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私はここでもう一度与謝野晶子の詩を<br />引用する。<br /><br />「晶子や物に狂うらん、<br /> 燃ゆる我が火を抱きながら、<br /> 天がけりゆく、西へ行く、<br /> 巴里の君へ逢ひに行く。」<br /><br />歌集『夏より秋へ』の中の「旅に立つ」より<br />一部抜粋<br /><br />日本にまだ幼い4人の子供を残して<br />パリに留学させた愛する夫、<br />鉄幹の後を追い<br />晶子はシベリア鉄道で<br />シベリア原野を駆け抜ける。<br /><br />そしてパリで恋しい鉄幹と出会った<br />晶子は次のような歌を声高く歌いあげる。<br />「ああ皐月/仏蘭西の野は火の色す/<br />君もコクリコ/われも雛罌粟」<br /><br />彼女の瞳に映ったシベリアの<br />自然はどのような<br />風景だったのであろうか。<br /><br />今回の旅で私はそれを少しでも<br />追体験できればと考えていた。<br /><br /><br />今回は私の印象に残った風景の幾つかを<br />写真とともに説明したいが<br />シベリアはあまりにも大きすぎて<br />写真でも、文書でも表現することが<br />できないことを認識した。<br /><br />「頭でロシアを理解することはできない。<br />ただ信じるだけだ。」<br />ロシアの詩人チュッチェフの“Silentium!”より<br /><br />次回はモスクワからパリへの道のり<br />「フランスは火の色に燃えていた」を書きます。<br /><br /><br /><br /><br />

還暦一人旅 シベリア鉄道の車窓に映る自然が美しい。与謝野晶子も見た風景を走る!

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2015/06/22 - 2015/06/29

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2013tomo

2013tomoさん

私はここでもう一度与謝野晶子の詩を
引用する。

「晶子や物に狂うらん、
 燃ゆる我が火を抱きながら、
 天がけりゆく、西へ行く、
 巴里の君へ逢ひに行く。」

歌集『夏より秋へ』の中の「旅に立つ」より
一部抜粋

日本にまだ幼い4人の子供を残して
パリに留学させた愛する夫、
鉄幹の後を追い
晶子はシベリア鉄道で
シベリア原野を駆け抜ける。

そしてパリで恋しい鉄幹と出会った
晶子は次のような歌を声高く歌いあげる。
「ああ皐月/仏蘭西の野は火の色す/
君もコクリコ/われも雛罌粟」

彼女の瞳に映ったシベリアの
自然はどのような
風景だったのであろうか。

今回の旅で私はそれを少しでも
追体験できればと考えていた。


今回は私の印象に残った風景の幾つかを
写真とともに説明したいが
シベリアはあまりにも大きすぎて
写真でも、文書でも表現することが
できないことを認識した。

「頭でロシアを理解することはできない。
ただ信じるだけだ。」
ロシアの詩人チュッチェフの“Silentium!”より

次回はモスクワからパリへの道のり
「フランスは火の色に燃えていた」を書きます。




旅行の満足度
5.0
交通
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
鉄道
旅行の手配内容
個別手配

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  • 「地震だ!」<br />と飛び起きてみるとシベリア鉄道のベッドの<br />上だった。<br />列車の振動が直接ベッドに伝わってくるのである。<br /><br />昨夜ウラジオストック駅を出発した列車は朝の<br />シベリアを走っていた。<br />車窓から見る限り日本の田舎で見る風景と変わらない。<br />しかし、真冬になると景色は一変するのであろう。<br /><br />人家を見ることはめったにない。

    「地震だ!」
    と飛び起きてみるとシベリア鉄道のベッドの
    上だった。
    列車の振動が直接ベッドに伝わってくるのである。

    昨夜ウラジオストック駅を出発した列車は朝の
    シベリアを走っていた。
    車窓から見る限り日本の田舎で見る風景と変わらない。
    しかし、真冬になると景色は一変するのであろう。

    人家を見ることはめったにない。

    ウラジオストック駅

  • 列車は主要駅でしばらく停車する。<br />駅の大きさで停車時間は異なるようだ。<br /><br />後で気づいたのだが車掌の仮眠室前に<br />時刻表があり到着、停車、出発時間が掲載<br />されていた。<br />列車はほぼ定刻に運行されていた。<br /><br />停車中、乗客は体を伸ばしたり、<br />たばこを吸ったり、<br />売店で買い物をしたり、<br />しばしの自由をそれぞれ楽しんでいた。<br /><br />また、列車が移動するときよりより<br />停車しているときの方が「旅情」を<br />感じることが多い。<br /><br /><br />

