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写真はサンセバスチャンのピンチョスバーで飲んだ<br />白ワインの「チャコリ」である。<br />バスコ地方で好んで飲まれるこの辛口の白ワインは<br />海産物のピンチョスに良く合う。<br />わたしは「チャコリ」と一緒に<br />「チピロネス(小さな白いイカ)を<br />食べたかったのだが…。<br /><br />7月27日早朝6:30、私はログローニョのバス停へむかった。<br /><br />その前にカミーノ(巡礼路)の別れと、最後の出逢いがあった。<br /><br /><別れの風景><br /><br />2日間一緒に歩いたジャニーヌさんと早朝に別れた。<br />彼女はこれから向かう巡礼路へ、<br />私はフランスとの国境の町である<br />サンセバスチャンへ向かうバス停へ<br />それぞれ反対方向へ歩き出す。<br /><br />私が<br />「さようなら。」と言う前に<br />もう彼女は涙目である。<br />突然私の口からフランス語が飛び出した。<br />「アレ、アレ ア コンポステーラ(コンポステーラへ行きなさい)<br /> ヴ ネッパ ソロ  マンティノン(今、あなたは一人ではない)<br /> マルシェ アベック サンジャック(聖ジャックとともに歩きなさい)」<br />&quot;Allez, allez à Compostelle.<br />Vous n&#39;êtes pas seul maintenant.<br />Marcher avec Saint Jack.&quot;<br />※聖ジャックはフランス語でサンジャック、<br /> 英語でセントジェームス、<br /> スペイン語でサンチャゴと呼ばれている。<br /><br />お遍路の「同行二人」という考えが基調になって<br />こんな言葉が突然、フランス語で出てきたと思う。<br />(何だか不思議ですね…。)<br /><br />ジャニーヌさんは今は本当に泣き出した。<br /><br />私たちはハグして別れた。<br /><br />出逢いの数だけ別れがあるのだと改めて思った。<br /><br />私は踵を返してバス停に向かった。<br /><br />冷たい、透き通った、灰色をしたベールのようなものが<br />静かに私の体を包み始めた。<br /><br />孤独という名前の空気だろうか。<br /><br /><最後の出逢い><br /><br />10m程歩いてゆくと前方に大きな人影がこちらに<br />歩いてくるのが見えてきた。<br /><br />大きな体に小さく見えるリュックサックが踊っている。<br /><br />(あれは…あの「虹色のオーラ」をまとった米国人夫婦のご主人<br /> ではないだろうか? でも奥さまは何処?)<br /><br />すると物陰から小柄な女性の姿が現れた。<br /><br />二人は仲良く会話しているのか<br />向かい合った影が笑っているように<br />揺れている。<br /><br />やっぱりそうだ!あの二人だ!<br /><br />熱いものが私のおなかから胸に突きあがってきた。<br /><br />「おはよう!(Good morning!)」と大きな声を二人に送った。<br /><br />二人の影は驚いたように立ち止まる。<br /><br />「僕だよ!Tomoですよ!(It&#39;s me!Tomo!)<br />と言うと、<br />二人の影は足を早めて近づいてくる。<br /><br />私も彼らに向け足を早めた。<br /><br />二人の顔が見えてくる。<br /><br />奥さんの目に涙が滲んでいるのが見える。<br /><br />ご主人は満面の笑みを浮かべている。<br /><br />私が<br />「何てことなんだ…。<br /> 神様が最後の『さよなら』を<br /> 言うチャンスを僕にくれたんだ。<br /> もう泣きそうだよ(I am almost cring.)」<br />と言う。<br /><br />奥さんが私に歩み寄って来てハグする。<br /><br />ご主人が笑いながら握手の手を差し伸べてきた。<br /><br />私は彼に歩み寄って力強くハグした。<br /><br />ご主人が<br />「我われはこのカミーノ(巡礼路)で<br />いったい何度出逢ったのだろう?」<br />と聞いてきた。<br /><br />私が<br />「7回以上ですよ。」<br />と応える。<br /><br />しかしカミーノ(巡礼路)を行く巡礼者の足を<br />長く止めるわけにはいかない。<br /><br />お互いに「ブエンカミーノ!」と言って別れた。<br /><br />今頃、巡礼路を半泣きで歩いているジャニーヌさんの後を<br />5分遅れで「虹色のオーロラ」をまとった米国人の<br />巡礼カップルが追って行く、<br /><br />そして恐らく30分後にシシリーのアルパティーノこと<br />フランチェスコ達のイタリア人二人がその後を追っていく。<br />フランチェスコは私がプレゼントした巡礼杖をついてくれて<br />いるだろうか。<br /><br />コンポステーラまで約600kmの巡礼行程がある。<br />これからたくさんの人間ドラマがありそうだ。<br /><br />しかし、私のカミーノは今、ここで終わってしまった。<br /><br />私が再度踵を返してバス停に向かって歩き始めると<br />また透き通った、冷たい、灰色をしたベールが<br />静かに私を包み始めた。<br /><br />バス停に着くまでには私の体は蚕のように<br />この灰色のベールに<br />しっかりと包まれてしまうであろう。<br /><br />以下でその後の行程について説明する。<br /><br />サンセバスチャンでは美味しいピンチョスバーが<br />わたしを待っていた。<br />

