゲル工房に居た弟子では無く、ブリューゲルの血縁者でもなく「ブリューゲルを信奉する誰か」第三者という事だと思います。 -
画面の左側の中央部分の拡大写真です。
遠景の対岸が描かれています。
このような部分の詳細な描きこみはブリューゲル(父)の得意とするところです。
真筆の作品は拡大するとここにこんなに小さく描かれていたのかと、画面のあらゆる箇所で細部まで見とれてしまうのがブリューゲル(父)の絵を鑑賞する楽しみなのです。
「誰か」が描いたこの絵には対岸の建物たちがシルエット的に描かれれいます。ブリューゲル(父)だったらここにも「暮らす人たちの生活」を細部まで描きこんでいたはずだと思います。
ここに来て初めて作者が「Follower of Pieter Bruegel the Elder」であると知りました。
小売業で財を成したサミュエルHクレスが1952年2月19日に購入したとプレートには書かれています。 -
画面上部のセンター左寄りの部分です。
上空を飛び交う悪霊たち
左の木には何か異物がぶら下がっています。
ここの絵柄はヒエロニムスボッシュの「聖アントニウスの誘惑」の飛び交う悪霊の引用のようです。 -
画面上部の中央部分です。
建物のシルエットを浮かび上がらせて燃え上がる火の粉の描き方はブリューゲル(父)のようです。
ベルギーのアントワープにあるマイエルバンデンベルグ美術館の「狂女フリート」の燃え上がる炎をよく捉えて描きこんでいます。
アントワープの旅行記は
https://4travel.jp/travelogue/11102907 -
左下の部分です。
ブリューゲル(父)がボッシュに影響を受けて使用した画面構成上の小道具「ナイフ」が登場しています。ミュンヘンのアルテピナコテークにある「怠け者たちの天国」はナイフを刺した玉子や豚が画面を走り回っています。
ここではただ、プレートに立てかけられた「ナイフ」があります。
ミュンヘンの旅行記は
https://4travel.jp/travelogue/11119667 -
絵の全体をもう一度見てみます。
ブリューゲル的な雰囲気をこの「誰か」は上手に描いています。
ワシントンのナショナルギャラリーに来るまで僕は「聖アントニウスの誘惑」はブリューゲル(父)が描いた真筆だと思っていました。
ベルギーのブリュッセルのベルギー王立美術館にある「イカロスの墜落のある風景」は、最初に行った2005年の時にはブリューゲル(父)の作品とされていました。次に行った2016年にはブリューゲル工房の弟子の作品とされていました。
2016年のブリュッセル旅行記は
https://4travel.jp/travelogue/11119046 -
「聖アントニウスの誘惑」の右にあった作品です。
Death and the Miser
「死と守銭奴」
1485~1490
Oil on Pannel 92.6x30.8cm
ヒエロニムスボッシュ(1450~1516)ブリューゲル(父)に大きな影響を受けた画家です。幻想的な画風で怪物や悪霊が飛び回る怪奇な作品を描きました。
現存する作品は30点ほどです。
ブリューゲル(父)は1525年の生まれですから直接の接触はありません。ブリューゲル(父)の40点ほどの現存する作品のうち3点
「死の勝利」1562年 マドリードのプラド美術館蔵
「狂女フリート」1562年 アントワープのマイヤーヴァンデンベルグ美術館蔵
「墜天使の墜落」1562年 ブリュッセルのベルギー王立美術館蔵
は妖怪の跋扈する絵です。
1563年にブリューゲル(父)は結婚しています。結婚と同時にアントワープからブリュッセルに引っ越しています。その前年にアントワープでボッシュ的な絵を3枚描いているのは何かあったのでしょうか?
