ブリューゲルをたずねる旅～2009年ブタペスト

2009/12/02 - 2009/12/03

ブリューゲルをたずねる旅
2009年12月3日
ハンガリーのブタペストにある西洋美術館
Szepmuveszeti Museum
入場料は当時ですが3200Ft
写真撮影は別途支払った記憶があります

ハンガリーはEUに加盟しているのにユーロが使えない国でした
ミュージアムショップで美術書を買いたかったのですがユーロが使えず、カードのPINコードを忘れて買い物出来なかった思い出があります
今はどうなんでしょうね？
ここブタペスト西洋美術館にはブリューゲルが1枚あります

The Sermon of St.John of the Baptist.
Oil on wood 95x160.5cm
「洗礼者ヨハネの説教」1566年作

エリア ブダペスト(ハンガリー)

12月2日水曜日 快晴

夕方です。

ブダ側のゲッレールトの丘からドナウ川を望む
。対岸はペストです。合わせてブダペスト。

ゲッレールトの丘 山・渓谷

左岸がブダ
右がペストで奥に国家議事堂の赤い屋根が見えます。

1873年にブダとペストが統合されてブダペストとなりました。

石垣の銃弾のあと
ナチスの銃弾
ソ連の銃弾
おびただしい銃弾痕です。

その前の13世紀にはモンゴルの来襲でブタペストは廃墟となった歴史があります。

夕陽に染まるドナウ川です。

ライトアップの漁夫の砦

漁夫の砦 建造物

聖イシュトヴァーン大聖堂

聖イシュトヴァーン大聖堂 寺院・教会

夕食のレストランの前の通りです。
自転車専用レーンがありました。

この頃のiPhoneの解像度はこの写真たちの程度でした。

12月3日木曜日

地下鉄で西洋美術館へ向かいました。
Szepmuveszeti Museum
写真は西洋美術館の前の通りです

西洋美術館 博物館・美術館・ギャラリー

地下鉄の入り口です。
M1. Hosok tere 駅を上がると英雄広場が見える
その左に
Szepmuveszeti Muzeum
西洋美術館

英雄広場 広場・公園

ヨーロッパ絵画を代表する6大巨匠の特集をやっていました。
レオナルドダヴィンチの「白貂を抱く女」も見られて幸運でした。ポーランドのクラクフのソアルトリスキー美術館にある作品です。

英雄広場 広場・公園

英雄広場の奥にはセーチェニ温泉があります。
是非とも入りたかったのですが同行者が反対で残念でした。
ブダペストはブダ側にも評判の温泉があるようです。療養用の温泉のようでいつか挑戦したいものです。

セーチェニ温泉 温泉

温泉の熱で霞んでいます。

右が英雄広場です。ハンガリーの英雄たち14人彫刻が並んでいます。
左にあるのが西洋美術館です。

今は分かりませんが、英雄広場には観光客狙いがいるので要注意でした。

英雄広場のセンター部分のマジャルの英雄たちの彫刻群です。1929年に30年以上を費やして出来上がったと言われています。
9世紀にアジアから来た騎馬民族マジャル人がブタペストを作りました。

英雄広場 広場・公園

英雄広場の英雄たちの像を背にブタペストのメイン通りであるアンドラーシ通りを見ています。

西洋美術館の入場券です。
3200Ftでした。写真撮影は追加料金が必要だったと思います。

ボッチセリ、ティッティアノ、ダヴィンチなどの巨匠の特集をやっていました。

レオナルドの「白貂を抱く女」が見ることが出来ました。

西洋美術館 博物館・美術館・ギャラリー

レオナルドダヴィンチたちの巨匠特別展は客が多かったです。常設展示の方はガラガラでした。
ブリューゲルの作品のある場所はどこか？質問しましたが知らないようでした。

ガラガラの部屋の突き当たりにブリューゲル父の作品「洗礼者ヨハネの説教」がありました。
メンテが行われていないのか、薄汚れた印象がありました。

西洋美術館 博物館・美術館・ギャラリー

マタイの福音書の第3章の記述です。

「そのときイエスは、ガリラヤを出て
ヨルダン川に現れ、ヨハネのところにきて、バプテスマを受けようとされた。 ところがヨハネは、それを思いとどまらせようとして言った、「わたしこそあなたからバプテスマを受けるはずですのに、あなたがわたしのところにおいでになるのですか」。 しかし、イエスは答えて言われた、「今は受けさせてもらいたい。このように、すべての正しいことを成就するのは、われわれにふさわしいことである」。そこでヨハネはイエスの言われるとおりにした。 イエスはバプテスマを受けるとすぐ、水から上がられた。すると、見よ、天が開け、神の御霊がはとのように自分の上に下ってくるのを、ごらんになった。 また天から声があって言った、「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。

