2016/04/08 - 2016/04/12
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binchanさん
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4月9日土曜日、二日目。
私にとってはバスや鉄道での移動それ自体も旅の目的ですが、途中に観光もします。今回最初の観光地は、台湾本島最東端の灯台(燈塔)です。
台北から乗ってきた國光1811路バスは海水浴で有名な福隆を過ぎ、台湾島最東端の半島へと進みます。この半島の海沿いは、公共交通機関なら國光1811と1812バス、新北市新巴士F836、F831といった、本数が限られたバスでしか行けない僻地です。1811バス沿線には多くの観光地がありますが、この路線ならではの場所を選んでみました。
余談ですが、海水浴場がある福隆海岸の北には核四廠という原発があります。墾丁の南灣海水浴場の近くにも原発がありますよね。海水浴に適した穏やかな海岸は原発を建てるのに適しているということでしょうか。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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8:20台北出発、9:59馬崗バス停で下車。
かわいいバス停牌ですね。 -
意外なことに、私を含めて5人が下車しました。しかも、全員燈塔(灯台)に行く観光客。
よっぽどのメジャー観光地でない限り、バスでアクセスするお仲間に会うことがないのに、4人ものお仲間がいるとは。
バス停からこの信号の方へ歩くと、燈塔のある丘への登り口があります。 -
燈塔への道。
雨は降っていませんが霧が濃いです。 -
沖積平野が広がる西海岸に比べ、東部海岸線は変化に富んでいます。
三貂角の周辺は火成岩の海岸段丘ですが、半島の南側はもう地質が違うようなんです。さらに蘇花公路周辺は石灰岩(堆積岩)の岩壁が続いています。台湾島はどんな風に形成されたんでしょう。専門用語との戦いに敗れ、お手上げです。
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「三貂」は、スペイン語のSan Diego」を音訳したもの。1626年(中国なら明代晩期、日本では徳川家光の時代)、このへんにやってきたスペイン人が「地名がわからないからサンディエゴって呼ぼう」と言って、当時このあたりに住んでいた台湾の人がそれを聞いてこの地を「三貂」と呼ぶことになったらしい。(角は岬の意味。)
http://www.necoast-nsa.gov.tw/user/Article.aspx?Lang=3&SNo=03000082
当時ここにどんな言葉を話す人が住んでいたのかによって、「San Diego」を当初どう音訳していたかは変わりますが、現在の華語(國語)では「サンディァオ」になるので、音訳としてはかなり近いですね。
※「三貂」の由来については異説もあります。25の三貂嶺の旅行記もご参照ください。 -
荷物(5キロ前後)を背負ったままなので脚にきます。
旅行が決まってからの約1週間、会社のビルの階段を登って練習しておいたけど、やっぱりきついです。傾斜が緩やかなのが救い。
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謎の巣。蜂かな?
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ところどころの階段面に、交通部航港局が管理する台湾各地の燈塔が紹介されています。これは鵝鑾鼻燈塔。
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丘の上に何か見えてきました。もうすぐ到着!
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到着〜。写真を撮りながらゆっくり登って10分くらいでした。
それにしてもスゴイ霧。すぐそこの建物すらかすんでいます。 -
たくさん観光客がいます。違う道からは車で登ってくることができるんです。
台湾じゃないみたいな光景でタージマハルを彷彿とさせません? -
最初これを灯台(燈塔)だと思って熱心に写真を撮っていましたが、
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航空局のレーダー基地でした。
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レーダー基地は中に入れません。
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そのお向かいに燈塔がありました。こちらは中を見学できます。
三貂角燈塔 建造物
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1935年(昭和10年)に建造されたこの燈塔は、第二次世界大戦中に爆撃を受け、現在もその傷跡を残しているとのこと。残念ながら確認し損ねました。
http://www.necoast-nsa.gov.tw/user/Article.aspx?Lang=3&SNo=04000478 -
もっと詳しいことを知りたい人はFacebookへ。今どきは何でもフェイスブックだなあ。
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燈塔はもちろん現役なので、職員さんのオフィス(宿舎?)などもあります。
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お手洗いもあります。
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木製サッシの窓がレトロ。
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北部台湾で唯一見学できる燈塔だそうな。見学は無料。月曜はお休みです。
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民國18年(昭和4年)に撫順丸が、民國20年(昭和6年)に華南丸が相次いでこの海域で沈没し、この燈塔の建設が計画されました。
「なつかしい日本の汽船」というサイトでこれらの船を調べてみたら、ちゃんと三貂角沖と基隆沖で座礁沈没と書いてありました。当時の台湾は日本統治下なので、これらの船は日本の汽船なんですね。
花蓮方面から北上してきた船はここで西へ、基隆方面から東行してきた船は南へと向きを変える重要なポイント。灯台、絶対要りますよね。 -
内部展示はこんな感じ。
一番上にずらりと並ぶのは、交通部航港局が管理する各地の燈塔がデザインされた郵便切手。拡大プリントして額に入っています。 -
蒋介石総統が訪問された際の写真。1959年と1960年のものです。
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燈塔の一階部分が展示室になっていますが、本来は何のためのスペースなんでしょうね。
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昔の温度計。
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温度計の説明書きはなぜか英語のみ。
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現在の三貂角燈塔は、28秒ごとに白と赤の閃光、射程は約25海浬。
これは昔のライトらしいですが、意外と小さいんですね。 -
