2015/07/01 - 2015/07/20
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2013tomoさん
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写真はスイスから歩いてきたステファニーさん。
フランス語、英語もかなりできるドイツ人の女性巡礼者。
ドイツ大手航空会社のロジスティック担当者として
千葉の幕張で勤務した経験もある。
日本語で「私の名前はステファニーです。」と言ってくれた。
私の顔もなんだかうれしそうです。
旅行に出て21日が経過し巡礼生活に慣れてくるとともに
家族への郷愁(Nostalgie)の想いが生まれてくる。
吾胸の底のこ々には
言ひがたき秘密(ひめごと)住めり
身をあげて活ける牲(にへ)とは
君ならで誰かしらまし
島崎藤村「落梅集」より
少し寂しい思いをしていると私の巡礼路には家族的なグループ
が集まり始めた。
スペイン巡礼で歩いた時もこのようなグループができた。
国籍も、年齢も、性別も異なる人間集団だが、
なぜかメンバーひとりひとりに「懐かしさ」を
感じさせる人たちが自然発生的にグループを形成
するようだ。
7月11日(11日目)はLectoureからAire-sur-l'Adourまで
バスで移動した。
バスは7:41に出発し10:35に到着した。
到着後、観光情報センターで
①街の地図
②次の町のMiramont-Sensacq村までの行き方
③安いホテルの紹介
をお願いした。
スタッフがきれいな発音で米国英語を話すので
私が
「米語はアメリカで勉強したのですか?」と聞くと
「アメリカのテレビドラマを見て勉強しています。」と答えてくれた。
「私の家内もアメリカのテレビドラマのフアンです。」と言うと
「私と一緒ね」と声を出して笑っていた。
事務的なやり取りだけでなく人間的なコミュニケーションがあると
うれしくなる。
情報センターで教えてもらったホテルを地図を片手に通りを
探していると
子供連れのフランス人マダムに声をかけられた。
「巡礼さん、何を探しているのですか?」
私は手に持った地図を示しながら
「このホテルを探しているのですが自分で探せますので
大丈夫ですよ(自信はあまりなかったのだが)。」と言うと
「私たちもそのホテルに行きますので私たちの後について来て。」
と言う。
あまりにも偶然で、かつ親切なので少し不安になった。
しかし相手は子連れの女性だし大丈夫だろうと後ろに続いた。
すると後ろから来た男性が
「どうしたの?」とその女性に声をかける。
私が「なんだか怪しいな?」と思っていると
「主人なの。私達はパリに住んでいるのだけど、友達の誕生会
があって主人の田舎に今日帰って来たの。」と言う。
その後、探していたホテルまで連れて行っていただいた。
ご主人はホテルの中のバーに
集まっている人たちと懐かしそうに
握手をしている。
ホテルでは家内にEメールを送る
パソコンの有無の確認までして
頂いた。
更に
「直接奥さまに電話をしてはいかがですか。」と言って
ご主人のスマホを貸していただいた。
久しぶりで家内の声が聴けるかなと思って
電話をすると留守だった。
しかたがないので留守電に「元気で旅を続けています」とメッセージを
残した。
後日家内からのEメールで
「あなたの日本語大丈夫?
