2015/07/01 - 2015/07/20
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2013tomoさん
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写真はカテドラルの正面入り口から
ル・ピュイの街並みを見下ろしたもの。
遠くにこれから越えていく山々が見える。
7月1日、フランス巡礼路1日目。
Le Puy en-VelayからMontbonnetまでの
19.3キロを歩く(しかし、最後に道に迷い8キロ程余分に歩く
ことになってしまった)。
8時半、ル・ピュイのホテルにチェックイン
だけして荷物を置かしてもらう。
まず大聖堂に行く。
早朝ミサはもう終了しているので誰もいない。
座席に座って「これからの巡礼をお守りください」
と頭を下げる。
祭壇に祭られている黒い聖母子像に黙礼していると
神父さんが現れる。
クレデンシャルへのスタンプをお願いすると奥の
部屋に連れて行かれてスタンプを押していただいた。
大聖堂を正面から出るとル・ピュイの町が眼下に
広がる。
ここから巡礼路がスペインのコンポステーラまで続い
ているのだ。
町へ出て新生銀行のカードでATMから現金を引き出す。
100ユーロずつ当面の必要金額だけを引き出す。
街角にある巡礼専門店でこれからの巡礼の相棒である
杖を買う。
いろいろ種類があったが黒光りする頑丈そうな杖を
11ユーロで購入した。
一目ぼれという感覚である。
この杖はこれから約1か月間私を支え守り続けてくれた。
店のマダムが
「巡礼さん。今年の夏は異常に暑いから水の補給を十分に
してくださいね。」
と親切なアドバイスを頂く。
更に今年はこの暑さのため巡礼者は例年より少ないとの
情報を頂いた。
ホテルに帰り荷物を整理して10時に巡礼に出発。
今日は出発が遅くなったので20キロほど歩いてMontbonnetの
村のジットに泊まる予定を立てる。
時速3キロのスピードで歩いても7時間後の午後5時に到着する
ことになる。
夕食が7時ごろから始まるからシャワー、洗濯もゆとりを持って
対応できると思っていた。
飲料水は取りあえず3リットル持って行くこととする。
ところが、最後の村まで5キロのところで私は道に迷ってしまった。
気が付いてみると地図にも表示されていない村に着いてしまった
のである。
以下でこの日の顛末を説明する。
- 旅行の満足度
- 4.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ル・ピュイの町は歩いている巡礼姿が
見えない。
今日のグループは既に出発してしまった
のであろうか。
大聖堂を訪れる巡礼もいたが荷物を担いで
いないので明日出発する人だろう。
今日は私一人で歩くことになるかもしれない。
2013年の早春と晩春にスペインの巡礼路を
歩いたが今回はその時よりも歩く巡礼が少ない
ようである。
励まし合う仲間が少ないのは少しさみしい気持ちが
する。 -
ル・ピュイの町から5キロ程歩いたところに展望台があった。
途中でフランス映画「サンジャックへの道」でみた風景があり
そこで撮影された一コマ一コマを思い出しながら歩いた。
ここまでフランス人の若い巡礼者一人にあっただけである。
彼は2リットル入りのペットボトル2本を携帯していた。
暑さのせいか彼もゆっくりしたスピードで歩いていた。
ここまでは道も単調であり迷う危険性は少ない。
しかし、巡礼路の表示がスペイン巡礼路と比べて小さいので
見落とすことが多い。
意識しているのだが歩いているうちに暑さで頭がボーっと
してきて気づかずに通り過ぎてしまうことがあるようだ。
ジットに宿泊している時、フランス人と話していると彼らも
見落としてしまうことが多いと言っていた。
標識確認は今後の課題になりそうだ。 -
更に3キロ歩いた先の村の入口に休憩所が設置され
軽食と飲み物を販売していた。
私は歩いているときは昼食は水分補給だけで食べ物は
取らないようにしているのでジュースだけを注文した。
冷えて美味しくて2本も飲んでしまった。
ここでフランス人男性4人連れに会った。
彼らとはこの日宿泊するジットで一緒になる。
村のはずれには巡礼標識と飲料水補給所があった。
ここで携帯していた水をすべて新鮮で冷たい水に交換する。
携帯している水にまだ余裕があっても
補給処があれば交換しておくことが大切であることは
その日の最後になって改めて
認識することになる。
ここで最初に出会ったフランス人の若者と一緒になる。
他のフランス人グループと交流せず距離を持って歩いているのが
気になった。
巡礼路では巡礼同士の情報交換、助け合い、励まし合いが
辛くなってきたときに大きな力を発揮することは
スペイン巡礼で私も経験した。 -
「写真は夕方にようやくたどり着いたジットの正面。
奥に干している洗濯物が見える。」
飲料水補給処から6キロ程あるき目的地のMontbonnetまで
あと5キロのところでどうも道に迷ったようである。
歩いても歩いても巡礼標識が見えてこない。
あとしばらく歩けば見えてくるに違いないと歩き続けた。
しばらくしてようやく村の入り口である十字架が見えてきた。
ようやくMontbonnet村に到着したのかと標識を見ると村の名前が違う。
あわてて地図を調べるが村が小さいせいか名前が記載されていない
仕方がないので村の中に入って行くと老人が庭先に座っていた。
フランス語でこの村の名前とMontbonnet村の位置を確認すると
正しい道から4キロ程離れた村に来てしまったらしい。
時間は既に3時半過ぎ、足の指が痛くなってきたし(実はマメが
できていた)、水も3分の一までに減って来ていたのでこの村に
宿泊することも考える。
しかしB&Bらしきものがあるが閉まっていて人気がない。