俯瞰模型。
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木製建具のまま維持されています。
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階上はさすがに立ち入り禁止。
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レーダー基地と燈塔のほかに、敷地内にはもう一つ目立つ建物が。
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三貂角幸福教会。
教会というより鐘楼っぽい。去年スロバキアで見たリプトフ湖の聖マリア教会の塔に似ている。
http://4travel.jp/travelogue/11072817 -
謎のオブジェ。
要するにここはウェディング写真スポットなんだな。 -
少し先に別の展望台を発見。
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どうやらここから行けるみたい。
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こんな道をてくてく。
霧は濃くなったり薄くなったり。 -
展望台が近づいてきました。
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三貂角は領海の基準ポイントとなる地点の一つ。
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海側の眺め。
晴れていれば、(この写真とは方向が違うけど)宜蘭の亀山島がきれいに見えるそうです。また日の出のビューポイントでもあるとのこと。 -
海岸の集落ではトコブシ(九孔)の養殖がさかん。
このあたりは海蝕平台(海岸段丘)が広がり、隆起によって微妙に傾斜した玄武岩の岩礁がところどころに顔を出しています。
養殖池の外側にある岩礁が、台湾島の最東端。 -
山側に目を向けると何やら構造物が。
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クローズアップ。
何でしょう?トンネルの入り口でもないし、何かの基台にしては薄っぺらい。海側に向いているので、何らかの防衛設備でしょうか。 -
ネット上には晴れた日に撮られた写真がたくさん見られます。それはもう本当に爽快な風景なんですよ。
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燈塔がぼんやりと。
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これはこれで神秘的な光景かな。
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こちらの斜面は広大な墓地。
墓地の方から燈塔へ車道があります。 -
石碑に刻まれた地形図と詩。
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そして、いいね!(左手)
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右手もあります。
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カップルがいたので写真を撮ってもらったんですが、「もうちょっと右」とか「ポーズして」とかいろいろ言われただけあって、燈塔やレーダーも入ったいい写真になりました。ありがとう〜。
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バスの時間が近づいてきたので戻ります。
BusTracker Taipeiというアプリでバスの現在位置を確認。バスアプリは本当に便利です。 -
バスが来るまで10分以上の余裕があったので、一つ先の「啓源」バス停まで歩きました。
バスアプリも100%信用できるわけではないので、それなりに余裕はもって移動しています。(途中で情報が途絶えて、復旧した時にはバスの位置がぜんぜん違うとかいうことがある。) -
反対側のバス停にはベンチがあるんだけど…。
階段のせいなのか、バックパックの重さのせいなのか、普通に立っているのも辛い。 -
バス停があるのは北部濱海公路(省道2号線)沿い。
ものすごいスピードで観光バスやら大型トラックが通り過ぎていきます(なのになぜか写真に写ったのは小型車。)風圧もスゴイ。 -
反対側にサイクリングロードがありました。
車道から隔離されているので安全です。
台湾は自転車ブーム。結構な僻地にも関わらず、ひっきりなしに自転車が通ります。本格的なロードレーサータイプから、二人乗りのレジャーサイクルまで。みんなどこからこいで来たんだろう。 -
11:07、バス来た〜。台北9:20発の國光1811。
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運転手さんがすごくにこやかに迎え入れてくれたと思ったら、乗客ゼロ。
一本前の私が乗ってきたやつはたくさん乗っていたのに。こりゃ運転手さんテンション下がるよね。どこから空っぽだったか知らないけど、この長いバス路線、「オレ、何のために仕事してんだろう?」と空しくなりそう。
終点羅東まで乗ったけれど、最後まで私一人でした。 -
啓源を出てしばらくすると宜蘭県に入ります。県境には碑があり、そこで記念撮影するサイクリストたちがたくさんいました。このルートのサイクリングは見ていても楽しそう。
宜蘭県にはいると、半島の付け根をトンネルでショートカットしてきた鉄道が寄り添ってきます。太平洋、鉄路、時々現れる駅や列車を眺めて、バス空間は独り占め。楽しいね♪
ここの鉄道路線も興味深いです。宜蘭線も全駅めぐり計画をたてようかな。
頭城が近づくと、特徴的な蘭陽博物館の建物が見えました。このあたりからバスも鉄道も海岸から離れ、都市部に入ります。
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この旅行記へのコメント (2)
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- へけけさん 2016/05/01 15:56:22
- binchanさんの旅行記をつまみにショーチュー飲んでます。♪
- binchanさん こんにちは。
そうなんですよね、御自分でもおっしゃてるようにbinchanさんは何を着てても上品さが醸しでちゃってるんですよね。(笑)99%日本人に見られるでしょ。自分は99%台湾人に見られる。
福隆、墾丁に原発が有ったんですね。ところで御自宅は半田市かな?
今、binchanさんのバックナンバーを読み返してますが例の三バカカフェはおやじが一人で行く所じゃないですね、でも行くつもり。
三貂角の三貂ってサンディアゴなんですね。勉強になるなあ。
当分、binchanさんの旅行記に突っ込みますよ。
- binchanさん からの返信 2016/05/02 21:03:14
- RE: binchanさんの旅行記をつまみにショーチュー飲んでます。
- ショーチュー、進んでます?
私はほぼビールです。
へけけさんの旅行記をつまみに飲んで、でもそのままコメント書くと支離滅裂になるので、コメントは翌日書いてます。意外と奥ゆかしいんでごいますのよ。
へけけさんの鋭いつっこみ、お待ちしております!
三馬鹿カフェ、行ってくださいね。末さんも行かれれますし、おじさん一人でも受け付けてもらえるようですよ(笑。
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