還暦一人旅帰還の道程(1日目)別れ、最後の出逢い、そしてサンセバスチャンのピンチョスへ

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2015/07/27 - 2015/07/28

31位(同エリア393件中)

2013tomo

2013tomoさん

写真はサンセバスチャンのピンチョスバーで飲んだ
白ワインの「チャコリ」である。
バスコ地方で好んで飲まれるこの辛口の白ワインは
海産物のピンチョスに良く合う。
わたしは「チャコリ」と一緒に
「チピロネス(小さな白いイカ)を
食べたかったのだが…。

7月27日早朝6:30、私はログローニョのバス停へむかった。

その前にカミーノ(巡礼路)の別れと、最後の出逢いがあった。

<別れの風景>

2日間一緒に歩いたジャニーヌさんと早朝に別れた。
彼女はこれから向かう巡礼路へ、
私はフランスとの国境の町である
サンセバスチャンへ向かうバス停へ
それぞれ反対方向へ歩き出す。

私が
「さようなら。」と言う前に
もう彼女は涙目である。
突然私の口からフランス語が飛び出した。
「アレ、アレ ア コンポステーラ(コンポステーラへ行きなさい)
 ヴ ネッパ ソロ  マンティノン(今、あなたは一人ではない)
 マルシェ アベック サンジャック(聖ジャックとともに歩きなさい)」
"Allez, allez à Compostelle.
Vous n'êtes pas seul maintenant.
Marcher avec Saint Jack."
※聖ジャックはフランス語でサンジャック、
 英語でセントジェームス、
 スペイン語でサンチャゴと呼ばれている。

お遍路の「同行二人」という考えが基調になって
こんな言葉が突然、フランス語で出てきたと思う。
(何だか不思議ですね…。)

ジャニーヌさんは今は本当に泣き出した。

私たちはハグして別れた。

出逢いの数だけ別れがあるのだと改めて思った。

私は踵を返してバス停に向かった。

冷たい、透き通った、灰色をしたベールのようなものが
静かに私の体を包み始めた。

孤独という名前の空気だろうか。

<最後の出逢い>

10m程歩いてゆくと前方に大きな人影がこちらに
歩いてくるのが見えてきた。

大きな体に小さく見えるリュックサックが踊っている。

(あれは…あの「虹色のオーラ」をまとった米国人夫婦のご主人
 ではないだろうか? でも奥さまは何処?)

すると物陰から小柄な女性の姿が現れた。

二人は仲良く会話しているのか
向かい合った影が笑っているように
揺れている。

やっぱりそうだ!あの二人だ!

熱いものが私のおなかから胸に突きあがってきた。

「おはよう!(Good morning!)」と大きな声を二人に送った。

二人の影は驚いたように立ち止まる。

「僕だよ!Tomoですよ!(It's me!Tomo!)
と言うと、
二人の影は足を早めて近づいてくる。

私も彼らに向け足を早めた。

二人の顔が見えてくる。

奥さんの目に涙が滲んでいるのが見える。

ご主人は満面の笑みを浮かべている。

私が
「何てことなんだ…。
 神様が最後の『さよなら』を
 言うチャンスを僕にくれたんだ。
 もう泣きそうだよ(I am almost cring.)」
と言う。