    列車は主要駅でしばらく停車する。
    駅の大きさで停車時間は異なるようだ。

    後で気づいたのだが車掌の仮眠室前に
    時刻表があり到着、停車、出発時間が掲載
    されていた。
    列車はほぼ定刻に運行されていた。

    停車中、乗客は体を伸ばしたり、
    たばこを吸ったり、
    売店で買い物をしたり、
    しばしの自由をそれぞれ楽しんでいた。

    また、列車が移動するときよりより
    停車しているときの方が「旅情」を
    感じることが多い。


  • 車窓の風景にたまに人家が現れると<br />珍しくてシャッターを押してしまう。<br /><br />これだけ見ると何の為に写真を撮ったのか<br />分からないが車窓に長く続く緑の空白の後に<br />出現した人の気配が何故か懐かしい。

    車窓の風景にたまに人家が現れると
    珍しくてシャッターを押してしまう。

    これだけ見ると何の為に写真を撮ったのか
    分からないが車窓に長く続く緑の空白の後に
    出現した人の気配が何故か懐かしい。

  • 緑の原野があまり長く続くと<br />小さな小川も珍しくて<br />シャッターを押してしまう。<br /><br />通路側に座っているロシア人<br />のおばあちゃんも写真を撮っている。<br />

    緑の原野があまり長く続くと
    小さな小川も珍しくて
    シャッターを押してしまう。

    通路側に座っているロシア人
    のおばあちゃんも写真を撮っている。

  • 朝焼けの写真を撮ろうとしたが<br />外気が低いのか窓の水滴が写って<br />うまく撮れない。<br /><br />しかし空気が汚染されていないので<br />肉眼には朝焼けが鮮明に輝いている。<br /><br />子供のころに見た朝焼けのようだ。

    朝焼けの写真を撮ろうとしたが
    外気が低いのか窓の水滴が写って
    うまく撮れない。

    しかし空気が汚染されていないので
    肉眼には朝焼けが鮮明に輝いている。

    子供のころに見た朝焼けのようだ。

  • バイカル湖に日が沈んでいく。

    バイカル湖に日が沈んでいく。

  • 太陽がゆらゆらとした残照を<br />バイカル湖面に映しながら<br />今日の最後の光を<br />車窓の奥まで送り込んできた。

    太陽がゆらゆらとした残照を
    バイカル湖面に映しながら
    今日の最後の光を
    車窓の奥まで送り込んできた。

  • 太陽が名残りを惜しみながらバイカル湖の<br />向こうに落ちて行った。<br />湖面はすでに夜の暗さに覆われ始める。<br /><br />この写真には写っていないが<br />車窓の窓辺にはロシアの乙女たちが座り<br />残照が消えるまでバイカル湖の湖面を<br />見つめていた。<br /><br />バイカル湖の夕日は乙女たちの心に<br />旅情やロマンを掻き立てるようだ。

    太陽が名残りを惜しみながらバイカル湖の
    向こうに落ちて行った。
    湖面はすでに夜の暗さに覆われ始める。

    この写真には写っていないが
    車窓の窓辺にはロシアの乙女たちが座り
    残照が消えるまでバイカル湖の湖面を
    見つめていた。

    バイカル湖の夕日は乙女たちの心に
    旅情やロマンを掻き立てるようだ。

  • 列車は翌日も白樺と松林の混合林の中を<br />突き進んでいく。<br /><br />これだけ原始林が続く風景にシベリアを<br />感じた。

    列車は翌日も白樺と松林の混合林の中を
    突き進んでいく。

    これだけ原始林が続く風景にシベリアを
    感じた。

  • シベリア鉄道も中間点である。<br />ノボシビルスク駅の前にある<br />「タイガ」という名前の駅に<br />停車した。<br /><br />早朝の空にコバルトブルー<br />の駅舎が映えて美しい。

    シベリア鉄道も中間点である。
    ノボシビルスク駅の前にある
    「タイガ」という名前の駅に
    停車した。

    早朝の空にコバルトブルー
    の駅舎が映えて美しい。

  • 「タイガ」駅の次は<br />「ノボシビルスク」駅であった。<br /><br />駅舎の形とコバルトブルーの色彩<br />が似ている。<br />まるで姉妹のようだ。<br /><br />背景の空が明るくなっているのが<br />分かる。

    「タイガ」駅の次は
    「ノボシビルスク」駅であった。

    駅舎の形とコバルトブルーの色彩
    が似ている。
    まるで姉妹のようだ。

    背景の空が明るくなっているのが
    分かる。

  • ノボシビルクスを流れる<br />オビ川の支流である。<br /><br />かなり内陸部の支流で<br />この広さであるから<br />河口近くの広さは<br />どれくらいなのだろう。