もう一枚の「怠け者たちの天国」ミュンヘンのアルテピナコテーク蔵は1567年です。
話を戻します。
「死と守銭奴」は縦横比3:1の背の高い作品です。
三連の祭壇画(3枚のパネルで構成された祭壇画)の左右どちらかの部分と言われています。 -
画面の上部です。
左のドアを開けて死神が死にそうな男の様子を覗き込んでいます。 -
画面の中央部分のアップです。
緑の服を着た守銭奴は金庫にお金を入れています。 -
下の部分です。
ピンクの絹の生地がの上に肘をついている男はボッシュの自画像だといわれています。 -
この41号室には興味ぶかい絵がありました。
「The Martyrdom of Saint Catherine」
「聖カテリーナの殉教」
1540年制作
木版から合板に移された油彩
アントワープの多分マタイスコック(
Matthys Cock)
マタイスコックはアントワープで1505年に生まれ同じくアントワープで1548年に亡くなっています。ブリューゲル(父)は1525~1569ですから20歳先輩です。
アントワープの画家組合(ギルド)の聖ルカ組合にブリューゲル(父)が画家登録されたのはこの絵の描かれた1540年の11年後の1551年です。
そう思うと大先輩ですね。
Martyrdomは殉教です。殉教とは自らの信仰のために命を失うことです。聖カテリーナとはキリスト教の歴史上に西暦287~305年に存在した女性です。
彼女が殉教した11月25日はカソリック教会では聖カテリーナの祝日とされています。 -
画面の左上部分です。
聖カテリーナはこの奥にいるようです。
「カタリーナの車輪」が2基描かれています。車輪に人を括り付け苦しめながら殺すことを目的とする拷問、処刑の道具です。カタリーナを縛り付けようとすると車輪は崩れ落ちたと言われています。 -
41号室のブリューゲル(父)のフォロワーが描いた「聖アントニウスの誘惑」に見入る女性です。
今回のワシントンDCにブリューゲル(父)の作品を見に来た目的はこんな成果に終わりました。
作品はありました。
しかしながら、作品は真筆ではありませんでした。
この後、ナショナルギャラリーの図書室で「聖アントニウスの誘惑」についての解説を確認しました。
この作品を購入したのはSamuel H Kress(サミュエル クレス)です。1952年のコレクションです。その当時はこの「聖アントニウスの誘惑」はブリューゲル(父)の作品として認められていたのでしょうか?クレスはブリューゲル(父)の作品だと思って購入したのでしょうか?
41号室の真ん中に置かれたソファーに座り、サミュエル クレスという人物について検索してみました。(プリペイドシムカードが役に立ちました)
彼は貧しい家へ生まれ生涯独身で、子孫も残していません。子供の頃から採石場で働き、その後教職員資格を取り教職につきます。1887年からは文房具の小売業を始めます。店名は「S.H.Kress&Co」から有名な全国チェーンの「Kress Five and Dime」を展開するまでになっています。
このワシントンのナショナルギャラリーには数多くのクレスコレクションがありました。
ナショナルギャラリーのHPの「聖アントニウスの誘惑」についてのページです。
https://www.nga.gov/collection/art-object-page.41602.html -
この後は、ワシントンナショナルギャラリーで気になった作品の写真を撮りました。
レンブラント(1606~1669)の自画像です。
Rembrandt Van Rijn
「Self Portrait 」
Oil on canvas 1659制作
レンブラントは1525年生まれのブリューゲル(父)の1世紀後の画家です。レンブラントは1628年22歳の時の「アトリエにいる風景」(ボストン美術館蔵)を多くの(多分50以上)油彩の自画像を描いています。
この自画像の絵が描かれた1659年は、レンブラントが破産状態に陥って邸宅が差し押さえられ、アムステルダムの画家組合から除籍され絵を得るにも(生活費を得るにも)苦労した時代でした。 -
当時は「自画像」は販売されるものではありませんでした。
レンブラントにとっての「自画像」制作は絵の研究(構図や効果)の為でした。レンブラントは20歳から人気作家でしたが、当時の社会ではレンブラントの肖像画(自画像)への需要はありませんでした。
それだけに、レンブラントは画家としての気持ちのおもむくまま「自分」を描いています。 -
次はボッチセリの「東方三博士の礼拝」です。
Sandro Botticelli (1446~1510)