奥さんが私に歩み寄って来てハグする。

ご主人が笑いながら握手の手を差し伸べてきた。

私は彼に歩み寄って力強くハグした。

ご主人が
「我われはこのカミーノ(巡礼路)で
いったい何度出逢ったのだろう?」
と聞いてきた。

私が
「7回以上ですよ。」
と応える。

しかしカミーノ(巡礼路)を行く巡礼者の足を
長く止めるわけにはいかない。

お互いに「ブエンカミーノ!」と言って別れた。

今頃、巡礼路を半泣きで歩いているジャニーヌさんの後を
5分遅れで「虹色のオーロラ」をまとった米国人の
巡礼カップルが追って行く、

そして恐らく30分後にシシリーのアルパティーノこと
フランチェスコ達のイタリア人二人がその後を追っていく。
フランチェスコは私がプレゼントした巡礼杖をついてくれて
いるだろうか。

コンポステーラまで約600kmの巡礼行程がある。
これからたくさんの人間ドラマがありそうだ。

しかし、私のカミーノは今、ここで終わってしまった。

私が再度踵を返してバス停に向かって歩き始めると
また透き通った、冷たい、灰色をしたベールが
静かに私を包み始めた。

バス停に着くまでには私の体は蚕のように
この灰色のベールに
しっかりと包まれてしまうであろう。

以下でその後の行程について説明する。

サンセバスチャンでは美味しいピンチョスバーが
わたしを待っていた。

旅行の満足度
4.0
ホテル
4.5
グルメ
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
高速・路線バス 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • ログローニョのバス停待合室では私のように<br />灰色のベールに包まれた<br />旅人達がベンチに言葉少なに座っていた。<br /><br />朝が早いせいか一様に青白い不機嫌な顔をしている。<br /><br />私も同じように青白い不機嫌な顔をしているのだろうか。<br /><br />外の空気を吸いに待合室からバスの発車場に出てみる。<br /><br />そこでは到着した大きな鉄製のバスが<br />まるで深呼吸をするように<br />乗客を吐きだし、<br />出発する時にまた乗客を吸い込んでいた。<br /><br />私も定刻にサンセバスチャン行きのバスに<br />吸い込まれて出発した。<br />

    ログローニョのバス停待合室では私のように
    灰色のベールに包まれた
    旅人達がベンチに言葉少なに座っていた。

    朝が早いせいか一様に青白い不機嫌な顔をしている。

    私も同じように青白い不機嫌な顔をしているのだろうか。

    外の空気を吸いに待合室からバスの発車場に出てみる。

    そこでは到着した大きな鉄製のバスが
    まるで深呼吸をするように
    乗客を吐きだし、
    出発する時にまた乗客を吸い込んでいた。

    私も定刻にサンセバスチャン行きのバスに
    吸い込まれて出発した。

  • サンセバスチャンまでは約2時間半の行程であった。<br /><br />私が5日間かけて歩いた距離を<br />2時間半の短時間で飛ぶように走って行く。<br /><br />途中で雲行きが怪しくなり、<br />雷が光りはじめ<br />激しい雨が降り出した。<br /><br />カミーノ(巡礼路)を歩いている<br />巡礼仲間のことが心配だ。<br /><br />後ろ髪をひかれる思いがする。<br /><br />私はカミーノ(巡礼路)に恋してしまったに違いない。<br /><br />「老いが恋 わすれんとすれば しぐれかな」(与謝野蕪村)<br />という気持ちである。<br /><br /><br />

    サンセバスチャンまでは約2時間半の行程であった。

    私が5日間かけて歩いた距離を
    2時間半の短時間で飛ぶように走って行く。

    途中で雲行きが怪しくなり、
    雷が光りはじめ
    激しい雨が降り出した。

    カミーノ(巡礼路)を歩いている
    巡礼仲間のことが心配だ。

    後ろ髪をひかれる思いがする。

    私はカミーノ(巡礼路)に恋してしまったに違いない。

    「老いが恋 わすれんとすれば しぐれかな」(与謝野蕪村)
    という気持ちである。


  • バスは昼前にサンセバスチャン<br /><br />のバスターミナルへ到着した。<br /><br />雨はもう土砂降りになっていた。<br /><br />この状態で観光情報センターを<br />探して歩くのは大変だ。<br /><br />バス停の横を見ると大きなホテルが見えた。<br /><br />取りあえずこのホテルに泊まろうとホテルの玄関ドアを<br />くぐった。<br /><br />(写真はこのホテルだが、翌日に写真を撮ったので<br /> 雨は降っていない)<br /><br />ホテルはHOTEL AMARA PLAZAだ。