    ノボシビルクスを流れる
    オビ川の支流である。

    かなり内陸部の支流で
    この広さであるから
    河口近くの広さは
    どれくらいなのだろう。

  • 今日も原生林の間から<br />太陽が昇ってきた。<br />この朝日をもう何度見た<br />ことだろう。<br /><br />チェーホフの言葉で<br />「母なるロシアは大きい!」<br />(「谷間で」より)<br />があり、<br />チュッチェフの詩に<br />「知力でロシアは理解できない。<br /> ロシアはただ信じることが<br />できるだけだ」<br />という言葉がある。<br /><br />これだけの距離を走らないと<br />ロシアを感じることができない<br />のだとしみじみ思った。<br />

    今日も原生林の間から
    太陽が昇ってきた。
    この朝日をもう何度見た
    ことだろう。

    チェーホフの言葉で
    「母なるロシアは大きい!」
    (「谷間で」より)
    があり、
    チュッチェフの詩に
    「知力でロシアは理解できない。
     ロシアはただ信じることが
    できるだけだ」
    という言葉がある。

    これだけの距離を走らないと
    ロシアを感じることができない
    のだとしみじみ思った。

  • 朝日が高くなると列車は<br />白樺の林の中をまだ走っていた。<br /><br />この風景はどこまで続くのだろう?

    朝日が高くなると列車は
    白樺の林の中をまだ走っていた。

    この風景はどこまで続くのだろう?

  • シベリア鉄道の友人、アンドレイが<br />私を車窓に呼び出し対岸の山を指さし<br />ながら<br />「トモ、あの岩がアジアとヨーロッパの<br />境目だ。<br />いまから我々はヨーロッパに<br />入るぞ!」<br />と教えてくれた。<br /><br />彼の町であるキーロフも近づいてきたのだ。<br /><br />シベリア鉄道の終着駅であるモスクワまで<br />あと少しだ。<br />

    シベリア鉄道の友人、アンドレイが
    私を車窓に呼び出し対岸の山を指さし
    ながら
    「トモ、あの岩がアジアとヨーロッパの
    境目だ。
    いまから我々はヨーロッパに
    入るぞ!」
    と教えてくれた。

    彼の町であるキーロフも近づいてきたのだ。

    シベリア鉄道の終着駅であるモスクワまで
    あと少しだ。

  • 6月29日、シベリア鉄道7泊8日の最終日の<br />朝の景色である。<br /><br />少し雲があるが朝日が雲に反映して美しい。<br /><br />本日、午前11:03にモスクワのヤロスラヴリ駅<br />に到着するのだ。

    6月29日、シベリア鉄道7泊8日の最終日の
    朝の景色である。

    少し雲があるが朝日が雲に反映して美しい。

    本日、午前11:03にモスクワのヤロスラヴリ駅
    に到着するのだ。

  • 車窓の朝焼けを見ながら下車の<br />準備を始める。<br /><br />シーツを丸める。<br />窓辺に置いていた生活用具を<br />リュックに入れる。<br />周りのごみを清掃して客車<br />後部の収納庫に捨てる。<br /><br />1週間の生活を片づけるのは<br />結構大変だった。

    車窓の朝焼けを見ながら下車の
    準備を始める。

    シーツを丸める。
    窓辺に置いていた生活用具を
    リュックに入れる。
    周りのごみを清掃して客車
    後部の収納庫に捨てる。

    1週間の生活を片づけるのは
    結構大変だった。

  • 11:03にシベリア鉄道は定刻通りモスクワの<br />ヤロスラヴリ駅に到着。<br /><br />長いシベリア鉄道の旅が終わったが次の移動に<br />あわただしく旅情を感じる暇もなく列車を出る。<br /><br />一緒の席だった家族たちの荷物出しを手伝いながら<br />車掌さんたちに「本当にありがとう(ボリショイ、<br />スパシーバ)」というと<br />「ああ、早く行きな。」と言われた。<br /><br />彼女たちもとても忙しそうだった。<br /><br />私は明日にはパリに到着し、<br />フランス巡礼路の出発点であるル・ピュイ<br />まで移動だ。

    11:03にシベリア鉄道は定刻通りモスクワの
    ヤロスラヴリ駅に到着。

    長いシベリア鉄道の旅が終わったが次の移動に
    あわただしく旅情を感じる暇もなく列車を出る。

    一緒の席だった家族たちの荷物出しを手伝いながら
    車掌さんたちに「本当にありがとう(ボリショイ、
    スパシーバ)」というと
    「ああ、早く行きな。」と言われた。

    彼女たちもとても忙しそうだった。

    私は明日にはパリに到着し、
    フランス巡礼路の出発点であるル・ピュイ
    まで移動だ。

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