「The Adoration of the Magi」
Tempera and oil on Pannel
1478~1482制作
ボッチセリはレオナルドダヴィンチ(1452~1519)と同じ時期の画家です。
メジチ家のお抱え画家として名声を得たボッチセリの32~36歳の時の作品です。ウフィツィ美術館の「ヴィーナスの誕生」は1485年です。 -
聖母マリアとキリストの部分のアップです。
-
ワシントンのナショナルギャラリーを代表する作品の一つです。
Ginevra de' Bench oil on Panel
Leonardo Da Vinci
レオナルドダヴィンチ(1452~1519)が1474から1478年(22~27歳)に描いた「ジネーヴラデヴィンチの肖像」です。1967年からメロン財団よりナショナルギャラリーの所蔵しています。 -
このレオナルドの作品は残されているいくつかの習作(下絵)と残された絵の構図から、下半分があったと言われています。
つまり、腕から手までがあったのです。
1967年に、この絵の購入代金としてメロン財団が拠出した金額は500万ドルです。 -
裏面です
偶然写り込んでいるのは一般の鑑賞者の方です。
「ジネーヴラデヴィンチの肖像」の裏面には「VIRTVTEM FORMA DECORAT」(美は徳を飾る)とラテン語での表記がされています。 -
2階(メインフロア)のマディソンドライブ側の中央部分に創設者記念室(ファウンダーズルーム)があります。
美術館を見て回るのは、体力を消耗します。
ここは静かで、誰もいないし、立派な革張りソファーもありますので休憩場所には最適です。
この美術館が開館したのは、1941年です。第二次世界大戦の最中に開館しています。ピッツバーグのメロン財閥(木材業と金融業)のアンドリューメロンの個人コレクションと彼の資金提供から始まっています。 -
Samuel Henry Kress
Samuel H. Kress Collectionの実業家サミュエルクレス(1863~1955)の肖像画も飾ってありました。
クレスもファウンダーの一人だったのだと思いました。
画家はLeopold Seyffert(1887~1956)と言うアメリカ人の画家です。
キャンバスに油彩 1953年は制作でした。
亡くなる前々年に描かれたようです。
クレスさん、あなたは「聖アントニウスの誘惑」をブリューゲル(父)の真筆でないことを知りながら購入したのですか?
ブリューゲル(父)の作品だと信じて(鑑定して)購入したなら、何時頃に偽物と気づいたのですか?
購入の時の経緯はどんなことがあったのですか?
そんな質問というか疑問をクレスの肖像画を見ながら考えていました。 -
Paul Mellonの肖像画も飾られていました。
アンドリューメロンの長男です。
父の莫大な財産を相続し、ナショナリギャラリーにも彼自身の個人コレクションを150点寄贈したと言います。
この美術館の館長も務めています。 -
ファウンダーズルームの反対側には資料室(Information Desk)があります。写真のようなカウンターで色々相談することが出来ます。
ワシントンナショナルギャラリーの出版物も閲覧できます。 -
資料室でブリューゲルの情報を集めました。
「National Gallery of Art」
500頁もある分厚くとても重い本です。
ナショナルギャラリーコレクションです。
持ち出し禁止 DO NOT REMOVEという赤枠のシールが貼られています。
表紙はフェルメールです。 -
ブリューゲル(父)の作品「聖アントニウスの誘惑」についての記述のページです。
拙訳です。
このアーチストはブリューゲル(父)の強い影響を受けている。小屋の中に描かれているアントニウスの輪郭はブリューゲルの絵から取られている。
あと、2人の画家の影響が認められる、絵の左側の川の部分の景色は1524年までアントワープで活動したJoachim Patinirの影響を受けている、そして、悪霊や怪獣の描写はヒエロニムスボッシュの影響が認められる。
この「聖アントニウスの誘惑」の作者は未だ誰だか特定されていないし、その他の作品も確認されていない。
しかしながら、この絵に見られる繊細さや光や空気の描写表現に偉大な技術を持つ画家であった事が認められる。 -
西館から入場しました。
東館は道路を超えた東側にあります。
地下道で西館と東館は相互に行き来出来るようになっています。
途中にはミュージアムショップ、カフェがあります。
電飾で飾られた地下道を、エレベーターで移動できます。 -
東館は近代アートの作品の展示です。