    バスは昼前にサンセバスチャン

    のバスターミナルへ到着した。

    雨はもう土砂降りになっていた。

    この状態で観光情報センターを
    探して歩くのは大変だ。

    バス停の横を見ると大きなホテルが見えた。

    取りあえずこのホテルに泊まろうとホテルの玄関ドアを
    くぐった。

    (写真はこのホテルだが、翌日に写真を撮ったので
     雨は降っていない)

    ホテルはHOTEL AMARA PLAZAだ。

  • 玄関をくぐるときホテルのランクを示す<br />標識を見た。<br /><br />4つ星ホテルだ。「お値段が高そう!」<br /><br />フロントの女性に<br />「予約はしていないのですが宿泊できますか?」と<br />尋ねる。<br /><br />フロントの女性がきれいな英語で<br />「できますとも。」<br />と応える。<br /><br />「一泊いくらですか?」<br />と尋ねると、<br /><br />彼女は<br />「○○ユーロです。」と言う。<br /><br />私は一瞬、その金額が理解できない。<br /><br />彼女は私が英語が分からないのだろうと思ったのか<br />メモ用紙を取り出して金額をゆっくり書いてくれた。<br /><br />一泊何と160ユーロだ!<br /><br />私は即答できず息をのみこんだ。<br /><br />公的アルベルゲ宿泊の10日分以上だ。<br /><br />※スペインの公的アルベルゲは1泊12ユーロ前後<br /> で泊まれる。<br /> 夕食は巡礼者料金で10ユーロ。<br /> ワイン1本付き<br /> 前菜、主菜、デザート付の合計で<br /> この値段である。<br /><br />「朝食込みですか?」<br />と聞くと。<br /><br />「このお値段には朝食は含まれておりません。」<br />とおすまし顔で事務的な答えが帰って来る。<br /><br />フロントの中にいる男性スタッフがチラリと<br />こちらを見る。<br /><br />わたしは振り返ってホテルの外を見る。<br /><br />外はまだ土砂降りの雨だ。<br /><br />私は清水の舞台から飛び降りた気持ちで<br />「一泊だけお願いします。」と<br />応えるのが精いっぱいであった。<br />

    玄関をくぐるときホテルのランクを示す
    標識を見た。

    4つ星ホテルだ。「お値段が高そう!」

    フロントの女性に
    「予約はしていないのですが宿泊できますか?」と
    尋ねる。

    フロントの女性がきれいな英語で
    「できますとも。」
    と応える。

    「一泊いくらですか?」
    と尋ねると、

    彼女は
    「○○ユーロです。」と言う。

    私は一瞬、その金額が理解できない。

    彼女は私が英語が分からないのだろうと思ったのか
    メモ用紙を取り出して金額をゆっくり書いてくれた。

    一泊何と160ユーロだ!

    私は即答できず息をのみこんだ。

    公的アルベルゲ宿泊の10日分以上だ。

    ※スペインの公的アルベルゲは1泊12ユーロ前後
     で泊まれる。
     夕食は巡礼者料金で10ユーロ。
     ワイン1本付き
     前菜、主菜、デザート付の合計で
     この値段である。

    「朝食込みですか?」
    と聞くと。

    「このお値段には朝食は含まれておりません。」
    とおすまし顔で事務的な答えが帰って来る。

    フロントの中にいる男性スタッフがチラリと
    こちらを見る。

    わたしは振り返ってホテルの外を見る。

    外はまだ土砂降りの雨だ。

    私は清水の舞台から飛び降りた気持ちで
    「一泊だけお願いします。」と
    応えるのが精いっぱいであった。

  • さすがに4つ星ホテルの部屋は素晴らしい。<br /><br />広くて清潔だしテレビもある快適な住環境だ。<br /><br />しかし久しぶりで”高級”ホテルに宿泊するので<br />場違いな感じがする。<br /><br />カミーノの巡礼がこんなホテルに宿泊しても<br />良いのかなあ。

