2015/07/01 - 2015/07/20
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2013tomoさん
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写真は巡礼者とロバが一緒に巡礼をしている様子。
ロバもスペインのコンポステーラで行くのだろうか。
今日はSaint-Antoine de-Pont-d'Arratzから23.5キロを歩き
Lectoureまで行く予定である。
ジットは朝食後7:00に出発した。
ノルウェー人のアンさんは今日はゆっくり出発するとのこと。
7:00といっても朝焼けの残る道を歩き始めた。
町を離れるとまたひまわり畑が遠くに見えてくる。
朝は彼等から元気いっぱいのエネルギーをもらえるのが
うれしい。
しばらく歩いていると前方に巡礼と比較的大型の動物が
歩いているのが見えてきた。
近づくとロバである。
いままで愛犬を連れて歩いて巡礼を見たことがあるが
ロバ連れは初めてである。
しかし、ロバは道端に草がたくさん生えているので
立ち止まりながら食べるのに夢中なようだ。
巡礼者が早く行こうと促しても言うことを聞かない様子であった。
これを「馬耳東風」と言うのだろうか。
※馬耳東風 春風が吹くと人は喜ぶが馬は何の感動も示さないこと。
人の意見や批評などを、心に留めずに聞き流すこと。
これではスペインのコンポステーラまで歩いていくのは大変だと思った。
途中でマリアの聖母子像があった。
フランス巡礼路では十字架にかけられたイエスキリスト像が多い。
(スペインではほとんどが聖母子像である)
聖母子像を見ると心が癒される。
8月上旬に私の末娘に第2子が誕生する予定なので
聖母子像に
「私の娘とうまれてくる子供をお守りください。」
と手を合わせた。
聖母子像は子育て観音に似ているので
抵抗なく受け入れることができる。
聖母子像を過ぎると丘を登る巡礼路となる。
丘の坂道を登るのは嫌いではない。
特に丘の頂に大きな樹木が生えているとそれが目標になる。
あそこまで行けば次の町が見えてくると自分を励ましながら
坂道を登ることができる。
今日は美しい丘の頂にこんもりと繁る緑の樹木が目標となった。
丘を登りきるとあたりには大きな木陰ができていた。
そこから次の町らしい建物が遠くに見えた。
Miradouxの村であろう。
「遠い山の向こうの 知らない町よ
いつか馬車に乗って 行きたい町よ」
木陰で「遠い町」の歌を口ずさんでみた。
次回は
「出逢いの始まりー食べ、飲み、歌い、踊る!」
について説明します。
- 旅行の満足度
- 4.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
朝の7:00にジットを出発した。
朝焼けがまだ残っている巡礼路を
歩き始めた。
他の巡礼者は既に出発している。
ノルウェー人のアンさんは今日はゆっくり
出発すると言っていた。 -
朝日が私の背中の後ろから登ってきた。
私の影法師が長く伸びている。
この方向がコンポステーラのある西方向である。 -
しばらく行くと遠くにひまわり畑が見えてきた。
なじみの風景である。
小さな子供たちと再会したような気分で懐かしくなる。 -
朝は元気一杯の向日葵たちに
「おはよう!」と声をかけながら歩く。
誰も見ていないので恥ずかしくない。 -
更に歩き続ける遠くに人と動物が歩いているのが見えてきた。
近づいてみると巡礼とロバである。
愛犬と一緒に歩いている巡礼は見たことがあるが
ロバを連れた巡礼は初めてである。
しかし、ロバは食料の草が道端にたくさん生えているので
朝ごはんを食べるのに夢中で歩いてくれないみたいだ。
これでは巡礼を続けるのは大変だと思った。 -
私が二人を追い抜いてロバ君を前から写真を撮ると
私に興味を持ったみたいで前に歩き始めた。
「私を友達だと思ったのかなあ?」 -
更に歩いていくと白いマリアの聖母子像が道端に佇んでいた。
午前の朝の光に映えて美しい。
フランスで聖母子像が道端に立っているのは珍しい。
殆どが十字架にかけられたキリスト像だった
ように思う。
8月の初旬に私の末娘に第2子が生まれる。
(帰国してみたら8月1日にもう誕生していた。)
新しい命が私の家にやってくる。
(私が帰国した翌日に彼はやって来た。)
夜間は私が彼のお世話担当だ。
私は新生児の夜泣きのお世話が得意だ。
3人の孫育て既に家内や娘たちに実証済みである。
母子ともに無事出産することを祈って手を合わせた。 -
丘を登る道はきらいではない。
青い空が前方に大きく広がっている。
「山のあなたの空遠く
「幸(さいわい)」住むと人のいふ」
「やまのあなた」 ブッセ
丘を登ったら良いことに会えそうである。 -
丘の頂にこんもりと繁る樹木があるのも好きだ。
丘を登り切ったら木陰で涼むことができる。
そこにたどりつくと中年の女性巡礼者が写真を撮っていた。 -
木陰の向こうにMiradouxの村が遠望できる。
近くに見えるが4キロは離れている。
しかし下り坂だから1時間位で到着できそうだ。 -
村までは木陰がないので強い日射しに直接
晒されながら歩くことになった。
あまりにも暑いのか草も枯れているところが多い。
今年のフランスの夏は異常だ。 -
真昼の村は静まり返っていた。
建物でできた日影を見つけながら歩く。