Baptistはバプテスマで洗礼者を意味します。福音書をあらわしたヨハネとは別人です。洗礼者ヨハネと呼ぶのはイエスキリストを洗礼したからです。

洗礼者ヨハネは説教をし、左手でイエスを指し示しています。ヨハネは救い主イエスの出現を予言していました。

イエスの時代とブリューゲル父の時代はほぼ1500年違います。この作品もそうですが時系列を無視して混在させて作画する手法はブリューゲル父の良く使う方法です。この絵をブリューゲル父が描いた1566年は宗教改革の時代です。大航海時代の貿易港として急速な経済成長をとげていたアントワープには各国から民族が集まっていました。

ブリューゲルは熱心なキリスト教徒では無かったようですし、プロテスタントでもカソリックでもなかったようです。ただ彼は自分のまわりで起きていることに対して冷静な観察者だったのだと思います。

1551〜1554年の3年間をブリューゲル父はイタリアに旅行しています。当時の絵画の主流はイタリアでした。ブリューゲル父はイタリアでの絵画技法の習熟の成果を風景部分以外は役立てていないようです。ブリューゲル父の画家としての考え方としては、先ず自分の「絵の才能」についての自負があったと思いますが、その次にブリューゲル父の絵画的関心がイタリア的なものには満たされないという事があったと思います。

2014年3月にイスラエルのヨルダン川の礼拝所をたずねました。その時の4T旅行記です。川のそばにあったお土産屋さんで洗礼用の白いワンピースを売っていました。

http://i.4travel.jp/travelogue/show/10871664

ブリューゲル父は自分の絵の中に自分を隠すように描きこむことがあります。「洗礼者ヨハネの説教」の右端の部分です。

いちばん右に立っている横顔の男がブリューゲル父であると言われています。
ウィーンの美術史美術館にある「ゴルゴダへの道行き」にも、右隅にブリューゲルが描かれています。

聖書のマタイの福音書の第14章にも洗礼者ヨハネについての記述、ヨハネの最後についての記述があります。この記述も多くの画家たちが主題として選んで絵にしています。


「そのころ、領主ヘロデはイエスのうわさを聞いて、 家来に言った、「あれはバプテスマのヨハネだ。死人の中からよみがえったのだ。それで、あのような力が彼のうちに働いているのだ」。 というのは、ヘロデは先に、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕えて縛り、獄に入れていた。 すなわち、ヨハネはヘロデに、「その女をめとるのは、よろしくない」と言ったからである。 そこでヘロデはヨハネを殺そうと思ったが、群衆を恐れた。彼らがヨハネを預言者と認めていたからである。 さてヘロデの誕生日の祝に、ヘロデヤの娘がその席上で舞をまい、ヘロデを喜ばせたので、 彼女の願うものは、なんでも与えようと、彼は誓って約束までした。 すると彼女は母にそそのかされて、「バプテスマのヨハネの首を盆に載せて、ここに持ってきていただきとうございます」と言った。 王は困ったが、いったん誓ったのと、また列座の人たちの手前、それを与えるように命じ、 人をつかわして、獄中でヨハネの首を切らせた。 その首は盆に載せて運ばれ、少女にわたされ、少女はそれを母のところに持って行った。 それから、ヨハネの弟子たちがきて、死体を引き取って葬った。そして、イエスのところに行って報告した。

西洋美術館のリフレットの記述を紹介します。

当美術館はオーストリアの皇帝でありハンガリーの国王フランツジョセフの1906年12月の訪問した時に一般に公開された。
21世紀になってハンガリーの最も有力な国立の設備として毎年50万人の入場者を迎えています。

西洋美術館 博物館・美術館・ギャラリー

美術館の後はドナウ川クルーズに乗ることにしました。
個人的には温泉に行きたかったのですが、

ブダペストのクリスマスマーケットです。

クルーズの出航時間までクリスマスマーケットでソーセージとホットワインで温まりました。

賑やかなクリスマスマーケットです。

クルーズ乗り場の前の通りです。

ブダペストのドナウ川クルーズ アクティビティ・乗り物体験

客はぼくらを入れて4人でした。

ここのホテルでリチャードバートンとエリザベステーラーが結婚式を行なったそうです。

国会議事堂 (ブダペスト) 現代・近代建築

ドナウ川をはさんだ美しい町でした。
出来ればもう一度行ってみたいものです。
その時は温泉も！