    さすがに4つ星ホテルの部屋は素晴らしい。

    広くて清潔だしテレビもある快適な住環境だ。

    しかし久しぶりで”高級”ホテルに宿泊するので
    場違いな感じがする。

    カミーノの巡礼がこんなホテルに宿泊しても
    良いのかなあ。

  • ホテルで昼食を食べようと思ったが<br />ホテルのレストランのお客様は<br />みなさん上品な方々なので気後れしてしまい<br />中に入れなかった。<br /><br />仕方がないので外で食べようと思い<br />ホテルを出た。<br /><br />大通りを海に向かって100m程歩くと<br />右側にピンチョスバルが見えてきた。<br /><br />店の外のスタンドでは数名のお客様が<br />楽しそうにお喋りしながらピンチョスを<br />つまんでいる。<br /><br />感じが良い店なので中に入ってみた。

    ホテルで昼食を食べようと思ったが
    ホテルのレストランのお客様は
    みなさん上品な方々なので気後れしてしまい
    中に入れなかった。

    仕方がないので外で食べようと思い
    ホテルを出た。

    大通りを海に向かって100m程歩くと
    右側にピンチョスバルが見えてきた。

    店の外のスタンドでは数名のお客様が
    楽しそうにお喋りしながらピンチョスを
    つまんでいる。

    感じが良い店なので中に入ってみた。

  • お店の中のカウンターケースには美味しそうな<br />ピンチョスがズラリと並んでいた。<br /><br />早速ワインを注文しピンチョスをお願いした。

    お店の中のカウンターケースには美味しそうな
    ピンチョスがズラリと並んでいた。

    早速ワインを注文しピンチョスをお願いした。

  • 3皿ほど食べたがどれも美味しい。<br /><br />マスターに<br />「これは全部あなたが作ったの?」<br />と聞くと、<br /><br />「私にはこのピンチョスは作れません。<br /> みんな私の母が作って今朝運んできたものです。」<br />と言う。<br /><br />笑顔の明るい爽やかなマスターだ。<br />

    3皿ほど食べたがどれも美味しい。

    マスターに
    「これは全部あなたが作ったの?」
    と聞くと、

    「私にはこのピンチョスは作れません。
     みんな私の母が作って今朝運んできたものです。」
    と言う。

    笑顔の明るい爽やかなマスターだ。

  • 「チャコリとチピロネスはありますか?」<br />と聞くと、<br />「チャコリはありますがチピロネスはありません。<br /> 今日はチピロネスの水揚げがない日なのです。<br /> あしたは漁がある日なので朝の市場で私が見てきます。」<br />という応えだった。<br /><br />仕方がないのでチャコリだけ注文し、<br />このワインに合うピンチョスをお願いした。<br /><br />白ワインのドライな味と新鮮な魚の酢漬けの味が程よく<br />絡み合ってとても美味しかった。<br /><br />美味しいお酒と料理を食べるとすぐに幸せになる。<br /><br />カミーノ(巡礼路)を離れた寂しさはたちまち消えていた。<br /><br />お支払いは最後に一括して支払う。<br />お値段はワインも含んで全部で25ユーロであった。

    「チャコリとチピロネスはありますか?」
    と聞くと、
    「チャコリはありますがチピロネスはありません。
     今日はチピロネスの水揚げがない日なのです。
     あしたは漁がある日なので朝の市場で私が見てきます。」
    という応えだった。

    仕方がないのでチャコリだけ注文し、
    このワインに合うピンチョスをお願いした。

    白ワインのドライな味と新鮮な魚の酢漬けの味が程よく
    絡み合ってとても美味しかった。

    美味しいお酒と料理を食べるとすぐに幸せになる。

    カミーノ(巡礼路)を離れた寂しさはたちまち消えていた。

    お支払いは最後に一括して支払う。
    お値段はワインも含んで全部で25ユーロであった。

  • 結局夕食もこのピンチョスバルで食事をした。<br /><br />種類が多いので何回かに分けて食べたほうが良い。<br /><br />赤ワインも種類が多いので幾つかを頼んでみた。

    結局夕食もこのピンチョスバルで食事をした。

    種類が多いので何回かに分けて食べたほうが良い。

    赤ワインも種類が多いので幾つかを頼んでみた。

  • 翌日午後のバスの出発前も昼食を<br />ここでいただくことになる。<br /><br />昨日、今日と3回連続でサンセバスチャンで<br />ピンチョスを味わうことが出来た。<br /><br />ただ残念なことに今日もチピロネスの水揚げは<br />なかった。<br /><br />サンセバスチャンにはもう一度来なくては<br />いけないかも(チピロネスのために!)。

    翌日午後のバスの出発前も昼食を
    ここでいただくことになる。

    昨日、今日と3回連続でサンセバスチャンで
    ピンチョスを味わうことが出来た。

    ただ残念なことに今日もチピロネスの水揚げは
    なかった。

    サンセバスチャンにはもう一度来なくては
    いけないかも(チピロネスのために!)。

  • サンセバスチャンのピンチョスバルの若いマスター。<br />笑顔が爽やかだ!<br /><br />ワインとピンチョスの美味しい組み合わせ方を<br />親切に教えてくれた。<br /><br />お客様の対応も上手で友達が多いようだった。

    サンセバスチャンのピンチョスバルの若いマスター。
    笑顔が爽やかだ!