写真の左下に見えるジェット戦闘機も作品です。 -
この吹き抜けの空間では子供達がアートに親しむためのイベントが行われていました。
-
タッチパネルに電子絵を描くイベントです。
実際の絵の具や筆は使いません。
下にあるリストから色を選んできて、絵を描いてゆきます。
子供達は抵抗感なく、自由奔放に電子絵を描いていました。
指導者の20歳前後の男の子と少し話ししました。
子供達に人気があるイベントなので時間を区切っているようでした。
写真のように順番待ちの子供がスツールに座って自分の順番を待っています。 -
イサム・ノグチがありました。
Isamu Noguchi(American, 1904~1988)
タイトルは「Great Rock of Inner Seeking」
制作年は1974年
Basalt(玄武岩) -
4時頃、東館の上階にあるミュージアムカフェで簡単な昼食(13.04ドル、カード支払い)をとりました。
この東館のデザインは現代アートの入れ物(展示空間)として考慮され相応しいものに仕上がっています。カフェもおしゃれな空間でした。
インフォメーションカウンターで
この建物の設計は誰?と聞くと
簡単なリフレットをくれました。
I.M.PEI (1917~)
イオミンペイの1978年の設計です。
MIT卒の中国系アメリカ人
パリのルーブル美術館の「ガラスのピラミッド」
は彼の設計です。(1989年)
日本では滋賀県にあるMIHO MUSEUMという美術館が彼の1997年の作品だそうです。
帰り道に国会議事堂が見えました。 -
ホテルまでは歩いて5分くらいです。
ワシントンDCを歩き回るには最適のロケーションです。
ホリデイ イン ワシントン - キャピトルの全景です。
部屋は9階でした(写真で分かるように最上階です)
アスレチックやプールも9階です。
1階の角にスターバックスがあります。ワシントンDCの美術館、博物館を歩いて回るならこのホリディインが最適です。 by norio2boさんフェアモント ワシントン D.C. ジョージタウン ホテル
-
ホテル(ホリデイ イン ワシントン - キャピトル)の部屋に帰ったら綺麗に清掃してくれていました。
「ブリューゲル(父)をたずねる旅~ワシントンDC」の目的はとりあえず終了しました。
今までのそれぞれの「ブリューゲルをたずねる旅」の終わりに感じた印象とは、今回はかなり違った終了感でした。
ブリューゲルの真筆ではありませんでした。
その意味では「空振り」なのですが、何か自分の「ブリューゲルをたずねる旅」に幅と奥行きを加えることができた、今回のワシントンの旅だったように思いました。
ワシントン4泊の後はデトロイトに3泊します。デトロイト市美術館には「屋外の結婚式の踊り」があるのです。
年が明けて、2月にはサンディエゴに行きます。
5月にはロンドン郊外にあるUpton Houseというシェル石油の創業者のコレクションの「聖母マリアの死」を見にゆきます。
一応それで「ブリューゲルをたずねる旅」は終了します。(四国お遍路の言葉で言うと「結願」です)ワシントンDCの美術館、博物館を歩いて回るならこのホリディインが最適です。 by norio2boさんフェアモント ワシントン D.C. ジョージタウン ホテル
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ブリューゲルをたずねる旅~2017年5月ローマ
2017/05/16~
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<動画版>ブリューゲルをたずねる旅~2017年6月スイス ヴィンタートゥール
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この旅行記へのコメント (6)
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- milkさん 2017/11/30 20:34:25
- 意外な終わり...
- norio2boさん、こんばんは。
ブリューゲルの作品だと思って見に行ったのに、まさか違う方の作品だったとは...。
ブリューゲルだと思われていた作品が、実は違ったと言う事があるのですね。
確かに、他の画家にも聞く話ではありますが...。
でも、さすがブリューゲルの作品を追うだけあって、作風にはお詳しい!
Upton Houseではお目当ての物が見られるといいですね。
milk
- norio2boさん からの返信 2017/12/01 00:15:58
- Re: 意外な終わり...