だいぶ訛っていたわよ。
外国人が日本語を喋っているみたい。」
と言われてしまった。
考えたらそれまでずっとロシア語と
英語とフランス語で暮らしていた。
まともな日本語を話すのは3週間ぶりなので
少しおかしくなっていたかもしれない。
でも私の声で直接近況を伝えることが
出来たのでとてもうれしかった。
親切なお二人に(お子様も含めて)深く感謝したい。
その日はホテル近辺を散策し、軽く食事をして早めに寝た。
翌日から巡礼路では急に出逢いの回数が増えてきた。
巡礼路の磁場が強くなってきたのかもしれない。
次回は「パリ祭前夜祭、仲間と広場で踊っていると町のマドモアゼル
にナンパされた・・・。」について報告します。
- 旅行の満足度
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
Aire-sur-l'Adourのカテドラル。
宿泊したホテルから歩いて5分の所にあった。
さっそく中に入って旅の安全とお世話になった人たちの
親切に対する感謝の祈りをささげた。
教会に行くと溢れる静謐さに心が癒される。
教会の空間は人々の信仰で満たされているのかもしれない。
その日はゆっくり寝ることが出来た。 -
写真はフランスのリヨンから来た
大学生のジェシカさん。
マーケティングを専攻している。
英語は得意であると言っていた。
7月12日(巡礼12日目)にホテルで朝食を食べるときに
一緒になった。
軽く挨拶はしたが初対面だったので
そのまま一人で出発しようとすると
「私と一緒に歩きませんか?」と尋ねられた。
一瞬、胸がドキドキしたが
「私はムッシュー・エスカルゴです。
歩くのがとても遅いので若い方について歩けないと思います。
先に行ってください。」
と言って丁寧にお断りした(少し残念でしたが)。
ホテルを出発して町のはずれに来ると
後ろから女性に声をかけられる。
振り返るとジェシカさんだ。
「どうしたの?」と聞くと
「途中で道に迷ったの。」と言っていた。
後でわかったがジェシカさんは
私と一緒で道に迷う常習者であった。
それから3時間程一緒に歩いた。
歩きながら大学の勉強のこと、
ボーイフレンドのこと、
家庭のこと、将来の仕事のこと等について
「問わず語り」に話してくれた。
彼女はたくさんの悩みを持ちながら
巡礼に来ているようだ。
誰かに話を聞いてほしかったに違いない。
朝食の時は冷たいことを言ってしまったと反省した。
とても元気の良い女の子で
車道で車がすごい勢いで我々を
追い抜いて行った時
「今度あんな奴が来たらこんな風に
私が道の真ん中に立って
止めてやるんだ。」と道の真ん中で仁王立ちになった。
私が
「ジェシカさん。ここは車道で車が優先です。
僕たち巡礼はこの道では車が来たら
横に立ち止まって挨拶の
手を振りましょう。」
と言って実際にやってみせると
車の運転手が笑顔で挨拶を返してくれた。
それを見てジェシカさんは
「Tomoの言う通りかもしれないね。」
と言ってくれた。
素直ないい子だ。
若い巡礼さんもたくさんの悩みを抱えながら
歩いているのが分かった。
これからは声をかけられたら
遠慮せずに歩いてあげようと思った。
私でもお役に立てることがあるかもしれない。
少なくとも聞くことだけはできる。 -
ジェシカさんと別れてひとりでしばらく歩いていると
後ろから若い女性巡礼に声をかけられた。
ジェシカさんとはタイプが違いおとなしそうな人だ。
一緒に歩きながら話していると
彼女はスイスから歩いてきたと言う。
私が
「一人でスイスから歩いてくるなんて勇気がありますね。
どこまで巡礼するのですか。」と聞くと
「スペインのコンポステーラまで、できたらフィニステーラまで
歩くつもりです。」と答えた。
本当に勇気のある人である。
更に話していくとドイツ大手航空会社の仕事で千葉の幕張で
半年間働いていたと言う。
「私の名前はステファニーです。」と日本語で名前を教えてくれた。
日本の事が好きだと言って頂いた。
私は少しうれしくなった。
ステファニーさんとはスペイン国境の町であり
巡礼者の集合地点である
サンジャンピエドポーまで前後しながら一緒に歩くことになる。 -
今日はMiramont-Sensacq村のジットに宿泊する。
途中で大勢の巡礼と一緒に歩いた。
・カッコイイお父さんとかわいいお嬢さん二人、
おばあちゃんの家族連れ巡礼
・フランス領 レユニオン島出身でいまはパリに住んでいる