    ワインとピンチョスの美味しい組み合わせ方を
    親切に教えてくれた。

    お客様の対応も上手で友達が多いようだった。

  • 食事の後は大通りを北に進みサンセバスチャン駅を<br />通り越してコンチャ海岸まで散歩した。<br /><br />※「コンチャ」は”貝殻”という意味である。<br /> 浜辺が美しい曲線で構成されていて貝殻の<br /> 曲線をイメージさせる。<br /> カミーノ(巡礼路)のシンボルも「コンチャ(貝殻)}なので<br /> この海岸とはご縁がありそうだ。

    食事の後は大通りを北に進みサンセバスチャン駅を
    通り越してコンチャ海岸まで散歩した。

    ※「コンチャ」は”貝殻”という意味である。
     浜辺が美しい曲線で構成されていて貝殻の
     曲線をイメージさせる。
     カミーノ(巡礼路)のシンボルも「コンチャ(貝殻)}なので
     この海岸とはご縁がありそうだ。

  • 浜辺は天気が悪かったせいか人が少なかった。<br /><br />しばらく海風に吹かれながら海岸通りを散歩した。<br /><br />考えてみると海を見るのは久しぶりだった。<br /><br />正面に見えるのはイゲルドの丘。

    浜辺は天気が悪かったせいか人が少なかった。

    しばらく海風に吹かれながら海岸通りを散歩した。

    考えてみると海を見るのは久しぶりだった。

    正面に見えるのはイゲルドの丘。

  • 28日にはスペインとフランスの国境を越え<br />フランスのバヨンヌの町までバスで行く。<br /><br />8月2日にバヨンヌからTGVでパリのモンパルナス駅<br />に行き、翌日はドゴール空港からイスタンブール経由で<br />日本へ帰国する予定だ。<br /><br />暫く日にちがあるので体と心のリハビリをしながらゆっくりと<br />前に進んで行こう。<br /><br />毎日、しっかり食べて飲んでいるのでせっかく減量した体重が<br />みるみるもとに戻って行くようだ。<br /><br />家内にカミーノ減量の効果を見せられないのが残念。

    28日にはスペインとフランスの国境を越え
    フランスのバヨンヌの町までバスで行く。

    8月2日にバヨンヌからTGVでパリのモンパルナス駅
    に行き、翌日はドゴール空港からイスタンブール経由で
    日本へ帰国する予定だ。

    暫く日にちがあるので体と心のリハビリをしながらゆっくりと
    前に進んで行こう。

    毎日、しっかり食べて飲んでいるのでせっかく減量した体重が
    みるみるもとに戻って行くようだ。

    家内にカミーノ減量の効果を見せられないのが残念。

  • 7月28日は快晴であった。<br /><br />楽しい国境越えになりそうだ。<br /><br />しかし、バヨンヌの町では思わぬ<br />ハプニングが私を待っていた。<br /><br />次回ではその対応と結果が私に<br />素晴らしい出逢いをもたらした<br />経緯について報告します。

    7月28日は快晴であった。

    楽しい国境越えになりそうだ。

    しかし、バヨンヌの町では思わぬ
    ハプニングが私を待っていた。

    次回ではその対応と結果が私に
    素晴らしい出逢いをもたらした
    経緯について報告します。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • ElliEさん 2019/10/24 00:56:22
    いつか行きたいカミーノ
    2013tomoさん

    はじめまして。
    いつかカミーノ行きたいと思って時々ウェブ検索していますが、
    巡礼路を全部一人で!還暦の方が!歩かれたブログに出会ったのは、はじめてだと思います。
    今まで「最短距離はどこだろう?」「自転車の方がラクかな」などと思っていた自分が恥ずかしいです。
    私は還暦過ぎたところなのですが、勇気をもらいました!