建物の中からテレビかラジオの音楽が聞こえてくる。
人の気配はするが人影は見なかった。
昼間は暑いので外出を控えているのだろうか。 -
Miradoux村を過ぎて10キロ程巡礼路を進むと遠くに
何かの塔の先端が見えてきた。
Lectoureの町のカテドラルの塔だ。
しかいここからは5キロ以上は離れているだろう。 -
ようやくLectoureの町に到着した。
カテドラルの塔が近くに見えてきた。 -
まずは観光情報センターを訪れた。
センターはカテドラルの近くにあった。
ここでは
①ジットの場所を聞く
②バスでAIre-sur-l'Adourまで行く
バス路線とバス停を確認する、
ことを目的とした。
①については
センタースタッフがジットに予約電話を
してくれた。
②については二人のスタッフが相談しながら
最適ルートを選んでくれた。
本当に親切にして頂きありがとうございます。 -
そびえたつカテドラルの塔。
わたしは礼拝堂のなかで巡礼の安全祈願と
親切にして頂いた人々への感謝の祈りを捧げた。
教会の中は静かでひんやりしていて
私の心を癒してくれる。
また祈りをささげている人の後姿を
見るのも好きである。
ジットはこのカテドラルの横にあった。
昔の修道院を改装した建物らしい。 -
ジットの玄関ドアをノックすると優しそうなマダムが現れた。
「あなたがTomoね。センターから電話をもらっているわよ。
「なにか冷たいものでも飲む?」と言われたので
ミントの冷たい飲み物を頂いた。
この飲み物は私の好物でありジットに到着したらまず頂いていた。
(ビールはその後どこかでゆっくりと頂くことにする)
部屋に行くと
昨日にジットで同じ宿になったフランスの若い男性巡礼と
私を小鳥が飛ぶように追い越して行った若い女性巡礼が
カップルで宿泊していた。
途中で仲良くなったのであろう。
美男美女でお似合いのカップルである。
彼女はカナダのケベック州から来ていた。
夕食の時、私が
「私の宗教は神道だが、この宗教の本旨は自然を畏怖して
これを大切にすることにある。」と言うと
環境保全活動に携わっている彼女は
「素晴らしい宗教だわ。」と感心してくれた。
また昨日同宿した陽気なフランス人も一緒になった。
仲間がいると安心する。 -
ジットの宿泊部屋の様子。
部屋には中年のフランス人ご夫妻が既に休んでいた。
感じの良いご夫婦だ。
ご主人は英語も話せる。
夕食の時に昨夜同宿した陽気なフランス人が
「Tomoはいびきがうるさいからよく寝れるか心配だなあ。」
と言ったので私は心配になって夜も良く寝れなかった。
翌朝にこのご夫妻が出発を見送った時、
一旦歩き始めたご主人が引き返えしてきて私に
「Tomo、昨夜はちっともいびきをかいていなかったぞ。
我々も熟睡できた。
心配しなくてもいいぞ。」
と言ってくれた。
私が気にしていたことを配慮してくれたのであろう。
彼の気遣いが温かくてありがたかった。 -
部屋には暖炉もあったが夏場は使用していない。
机と椅子が置いてあった。
巡礼者の荷物置き場になっている。
夕方の7:00から夕食だ。
二人のマダムが準備してくれた。
前菜、主菜、デザート、ワインは飲み放題で
内容もかなり豪勢だ。
ジットにしてはかなり良い方だと思う。
料金は寄付形式だった。
私は40ユーロを寄付箱に入れておいた。
食事の前にお祈りをささげ
全員で巡礼の歌「ウルトレーヤ」を全員で合唱した。
懐かしい歌です。
you-tube にウルトレーヤ
の歌が掲載されています。
興味のある方は聞いてください。
「Ultreia - Chanson de pèlerins」
”巡礼者たちの歌”という意味でしょうか。
この歌は「コンポステーラまで元気に頑張って歩きましょう」
と互いに励ましあう内容らしい。
歌詞はフランス語でわからなかったが、
歌いやすく自然と歩調が早くなるような
元気の出る曲だった。
この歌は今後もジットに宿泊した時にみんなでよく歌った。
この歌を合唱することでみんなの心が一つになるような気がする。
スペインに行くと歌わなくなったのでフランス巡礼路の歌であるらしい。
帰国後インターネットで調べると音楽が聴けるサイトがあった。
音楽を聴くとみんなと一緒に歌った情景を思い出し、とても懐かしく
なった。
夕食は二人のマダムと巡礼者が同じテーブルに座り
一緒に食べ、飲み、話し楽しかった。
わたしが巡礼の目的は”Je marche, donc je suis.”
と言うと
フランス人夫婦のご主人が
「デカルトだね!私も同じ考えだ。」
と同意してくれた。
賛同者がいてうれしかった。 -
翌日ジットを出て5分ほど歩くとバス停があった。
ここから7:41のバスでAuch経由でAIre-sur-l'Adourまで行くのだ。
ジットを出かけるときに
美男美女カップルの写真をお願いしようと思っていたのだが
別れるときに彼女にハグされ、かつ両頬にキスされたので
びっくりして気が動転して忘れてしまった。
「残念!」
このような習慣は家内にも娘たちにも孫娘たちにも
されたことがないので不慣れである。
(後半になってハグぐらいはできるようになったが)
写真の事はバス停まで来て思い出したのだがまたジットまで引き返す
勇気はなかった。
翌日は珍しく曇り空の出発である。
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