広場にバルがあるがこれも閉まっていて人気がない。
仕方がないのでB&Bの前に座ってしばらく待っていたが
時間だけが無為に過ぎていく。
急に自分が日本から遠くれたフランスの知らない土地で
心も体もくたくたに疲れ果てて一人で座り込んでいる
ことに気が付いた。
一瞬だが心の中の気弱な自分が「巡礼はもうやめようか。」と
つぶやくのが聞こえた。 -
しかし、もう一人の私が「ここで巡礼を中止したらあと残り少ない人生を
ずっと後悔することになるぞ。」と励ます。
「よし、迷った地点まで持ってみよう。」と立ち上がってみる。
しばらく座って休憩していたおかげで私の体力は回復していた。
飲料水もあと1リトル残っているので7キロは歩くことができる。
(私は水1リットルで炎天下7キロ歩けることを経験で知っていた)
歩く速度をアップして来た道を引き返す。
1時間ほど歩くと迷った地点まで戻ってきた。
するとそこに男女の巡礼カップルが休憩していた。
彼らも道に迷ったので引き返してきたようである。
他にも迷う人がいたのだと変に安心した。
彼らと助け合いながらMontbonnet村にようやくたどり着き
予定のジットに到着したのが7時少し前。
9時間近く歩いたことになる。
距離にすれば27キロ弱か。
でも夕食時間にギリギリ間に合った。
彼らはジットの庭を借りてテントに泊まるようだ。
夕食はビールも飲めたし、途中で知り合ったフランス人
一行やオランダ人夫婦、カナダのケベック州から来た
若い女性と一緒に楽しい時間を過ごすことができた。
数時間前には「もう巡礼は止めようか」と気弱になっていた
自分が嘘のようである。
しかし弱い自分はいつも内在していることも事実だ。
困難な状態に遭遇しても簡単にくじけずに「勇気」と「希望」
を持って前に進むことが大切であるということを改めて認識
したフランス巡礼路の1日目であった。
明日も様々なことがあるだろうが歩き続けよう。
巡礼2日目は「灼熱の山越えでまたも苦労」を報告します。
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この旅行記へのコメント (4)
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- Masakatsu Yoshidaさん 2019/09/06 10:45:53
- お詫び
- 既に同様のコメントを書いたことを忘れ、再び繰り返してしまい、大変失礼しました。
-
- Masakatsu Yoshidaさん 2019/09/06 10:40:28
- 巡礼初日から道に迷い、悲哀を味わいましたね!
- 2013tomoさんは、巡礼初日からいきなり道に迷ってしまい、大変心細い経験をされましたね!
実は、私がフランスの巡礼路を始めて歩いたのは、2007年10月でカオールからモワサックまでの70kmです。カオールを出発して1時間経った頃、私も道に迷いました。その時、同様に迷ったフランス人の二人連れと出会いました。この二人連れの助けで、正しい巡礼路に戻ることができました。
巡礼者は、欧米人が多いですが、誰でも道に迷った経験があると言っていました。
-吉田
- 2013tomoさん からの返信 2019/09/06 16:36:22
- Re: 巡礼初日から道に迷い、悲哀を味わいましたね!
- 2013tomoです。
次の旅行準備をしていてお返事するのが
遅くなってしまいました。
申し訳ありません。
(近いうちに雲南省の香格里拉方面を訪ねる予定です)。
私はサンチャゴ巡礼路でもよく道に迷いましたが
他の旅行中でもやはり道に迷って途方にくれてしまう
ことがよくあります。
(私は天性の方向音痴のようです)
でもこれも旅の味わいを深くする出来事として素直に受け入れる
様にしています(その時はとても慌てますが)。
結果として新たな出逢いが有ったり、美しい風景に触れること
ができるので「これで良いのだ」となんとなく納得しています。
人生もそうかもしれませんが旅は想定外の出来事が多いほうが
思い出が深くなるものだとあきらめています。
巡礼路では相田みつをさんの「生きているうち、
はたらけるうち、日のくれぬうち。」と同じで何処かの
巡礼宿にたどり着くまで歩き続けるしかないという毎日でした。
毎日が「日々新た」ということかもしれませんね。
-
- Masakatsu Yoshidaさん 2017/04/19 11:35:15
- 巡礼で、道に迷うのは避けられないですね!
- 私も、2015年秋に、ル・ピュイ・アン・ヴレイからフィジャックまでの、VIA PODIENSISと言うルートを歩きました。その時は、過去の巡礼で親しくなったフラン人でル・ピュイに住んでいる友人が2日間一緒に歩いてくれたので、道に迷うことはありませんでした。
しかし、2007年に初めてフランスのカオールから巡礼道を歩いたときは、出発してから1時間も経たぬうちに道に迷い、自分のいる場所が全く分からなくなってしました。しかし幸運だったのは、同じく道に迷ってしまったフランス人男女の二人連れと出会ったことでした。3人で地図を眺めながら現在位置をチェックし、本来の巡礼道に戻ることができました。ロスした時間は40-50分ほどでした。その後は、3人の眼で巡礼道のマークを確認しながら歩いたので、迷うことはありませんでした。
しかし、色々な事情で一人で歩くことは少なくありません。従って、私は自主的なルールを作りました。巡礼道のマークを5分間見なかったときは要注意、7-8分経ってもマークがないときは前回マークを見た場所まで引き返すと言うものです。この原則を実践することにより、大きな時間ロスを防ぐことができました。
、
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