    じっくり読んでみたいので、フォローさせていただきますね。

    麗江古城の中国人ツアーも、すごいです!
    なかなかのチャレンジャーでいらっしゃるんですね。
    ヘタレで小心者なくせに好奇心旺盛な私は、こういう方にくっついていったら面白いだろうな~。なんて思います。




    2013tomo

    2013tomoさん からの返信 2019/10/24 03:44:29
    Re: いつか行きたいカミーノ
    ElliE様

    2013tomoです。
    お便りいただきありがとうございます。

    私のサンチャゴ巡礼のブログを読んでいただき
    ありがとうございます。
    私たち(2013tomo)の旅はいつもは家内との
    連れ合い二人旅なのですが
    巡礼の旅では彼女の「何百キロも歩くなんて信じられない!
    汽車か、バスか、タクシーで行けばもっと早く目的地に
    到着するのに…。」という言葉を振り切って一人旅を
    始めてしまいました。
    巡礼の道は合計で4回、約1500㎞を歩いたと思います。
    おかげさまでユーラシア大陸東端のウラジオストック
    (これはシベリア鉄道で)から西端のフィニステーレまで
    一人旅を楽しむことができました。
    いつも口の中で「poco a poco,a pie a pie(少しずつ、
    一歩ずつ)」とお経のように唱えながら歩いていました。
    巡礼の途中で一人の女性巡礼者から次のような質問を
    されました。
    「あなたが歩く目的は何なの?」(いつも聞かれる質問です)
    私は少し考えてから、
    「地理的な目的地はサンチャゴ・デ・コンポステーラかな?
    でも心の中の目的地は私の妻が待っている日本です。」
    という答えが思わず口から出てしましました。
    「早春の 妻待つ国へ 胸はやる」(tomo作)

    巡礼の途中ではたくさんの出逢いを頂きました。
    人間も、街も、美味しい食べ物やワインも、風も、自然も、
    すべてを含めて楽しい想い出が凝縮された旅となりました。
    時々ブログを読み返して(「いいね」を頂いたときなど)
    「私は本当にこの道を歩いたのだろうか?」という気持ち
    になることがあります。
    カミーノは不思議な魅力が溢れています。
    チャンスがありましたら歩いてみてください。
    私がカミーノを歩く前に読んだ本を紹介いたします。
    「星の旅人」(スペイン「奥の細道」)角川文庫、黛まどか著
    「カミーノ」(魂の旅路)飛鳥新社会、シャーリー・マクレーン著

    それでは"Buen Camino!"
    良い旅を楽しんでください。
  • Pメテオラさん 2017/10/01 14:10:17
    還暦の風格
    還暦の風格が表れている物語を味わいながら読みました。いつか、この道を歩く日がくるのを楽しみにしていますので、その感慨を味わいました。よき日々をすごせますように。

    2013tomo

    2013tomoさん からの返信 2017/10/09 20:53:22
    RE: 還暦の風格
    > 還暦の風格が表れている物語を味わいながら読みました。いつか、この道を歩く日がくるのを楽しみにしていますので、その感慨を味わいました。よき日々をすごせますように。

    pメテオラ様

    こんばんわ2013tomoです。

    お便り頂きありがとうございます。

    先月中旬から本日の夕方までイギリスとカナダを旅していましたので
    お返事するのが大変遅くなってしまいました。
    誠に申し訳ありません。
    今回の私の旅は「ケルトの水脈を訪ねる」というテーマで
    スコットランドのハイランド地方(スカイ島)から湖水地方、コッツウォルズを経て
    カナダのプリンス・エドワード島を訪ねることでした。
    でもあまり明確な目的を持って旅をすることは本来の「旅」と馴染まなかったのではと
    少し反省しています。
    ボードレールの「旅」という詩の中に次のような言葉があります。
    「行かむがために行く者こそまことの旅人なれ。何の故とも知らずして
    ただ行かむ行かむと叫ぶ」(「悪の華」永井荷風訳)
    この詩は若山牧水も愛吟していたようで彼の「幾山河越え去り行けば・・・」
    という歌にも影響していたと何かの本で読んだことがあります。

    私自身は「還暦の風格」にはまだまだ遠く及ばない未成熟な旅人です。
    しかしこれから残された人生を旅を通して時間の風韻を少しでも味わって
    みたいと考えています。

    旅を愛する同友としてこれからも大いに旅を楽しみましょう。

2013tomoさんのトラベラーページ

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