- milkさん
コメントありがとうございます
ご無沙汰しています
最近は新しい旅行記を拝見できていないような気がしています。
次の旅行記楽しみにしています
ワシントンのナショナルギャラリーでブリューゲルの作品を見た時は、今までとは違った「奇妙な第一印象」がありました。
それなりの収蔵はあったと感じています。
2月のサンディエゴ行きは、帰り道にロスアンゼルスのゲッティ美術館によってこようかと思っています。
アップトンハウスは絵がある確認出来ました(インスタグラム経由で)
寒さ厳しくなるようです
ご自愛ください
- milkさん からの返信 2017/12/03 22:35:21
- RE: Re: 意外な終わり...
- norio2boさん、こんばんは。
お返事ありがとうございます。
先月、スマホが調子悪かったり、それによって機種変したり、来月のバンコク・シンガポール旅行の調べ物をしたりと、なかなか旅行記に手が回らずにいました...。
もうすぐ今年が終わるのに、2月の旅行記もほとんど終わっていません(^_^;)
ワシントンで実際にあの作品とご対面するまで、ずっとブリューゲル(父)ご本人の絵だと思っていらしたのですね。
行かないと分からない事ってあるのですね...。
日本にはこの情報がないのでしょうか?
だとしたら、norio2boさんのこの旅行記は素晴らしいレポートになりますね。
アップトンハウスの絵はインスタで確認されたのですか。
最近の情報網はインスタが一番良いようですね。
そうそう、先日お友達から「おいり」を頂いたのです!
繊細で可愛いお菓子ですね。
ソフトクリーム買って来て付けて食べたいのですが、「おいり」を持って買いに行った方がいいかしら(笑)
milk
- norio2boさん からの返信 2017/12/04 08:14:28
- RE: RE: Re: 意外な終わり...
- milkさん
おはようございます
だいぶ冷え込んで来ました
風邪の本格シーズンに入りました
風邪対策は寒さ対策だと思っています
ご自愛下さい
旅行記アップはiPhoneでやっています
iPhoneの画像をまずアップ
(写真の順番がおかしくなるので場面ごとに小数枚アップしてから正しい順番に直す)
コメントはその後、暇な時に付け加えてます。
最近は(ますます)物忘れです
旅行記作成はボケ防止に効果があるようです
同じコメントを何回も書いたりしています
追伸
おいりソフトは現地で頂くのが良いかと思います
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- ことりsweetさん 2017/11/30 08:46:24
- ナショナルギャラリー♪
- Norio2boさん、
子供がまだ赤ちゃんの時、DCに数ヶ月住んでいました。
その頃は育児中で自由がない代わりに昼間はベビーカーで
地下鉄に乗ってしょっちゅう美術館、博物館、モールをうろうろ
したものです。
日本ではまだ建物、地下鉄の身障者用のスロープ、エレベーターもなく
美術館の絵の写真をフラッシュなしなら撮影していい自由がない時代です。
アメリカの自由なおおらかさと不自由な人たちへの配慮を享受して街を楽しんでいました。
お気に入りはモネやルノアール、メアリーカサットなど印象派でした。
あ、私の事ばかりスミマセン。
norioさんは2005年からブリューゲルに出会う旅に
出かけられたんですね。
私はまずバベルの塔の絵は知っているのですが、
家族で画家だったんでしょうか。
来年上野で展覧会があるようですね。
もう少し勉強してみようと思いました。
中世の寓話のような絵に人々の動きに興味をもちました。
DCは動きやすくいい街ですね。
ことりsweet
- norio2boさん からの返信 2017/11/30 23:58:30
- Re: ナショナルギャラリー♪
- ことりsweetさん
感想コメントありがとうございます
ワシントンはさすがアメリカ合衆国の首都ですね
経済力の大きさを感じました
ただ、何故かアメリカではなくてイギリスにいるような錯覚を感じた場面がありました
例えば、ナショナルギャラリーの所蔵する圧倒的な数量のヨーロッパの芸術作品の収集に祖先の「母国への郷愁」を感じました。
成田からワシントンへのフライトも「知的な人たち」が多かったです。
ワシントン散歩編もアップする予定です。
今後ともよろしくお付き合いください。
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