2015/07/01 - 2015/07/20
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2013tomoさん
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7月6日、私はバスを利用してコンクの町まで
足を伸ばすことにした。
幼いころ、
誰に教えてもらったのか、どこで覚えたのか
とうに忘れてしまったが
この調べと歌詞をを口ずさむと「旅への衝動」
に抗(あがな)いきれなくなる歌がある。
遠い山の向こうの 知らない町よ
いつか馬車に乗って 行きたい町よ
「遠くの町」
巡礼路を一人で歩いていると自然に口ずさむ
時がある。
巡礼6日目にして、
暑さと、足の豆と、私の無邪気な傲慢さのために
大幅に遅れたスケジュールを取り戻そうと
バスと列車の利用を決心した。
8月4日(※)に日本帰国というタイムリミットから
逆算して7月下旬ころにはサン・ジャン・ピエドポー
に到着したい。
更に余裕があればピレネー山を越えてパンプローナまで
歩きたいと考えていた。
※8月4日は末娘の第2子誕生予定日であり、
末娘の父親としてギリギリの帰国期限を設定していた
私はコンクの町まで「馬車」ではなく「バス」で
行くことになった。
まったくの私見であるが
巡礼の基本は「歩き」だと思う。
「日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」に発行していただいた
クレデンシャルに岡田大司教の言葉が掲載されている。
「人生は巡礼です。歩きながら祈り、祈りながら歩く、
話しながら歩き、
歩きながら話す、永遠の命を思い考えながら歩き、
歩きながら思い考える・・・。」
「歩き」は時間の流れとともにゆっくりと移動していくので上質な
時間を確保できるように思う。
バス、列車(さらに飛行機)での移動は確かに便利であるが、
私の思考は停止し、時間が経過した後には空虚で荒廃した
過去時間だけが残されているようだ。
バスは私が1日かけて歩く距離(20キロ)を20分足らずで
走り抜けて行った。
しかし、私の思い出はバスの走行速度に反比例し記憶の網を軽やかに
すり抜け鮮明さを失って行った。
今回はバスでの移動、コンクの町の出来事について記憶に残る思い出を
説明する。
次回は「ConquesからDecazevilleまで道なき道を行くー
え?本当に道がなくなった!」について説明します。
- 旅行の満足度
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス ヒッチハイク 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
Nasbinalsのバスピックアップポイントまで
ジットのマダムに車で送っていただく。
車だと20分程度だが歩くと23キロあるので
1日がかりの所である。
親切がしみじみと身に染みる。
お礼に千代紙をさしあげた。
バスに乗れば景色は自然に車窓の後ろに流れていく。
バス料金は25ユーロである。 -
バスの中の停止した空間と
窓の外の急流のように後方へ
飛び去って行く景色に妙な
違和感を感じる。
私には歩く速度の方が自然と
一体感を感じることができる。
日本では当たり前だったことが
実は不自然な事だったのかも
しれない。 -
バスはコンクに到着した。
途中から乗車してきた韓国の
青年とここで別れる。
彼は会社の休暇を利用して
来ているので長期間の巡礼
はできない。
何度が区切って歩いていると
言っていた。 -
私は次のDecazeville経由で
Viviezまでの約20キロを歩き
Viviezの鉄道駅からMoissacまで移動する
ことにした。
情報収集と鉄道予約のためコンクの観光情報事務所に
行く。 -
コンクの町に来ると急に巡礼者の数が増えてきた。
巡礼路で同伴者がいると心強い。 -
ホテルにチェックインして昼食を食べた。
巡礼路を歩くときは水分補給だけで食事
は取らない。
早い時間にチェックインすると食事
を取りたくなる。
暇な時間があると何か食べたくなるのは
あまり良くない生活習慣だ。 -
町のカテドラルへ行く。
私はキリスト教徒ではないが
町へ到着すれば必ずその町の
教会を訪れ後部の椅子に座って
旅の無事と感謝の祈りをささげる
ことにしていた。 -
ホテルの前から次の町への巡礼路が出ていた。
今日は途中まで下見調査を行う。 -
夕食はホテルのカテドラルが見える
2階レストランで取る。
田舎の古い中世都市の雰囲気が
ここはフランスなのだという実感を
高めてくれる。 -
前菜のサラダ。
ボリュームがある。
ワインはロゼを注文した。 -
主菜は魚料理とパスタ。
夕方の涼しい風に吹かれながら頂く
食事は美味しい。
料理を食べていると「ポタッ!」という音がして
銀色の物体が私の膝の上に落ちてきた。
何だろうと思い空を見上げると百羽位の
小さな鳥が空中を乱舞している。
ウエーターさんに「鳥がプレゼントをくれたよ。」
というと笑いながらタオルをくれた。
料理の中でなくて良かった。 -
デザートは甘酸っぱい果物のコンポートと
クリームを添えたプレート。
シンプルだが美味しそうに
飾り付けている。
食事が終わり厨房の横を
通るとウェーターと料理をする
娘さんたちが大汗をかきながら
働いていた。
「今日のお料理は芸術的で、
とても美味しかったですよ。」
と声をかけるとみんなうれしそうに
微笑んでくれた。
美味しい料理をありがとう!
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