マリさん(78歳)、 その娘さんでマリノエルさん
(大人の魅力を持つ素敵な女性)とその子供のセバスチャン君
(19歳)、従妹のカリーンさん(年齢不詳)の一行
・フランス人巡礼ジャニーヌさんとその女友達
・パリ在住のマリさんさんと友人のジェロームさん
・スペインのガリシア出身でいまはフランス在住50年のホセさん
(スペイン語を話す)
・元軍人で今は赤十字で働いているエチチェンさん(シャンソンが上手)
彼らは全員Miramont-Sensacqのジットに宿泊することになった。
写真はジットのチェックイン受付を待っている私と仲間たち。
かわいいお嬢さん(小学生上学年と低学年)に
きれいな千代紙を使って
やっこさんのお折り紙をプレゼントした。
二人は私に「サインしてください。」と言ってきたので
Tomoとサインしてあげた。
こんなにかわいい娘さんから
サインを求められたのは初めてである。
微笑ましいのかおばあちゃんも笑っていた。
暫くすると女子大学生巡礼のジェシカさんが
タンクトップ一枚になって
大汗をかきながらジットに現れた。
私が「どうしたの?}と聞くと
「途中で標識を見落として反対方向に曲がってしまった。」
と言っている。
ジェシカさんは「もっと前に行く。」といって少し休憩してから
巡礼路を進んで行った。
若いフランス人でも
私と同じような人がいるのだと妙に安心した。
(ジェシカさんには申し訳ありませんが) -
写真は受付前にテーブルでくつろぐ私とマリさん。
マリさんは巡礼路の途中で会った時、
あまりにもスタスタ歩く
(私よりもはるかに早い)ので
78歳のご婦人とは思えなかった。
娘さんのマリノエルさんに
「お姉さんですか?」と聞いたのが
本人に伝わったみたいでマリさんはとても喜んでいた。
ジットで休憩時に私にコーヒーを入れてくれたので
「”パルファン・デ・アムール”(愛の香り)がしますね。」と言うと
「素敵な表現ね。」と喜んでくれた。
ここでも4トラベルの畏友カリオカケイタさんに
教えていただいた「ピロポ」
が効果的に役立ったと思う。 -
ジットの夕食は全員集合で楽しい会食だ。
二人の娘さんはどこまでもかわいらしく笑顔が
素敵。
隣でおしゃれな服装に着替えたステファニーさんが
食事をしている。
ワインも豊富に出てきたので私もだんだん酔っぱらて
きた。
酔っぱらってしまうと私のフランス語が通じているような
錯覚に落居ってしまう。 -
食事もここは公的ジットなのにたくさん準備されていて
お腹が一杯になる。
食べること、飲むこと、話すことで大忙しの状態
になってきた。 -
そのうち元軍人のエティチェンさんが得意のシャンソンを披露する。
私がピアフの「バラ色の人生」や「水に流して(Non,je ne regrette rien)」
をリクエストするとすぐに歌ってくれた。
全員も合唱する(有名な歌はみなさんご存じなのですね)。 -
そのうち誰かから
「Tomo!君も何か日本の歌を歌えよ!」とリクエストされる。
日本男児としては後ろに引くわけにはいかないので
私の好きな「遠い町」を
1番の歌詞だけ日本語で歌った。
するとなんと全員が「ラララ・・・。」と合唱するではないか。
あとで調べてみるとこの曲はフランス古曲とわかった。
みんなも
「なんでTomoはフランス古曲を知っているのだ?」
と思ったことだろう。
私もいい気分になって1番の歌詞を
2回も歌ってしまいました。
私の後ろに立っているのはジットの
オスピタレロ(お世話をするボランティア)
の方です。
去年、四国遍路に行ってきたそうで
お遍路の「お接待文化」に感激されていました。 -
夕食の締めくくりの前に自然と踊りが始まる。
地元の踊りでみんなが輪になって同じステップを
繰り返すというダンス。
私も輪の中に入って踊っている。
この時は日本へのノスタルジアは吹っ飛んでいた。
最後に元軍人のエティチェンさんの音頭で
巡礼達を激励する歌
「ウルトレーヤ」を全員で合唱して夕食会はお開きとなった。
"Ultreia - Chanson de pèlerins"
私はいつものように後片付けを手伝う。
いつもこんなパーティがあれば楽しいなと思ってしまった。
すると翌日、次の町では町全体が
「パリ祭」の前夜祭で夕食後は
大興奮のダンスパーティになってしまった。
これについては次回詳しく報告いたします。
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